サイバーパンク2077〜変なのを添えて〜   作:ロックオン

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起きたら更に感想と評価を頂いていたので短めですが書き上げました


トラブルってのは急に跳んでくる虫みてぇなもんだ

 

ガキ…デイビットの一件があってからしばらく経った頃。

アフターライフである噂を良く耳にする様になった。

 

とある傭兵集団が本格的に活動を再開させただとか。

何でもヤケに素早いガキがチームに加わったとか。

…そいつが付けてるサンデヴィスタンが特別なのかそいつが特別なのか定かじゃないがどうやら何度でも発動、クールタイムも殆どないらしいって眉唾なモンまで。

 

「メインとこに新人が入ったって?最近見かけなかったがアイツ今何してんだ?」

 

メイン…傭兵集団の長でありアフターライフ入りを果たしている傭兵の1人。

前はちょくちょく見かけたもんだがその度に新しいサイバーウェアを入れてるものだから発狂するのが趣味なのか?と疑ってた時期もある。

…まぁ話してみると意外と良い奴ではあったが。

 

「詳しくは知らないけど…最近はファラデーと組んで依頼をこなしてるって話だね?」

 

アフターライフのバーテンダーがチラチラと俺の横を見ながらそんなことを言った。

 

「あのベイビーと?ついに狂ったのか…御愁傷様だな…」

 

あんま長い付き合いじゃなかったが良いやつだったぜ、メイン。とカウンターに置かれた酒を飲み干すと、隣から不機嫌そうな声がかかる。

 

「…本人の目の前で良くもまぁ言えたもんだな?」

 

ジロリと俺を睨むメイン。

 

「そうじゃなきゃあのコーポもどきと組むなんて考えが浮かぶか?」

 

おら、お前も飲め。とボトルから酒を注ぐ。

 

「相変わらずだなお前も…酒の趣味は悪くないが」

 

グラスを手に取って一気に煽る。良い飲みっぷりじゃねぇか!

 

「まぁ冗談はさておき、だ。…人増やしたんだって?」

 

色々噂になってんぞ?と続けると少し顔を顰めて答えるメイン。

 

「チッ…何処の誰だか知らねぇが余計な事まで喋ってる奴がいるみたいだな」

 

不機嫌な顔を隠そうともせずに話しを続ける。

 

「…で?うちの新入りに何か用かブートヒル」

 

探るような視線と共に問いかけられた。

んー…別に用って程のことでもないんだが…

 

「いや?別に用はねぇよ?…ただ少し気になっただけだ」

 

あのガキ…デイビットが上手い事やってチームに参加したのか、それとも別人なのか。

十中八九デイビットだろうが…

 

「サンデヴィスタン持ちのガキにちょっとばかり心当たりがあってよ」

 

まぁメインのところなら大外れって事もない。…敵対する可能性も含めて。

 

「…やっぱりデイビットの奴が言ってたのはお前らか」

 

ため息と共にそんな言葉を吐く。

上手い事やったみたいだなデイビット。と心の中でささやかに祝う。

 

「お?あのガキ、なんて言ってたんだ?」

 

ちょっと気になるじゃねぇの。

 

「…あのサンデヴィスタン使ってもお前に抑え込まれたってのは本当か?」

 

探る様な視線を向けながら問われるが

 

「当然。見えてりゃ抑えるのにそう苦労しねぇよ?」

 

アイツ見た目通りの筋力しかねぇし、一回捕まえちまえばこっちのもんだ。と続けると

 

「バケモンかよ…」

 

天を仰ぐ様に上を向いた。失礼な奴だなおい。

 

「こんだけ改造しててあの程度のサイバネ一つに対処出来なかったら間抜け過ぎんだろ」

 

パッと見て俺の生身がどんだけ残ってるか判る奴はいない。

その位身体いじってんだから当然だ。と続けると納得したようなしてない様な顔で答えるメイン。

 

「その有様でサイバーサイコになってねぇのがアフターライフ七不思議の一つだな」

 

意味わかんねぇ…と不貞腐れた様子で酒を呑む。

 

「俺にもわかんねぇ事が他人にわかってたまるかよ」

 

俺も更に酒を注いで飲んだ。空いたグラスに酒を注ぐとメインの方に向き直る。

 

「ま、とにかくだ。仕事復帰とデイビットの加入を祝って。そんでもってファラデーのホーリーベイビーによろしくなって事で…乾杯!」

 

無理やりグラスを合わせてから一気に飲み干す。

うん、やっぱ此処の酒微妙!

