ポケモン世界をゲーム知識で好きに生きる   作:ふぁいる

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38 絆変化

 

『もう目で追えない!』

『わかった』

 

 

ミュウツーとリザードンの戦いは白熱していた

 

空中戦でかつリザードンは炎を常に纏っている

最初のフレアドライブからずっとだ

もちろん蝕んでいる様子が見えるがバトルに影響は無さそうだ

 

むしろ、その光でブルーは直視するのに制限がかかった

相手の動きを見てから最適を提案するという方法に制限がかかる

 

間近のミュウツーはその熱波も常に受け続けている

こちらもスリップダメージには微ダメージすぎるので影響は些細なことだろう

 

リザードンの猛攻もなかなかの技量だ

爪と炎を巧みに使いこなしている

その爪の一撃も重く、適切な処理をするには格闘の力を使わざるを得ない

 

メガシンカの切り替えに慣れていなければ逃げ回りながら戦う羽目になっていた

 

青黒いリザードンの爪がミュウツーに迫る

この瞬間のリザードンの爪は音を裂き来ると認知した瞬間には既に手遅れ

ミュウツーはメガシンカをして格闘の力を得る

爪を受け、最小限のダメージになるように流す

無理やりな体勢のまま蹴りを入れて少しでも距離を引き離そうとする

初めは蹴りも効かなかったが、なるべく同じところを狙ったおかげかリザードンもほんの少しずつ距離が開き始めた

 

この戦闘でやっと一息と言ったところか

リザードンという敵を改めて見る

 

炎をまとい、頭は角のようなものが延びている

噴き出す炎に青色が混じり、両手の爪は肥大化している

 

『ギラティナの持っていた資料にあったリザードンのメガシンカの姿とは違う、2種類存在するリザードンのメガシンカ、そのどちらにも似ている』

 

ミュウツーは幸運であった

メガシンカの存在を知っていて

エリクサーの絆変化の予測を知っていて

リーフのフシギバナと対峙できて

ステインの対決時にリザードンに変化の兆候があったことを読み取ることが出来て

 

メガシンカに、特別な道具は必要ない

 

そして、目の前に今、2種類存在するメガシンカの姿をどちらも内包している存在がいる

 

 

『主よ』

 

『うわ、久しぶりにそれで呼ばれたよ』

 

『あとは任せてもいいか?』

 

今のメガシンカが制御できる限界だ

しかし、今のままでは、目の前の成長をし続ける存在には勝てない、いずれ抜かれ、異形のメガシンカとして成るだろう

 

主の手持ちにそれを超えるものはいない

凌ぐことは…まぁいい

 

『いいよ、暴走して襲いかかってきてもデコピンしてあげる』

『博士じゃないんだ、そうはならない』

 

ふてぶてしくニヤつく主の顔が思い浮かんだ

 

 

あぁ、信頼出来るよ

 

 

初めてメガシンカを教わった時、姿は1種類だけだと認識していた

存在が、持ちうるポテンシャルがそれを可能にする

その時点で、単純な戦闘能力は3倍だ

制御できるわけがなかった

 

 

今、それを制御する必要は無い

 

「圧倒的な力を」

『圧倒的な力を』

 

「見せつけるように」

 

『今、ここに』

 

 

絆変化

 

 

 

 

ミュウツーを不思議な核がおおった、それも一瞬で弾けたが、メガシンカの時に稀に見る現象だ

その瞬間、圧倒的な圧がその場を支配した

 

リザードンの炎が吹き消えた

観客を守る特殊な膜が弾けた

人によってはその場で泡を吹いて倒れる者すらいる

 

 

 

リザードンが雄叫びをあげる

青い炎が吹き上がる

球状の核を幻視する、ひび割れ、今にも生まれる寸前というものだ

 

ミュウツーに似たポケモンがその場から掻き消え、リザードンに肉薄していた

ゼロ距離で今までの遠距離攻撃を繰り出す

 

それを雄叫びをあげる青い炎は喰らおうとする

 

音と光と衝撃波がフィールドを破壊していく

 

