ポケモン世界をゲーム知識で好きに生きる   作:ふぁいる

60 / 76
60 コード8

 

コード8

 ステイン。本来ならベベノムをスティッキー、アーゴヨンをスティンガーと呼ぶため、特別なコードネームとなっている。

 スラッシュを姉に持つ少年は博士からベベノムを受け取ってから季節を跨ぎ、カントーチャンピオントーナメントに出場するまでの実力を付けた。

 その時の凛々しい青年の見た目で実はファンクラブを生み出すキッカケとなっていたのだが、本人はそのことを知らない

 

 彼の戦闘履歴は研究所メンバーの中で最もライバル戦が多いだろう

 そもそもカントー巡りの時のライバルが多いのが影響しているが、それだけにバトルセンスの磨かれ方がとんでもなく

 ポケモンバトルの考え方はトップ層なのだ

 

 場所はエリクサー研究所より

「ミルも彼氏ほしいなぁ」

「…えっ」

 エリクサー研究所の身内大会を2日後に控えた現在、メンバーは研究所の一室、暗室の映写室に集まることが多かった

 バトルビデオでの研究である

 

 本日の特訓も終わり、寝るまでの時間、珍しくパラサイトのいた映写室での、ミルの発言である

「パラちゃん幸せそう…ねぇ、このビデオって本当にバトル見てる?さっきから博士が写ってるところで停止してない?」

「へぁ!?え、バレる?」

「うん、だってここで止めても見るとこ少ないし」

 

 バトル中の博士はまるで別人だからなぁ、なんて思いながら、前の席のソファのミルを視線で追うステイン、ツイテールの髪の毛に先程からずっと視線を奪われている

 映画が見れるようにと階段式二段のソファは大変居心地がよく、二段目は少し高い位置となっているため複数人で見ても大画面をしっかり見ることが出来る

 

 他の人の研究対象を見極める、のも研究の仕方のひとつなので情報戦は複雑となっていた

 博士は大画面で見ることでブラフにすることができるとか言ってたけど、それは研究しきったあとの話だよね、今の僕たちには遠いかなぁ

 

「ん、なんか私の顔についてた?」

「…え?やっわっ、えっと、なんでもない!おやすみ!」

 

 パラサイトのバトルビデオは終わっていて、部屋も明るくなっていた、ミルは自分を見ていて、ボンヤリしていた自分はミルをじっと見ていたようだった、慌てて自室へと引っ込んだ

 その日はドキドキして寝るのが遅くなった

 

 対策たいさく、たいさくねぇ

 結局ブルーのミュウツーには搦手の選択肢しか思いつかない、ホウエン地方で捕まえたポケモン達もミュウツーを倒せる予感がしないのだ

 いや、パッとだけど思いついた戦術なら?メモしておこう。

 

 第二回身内大会は決勝でブルーに敗北した、ただ、ミュウツーを意識しすぎて最初のツンデツンデに出し惜しみをしてしまったのが敗因だとも思っているから、次はそうはならない…バトル相手の手持ちを予想して全体を見て選ぶ。どうにも苦手だ

 

 明日、明日かぁ、身内大会、みんながみんなUBを持っているこの大会は規模の小ささにそぐわないレベルの高さをしている

 練度も相当だ、いちばん低いとタカをくくっているグラトニーさんも、博士を呼び出したようで、高めてくるだろう。いや、むしろ博士なら付け焼き刃用の考え方とか授けてそう

 

 視界が暗転する

「ふふ、だーれだっ」

「えっ、えぇ…?」

 特訓用の浮島で考え事をしていたらミルの声と共に視界が塞がれた、しかし塞いだ手は機械の質感、マキナの手である

 なんて紛らわしい

「ミルとマキナ?」

「おしい!博士もいました!」

「ノーヒントじゃん!?」

 

 ミルはこのところ実力がぐんぐんと上がっている、実際ジュニアチャンピオンとしてホウエン地方で優勝している

 加えてハツラツさとか、女の子らしさとかもまとっていると思う

 

「トーナメント表ができたから教えに来たよっ」

 前回は八人で綺麗にトーナメント表ができたけど、今回は…14人、シードが二人

「って、多くない?」

 コードネームの10人と、マキナ、Nさん、ルスワールさんに、ミル

「四姉妹は事前に大会ルールで戦ってもらって、勝ったルスワールが出場する運びとなった」

 シード枠が一人だとバランスが悪い、という理由だけで急遽増やしたのだとか

 

ミルとルスワールさんがシードで

 僕は初戦がイクスパンションか

 

「ミルって好きな人いる?」

「えー、博士が聞くとなんかやーらしいんだー」

「えぇ…じゃあタイプとか」

「バトルが強いひと!」

「まじかぁ」

「なになに?博士、彼氏にでも立候補するの?」

 

 えっ、ちょっと待って?まってまって

 トーナメント表見てる間に何かとんでもない話してるんだけど!?

「バトルが強いひと…」

 ミルのバトルを見たことは無い、ジュニアチャンピオンになった時しか戦ってないし、その時の付き添いも博士とマキナだったからだ

 今回も出場するとは思ってなかったから研究してないしで『ど、どうしよ!?かっこいいところ見せたいのに!』

 

「だってさ。ステイン」

 え?博士、それってどういうこと?

「エキシビションマッチで戦えるといいな〜」

「きゃーあはは〜」

 それって優勝しろってことだよね

 どうしてこれ見よがしにミルの肩を組むんだろ

 

 ふ、ふふ、ミルはバトルが強いひとが好き

 そうだね、博士は強いね

 

 僕はミルが好きだ、うん

 振り向かせるには

 

 博士を倒せばいいんだね

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。