「改めて、ブルー、結婚してくれ」
「もちろん!今以上に幸せにしてよね!」
『めでたいわね!』
セレビィが狙い済ましていたようで、入ってきては花びらを撒き散らす
「おめでとうございます、ブルー」
「カグヤ!ありがと!」
二人目の妻か、心配事ばかり思い浮かんでしまうのだが
少なくとも二人の仲が良くて本当に良かった
「まずは優勝会見ですよ、その後はトーナメントパーティを乗っ取ってしまいましょう」
「会見はどうでもいいんだけど、パーティを乗っ取るのは最高!いいね!」
「ミュウツーさん、ブルーの秘書の真似事をしていましたよね、スケジュールを見せてください」
『ふん、主が強くなるために必要と思っただけだ』
ミュウツーそんなことしてたんだ
「トーナメント後に博士に取引とまで書いてあるのにですか?」
『…』
ミュウツーはかなりブルー思いらしい
納得の絆変化だ
「さ、青いドレスのパーティ用があります、私も着替えたいから急ぎます
元々パーティは博士も呼ばれてましたからね、着替えてくださいよっ」
「あ、うん」
カグヤがものすごいやる気に満ち溢れていた
服のお披露目でもあるしなぁ
◇
トーナメントのパーティ会場に着いた
既にエリクサー研究所の面々も揃っている
「あ、はかせ!…なんか嬉しそうだね?」
「ステイン、おつかれ、このパーティ会場、乗っ取っちゃうかもしれなくてなぁ」
「あー、いいんじゃない?僕はもう研究所でやってもらったし」
じゃあ申し訳ないのはトーナメント出場者のほかの面々か
レッドとグリーンを探す
二人にはメガシンカのアイテムを渡しておきたい
これらは、絆変化を抑制するためのものとしてだ
ついでにカロスに遊びに行くように誘導しておこう
「やぁ、レッドくん、グリーンくん、こんにちは」
「…!(エリクサー博士!バトルしましょう!)」
「お初にお目にかかり…レッド?ちょ、ばか、お前今ピカチュウしかいないだろ!?」
「バトルはごめんね、手持ちがいなくてね
その代わりに、コレを君達に」
「…!(エリクサー印のポケモン道具だ!)」
「俺にも?ありがとうございます」
「メガシンカのアイテムだ、リザードンは特に、後遺症がなくて良かったよ
詳しくはカロス地方に行くといい
…じゃあ、パーティはちょっと乗っ取るかもしれないけど、楽しんで」
「…!(ありがとうございます!)」
「カロス地方?…そっか、そうだよな、俺たちまだカントーしか巡ってねぇもんな!」
ほかの参加者にも声をかけていく
軽い挨拶と、手土産、パーティの件だ
手土産が賄賂に思えてきたころ、全員に話し終えることが出来て、会場の外が騒がしくなっていた
『ブルーったら、会見終わり際に婚約発表してたわよ、うっれしそうだったわ!』
セレビィがシャランとやってきて外が騒がしい理由を教えてくれた
ぶつん
『「以上がヒーローインタビューでした!ブルーさん、優勝おめでとうございます!」
「ありがとっ!」
「ついでに質問いいですか?」「なーに?」
「試合内容はミュウツーが強かっただけ、勝負では負けていたとまで言ってましたが随分と嬉しそうだなぁと思いまして」
「あ、わかる?分かっちゃう?えへー、プロポーズされちゃったからね〜今からのパーティをお疲れ様会から私のためのパーティにしちゃうんだ〜!」
「へ?」
「じゃ!お先に!アヤカ!走るよ!」
「あぁ、任せろ、フェローチェ!」
「あっ!?ちょっと!ブルーさん!詳しく!詳しく!!」』
パーティ会場を支配したギラティナが、気を利かせて?メインステージに映像を映し出してくれた
映像が終わったと同時に、フェローチェに抱き抱えられたビューティーとブルーが会場にたどり着いた
扉が閉まり、外の騒がしさが完全に消え去った
「いつこの部屋支配したんだ?」
『この建物は随分前に支配してたわよ、ライトニングが準備してたもの』
「…建物?」
『島は先日ね!』
「…島?」
あれ、ちょっと待ってここどこ?
セレビィさん?おーいっ
「改めて皆様、カントートーナメントお疲れ様でした。本来はトーナメントの慰労会の予定でしたが」
「私達の独断によってこの会場はブルーおめでとう会に変更します!主に婚約記念パーティに!」
カグヤのセリフを途中からブルーが回収して宣言した
仲良いね二人とも
会場全体が拍手に包まれる
「あ、でもでも、結局私たちはポケモントレーナーなわけだし、感想会に使って、機会は無駄にしちゃダメだからね
それじゃ、みんなグラスは持った?
