異世界家電量販店~魔改造した家電で僻地を開拓しちゃダメですか?~   作:荒井竜馬

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第7話 『家電量販店』ツアー

 

「それじゃあ、旦那様。どこから見ていきましょうか」

 

「そうだなぁ」

 

ペッハー君だったアリスが人間の姿になったということもあり、俺たちは改めてここにある家電がどんな仕様変更ができるのか確かめに行くことにした。

 

時間はあるわけだから、一階から順番に見ていくのがいい気がするが、気になるところがあったらいきなりそこに行ってみてもいいかもしれない。

 

俺はそんなことを考えながらフロアマップをじっと眺めていた。

 

 しかし、どうしても気になってしまうことがあって、俺は後方をちらっと見る。

 

「……とりあえず、少し離れてみようか」

 

「?」

 

「いや、別に難しいことは言ってないでしょ」

 

 アリスはきょとんと首を傾げながら、俺にぴったりと体を密着させて、後ろから抱きついていた。

 

 さすがに今の俺が子どもの姿とは言え、双丘の感触を前にすれば少し気恥しもなる。

 

 アリスはそんな俺の考えなど気にする素振りも見せず、当たり前のような顔で続ける。

 

「旦那様が人恋しくならないようにしているのですが、ダメでしたか?」

 

「別に、ダメという訳じゃないけど。い、今は他の家電を見に行くんだろ。時と場合を考えるべきだと言っているんだって」

 

 アリスに人恋しさを感じていたことを告げてしまっただけに、俺はあまりアリスに強く言えずにいた。

 

 それに、アリスはペッハー君だったときからボディタッチが多かった気かする。だから、急に女の子の姿になったから接触を控えるようにというのは違う気がした。

 

「……くすっ、嫌じゃないんですね」

 

「アリス? 何か言ったか?」

 

「いいえ。何も言っていませんよ」

 

 一瞬、いつもと違うアリスの声が聞こえた気がしたが気のせいか?

 

 俺が再びアリスの方に振り返ったときには、アリスはいつもと変わらない表情をしていた。

 

「旦那様。それで、どこか気になるところはありました?」

 

「あっ、そうだったな。どうするか……それじゃあ、お掃除ロボットなんかどうかな?」

 

「お掃除ロボットですか。それなら、一つ上のフロアですね」

 

 アリスがここまで変わったわけだし、お掃除ロボットとかも凄い仕様変更ができるかもしれない。

 

 さすがに、お掃除ロボットが女の子になるとまでは思わないけど、面白い進化をしてくれる気がする。

 

 俺は密かにそんな期待をして、アリスに案内されてエスカレーターを上ってお掃除ロボットの売り場へと向かった。

 

「おお、これがお掃除ロボット」

 

 ウィーン、ウィーン。

 

 俺は前の前で動く白色のお掃除ロボットを前に、小さく感動の声を漏らしていた。

 

 そういえば、お掃除ロボットを生で見たのは初めてかもしれない。

 

 お掃除ロボットって値段が高い割には隅の方を掃除できなかったり、段差で転んだり、物と物の間を掃除できなかったりするイメージがある。

 

 だから、家電量販店に行っても見に行ったことはなかった。

 

 俺の中でのお掃除ロボットって、動画の中で猫が乗っているイメージしかないんだよなぁ。

 

「それじゃあ、仕様変更をしてみるか」

 

 俺はそう言って、片膝を立ててお掃除ロボットに優しく触れる。すると、以前にアリスの使用変更をした時と同じウインドウが何もない所に表示された。

 

 『仕様変更しますか? Yes/No』

 

 俺はそのまま『Yes』を選択しようとして、ピタッと指を止める。

 

「アリス。この仕様変更って、何がどう変わるか分かったりしないのか?」

 

 俺が以前に仕様変更をしたとき、アリスは女の子の姿になった。

 

 あの時のことを考えると、これからお掃除ロボットがどんな姿に変わるのか事前に知っておきたい。

 

「旦那様の理想に近づく感じですね。お掃除ロボットに何を期待するかです」

 

「お掃除ロボットに期待するもの、か……なんだろ?」

 

 俺は頭の中で理想のお掃除ロボットをイメージする。

 

 隅々までどんなものでも掃除ができて、猫とかが乗っても移動できる奴かな? あ、そのままお掃除ロボットに乗って空とか飛んだら面白いかも。

 

 俺はそんな冗談みたいなことを考えてから、仕様変更の画面の『Yes』の部分に触れる。

 

すると、突然お掃除ロボットが光り出した。そして、ぽんっと出た白い煙がお掃除ロボットを覆った。

 

「さて、どんな仕様変更になるのかな?」

 

 俺がワクワクしながら待っていると、白い煙の中から何がヌッと出てきた。

 

「「あれ?」」

 

 そして、煙の中からから出てきた物を見た俺たちは、そんな言葉尾を漏らしたのだった。

 

 

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