ポケモン世界をゲーム知識で好きに生きる   作:ふぁいる

47 / 76
47 地殻変動

 

 

試着室でハルカは赤いドレスから渡された服に着替えていた

 

『ドレスの裾が形を保つようになってる

回ると綺麗に広がるし、大きく動いても足に引っかからない』

 

有名ブランドの高級ドレスに名残惜しさを覚えつつ、紙袋に入った服を取り出す

 

「あれ」

 

紙袋から出てきたのはいつもの赤い冒険着ではなく、デザインはほとんど同じだが、色の青い冒険着だった

 

カーテンから顔を出す

 

「あの、カグヤさん、この服って?」

「元の服はまだ繕ってる途中でね、あるコに用意させられてたのがその服なの」

「あるコ?」

 

誰か思いつくことは無かったが、そのコに感謝しながら着替えていく

 

博士から引き剥がしたり報告したりとセレビィの裏の活躍は多岐にわたるようだ

 

 

着替えが終わり試着室から顔を出すとカグヤが部屋の外から戻ってきたところだった

手には箱を抱えている

 

「さ、ハルカちゃん」

 

カグヤはその箱を差し出してきた

 

「これは?」

 

既に多くのことをいただいているのにそれ以上とは、そんなことを思いながら恐る恐る箱を開ける

 

中には3種の宝石?が入っていた

 

「これはメガストーン、ハルカちゃんが身につけるネックレスと相棒のラグラージに渡すもの」

 

「メガストーンって、最近エリクサー博士の出した研究報告に載っていたあの?」

 

「ええ、キーストーンはネックレス型にしておいたわ」

 

キーストーンのアクセサリー形式のことではなく、貴重なアイテムを渡すことについて聞きたかったのだが

ハルカは黙って受け取った

 

「もうひとつはあいいろのたま」

 

そしてカグヤは今のホウエン地方について語り出した

 

 

グラードンの復活と、カイオーガの暴走について

 

 

 

 

 

カガリは休眠状態のグラードンの前でべにいろのたまを掲げた

 

赤く光り輝き、洞窟を真っ赤に染め上げる

 

地響きが鳴り出し、グラードンがドクンと震えた

そして地面が割れる

 

 

グラードンは目覚め、周りに誰もいないのを確認したあと、その姿をくらました

 

 

 

 

暗い空間で、カガリとビューティー…アヤカは体育座りで身を寄せあっていた

 

「カガリ、復活したら直ぐにボールを投げる手はずだったじゃん」

「う」

 

「まぁ私が一緒にいたのは博士がこうなるだろうって予想して着いてこさせたから、一緒に落ちた私もミスになるんだけど」

「フ、どんまい」

 

「元気ね?」「もう反省終わったから」

 

さて、と見渡すが、地割れに落ちてしまいやれることは無かった

ポケモン達の力で迫り来る壁を削り、何とか人の居れる空間を作り出したのが生死を分ける数瞬前のことである

 

脈打つように淡く光る、べにいろのたまを抱え直してカガリは下を向いた

 

落ちてきたはずの天井は閉じてしまい、既に日の光が恋しい現状だ

 

地面に挟まれて死ぬのは免れたが、生き埋めで死ぬのは時間の問題かもしれない

 

「酸素も薄いわね」

「ギラティナフォンを犠牲にすることで酸素と、水と食料、みんなの声も聴けるはず」

 

「そこから帰れないの?」

「……むり、裂け目が小さすぎる」

 

二人してため息が重なった

 

 

◇◇

 

 

休眠状態のカイオーガの前にアクア団リーダー、アオギリと幹部、下っ端達は到着した

 

とあるルートから手に入れた「ポケモンを暴走させる音波を流す道具」

コレを使いカイオーガに刺激を与える

 

彼らの目的は海を増やすこと

カイオーガが目覚めて思い通りになるのなら願ったりだが、そのためのキーパーツは何者かによって偽物にすり替えられていた

 

だがしかし、カイオーガの能力を使わせれば目的は達成される

 

ならば、暴走させればいい、その後に新たな世界に降り立ち君臨すればいいのだ

 

彼らは行動を開始し

 

カイオーガは目覚めた

 

 

 

カイオーガの眠っていた祠は水に沈み、辺りの地盤が崩れ、変動した

 

その場を後にしたカイオーガはホウエンの大海原へと出て、空を飲み込む黒い雲を呼び寄せた

 

 

ホウエンを中心に世界に大雨が降り注ぐ

 

 

 

 

 

 

「バーストとビューティーの捜索にほとんどの人員が割かれてカイオーガとグラードンの争いに関与できていない

 

捜索も海底に沈んで難航

 

…もしかして不味い状況?」

 

 

「そうですね、グラードンの目覚めには博士も同行する予定だったのでは?」

「ライトニングに吊るし上られてました」

「嬉しそうに言わないでください」

「大元は博士のおいたから始まってますからね」

 

 

エリクサー、カグヤ、ライトニング、少し後ろにハルカが研究所の会議室で話していた

 

いくつか明かりのついているギラティナフォンがあり、通話先はそれぞれのメンバーとなっている

 

『あの、この裂け目から直接そっちに行けたりしない?』

 

穴が空いたボロボロのギラティナフォンにはビューティーと繋がっている

物も送れるある種のワープホールだが、その大きさ故に人は通れないようだ

 

「裂け目を大きくできるのはギラティナだけで、ギラティナが向かうには空間が足りないらしい」

 

「カイオーガとグラードンの方は空間が広すぎて迎えないようです」

「ネクロズマのようにはいかないか」

 

 

「あ、セレビィから文字列が送られてきた

えっと、グラードン復活後、地殻変動で場所が特定できない、と

なるほど、とりあえず地道に穴を掘るしかないか」

 

「2人を救出した後のことも考えてください、グラードンとカイオーガはどうするんですか?」

 

「グラードンはワンチャン…カイオーガは倒すしかないか?」

 

 

破れた世界にあるエリクサー研究所で会議は続く

メンバー達は必死に海底に潜っていた

 

 

世界は黒い雲が発生と霧散を繰り返し、雨と晴れを短時間のうちに何度も繰り返していた

 

気候が乱れ、風が吹き、嵐となる

天災が訪れていた

 

 

 

 

 

「うう、ボクたちもう終わりなんだ、ここで一生生き埋め生活なんだ…」

 

「裂け目経由で貰ったおにぎり頬張りながらよく言えるね」

「おいひい…」

 

 

「ふふん、わたくしのシェフですからね!」

「なんか裂け目の向こうから変な声が聞こえるけどおにぎりにシェフいる?」

 

 

裂け目を隔ててグラトニーの回復能力を試して見たが無理だった

 

まぁ傷とか欠損では無いからそもそも意味ないのかもしれないが

あるとしたら酸欠か

ビューティーがツッコミを入れ続けており疲労で倒れる可能性もある?

 

そんなゆったりとした空気感なのはギラティナが二人を確実に救う方法を思いついたからだった

 

空間ごと移動させれば良い、という力技が可能

その代わりアルセウスには「ここで悪さしてますよ」と宣言しているようなものでもある

 

2人が見つかるのならそれに越したことはないが

 

少しきな臭い、2人がいるはずの地下空間に地殻変動では説明しきれないズレが生じているらしいのだ

 

簡潔に言えば、時空ごと移動している可能性がある

裂け目で繋がるウルトラCがあったので2人の安否が確認できているが…

 

 

とにかくギラティナには慎重に探って欲しいところだ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。