怪獣超戦艦   作:ロールクライ

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書き方を少しだけ変えました。





邂逅

 

 

 

 

朝の空気は澄んでいた。

潮の匂いと、土の匂い。自然の匂いが鼻をくすぐる。

 

怪獣が公の場に現れて数か月。

こうして騒ぎになっているはずなのに怪獣がいなければ何も変わらない。

 

「……頑張らないと。」

 

汗を拭いながら、防人このえは息を整える。

 

自衛隊の演習場では味わえない、ゆるやかな空気。

この場所に帰るたびに、何も変わらないことに安心する。

 

ふと、河川敷の先にひとりの少女が座っているのが見えた。

 

雪のように白い髪と肌がそれでいて着物風のワンピースがよく目立っていた。

 

「珍しい…観光客かな?」

 

ベンチに座り、何もない海を眺めている。

なにをしているのだろうか。

もしかして、U.M.Fだったりしてなんて妄想しながらジョギングを再開しようと呼吸を整えていた。

 

「エ…。」

 

思わず、ホラー映画のワンシーンを思い出した。

さっきまでベンチで座っていたはずの少女が。

 

今、目の前にいる。

 

「オカシイ。」

 

目の前に来た彼女はそう言った。

確かに、あの速度はおかしいと思うというのを隠して、このえは改めて少女に問う。

 

「どうかしたの?」

 

「…人は、何もせず眺めている人がいれば手を差し伸べるのものではないの?」

 

…ん?

 

頭の中が空っぽになったみたいに何もでない。

脳の命令を体が拒否してみるみたいに。

 

というより、人はって何だろう。この少女だって人のはずだ。

もしかしてほんとに幽霊とかエイリアンとかそんなのだったりでもする?

 

もしそうなら怪獣に続いての大発見だ。

 

「…もしかして、迷子とか?それと、助けが欲しいならちゃんと、人に声をかけなくちゃ。」

 

そう、注意をすると、彼女は驚いたような顔をして氷のように固まってしまった。

地雷とかだったというよりもシンプルに知らなかったという方が正しいのだろうか。

 

確かに彼女ほど目立っていればいずれはそうなるかもしれないだろう。

でも、声をかけてくれる人がいい人なんて保障はないんだから、やっぱりちゃんとした知識を身に着けておくべきだろう。

 

「あなた、名前は?」

 

そうこのえが聞くと彼女は氷のように固まった状態から動き出し、このえを見る。

 

「…アサギリ。」

 

「────え?」

 

彼女のそれを聞いた途端今度はこのえが固まった。

 

単純に、外国人のような見た目なのに日本人みたいな名前だったからなどではない。

──朝霧、という単語そのものにここ最近で聞き覚えがありすぎたからだ。

 

初めて人類が観測した未確認機動艦体(U.M.F)──朝霧。

 

それと同じだったから。

 

それと同時に少し納得した。たまたま名前が一緒だったから、名前を聞かれた時にどう対処していいのかわからなかったのだろう、と。

 

「どうしたの?」

 

「…ああ!ごめん。それで迷子かな?親御さんは?」

 

「わからない──?親…親はいないと、思う。」

 

「もしかして、記憶がないの?」

 

「違う…いや、そう?わからない。」

 

問答をしつつ、的確に朝霧の状況を見る。

 

呼吸は異常はなし。

返答もちゃんとできる。

 

「なんか、こう。最近見た印象的なモノみたいなのはない?」

 

「印象的なモノ…怪獣?」

 

「怪獣…?」

 

彼女は確かにそう言った。

嘘を言っているようには見えない。

 

もし本当にこの周辺で怪獣を見たのなら、それは…1年前に起こった首都での幼体オロチ出現以来の怪獣による街への侵入を許すことになる。

 

それはこのえにとってTaPs及び自衛官としてもこの高知市育った身としても許せるものではなかった。

 

「…朝霧ちゃん、怪獣をどこで見たの?」

 

「向こう。」

 

彼女が指を指したのは遥か彼方の水平線。

海面に向かって指を指す彼女の先には白波が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「朝霧ちゃん、無事かな。」

 

第50普通科連隊に組み込まれ装備を身に着けたこのえはそう口に出した。

 

早期的な発見により、怪獣対策本部が設置され自衛隊が沿岸部に配置されていた。

 

高知市はすぐさま避難勧告がなされ、今ではガラッと人が減っている。

 

