研究所の場所は決めてある
破れた世界だ
提案してきたのはギラティナだし、自分もそう提案したいと思っていたところだった
なんでも、ギラティナフォンは大量にあって、使わない手はないらしい
完成されたひとつを作る段階で機能の欠陥があるけどまともには動く
いわゆる失敗作がたんまりあるらしい
ちなみに完成された機能とはポケモンwikiのこと
これの機能のない端末は大量にある
ギラティナフォンがあればアルセウスに秘匿性のある破れた世界へのアクセスが可能になる
あとメールと電話と写真と……
まぁスマホ機能はおいおいにでも
破れた世界なら主はギラティナ、拠点にするにはもってこいの場所だ
「ここがワールド団(仮)の拠点…じゃなくて、エリクサー研究所か」
『なかなか素敵ね!』
周りの景色は相変わらず謎と言わざるを得ないが
研究所の外観とその周囲の環境は素敵空間となっていた
オシャレにも花まで咲いている
浮島なのも相まってとても幻想的な研究所だ
『ここで引きこもってるにしてもあまりに暇だからな!ギラティナフォンを作った時の経験を活かして物創りをやってたんだ!』
なんだこの反逆者
暇なのか?
…出れないから暇なのか
(出てアルセウスに見つかる可能性があるので絶賛引きこもり中だ)
「なんかお前とかセレビィの声が聞こえてくるんだけど」
『ビット?ドローン?が周りに飛んでいる、作ってみた』
俺の元の世界を参考に〜と言うが
え、なに?俺の元の世界こんな超超高文明なん???
ギラティナの補足曰く破れた世界の環境下でのみ機能するらしいがそれでも凄い
「すごいな…ちなみに何人まで?」
『ギラティナフォンも含めて20人分はあるな』
もうお前が道具博士を名乗れよ
◇
「ま、さすがに風呂は無いか」
『宿のシャワー気持ちよかったのにー』
『水はこの世界では制御しずらいからな、施設の水は買ってきてくれ』
まぁそれくらいなら
金は稼がないとなぁ
『悪い顔ね』
「こだわりスカーフの横流しが間に合わないからな」
こだわりスカーフは別の世界から引っ張ってきている
倉庫ごと影に取り込んだが数が間に合わないようだ
こんなんで金儲けだなんて、ちょろいぜ
さて、さてさて
今後の方針について話し合おう
俺の、俺たちの目的は打倒アルセウス
そのために、パッケージを飾るような伝説のポケモン達を集める必要がある
そして何匹かは「伝説のポケモンが認める」必要がある
わかりやすいのはレシラムとゼクロム
アイツらはアイツらが認めたトレーナーの前にしか姿を表さない
だから正攻法で攻略してもらう
…テスター達に
今の所二人しかいないから
地方の攻略順も考えてきた
カントーとイッシュを攻略
ジョウトとイッシュ2は2年後だからそれまでに
ホウエンとカロスで悪の組織が動くことを祈る
(というか俺らが働きかける)
そしたらシンオウ、アルセウスを叩きに行く
雑に見積もっても3年の期間、働き詰めだ
もし失敗があればセレビィに頑張って貰うことにする
よし!完璧な作戦だな!
『…』『…』
「なんで黙るんだよ」
ふいっ ふいっ
「なんで目をそらすんだよ」
「まぁ元から意見は求めてない、俺が楽しければそれでいいんだ
じゃ、新しい住人を連れてくるから」
アビーを宿の部屋の前で待たせてるからな
◇
アビーにギラティナフォンを渡して
いざ破れた世界へ
「なんだか武骨なポケモン図鑑ね…」
「わかる、センスはないよな」
「……あれ、いま、宿の部屋に入らなかった?」
「部屋を研究所の扉に繋げたんだ」
宿の部屋に足を踏み込むと、そこは破れた世界の研究所、かなり広いワンルームが広がる
一応奥にも部屋はあるが倉庫と会議がメインの使い方だろう
研究所、拠点とは呼ぶが、水がないのは不便だ
スーパー銭湯に入り浸れたりしないかな…
「…まど」
ポカーンとしたアビーが何とか絞り出せたのは外から見える破れた世界の様子についてだった
再起動して欲しいのだが…抱きしめたら再起動したりしな
『てやっ!』
ヒュるんと飛び回りながらセレビィが腹に突っ込んできた
「ごはぁっ!?」
最近ツッコミが過激になってきた気がする
「はっ…え、なんだそのポケモンは
でもーだってー?」
一瞬我に返ったアビーはセレビィを見て再びフリーズしてしまった
「落ち着いたら話すか…」
研究所に一番必要なのはくつろげるソファーだな
しばらくすると動き出したアビーは研究所、その外も含めて散策し始めた
大量のダンボールに積み込まれたポケモンの道具を見て固まったり
ギラティナを見て泣きそうになったり
とにかく騒がしかったが
あれはなんだ、これはなんだと聞かれ始めて、質問に答えていくと段々とこの世界にも慣れ始めた
人の凄いところって順応性だよなー…
ひと段落ついたところでアビーと研究所にいつの間にか用意されたソファーに座った
ギラティナが創ってきたらしい
さすが博士だぜ
「さっきはこんなソファーなかった気が…」
「ちなみにアビーは何歳なんだ?」
『ベシッ』(セレビィにどつかれる音)
「……いや、未成年で門限とかあったらやっかいだと思ったんだよ」
『前の世界の常識じゃない?…え、記憶戻った?』
『意識に刷り込まれてたのかもな、こいつの世界の旅をするの概念がこの世界とは大きく違うから、引っかかったんだろう』
「んー、つまり、家族のことですね、まぁウチはトレーナー一家だったので大丈夫ですけど
私としては泊まり込みの覚悟で来ましたよ」
博士なら雇用形態がどうと話すアビー
かなり詳しい
(…そっち方面のことも任せてよさそうだな)
見切り発車気味な博士業もアビーがいれば何とかなるのかもしれない、そう思った。
あとは
姉弟とその友人か