『じゃ、頼んだ』
「匠殿、わかった、行ってこよう」
ギラティナとライトニングが会話していた
匠殿と呼ばれたギラティナは満更でも無さそうだ
先日世界の拡張を行い、ドーム型の施設を破れた世界の一部にした
その影響でアルセウスに見つからないかと心配していたが、もの作りの技術の向上と共に培った技法で隠密化での破れた世界化が上手くいったようだ
自分の技術に満足しているギラティナであった
そんな時、エリクサーが戻ってきたようだが
どうやら気分が沈みがちらしい
巨体をうねらせてエリクサーの元に移動する
『どうした?』
「なんか、ふられた?」
『色違いにでも逃げられたのか?』
「まぁ、そんなところ」
放心状態と言ったところ
珍しい
『ふむぅ、意思感情でも崩れたか?』
ギラティナが特殊な見方でエリクサーをみる
エリクサーの意思・感情・記憶はどれも正常だ
強いて言うなら感情が落ち込んでいるが
この世界に引きずり込んだ際に特殊な手法で適応させたエリクサー
そのためギラティナはエリクサーの記憶を覗くことができる
『女にふられたのか、魅力的に見えるようしておけばいいか』
「ん?なに、どういうこっっアッイッタァア!?」
『うむ、存在感が増したぞ、これで元気出せ、な?』
エリクサーは激痛に悶えておりギラティナの声は聞き流されてしまった
良いことをしたと満足しながらギラティナはものづくりにもどっていった
◇
くすん、酷い目にあった
研究所に戻ってきたらギラティナが神通力を使ってきよった
半日ほど悶え苦しみ、ようやく落ち着いた頃だ
「あの、カグヤ、もう大丈夫だよ」
「こんなに人間離れしてるのにですか?」
悶えてる自分をカグヤが発見してくれ、介抱してくれた
今は横にピッタリくっついている
「超能力者どころか、もはやポケモンの存在感になり始めてます
私のこの感情が愛なのか欲なのか、自分でも分からない程には特別になってます」
「それは…」
「これは悪いことです、とても、非常に」
「わかった、ギラティナに戻してもらうように伝えるよ、最悪セレビィに時を戻してもらう」
「はい、そうしてください」
目の怖い、爛々と輝くほどに怪しい目をしたカグヤに念押しされた
そう答えたカグヤは何か取り出した
知らないものもあるけれど、知っているものもある
「げんきのかけら?それはなに?」
「これらはポケモンを弱体化させる道具です、ウチの研究道具ですよ?」
「…へぇ」
あの、カグヤさん?
「博士」
「…」
「逃げないでください、外には他の方々が待っているんですから」
いつの間にか道具を使われていたようで、全身から力が抜けていく
カグヤに取り押さえられた
始まるのはもはや人体実験じゃなかろうか
◇
『やはり真に恐ろしいのは人間だな』
「否定はしない」
破れた世界の浮島のひとつ
そこでギラティナとエリクサーが話していた
セレビィは淡く光ながら抱き抱えられている
力を多く使い、眠っているけれど
「肯定もしないけど」
ジト目でギラティナを見るエリクサー
お前がキッカケだろうと目で訴えるがギラティナには伝わらない
『せっかくだし進捗を聞こうか』
「反逆作戦ね〜」
ギラティナがアルセウスを倒すための計画の進捗
現状、力をつけてきてはいるが、伝説のポケモンと呼ばれる強大な力を持つポケモンはまだ足りない
手っ取り早く回収するために選りすぐりのメンバーを集めているのもそろそろ終わりのフェーズだろうか
「ホウエンのグラカイは手に入れたいしレックウザも出来れば」
そのコトもそろそろだろう
「それにレジ系統はまだだ」
アルセウスを狙うなら外せないポケモンたち
他にも、カロスの伝説のポケモン
イベルタル、ゼルネアス、ジガルデ
特にジガルデはエーテルパラダイスの件はとっくにバレていそうなものだ
『まだまだやることは多いということだな』
「そうなるね」
既にかなり満足している今
たとえ破滅に続く道だとしても後悔はない
「今日みたいなので死ぬのはゴメンだけど」
『そうだな、だから、比率を変えといた』
おめぇ、またなんかしたのか…?
