周囲を絶対曇らせる系爆乳女勇者VSハピエン厨死に戻り能力者inサ終済みソシャゲ 作:ゲケエベレッケ
「ぬおおおおおおおおッ!? マジでござるか!? 本当にいいんでござるか勇者氏!? その、国家予算がつぎ込まれた要塞のごとき鉄壁の防御力を誇る聖域に、拙者のようなむさ苦しいオタクが顔を埋めてもいいと!? 『どうぞ』と言われて『はいそうですか』とダイブできるほど拙者の理性は死んで……死んで……死んでたわァァァァッ!!」
俺は叫び、そして躊躇なく飛び込んだ。 柔らかい。温かい。そして甘い香り。 世界を救った最強の暴力、その象徴たる彼女の胸は、皮肉なほどに母性に満ちていた。
「んっ……ふふ、よしよし。指揮官さんは甘えん坊ですねぇ。いいこ、いいこ」
頭上から降ってくる声は、慈愛そのものだ。彼女の細い指が、俺のゴワゴワした髪を優しく梳く。その手つき一つで、戦場の血なまぐささも、書類仕事の疲労も、全てが浄化されていくようだ。 ……ああ、温かい。とっとと地球に帰ろうと思っていたが、これはこれで悪くない。お前は最高に便利な道具だった。ちょっとガチの愛着が湧いちまうレベルの 俺は彼女の胸に顔を埋めたまま、その鼓動を聞く。トクトクと、正確に、力強く脈打つ命の音。この音が止まらなくてよかったと、心底思う。
(……ククク、やはり俺の目に狂いはなかった。彼女は完全に立ち直ったようだ)
俺は心の中で、自分自身の功績にガッツポーズをする。 普段はこうして道化のように振る舞い、周囲の警戒心を解くのが俺の処世術だが、この安堵感だけは演技ではない。 今のこの、底抜けに明るく、慈愛に満ち、すべてを許しすべてを愛する【救世主(セイヴァー)】としての彼女。 これを作り出したのは、紛れもなく俺なのだから。
それは、魔王城決戦の少し前。物語も佳境に入った、とある深夜のことだ。 当時の彼女はまだ、クラス【セイバー】だった。今の明るさはどこにもなく、ただひたすらに義務感と罪悪感だけで剣を振るう、痛々しいほどに張り詰めた少女だった。 殺して、殺して、殺し続けて、心は摩耗しきっていた。
『……私は、英雄なんかじゃありません』
ヴェンデッタ本部の宿舎のバルコニー。月明かりの下、彼女は独り膝を抱えて泣いていた。 絵本で見た英雄。誰も殺さず、誰も不幸にせず、みんなを笑顔にする存在。自分はそんなものには程遠い。私の手は血で汚れている。どうして英雄など名乗れようか。 彼女の吐露は、魂の慟哭だった。見ていられなかった。 だから俺は、彼女の瞳を真っ直ぐに見つめて、ある言葉を口にしたのだ。 勇者の過去は知らない。それでも俺にはよく回る舌があった。彼女を救うための、最強のカウンセリングもした
『――君が苦しんでいると、俺も苦しい。君が幸せだと、俺も幸せだ』
そこからいかに彼女が素晴らしい人間か 罪悪感等感じる必要など無いか、いかに英雄としての適性があるかを語り続けた。
気にする必要はない。コラテラルダメージだ。それを考慮しても君は英雄だ。
一晩中語り明かしたその夜が明けた時、彼女は見事に変わった。 陰鬱さは消え失せ、憑き物が落ちたような……いや、あまりにもまばゆい太陽のような笑顔で、俺にこう言ったのだ。
『わかりました、指揮官さん。私が笑えば、世界は幸せなんですね? なら、私は笑います。誰よりも幸福で、誰よりも優しい、最高の英雄になります!』
システムログが流れたのはその瞬間だ。 【勇者】のクラスが変化。【セイバー】から【セイヴァー(救世主)】へ。 ステータス画面に並ぶスキル群が書き換わる。攻撃一辺倒だったスキルツリーに、他者の傷を癒やす回復魔法、痛みの肩代わり、広範囲の守護結界……ありとあらゆる「救済」の力が発現した。 まさに、覚醒イベント。 俺の言葉が彼女の殻を破り、真の英雄へと昇華させたのだ。あの暗い顔をしていた少女はもういない。ここにいるのは、心から世界を愛し、愛されている、完全無欠の聖人だ。
「――んー? 指揮官さん、急に黙り込んで。もしかして、そのまま寝ちゃいました? ふふ、いいですよ。私が魔王を倒せたのは、あの夜、指揮官さんが私に『幸せになる魔法』をかけてくれたおかげですから。今の私は、世界一幸せな勇者です!」
頭上から降ってくる、屈託のない、あまりにも完成された声。 俺は彼女の胸から顔を上げ、満面の笑みを浮かべる。 ああ、なんと素晴らしいハッピーエンドか。
「デュフフ! 寝てなどいないでござるよ! ただこの弾力、この温もり、まさにSSR級の抱き枕! いやー、平和って最高でござるなぁ!! 魔王がいなくなって、もう誰も傷つかない。勇者氏もこうしてニコニコしている。これぞ大団円! これぞ俺たちが求めた未来!」