とは言っても、勧告が出されたのはつい1時間前であり、渋滞によって住民が避難しきれていないのも現状であった。

 

さらにいえば、今回現れた怪獣ヒルコは前日に宮古島沖に現れたばかりであり、日本国の艦艇もとい怪獣対策の『T-PaK』協定に基づかれた日米豪比尼秦越合同艦体はそちらの方面に出向いている。

陸上でも戦力を九州方面に集中させたおかげで今にも高知市に上陸しそうなヒルコに回せる戦力は第50普通科連隊だけであった。

 

第15即応機動連隊はすぐに出撃こそしたもののまだ到着までに1時間と少しかかるとのことだった。

 

だから、ヒルコという巨大な怪獣相手に1個連隊だけ対処しなければならないのである。

 

そうしている間に航空自衛隊のF-2による攻撃が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わからんな。」

 

そう言ったのは金髪をピッグテールにした女性であった。

甲板の上で座り手すりに触れては、触れた手を見るのを繰り返す。

 

「この身体にしてもそうだ。そちらの命令とはいえ、潜入するわけでもないのに人間を模した身体を作るのは非合理的だとは思わないか?アシハラ。」

 

彼女…コンゴウの目の前には超戦艦のメンタルモデル──アシハラが立っていた。

 

今、この海域には大戦艦の金剛と超戦艦の葦原が並んでいる。

 

霧の艦隊を敵とするならば、この戦力に勝てる戦力を集めるのすら難しいだろう。

 

「…合理的だとは言わないよ、コンゴウ。でも、わたしたちにはこの感覚が必要だ。キミにもいずれわかるさ。」

 

「だといいがな。」

 

「キミが今思っていることをあてよう。何故、駆逐艦を人類に潜入させたのか、かな。わざわざ演算リソースを渡すくらいなら潜水艦にした方がマシだと。」

 

「それがわかっているのなら、どういうつもりだ。人類に手を貸す交渉役としてならば、駆逐艦である必要も人間の身体…メンタルモデルを用意する必要もないはずだ。」

 

コンゴウはアシハラを鋭い目つきで見る。

一方で、アシハラは口角を上げて答えた。

 

「成長するためだよ、コンゴウ。わたしたちには元々それがなかった。直線的な行動しかできないモノが予想外の行動に弱いのはわかるだろ?」

 

それだけとは到底思えんとはコンゴウは言わなかった。

 

アシハラにもアシハラなりの考えがあるだろう。

 

特段アシハラの行動はアドミラルティ・コードに反するものではない。

 

感情という未知のモノであれ、モノにすれば成長できるというのならコンゴウには興味がある。

 

だから、こうしてメンタルモデルを生成したのだ。

 

「…今はそれで納得してやろう。それで、私は何をすればいい。まさか、本当に話をするためだけに呼んだわけではないだろう?」

 

「…。」

 

アシハラは無言でにっこりとした笑顔をコンゴウに見せる。

 

「…はぁ、そうか。」

 

 

 

 

 

________________________________

 

 

 

 

 

やはり、コンゴウといえば、アニメ版のせいでマヤとセットにしたい気持ちがある…。

 

 

 

設定資料集

 

 

 

霧の大戦艦『金剛』

金剛型一番艦であり、本作では一応アシハラの次にメンタルモデルを生成した。戦術的な理解を示し、現状の霧の艦隊での戦闘シュミレーションはアシハラを除けばダントツである。

 

 

 

 

 

 

防人このえ

怪獣自衛隊に登場する主人公。怪獣自衛隊ことTaPsの隊員。

現状最も怪獣と相対している人間であり、幼体オロチの事件の後、米軍特殊部隊ニムロドで1年間訓練を受けた結果、レベルの高い兵士となった。

 

 

ヒルコ

体長が250mほどある怪獣であり、本作でも高知市に上陸しようとしている。

ただ、原作より避難状況がいいためヒルコが原作通りに動くことはないかもしれない。

衝撃波を放つこともできる。

余談だが、ヒルコとカガチをぶつけた場合、大きさなどの観点からヒルコが勝つ可能性が高い。しかしながら、そもそもカガチは亀のような怪獣であり硬く食事が難しいためヒルコ側が戦闘するメリットがあまりないというのがネックである。

 

 

 

 

 

 

 

掲示板回を作ってもよいか。

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