テレポート?能力が無くなったのは、直ぐに気がついた
別世界商品の入荷はギラティナに押し付けた
一体次は何されてるんだか
◇
衣装が届いた
カグヤプレゼンツ
みんなの衣装だ
リーリエのもあるが、着せ替え趣味が爆発して全員分、何種類も存在する
カグヤはこの時に服飾ブランドを立ち上げたらしい
エリクサーの名前がついてればなんでも売れると踏んだ大胆さで
実際盲目的に売上が上がっているらしい
もちろんカグヤも商品の手を抜いている訳では無いが
それ故に素材にこだわり、高級品となったらしい
「理論上、10万ボルトにも耐えうる服です」
「身体の方がボロボロになるやつだよね、それ」
「カミナリはさすがに無理ですね」
「どこをめざしているんだ…?」
今日は破れた世界に全員集まっていた
しばらく特訓していたステインやブルーも来ている
トーナメント戦がいよいよ始まるのだ
何故かエキシビジョンマッチの打診が自分にも来ていたが先日のことから体調が優れないので断った
そもそも直前に打診しないで欲しい
ガラルのトーナメントの打診も実は来たことがあったが、そちらは普通に黒幕が潜んでいるので断った
トーナメント、陰謀立てやすすぎだ
「ほー、かっこいいな」
「そ、そう?動きずらいけど」
ステインはパーティースーツのスタイルで仕上がっていた
まだ成長期だが悪くない
紫を基調にしていてベベノム…アーゴヨンとも合っている
「はーかせっ!私はどうかしら?」
ブルーがスマートなドレスをフリフリさせながらやってきた
深い青色に可愛らしいティアラが良いアクセントになっている
首周りのスケスケ?網目状の生地に目を奪われる
さこつ…
「ファーを着せよう」
「ファーって?」
「首周りのモコモコ」「えー、あつくない?」
あつくてもです
セレビィが水色の綺麗なモフモフを持ってきてくれた
白よりはマシだな、うん
「おっ、ないす」
『んー、私は膨らみのあるドレスの方が好きなのに』
どうやらセレビィもデザイン案を出したらしい
ちなみに自分も出した、ポケマスの衣装に似たのが多めなのはそのせいだ
世界線によっては盗作だな、今更だが
カグヤは振袖やそれに似た系統ばかりを用意していたので幅をきかせるためにも仕方がない
ポケマスの衣装案を見た時に口を開けて目をマジにしていたので火がついたとかなんとか
さて、カントーのトーナメント戦はどうなるかな
◇
ちょっと前
「悪い、ご飯召喚出来なくなった」
ギラティナにいじられてからテレポート?ワープ?が使えなくなったことをグラトニーに伝える
大食いお嬢様のグラトニーは狂気から正気を保つためにギラティナに超能力を発現させられた
癒しの力
便利そうだが、使うだけ腹が減るらしい
使わなくても大食いになったしで燃費は悪い
生きてるだけマシだが
そんなグラトニーの食事問題は自分が食事を転送していた
別世界から物を転送できる超能力で対応していたが、それが出来なくなった
プラチナ団へ誘う時に食事を用意しようなんて言ったような気がしないでもないため、報告はしとくべきだと思ったのだ
だが、グラトニーの表情に変化はなかった
「あら、それは残念ですけど、仕方の無いことですね
まぁ、対策という訳では無いのですが、エリクサーにもっと美味しい料理で恩返しをしようとしていた計画を実行するだけですので、問題ありませんわ」
「お、おう?」
何やら進めていたようで、ガッカリとかはされなかった、されてもどうしようもなく、ギラティナに用意してもらうくらいしか案も出せなかったので解決できるのならいいのだけど
グラトニーはふふ、と笑い、用事があると言い席を立った
それとなくカグヤに聞いたところ、カグヤの服飾ブランド立ち上げのように、何かしら計画しているようだった
後日、グルメ評論の冊子が出たとは報告を貰った
グラトニーはまだなにかするらしい
まぁ伝説のポケモン捕獲とかを手伝ってくれるならなんでもいいよ、うん