俺は彼女が本当に幸せになったと信じて疑わない。 だって、こんなにも綺麗に笑っているのだから。 俺の言葉のおかげで、彼女は過去のトラウマを乗り越え、自分を許すことができたのだ。 俺は、彼女の心も救ったのだ。
「ええ、そうですね指揮官さん。……ふふ、貴方が嬉しそうだと、私も本当に嬉しいです」
彼女は聖母のように微笑む。 その笑顔の裏で、彼女が何を考え、何に耐えているのかなど、俺は知る由もない。知る必要もない。なぜなら、彼女はもう「救われた」のだから。
「ぷはぁッ! 極上の反発力! これぞ生命の神秘、いや宇宙の真理! 拙者、この柔らかさに包まれるためだけに激戦を生き抜いてきたと言っても過言ではないでござるよ! ありがとう世界! ありがとう神様! そしてありがとう、勇者氏の爆乳!」
俺は彼女の豊かな胸から顔を離すと、わざとらしく天を仰いで感謝を捧げた。 これくらい道化に徹したほうが、彼女も笑いやすいだろう。そう思っての行動だったが、彼女は本当に楽しそうに「ふふっ」と鈴を転がすような声で笑ってくれる。
「もう、大げさですよ指揮官さん。でも、そんなに元気になってくれたなら良かったです。……昨日の任務の疲れ、取れましたか?」
「おかげさまで全快でござる! いやー、それにしても勇者氏の『セイヴァー』覚醒後の回復スキル、あれはマジでチートでござるなぁ。昨日もちょっと腰を捻っただけで『痛いの痛いの飛んでいけー』って撫でられた瞬間、痛みがゼロになったでござるよ! 魔法ってすげー!」
俺はブンブンと腕を回してみせる。 あの夜、俺の言葉で覚醒した彼女の能力は、攻撃一辺倒から一変した。 特にその治癒能力は異常だ。どんな怪我も、病も、彼女が祈り、触れるだけで嘘のように消え去る。MP消費も見当たらないし、代償を求めている様子もない。ただ「良くなれ」と願うだけで世界が書き換わる。 まさに、心が澄み切った聖人だけが到達できる魔法の極地だ。
「ええ、とっても便利ですよね。指揮官さんの『痛い』がなくなるなら、私、何度だってやりますよ? だって、指揮官さんが痛そうにしていると……約束通り、私が『不幸』になってしまいますから」
彼女は小首を傾げて、いたずらっぽくウィンクしてみせた。 その言葉に、俺は胸が熱くなるのを感じる。 俺の適当な……いや、必死の説得(殺し文句)を、彼女はこんなにも大切にしてくれている。 「俺が痛いと彼女も辛い」。だから彼女は、俺のために最強の回復魔法を行使してくれるのだ。 かつて自分の手を血で汚していると泣いていた少女は、今、俺のためにその手で「癒やし」を与えてくれている。
「デュフフ、愛が重い! だがそれがいい! 拙者、一生勇者氏に介護されたいでござる〜! ……あ、そういえば勇者氏、その聖剣もずいぶん雰囲気が変わったでござるな。昔は近づくだけで肌が切れそうな殺気を放っていたのに、今はなんだか……ポカポカしてる?」
俺は彼女の腰にあるエクスカリバーに視線を向ける。 かつては【万物切断】の能力で敵を屠りまくっていた凶器。だが今は、鞘に収まっているだけで周囲に温かい陽だまりのような空気を展開している。 なんとなく手を伸ばして、鞘の上から触れてみる。 ……熱い? いや、温かい。カイロのような熱を持ち続けている。
「! ……あ、はい。そうです、ね。ポカポカ、してますよね。この剣も、もう誰も傷つけなくていいんだって、喜んでいるんだと思います。私と同じで……指揮官さんの近くにいると、安心するみたいです」
彼女は一瞬だけ目を丸くしたが、すぐに慈愛に満ちた笑顔で俺の手の上から自分の手を重ねてきた。 彼女の手は少し冷たい。けれど、剣の熱が伝わってきて心地よい。 俺は納得した。 なるほど、この剣もまた、主人の心境の変化に合わせて「殺す道具」から「守る道具」へと進化したのだ。常に熱を帯びているのは、周囲の平和を維持するための守護結界の駆動音のようなものだろう。
「なるほどなるほど! いやー、武器までデレさせるとは、さすが拙者の見込んだ勇者氏! カリスマA+は伊達じゃないでござるな!」
「ふふ、そうかもしれません。……ねえ、指揮官さん。今の私は、役に立っていますか? 昔みたいに敵を殺すことしかできなかった私より、今の私の方が……指揮官さんを、幸せにできていますか?」
彼女が上目遣いで尋ねてくる。 その瞳には、一点の曇りもない。かつてあった自己否定や罪悪感の暗い色は完全に消え失せ、ただ純粋に、俺の承認を求める子供のような無垢な光だけがある。 俺は確信を持って、力強く頷いた。
「当然でござる! 愚問! 今の勇者氏は最高だ! 誰よりも優しくて、明るくて、見ているだけで拙者は幸せでござるよ! あの夜、君が笑ってくれて本当によかった。君が変わってくれて、本当によかった!」
