私はエーテル団のしたっぱのひとりだ
したっぱのひとり…は違った、スカル団の呼び方に引っ張られただけだ
正確には職員の1人
ポケモンの保護活動を目的としたエーテル財団の職員
ココ最近エーテル団に大きな改革が起きた
代表、トップが変わったのだ
美しきルザミーネ様から
鷹の目のパラサイト様に
私としてはルザミーネ様の美しさに目を奪われる機会があったため、それが無くなってしまったのは残念だが
ルザミーネ様は横領まがいの黒い噂もあったから、どうしてしまったのだろう、というところ
ただ、新代表のパラサイト様はすごい肩書きの持ち主だった
あのエリクサー研究所の職員だという
エリクサー研究所といえば稀代の天才、エリクサー博士が率いる選りすぐりの集団で、博士が直々に選んだ人しか職員にはなれないという
博士の何年も先をいった知識を共有してる者達
その知識は単なる知識にあらず
ポケモンの生体
ポケモンを数値化したデータ式見解
ポケモンバトルの戦法
ポケモンの道具
他にも例をあげればキリが無い
そんなすごい博士から声をかけられた人物、それがエリクサー研究所の職員なのだ
噂だと特別なコードネーム(番号)を貰っているとか
そんなパラサイト様がエーテル団のトップになり
変化は数日で現れた
事前に予告はされていたけど
裂け目からの避難、周辺の安全確保
現れたUBの保護
もちろん以前の通り傷ついたポケモンの保護も
これらが迅速に対応されるようになった
パラサイト様はそういったことが視えるらしい
『視えるって?』
あと、スカル団の溜まり場近くの補給物資の指示とかは無くなった
なんでかよく襲われてたからね
ここら辺はルザミーネ様の黒い噂だ
スカル団に補給物資を届けていたんじゃないか?と言われているけどもう知りようはない
あっ、あと、UBの出てくる裂け目、ウルトラホールが頻繁に出るようになったんだけど
その対処に当たった部隊はその都度臨時報酬が出るようになった
危険度が上がった分の手当てらしいけど、ここらは前よりも確実に高待遇だ
そんなわけで良いところが目立つ変化だ
今日はその臨時報酬を受け取りに本部のエーテルパラダイスに出向いているところだ
四人で一部隊となり活動の安定性が増した気がする
絡んできたスカル団も4対2で数の差で勝てたし
時間稼ぎのための2人、その間の保護組2人と役割分担もできるのだ
休みも部隊単位での休みになったのでまとまった時間が取れる
あぁ、人手不足ではあるけどね
小さな船に乗り込み、運転席に着いた
今日の運転担当は私だ
4人ともいるね
「四人?」
もう一度メンバーの方を見る
私含めて4人なんだから4人いるのはおかしいでしょうが
やはり、1人紛れ込むように白いカッパのような物を着て座っていた
メンバーも今気が付き、誰だ誰だと問い詰める
「ま、まって!?海に沈めないで!?」
「いや、冗談だが」
「わたしはハナビ!ただの観光客です!」
そう言いながら白いカッパを脱ぐハナビ、この地方の島めぐりの子よりは少し上の年齢だろうか
トレーナーならよく居そうな子
「よし、観光客なら近くの宿に案内してやる」
「と、トレーナー!トレーナーです!」
「わかった、じゃあここで降ろしてやるから、行った行った」
「えー!待ってください!アローラの島は全
?部巡っちゃって、あとは人工島のエーテルパラダイスだけなんです!」
「一般公開されてないから」
そうね、さっきから同期の男性がやり取りしてくれているけど、結局連れていく理由にはならないかしら
「いーやーでーす!私の直感が行けって言ってるんです!海が呼んでるんです!」
「よし、じゃあ冗談だったがやはり海に鎮めるか」
「ヤダー!」
そこからもハナビは粘りに粘り、集合時間が迫ったため渋々連れていくことにする
「あっちの職員に対応を任せましょう」
この子の対応に疲れました
エーテルパラダイスの船着場の職員に引き渡しましょう
そう切り替えてエーテルパラダイスへ向かった
船着場に到着するとパラサイト様と、白衣の男性が船着場にいました
「じゃあ今度の休みとかにどこか行こう、それでどう?」
ナンパでしょうか
「休み、私は休めるんでしょうか」
「パラサイト?重傷者さんですね?