青い炎から龍の顔が立ち上る

それは異形を喰らおうとし、弾け飛ばされた

頭のような青い炎が空をクルクルと舞う

 

その頭は真下の異形にもう一度狙いを定めた

 

 

落下をはじめたところで、ミュウツーに似た異形は力無く首を垂れたリザードンを持ち上げた

龍の頭は炎が消えていくが、消滅する瞬間に異形に食らいついた

 

爆発が起きる

 

 

一瞬の静寂のうち、リザードンとミュウツー、両者のノックアウトのカウントが始まる

 

 

 

ゼロになる寸前、リザードンが立ち上がった

 

弱々しくも、勝鬨をあげる

 

 

目は潰れ、羽も折れ、首もへこんでいる

爪は折れ、腹部に大きな傷がある

 

されどその尻尾の炎は燃えていた

 

 

 

 

リザードンはすぐに倒れてしまった

レッドの六体が倒れ、ブルーはミュウツーだけが倒れた

 

優勝はブルーだ

今は閉会式、ミュウツーだけ先に戻ってきた

 

 

「さすがミュウツーってところか」

『ふん、勝負には負けた』

「正直ピカチュウに負けると思ってたし、連戦でリザードンとやり合えるとは思ってなかった」

 

『チッ、あれは主の作戦勝ちだ』

パワーウエイトね、面白い使い方だった

 

「まぁミュウツーの力あっての作戦だし」

『ベタ褒めだな?主から譲ってもらっていいぞ』

 

なんでコイツは自分の手持ちになりたいんだ?

 

「いや、多分ブルーほど力を引き出せないし、いいよ」

『なん、だと…』

 

メガシンカに必要なパワーを100として

道具と最低限の交流があれば100は届くとする

 

絆変化にはパワーが150は必要だろう

ミュウツーは特に200は必要だ

 

この50も100も自分は用意できない

数値換算で1度でも見てしまったら、愛情を注ぐのが難しいのだ

 

『なら、主を嫁というやつに召し上げろ』

「また、なんで」

 

『カグヤという女は嫁の肩書きになってからあらゆる数値が向上している』

 

自分は強化アイテムか何かか?

まぁミュウツーを数値で見てしまった過去があるので何も言えないが、ミュウツーも人を数値で見るのね

 

『主の計画は当分の間は伝説集めだろう?今の所お前を誘惑する計画しか立ててないぞ』

 

ブルーさん?

 

まぁ、そっか

「じゃあ貰うか」

 

なんかミュウツーに言われたからそうするみたいで釈然としないが

言われなきゃなあなあで恋人のままだった可能性はある

 

 

「なんの話し?貰うって何?ミュウツーを?」

ブルーがぴょこっと顔をのぞかせてきた

閉会式が終わったらしい

この後インタビューからパーティーなどもあるので戻るのだろうが

 

「エリクサーにならミュウツーは譲ってもいいけど…」

少し躊躇いを見せるブルー、ブルーなりに愛着とかもあるんだろう

そして、結局ミュウツーの絆変化はブルーにしか使いこなせない、言いたいところはそこだろう

 

 

「いや、ブルーを嫁に貰うって話だ」

「ふーん、やっと結婚式あげるんだ、オメデトー……え?いや、まって、なんて?だれ!?」

 

一瞬死んだ目になったブルー、多分カグヤと間違えたな

そんなカグヤは扉から部屋を覗いている

まぁミュウツーと入れ替わりで出たしいるだろう

 

ミュウツーとの会話も聞いていたはずだが、待ったはかからなかった

 

「ブルーを嫁に貰うって話だ」

同じセリフを言う

 

するとストンとその場に座り込むブルー

信じられないといった表情をして、手で顔を覆ってしまった

 

泣き始めてしまったのでカグヤに助けを求めて視線を送るが首を振られてしまった

 

どうすればいいんだ…

 

ブルーの横に膝を落として肩を抱く

「ふふ、ふへ、優勝よりも嬉しいよ」

「それはそれでどうなんだ」

 

「ミュウツーもありがとっ!」

 

『…ふんっ』

 

ミュウツーのしっぽが珍しく揺れていた

 

いいコンビだよ、本当に

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