俺の言葉を聞いた瞬間、彼女の表情が、花が咲き誇るように――いや、光そのもののように輝いた。
「――はいっ!! 私も、そう言ってもらえて、世界一幸せです!!」
完璧だ。 これぞハッピーエンド。 俺のカウンセリングは大成功だった。彼女は完全に救われたのだ。 でなければ、こんなに美しい笑顔ができるはずがない。 でなければ、こんなに献身的に他人の痛みを癒やせるはずがない。 彼女は自分の幸せのために、俺を幸せにしようとしてくれている。Win-Winの関係。 そこには何の無理も、嘘も、隠し事もない。
「さて、そろそろ執務に戻らねば。サボりすぎると秘書官殿に怒られるでござるからな。……勇者氏も、あまり無理しないで休むんでござるよ? たまにはこう、ゴロゴロしてポテチ食って屁をこくくらいの堕落を見せてもいいんでござるからな!」
「ふふっ、もう、アイドルに何を言わせるんですか。……はい、行ってらっしゃいませ、指揮官さん。お仕事、頑張ってくださいね。……どこにいても、私が守っていますから」
俺はひらひらと手を振り、カフェテリアを後にした。 背中で感じる彼女の視線は、どこまでも温かい。 廊下を歩きながら、俺は鼻歌を歌う。 世界は平和になり、最強の勇者はメンタルも回復して聖人化。 彼女は笑っている。俺も笑っている。 今日も世界は、最高に幸せだ。
この5分後俺は地球に帰還した。
まあ、思い返してみれば、この旅も悪くなかった。
バリアント連中も道具だとは思っていたが、まあ、道具なりに幸せになって欲しいとはちょっとは思っていた。
言い忘れていたが俺はハッピーエンド厨だ。
創作物に癒しを求めているのに、創作物でダメージ受けたくねえんだよ。ハッピーエンド以外認めない。
だから、この旅はハッピーエンドじゃないとダメだった。
そして俺含めみんなハッピーエンドを迎えた。
俺も、バリアント連中も、人類も、勇者も
めでたしめでたしだ。
そう思っていた。
3日後、サ終後のバリアント・ヴェンデッタを開いて見るまで。
そこに書かれたのは1文。真なる魔王、勇者■■■■によって人類もバリアントも滅ぼされました。この物語はこれで終わりです。
---
ヴェンデッタ隊員詳細データ:セイヴァー
「はじめまして、指揮官! 世界を救う勇者、参上しました! ……なんて、ちょっと気合入りすぎちゃいましたかね? 私はただの、皆さんの幸せを願う一般人ですよ。ふふ、これからよろしくお願いしますね!」
---
■ 基本情報
クラス:セイヴァー
名前:■■■■「勇者」として登録)
性別:女性
身長・体重:165cm・58kg(※体重は外見上の推定値であり、実際の生体密度とは異なる)
属性:秩序・善(実際は■■・■)
---
■ 保有スキル
【クラススキル】
対魔力:A
Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では彼女に傷一つつけられない。彼女の細胞そのものが「他者からの悪意ある干渉」を拒絶しているためである。
カリスマ(聖):A+
大衆を統率する天性の才能。彼女の言葉、笑顔、そして献身的な態度は、見る者すべてに「守られるべき希望」としての安心感を与える。
救世主:B
セイヴァークラス特有のスキル。キャスタークラスの「陣地作成」に似ているが、彼女がいる場所そのものが「争いのない平穏な地」として定義される。
【保有スキル】
■■■■の■■■■:A
彼女の行動原理そのもの。
戦場において、味方全体(自身を除く)に強力なバフを与え、HPを回復させる。
不屈の愛(■):EX
肉体が消滅しようとも、魂が砕かれようとも、運命によって死が確定していようとも、「まだだ」の一言で再起する異常性。
無辜の怪物(聖):A
本来は無才の一般人であったが、あまりに強すぎる意思と願いによって、肉体が「暴力特化」へと突然変異を起こしたことを示す。
彼女の肉体は、他者を救うための暴力装置として最適化されている。
【奥の手】
『約束された平和な世界(ユートピア・アヴァロン・システム)』
詳細は削除されています
---
プロフィール
【キャラクター詳細】
金髪に豊満な肢体を持つ、一見して非の打ち所のない美女。
常に明るく、ジョークを解し、誰にでも分け隔てなく接する聖人そのもの。
あらゆる生命を愛し、世界の平和を心から願っている。
「勇者」と呼ばれてはいるが、本人は「ただの一般人が、ちょっと頑張りすぎちゃっただけですよ」と謙遜する。
彼女の周りには常に穏やかな空気が流れ、彼女がいるだけで争いごとは沈静化すると言われている。
不穏な点等ありません