双眼鏡注文しとくか、休めない仕事があってたまるか、とりあえず、道具を使ってパラサイトの仕事を代われる人を用意しないと、あ、ほら、来るって言ってた人たち来たぞ、先戻ってるからな」
そう言いながら白衣の男性はエレベーターに向かっていきました
「強そうだったな」
「プレッシャーを感じたわね」
「あれがエリクサー博士かなんか伝説のポケモン感」
部隊のみんなが口々に言います
私は、『ポケモンみたいで可愛い』と思ったので、他の人と違う意見だったため頷くだけにしておきました
「だれ!?」
「わたし!ハナビっていいます!」
そんな声がエレベーターの方から聞こえてきて
連れてきたハナビがいないことに気づきました
追いかけようとした時にはエレベーターは閉まったので諦めです、はい。
「おかえりなさい」
パラサイト代表が声をかけてくれた
1度整列し、隊の挨拶をしたあと、この階層の会議室に移動した
臨時報酬を受け取り、報告を終える
終わりの合図と共にパラサイト代表は机の上に頭を落とした
「うぅ、頭が重い、でも戻らなきゃ」
「確かに迅速な対応ですからいつも見ているなんて冗談で言ってたんですが」
「まさかほんとに見てるとは」
「ふふ…私は人間監視カメラ…」
「うーん、監視カメラを設置しちゃダメなんですか?」
「…」
「さすがに環境が崩れないか?」
「野生に手を加えるのはなぁ」
みんな保護意識が高い
高すぎて我々トレーナーは生まれるべきでは無かったとかいう人も一人いるくらいだ
「そっか、監視カメラを設置すればいいのか」
どうやら代表は全部自分の手でやろうとしていたらしい
これには隊のみんな黙り込むことになった
◇
後日監視システムが完成した
エリクサー研究所にいる『もの作りの匠』が用意したらしい
詳しく聞いてもパラサイト代表もよく分かってないらしく
『なんか、そもそも我の仕事だし、ここを経由して改造したモニターに繋げば見たいところを見れるらしい』
と、言っていた
よく分からなかったけど、アローラは全域を見れるようになり
代表と補佐は複数個並べたマルチモニタでの仕事が可能になった
誰でも出来る仕事になったと喜んでいたけれど
そのきっかけは代表の人脈?属していた組織だよなぁなんて思う私だ
職員に解放されている保護区でのんびりとお昼ご飯を食べた後にボーとしていた
そこに影が差す
「あれ、エリクサー博士」
「こんにちは」
エリクサー博士は度々保護区を散歩している
貴重な話を聞いたと同僚が言っており、みんなソレに期待して保護区の見回りを名乗り出る人も多い
私のお昼の場所も少しは狙った結果なので、実は内心ドキドキしている
なんだろう、伝説のポケモンに出会った感覚だ
でも「なんか、目線がいやらしい」んですよね
「まぁ、間違ってはいない、挨拶の次の言葉がソレとは思わなかったけど」
つい声に出してしまったけれど
何となくこの人は怒らないだろうなぁと思ってのことだ
それに、太ももとか、二の腕とか、服と肌の境目を変な目で見てくるのは本当のことだ
優しそうな笑みで隣に座ってきた
胡散臭い
「セクハラって許可とったらセーフとかないかな」
「許可取れたならハラスメントじゃないと思いますけど」
「そっか、そうだね」
「ちなみにその発言はもうセクハラです」
「あ、やっぱり?」
「何がそんなに気になるんですか?」
「エーテル団の服ってセンシティブだよなぁって」
「気になるところ触ってみてくださいよ」
「えぇ、ほんとに?後で上司にバラしたりしない?」
たぶん、上司というか代表はこの様子見てると思いますよ?
私は何となく微笑んだ
肩周りと袖、太ももとストッキングの境目とかが博士は気になるようだ
「カグヤにも着てもらおっかなぁ」
「奥さんでしたっけ」
なんでこの人奥さんいるのにセクハラするんだろう
「うん、めっちゃ可愛いよ、お人形みたいなんだよね」
なんで惚気を聞かされてるんだろう
「身長差があって自分がロリコンなんじゃないかと誤認してたまに罪悪感に陥るんだよね」
罪悪感に陥ったらロリコンなんじゃないですかね
『ーーーーー』無線が入った、代表と、だれか、女性の声だ、多分ライトニングさんかカグヤさん
私は何をさせられてるんだ?
「やっぱり大きい方が好きなんですか?」
どことは言わないけれど胸部とか臀部とかを強調する
「一般的にはそうなんじゃない?」
「博士は?」
「ん、別に」
なんでもないように太ももを布越しにスベスベ触る
なんかとってもいやらしいっっ
「人が好きだからね、その人によるよ」
「……代表は?」
「代表、ルザミーネ?いや、パラサイトか
あれは…隠れ巨乳なのかな、よく猫背なんだけど多分でかいと思うんだよね、どう思う?」
「えぇ…いや、背筋伸ばしてもらったらいいんじゃないですか?」
「そっか、そうだね、そうしよう」
何だこの会話
「えっと、ライトニングさんは?」
「女性陣の中では背が高いのを気にしてるのが可愛いと思う、高くても170ないくらいだし、スタイルいいよね」
「あ、分かります、なんでも似合うから羨ましいです」
「いや、シーも似合うと思うけど」
シーは私のニックネームだ
「あれ、私名乗りましたっけ」
え、ホラー?
「部隊ごとに最初に挨拶したでしょ?
記憶力が良いどころか刻まれるからね、忘れるまでは忘れないよ」
「あら、講演会の台本はよく忘れるのにですか?」
「…おっと、どうしたらこの危機を乗り越えれるだろうか」
博士の後ろに笑顔のカグヤ秘書がおりました
博士は身を翻してカグヤさんへのボディータッチを始めます
私はその様子をぼんやりと見ていました
ニックネームで呼ばれてからマヒにでもなったみたいです
「それじゃあ、貴重な体験ありがとう要望があればパラサイトに言うといい、話は通しておくよ
ライトニングでもいいよ
無線の奥にいたのはそれだけかい?」
最後はカグヤさんとの会話だ
伝説のポケモンのような人はそんな言葉を残して行ってしまった
こんなんで顔を熱くしてしまう私はどうも随分とちょろいらしい