眩い光が収まる
フラッシュバンのような明かりは直ぐに収まったので視界に色が戻ってきた
それでも光を放ち続ける存在がいる
そこに先程までのネクロズマの姿はなく
光の化身と呼ぶにふさわしい姿があった
「博士、あれが?」
「あぁ、ウルトラネクロズマだ」
ウルトラネクロズマの周りにいる生物が吹き飛ばされないようにと踏ん張っている
まるで強風のような圧がウルトラネクロズマを中心に発生していた
「行きましょう、アクジキング」
グラトニーがアクジキングを繰り出した
その巨体に、大きな口、異質感を感じさせるのはUB故か
「いけ、ヒードラン」
エリクサーがヒードランを繰り出した
出るだけで少し温度が上がった気がする、爪を地面に食い込ませてウルトラネクロズマの圧を踏ん張っている
グラトニーは博士の出したポケモンをちらりと見るが、直ぐにアクジキングに指示を出した
少し離れたNもゼクロムに指示を出した
ゼクロム、アクジキング、ヒードランがウルトラネクロズマに襲いかかる
ウルトラネクロズマは吠えて、3匹のポケモンに相対した
◇
目をうっすらと開ける
先程目が覚めるような光がまぶた越しに感じられた
それから自分の体がひんやりとした何かによって運ばれていて少しの間恐怖で確認できなかった
少し離れたところから激しい戦いの音が聞こえてきて、いよいよ地面も揺れた
目の前には女の人が見えた
頭と足は変わらずひんやりした何かを感じるけれど
「あ、おはよう、リーリエちゃん?」
「お、おはようございます」
知らない女の人は私を知っていた
「リーリエ、起きたのね?」
「お、かあさま!?」
近くからかあさまの声が聞こえた
頭を動かしてみるけれど確認できなかった
「そのままでいいわ」
「は、はい」
なんだかかあさまの声は酷く疲れていた
遠くの戦闘音はどんどんと遠ざかっていた
「そういえば、あのポケモンさんは?」
私と握手したポケモンさんはどうしたのだろう
「ウツロイドかな、今はあなたを支えているよ」
「そうなんですね、えっとあなたは?」
「あぁ、ごめん、私はパラサイト、今はもう正気だよ」
えっと?正気じゃない時があったんですか?
何となく怖くて聞けなかった
それと、私を見る目が寂しそうな目をしていた
何となく手を上げると、私の腕に紫の線が入っていた
線、血管が浮き出ている?
「毒にやられちゃったんだけど、覚えてる?見た目は直ぐに戻るよ、安心して」
「え、あ、はい」
動揺して言葉を失っていたのですが、パラサイトさんの声が優しく、安心しました
しばらくしたら、施設の屋根が見えてきました
そこでかあさまは誰かと話しています
ビッケさんと、どなたでしょうか
パラサイトさんもそちらを見ています
遠くの戦闘音が、小さくなっていました
◇
「あー、勝てないかも」
「ですわよねー!?」
攻撃を続けているのに、ますます力をつけているウルトラネクロズマ
何故かグラトニーは元気だ
ますます光を増しているウルトラネクロズマ
その分だけヒードランもアクジキングも動きが鈍っている
ゼクロムは落とされて、Nが駆け寄ったところだ
ウルトラネクロズマがゆっくり近づいてくる
何故か自分を狙って攻撃してくるのをヒードランとアクジキングが庇ってくれているのだが
そんなに恨みを買うことしたっけ
「博士、何か恨まれるようなことしたんですの?」
してないよ
一応狙いが明確な分ヒードランに守ってもらいやすくはあるが
消耗具合からして限界はスグだろう
そんな時に、ネクロズマの後ろから、雷鳴が鳴り響く
そして辺りを冷気が支配していく
ゼクロムとキュレムの混じった姿、ブラックキュレムがウルトラネクロズマに襲いかかった
何となく、ウルトラネクロズマが嫌そうな顔をした気がした
◇
「それでは、ここ、エーテルパラダイス、並びにエーテル財団をエリクサー研究所が買い取ります」
「ええ、いいわ
むしろ、本当にコチラに利の多い取引でいいのかしら」
「はい、これからアローラはUBが蔓延る地方になるでしょうし、ここを拠点とすればアクセスも便利です」
エリクサー博士の持ってきた資料はエーテル財団を買収する話だった
同時にココ、エーテルパラダイスも同時に買い取る
そのうえで、エーテル財団の存続の保証など今まで通りを約束してくれるものだった
保護区が『破れた世界』の派生地域?になるようだけど
チラリと今なお続くネクロズマの戦いを見る
保護区はあまりに酷い状況で、元の景観には何年もかかるだろう
そこらもエリクサー研究所が力を貸してくれるらしい
ポケモンの道具で相当儲かっているように見える
最後にサインをいれて、私の仕事は終わりだ
変わらずエーテル財団代表ではあるけれど
エリクサー研究所のアローラ支部とでも言ったところかしら
「ありがとうございます
では、まずはウルトラネクロズマを何とかしましょうか」
「何とか出来るのでしょうか?」
アレは益々光が強くなっている
このままココを焦がしかねない
「保護区を破れた世界にします、それで終わりです」
破れた世界とは、本当になんなんでしょう