コード1
パラサイト。は喜びと同時に恐る恐る会議室を覗いた
唐突に博士から告白され、舞い上がりと同時に報われた気分に素の性格の方で返事してしまった。かれこれ長くやいのやいのとしてきたライトニングにも当然聞かれているだろう
まさかアイツの顔色を伺う日が来ようとは
「呼ばれた気がしたけれど」
「読んでないですけど!?」
ライトニングは私が出た後を着いてきたらしく扉の前で鉢合わせることになった
「ま、おめでとう、私はなあなあになってるから口説き文句はちょっと羨ましいわ」
なんか変だった
なんというかトゲがない、この連日の大戦で疲れているのは当然そうだろうが、それ以上に覇気がない
「らしくない」「え?」
「アンタらしくない」
眼でみる
皮膚から読み取れる鼓動、脈拍、瞳孔、どれも異常はない、健康体だ。汗もない、先の言葉は嘘では無い
なら気持ちの問題か、難しいな
「同情?なんだか知らないけど、とにかく元気がない、張合いがない」
「いや、祝福のことばをだな」
「心の底から喜べてないぞ」
「…」
「嫁だか嫁候補だかは関係ない、私はお前をライバルとしてみて、見てきた
勝手に満足するな、満ち足りるな
ばとる、バトルだ
復興、復興バトル、アローラとホウエンのバトル島、どっちが先に復興するかだ、いいなっ」
そう言い捨てて、その場を後にする
自分でも何を言っているのか分からなくなっていたから、恥ずかしさすら込み上げていた
「馬鹿か、統率力の差をみせてやるっ」
後ろから聞こえた声には活力が灯っていた
◇
「で、復興バトルをするのはいいけど、正直勝ち目は無いと」
「ぅぃ」
エーテルパラダイスに戻り、現状を確認、把握したところで、悪天候、主に突風により多くの監視カメラが接続不能になっており、壊れてるか、不調になってるかとなっていた
そこにエリクサー博士がルザミーネ前代表を連れて登場。ルザミーネは旧交を温めに行った。そのすきに復興バトルの話をした
「とりあえず、完璧超人じゃなくて良かったよ、最近の活躍は破竹の勢いだったから」
「元々完璧超人でもないし、ほら、もとオカルトマニアだし」
「そんな雰囲気はあったけど、そうだったんだ、可愛いね」
博士の可愛い基準が分からない
あと胸見てる?それとも猫背の私に目線を合わせてる?まぁどっちでもいいか
博士を眼で見ようとすると目眩を覚える
ギラティナの仕業だと思うが、何か仕込まれているのだろう、人として異質だ
だから、眼を使わずに目を見て話す
感情が読み取れず、嘘かどうか、緊張とか、そういう情報が削ぎ落とされた視界は新鮮に感じ、恐ろしくも思える
「そうか、パラサイトも好きにしていいのか〜幸せ者だなぁ、どう?キスでもする?」
「え、なんかヤダ」
そういうんじゃないんだよね、私が一方的に観測してたいだけで
「うん、何となく知ってた」
そうなんだ
ソファに誘導される屋上の監視塔、眺めがいいだけの場所で職員は基本来ない
広い展望台の部屋で二人きり
「ふふ、ちょっと興奮してきた」
「ツボがわからん…」
「博士、好きにしてもいいです?」
「今のパラサイトならいいよ」
横になってもらい、博士の頭を膝に乗せた
「今の?昔は?」
「昔のパラサイトなら許してなかったかな」
「私、変わったので」
胸を博士に置いて力を抜く
あーー、楽、めっちゃ楽
「太ももパイサンドだ…」
「あ、いいこと思いついたビューティーって空いてません?彼女に監視カメラを付けて回ってもらいましょう」
「それまでは私が全部見ればいい」
「ほどほどにね」
いつの間にか伸びてきていた手は、私の頭を撫でていた、博士はきつそうな体勢をしていてちょっと面白かった
その手つきは優しく、改めて、この人が好きなんだと思ってしまった
「んむ」
キスをした
無防備だった博士を見て、ついうっかりやってしまった、後悔はしていない、反省はしない
放心している博士を覗き込む
「おお、狩人の眼だ」
「こわい?」
「素敵な眼だね」
本当に、博士ったら、次は食べちゃうよ?
「勝てる見込みはないけれど、復興バトル、頑張るかー!」
立ち上がって、窓ガラスに近づく、アローラは快晴だ
なんか、めちゃくちゃ元気出た
眼も凄く調子がいい
ウツロイドに持ってかれた後、眼が良くなった時のように、 ほら、瞼を閉じると、そこに博士がいるようだ。
念視?うわ、すご、いつでもどこでも博士だけ見たい時に見れるっ
わー!我ながらきもい!
私の後ろ姿を見ていい顔した博士をなんか見れてる!きもーい!
「博士っ!ずっと見てますからね!」
「それ、はなんかこわいな、過去一更新だ」
ふふ、それ当たりですよ?