乾杯!」
「「「乾杯!」」」
テンションが高いままのブルーが音頭をとった
初めはみんな静かだったけれどエリクサー研究所の面々がそれぞれに会話し始めると場が馴染んだのかワイワイとし始める
ブルーとカグヤが目でこっちに来いと言っているので
周りに集まろうとしていた人をやんわりと断りながら進んでいく
青と緑の花を両手に持ち幸せを噛み締めた
◇
「そういえばここってどこ?」
「ホウエン地方のバトルリゾートです
ライトニングが島ごと買い占めました」
島ごとか、前に黒い車も買ってたけど、いよいよって感じだな
バトルリゾートか、ある世界線だとバトルフロンティアのところで、もうひとつの世界線だとバトルフロンティアになる前の土地だ
ゲーム的にはエンディング後に行けるバトル施設の場所だな
「島ごと買えるものなんだ」
「一つ一つ買い取ってましたよ、特にここは四姉妹が守っていたそうで、ビューティーと共に苦労して戦ってました」
「あぁ、バトルシャトレーヌかな」
「やっぱり博士はご存知なんですね」
何故かやれやれみたいな雰囲気をだすカグヤ
ホウエン地方はあまり意識を割いてなかったから
情報不足だっただろうか
「彼女たちはライトニングの指揮の元にいますね」
4人とも魅力的だからなーキャバクラよろしく相手に…
『ビッ』
どこからともなく葉っぱが飛んできた、言うまでもなくセレビィだ
「これが例の」「えぇ、博士がロクでも無いことを考えている時に起こる現象です」
「仲良しだね、二人とも」
ブルーは背中を抓るのをやめてください…
「じゃあ4人を愛人として…あっ、いたい、とっても痛い…」
「とりあえず今はその話やめよ?ダンナ様?」
「ごめ、ごめん、いたた…」
「今日の主役はレイですよ」
ひゃい…すいません…
◇
「あの、エーテル財団の新代表ですよね」
「あ、こんにちは…えっと、そうですね」
私はコードネーム・パラサイト
エーテル財団の代表になって、やることが多くて、なんだか最近ずっと疲れている
エリクサー博士をストーキングしていた時は脳内花畑で動けていたので無敵だったけど
まとめ役はかなり疲れる
ライトニングが煽ってくるので全然やってやるけど
今日のパーティも立場があるせいでなんだか動きづらいし、博士を見て脳内花畑を生成するより、グラトニーに頼んで治癒マッサージをして欲しい気分だ
話しかけてきたのは大会に出場していた誰かさん
手持ちのポケモンで見ていたから、トレーナーがどんな人とか興味なかったんだよね
アローラの気候について興味があるらしく、興奮した様子で喋っている
実際に経験したことを教えてあげよう
するとリージョンフォームも面白いとか言い出す、話を聞かない人だ
アローラの気候について会話を続けているとそろそろとリーリエが近づいてきた
彼女の毒線はもう治まっている
「リーリエもほしぐもちゃんと島を巡ったんだよね、聞かせてあげて」
「わ、私の体験でよければっ」
そんな話したそうにしちゃあ仕方ない
私がエーテルパラダイスにずっといるのもあってリーリエとは仲良くなった
このパーティも私が行くなら行きたいという基準だったし、悪い気はしない
どこぞから生えてきた妹みたいなもんだ
リーリエがキノコみたいに生えてくる、しょうもないことを想像しながら私は一生懸命に喋るリーリエを微笑ましく見ていた
◇
「その服、とてもかっこいいですね」
「わかる?いいでしょ〜」
私はコードネーム・ビューティー
カロス地方ではアヤカ、アブソル使いのアヤカで通っていた
着ている服はエリクサー博士発案の『ジョウバフク』モチーフの衣装だ
カグヤさんのアレンジで騎士風に仕立てられており
白を基調に黄色がよく映える服となっている
小道具にレイピアがあり『フランスノジュウシ』のイメージも混ぜられているらしい
エリクサー博士は時々分からないことを言う人だ
話しかけてくれた人と会話が弾み、ここの施設の話題になった
メガシンカの特訓の延長で私はライトニングに連れられ、この施設、元バトルハウスの攻略を行っていた
バトルシャトレーヌの四姉妹はかなりの手練
フェローチェのポテンシャルのおかげで最後はギリギリ勝てたというものだ
やはり速く鋭い一撃は正義だな
メガアブソルも何とか形になり、私も伝説のポケモン集めに参加するかもという話だ
あぁ、それより先にカロス地方の残りのバッチを集めることかな
コルニさんには負けっぱなしだし、それより強いと噂の二人にはまだ挑んですらいない
今日はレイをこの会場まで運ぶという任務だけだったので、パーティは是非楽しませてもらおうか
◇
「では皆さんはパーティ会場の方を楽しませるバトルを」
「分かりましたわ」
緑髪のルミタンが返事をし、残りのバトルシャトレーヌを引き連れてパーティ会場からすぐ近くのバトルフィールドに向かった
『匠』…ギラティナ氏もこの島を好きに動ける程になり中継映像を流してくれるだろう
「ライトニング、おつかれ」
「あら、カグヤ、そちらこそ」
緑のドレスを着たカグヤがライトニングを労う
ライトニングはカグヤの来た方を見る
まだレイと博士は二人で挨拶をしに行った人たちと会話していた