 

「はぁ…ファラデーにゃ関係ねぇが。一応ありがとうよ」

 

そう言うと注いだ酒を一気に煽るメイン。

 

「疑問も晴れた事だし俺はそろそろお暇させて貰うぜ…姉ちゃん、お代此処に置いとくぞ!」

 

別の客を接客してるバーテンダーにそう伝えると席を立つ。

 

「じゃあな、メイン」

 

「あばよ、ブートヒル」

 

後ろ手に手を振ってそのまま店を後にする。

 

しっかし、あのメインが新入りを取るとはな…

懐に入れた相手はすげぇ大事に扱う奴でも、そもそもそこまで行ける奴が少ないって話だったが。

デイビットの奴、どんな魔法使ったんだろうな?

 

 

 

 

そんな事を考えてるとホロコールが煩く鳴り響く。

誰だよ…折角良い気分で歩いてるってのに…

 

「あー…こちらブートヒル」

 

『旦那!無事ですか!?』

 

あ?どういう事だ?

 

「この通りピンピンしてるぜ。…何か有ったのか?」

 

訝しげに尋ねると

 

『ニュース見てないんですか?旦那の家吹き飛んでめっちゃ燃えてますよ!?』

 

さっきからサイレンがクソうるせぇと思ってたらそう言う事か。

 

「何でうちが吹っ飛んだんだよ?」

 

『原因不明の爆発事故って言ってますが…これ、偶然ですかね?」

 

…何とも言えないな?

別に一軒家って訳じゃねぇし、俺以外が狙いで吹っ飛ばした阿呆がいる可能性も有り得る。

 

「どうだろうな…恨まれる事してないって考えられる程潔白じゃねぇしな俺もお前も」

 

依頼でぶっ殺した奴の遺族や友人、若しくは依頼されたフィクサーが派遣した傭兵か…

いや、フィクサー絡みは無いか?標的が俺なら受ける傭兵がいるとは考えづらい。

何も知らねぇ新人ならまだしも、アフターライフに出入りする様な奴らは俺の出鱈目加減を理解してるはずだし。

もの凄く低い確率、それこそ1%もねぇだろうが…

 

「本当に事故って線は?」

 

『まず無いでしょうね。車が突っ込んだ程度じゃ此処まで被害デカくないでしょうし…旦那の所、ガス使ってないでしょ?』

 

オール電化が売りだったからな。電気事故で燃えるならまだしも爆発事故ってのは考え難いか。

 

「じゃ、人災確定だな。…家吹っ飛ばしてくれたホーリーベイビーは確実にラブリーしてやる」

 

借家だから家自体はどうでも良いが…コレクションしてた酒が全部オシャカにされた怒りが込み上げて来た。やらかしたカス野郎の頭蓋で乾杯してやろうかと思うくらいには。

 

『今旦那の家…跡地に向かってるんですが、今どの辺にいますか?』

 

「シティセンター南からヘイウッドに入った辺りだな」

 

取り敢えずはジョンと合流してカス野郎を探し出す。んで脊椎引っこ抜いて終いだ。

 

『すぐ向かいます』

 

「待ってるぜ」

 

全くもって退屈しねぇなこの街は。

溜め息と共に怒りの感情を吐き出す。

 

殺すなら冷静を保たなきゃ行けない。

ブチギレたままだと変な所で足を引っ張りかねないしな。

 

まぁ、最後の引き金を引くときは大いにキレさせて貰うが。

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