「今日はスーツスタイルなのね」
「私にドレスは似合わないよ、二人のような可憐さが足りない」
「何度も言うけど私のドレスが合わないというのかしら?それに頑張っても博士よりも背は低いわよ」
ライトニングの背は高い方だ、女性の平均身長に限った話だが
「それは…」
「会場の準備をありがとう、会場どころか土地ですけどね」
「博士の書き散らしたメモから読み取っただけだけどね」
二人して和やかな会話を続ける
◇
グラトニーはパーティの様子を見て頷いていた
大変満足のようだ
皆が各々好きな物をさらに乗せ、食べ、笑顔を見せている
その光景がとても心を暖かくしていた
エリクサーに拾われ、餌付けみたいなことをされ
その食事が唐突に出せないとなった
エリクサーの用意した食事は一流やら三流やら問わず、どれも美味しものだった
舌は肥えた、なのに食べられないなんて
なら、用意させるのが上に立つ者、お嬢様としてのやり方
そうやる気をだした
無尽蔵に入る胃は味の評価をするのに役立った
エリクサー研究所のコードネームを使い
ブランド力で本を出した
評論家としての地位をすぐに物にしたのだ
そして、有能な料理人をその目で、口で判断し、スカウトしていった
今現在、バトルハウスにいる料理人は、全てグラトニーが集めた料理人である
全地方制覇、郷土料理から全てを再現し、エリクサーのだした料理をコンプリートし、さらにその上、エリクサーの出さなかった、より美味しい食事を我が物にすることを目指してまだまだスカウトする
そして今回のパーティは現状確認のようなものだ
それが見事に成功していることも、もてなすことに成功したことも含めて満足気に頷いたのだった
『あの、ポケモントレーナーとしても頑張ってね?』
「セレビィ様、お任せ下さい、ポケモンの中にはご飯から調味料、色々と関係あるコもいますからね」
『あ、うん、頑張って』
セレビィはまぁいいかと、判断した、結果的に各地方に破れた世界のトビラは繋がっているためだ
◇
「スラッシュお姉ちゃん、ついに冒険再開ってほんと?」
「ん、ヴィクトリア、誰から聞いたの?」
パーティ会場のある区画、モニターで行われているバトルシャトレーヌ達のポケモンバトルを見ていたスラッシュに赤髪の少女、ヴィクトリアが話しかけた
スラッシュの横にいた弟のステインはモニターを見ている振りをしながらスラッシュとヴィクトリアの方をチラチラと見ている
まぁその区画にいたほかのパーティ参加者も気になる会話だったのだが
「いま、ここってホウエン地方なのよ」
「そうなの?いつのまに?」
「先週居たところはアローラだったんだけどね」
「いっしゅ地方は?」
「だいたい巡ったからね、このままホウエン地方を冒険しようかなって思ってるところ」
「ミルも行きたい!」
ミルとマキナは破れた世界から出てもいい許可がおりた
元々ダメな理由は破れた世界の環境と現実世界の環境の違いで不調をきたしたり、アルセウスに発見されてしまう可能性を考慮してだった
それへの回答としてギラティナは特殊な膜で包むという解をだした
エーテルパラダイスの世界塗り替えを個人に施すようなもので、マキナは破れた世界と同様に動けて
ミルはアルセウスから見えなくなるはず、らしい
「まぁ、せっかく出れるようになったんだし、いこっか」
もとよりスラッシュも一人で行くつもりはなかった
ホウエン地方はダブルバトルが盛んなようでとあるジムはダブルバトル限定での受付もあるらしい
それならダブルバトルの形式のひとつ、マルチバトルで行くのも良いと思っていたのだ
ポケモンの話をするなら、ミル、ヴィクトリアの使うビクティニはバトルにおいて最強と言える
並大抵の実力では、ビクティニの力に対抗することすら出来ない
『うん、ヴィクトリアは連れていくべきね』
ホウエン地方観光ついでに、ダブルバトルもしていこう
「なら、ワタクシも連れて行って欲しイです」
スラッシュとヴィクトリアの話がまとまった辺りで無表情な美女、機械人形のマキナが話に入ってきた
メイド服で給仕していたが、二人の会話の様子を伺っていたらしい
「ステインについて行くのはどう?」
「え、ぼく…?お姉ちゃん!?」
横にいた弟にサラリと押し付ける姉
「デハ、よろしくお願いシマス」
「頼んだよ〜」
「えぇっ!?」
ステインはサクッと決められてしまった
姉には勝てぬのが弟の理なのだ…
◇
「えっと、Nさん、お隣よろしいでしょうか?疲れてしまって」
「うん、構わないよ、あと僕はココではBだよ」
ぼんやりとみなの様子を、パーティの様子を眺めていた青年の元に、線の細い金髪の少女リーリエが声をかけた
「コードネームというやつですね、私は治療中の病人で博士の計画には…」
「言ってみるといい、彼は面白いからね、案外コードネームをくれるかもしれない」
「で、ですがもらっても外には出れなくって」
「僕も出れないから大丈夫だよ、それでも借り出されたからね」
「そうだったんですか」
二人の会話は続いていく
パーティはまだ終わる様子は無い
賑やかな声はいつまでも続いていた