サイバーパンク2077〜変なのを添えて〜   作:ロックオン

14 / 33

朝起きたら更に感想と評価を頂いてましたので勢いで書きました


お前に与える慈悲はねぇし、俺達に神はいねぇよ

 

 

 

『目標地点に到着…見えますか、旦那?』

 

 

ジョンの言葉に頷く。

 

 

「見えてるぜ…ちゃんと見張りまで立ててやがるな」

 

 

廃教会跡とは聞いてたが、結構ちゃんとリフォームされてんな?

 

 

『パドレからの情報はカシミロが此処に居るって事とある程度の建物内の見取り図、構成員数だけです…ここからは完全にアドリブになりますが構いませんね?』

 

念を押す様に言ってくるが…

 

「別に構わねぇよ。…今回はバックアップに回れ」

 

逃げる準備は要らない。此処から帰る時は全員死んでるからな。

 

『…了解です。ご武運を』

 

「再三言うが出てきた奴は全員始末しろよ?今回は誰一人として生かして帰す気はねぇ」

 

まぁ大抵はその前に死体になってんだろうが。

 

 

「んじゃ、派手に始めるぞ!」

 

相棒に火を入れる。そこから一気に吹かして坂道を転がり落ちる勢いで走った。

 

接近する俺に気づいた連中が何やら騒いでるが…

 

「邪魔するぜぇッ!」

 

最高速度に達した相棒でバリケードをブチ抜いて敷地内に突入。

明後日の方向に向かってぶっ飛んで行こうとする単車(相棒)を腕力で無理矢理振り回して何人か巻き込む。その勢いのままぶん投げて教会の扉を派手にノック…ブチ破ったな。流石はナザレ(先代と同車種)、市販品でもしっかり仕事するじゃねぇの。

 

中からわらわらと出てくる構成員共。

 

「敵襲!敵襲ー!」

 

騒いでる馬鹿を撃ち抜くと一瞬で静かになった。

 

「さてと。俺ん家をぶっ飛ばしてくれたお礼に来たんだが…」

 

周りをジロリ、と睨む。

腰が引けてる連中ばっかだな。これは切り捨てられる訳だ。

 

「キューティー…カシミロは何処だ?」

 

尋ねると揃って教会内部を指差す。

 

「ありがとよ」

 

その場に居た連中の頭に銃弾をご馳走してやる。

 

「お、教えたじゃないか!?」

 

驚愕と共に問いかけてくる間抜けにはリロードして更にオマケだ。

 

「仲間の報復で家ごと吹き飛ばしにくる様な奴等を生かしておく理由がねぇだろう」

 

もとよりお前等全員生かして帰す気はない。と順に撃ち殺す。

応戦してくる奴もいたが殆ど大した抵抗もなく表に出てきた奴らは片付いた。最後の1人、震えながら伏せてる奴にトドメを刺す直前でジョンから連絡が入る。

 

『すみません旦那!裏口からカシミロが逃げました!!』

 

あんのカス野郎…!

 

「追えるか!?」

 

『見失わない程度なら恐らくは!…旦那はどうするんです!?』

 

足元で震えてる男を見る。

…コイツを使えば何とかなるか。

 

「俺に構うな!足は自分で調達する!直ぐに追いつくからそのホーリーベイビーを見失うな!!」

 

『了解ッ!』

 

ジョンとの会話を終えて一旦ホロを切り、足元で震えてる男の襟首を持ち上げて視線を合わせる。

 

「お前の車は?」

 

「ヒッ…殺さないで…」

 

一発殴る。

 

「お前の車は?」

 

「や、止めて…」

 

更に殴る。

 

「お前の…」

 

「アレッ…!アレです!」

 

震える手で指差す方を見るとまぁ派手なオープンカーが駐車されていた。あんま趣味じゃねぇけど今は走れりゃ良い。

 

「まだ生きてたいか?」

 

そう問いかけると凄い勢いで首を縦に振る。

 

「生かしておいてやっても良いぞ?…俺の言う事を聞くならな」

 

ぶっ壊れた水飲み鳥みたいな勢いで首を縦に振る。

 

「よし…今から言う場所まで運転しろ。妙な真似しやがったら…いや」

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

そう言うと思った以上に機敏に運転席に座る入れ墨男。

やりゃ出来んじゃねぇか。俺もオープンカーの座席に飛び乗りながらジョンへとホロを繋ぎ直す。

 

「足は手に入れた!あのホーリーハニーは何処に向かってんだ!?」

 

『ヴァレンティーノズの本拠地の方に走ってます!このままじゃ逃げ込まれますよ!?』

 

クソがっ!自分だけさっさと逃げるのもそうだがヤバくなったら親に泣きつくのかチキン野郎が!

 

「おい!お前等の本拠地までかっ飛ばせ!」

 

「は、はいぃ!!」

 

運転席の入れ墨男に命令するとオープンカーが急発進してヴァレンティーノズのアジトへと向かう。

見た目に振りすぎてて遅ぇなこの車…しかも直線番長かよ!

 

「もっと飛ばせ!ラブリーにしてやろうかこのベイビーが!」

 

「え!?え、いや…ハイ!!」

 

クソ言語統制が!マジでぶっ壊してやりてぇ…!!

 

ゴリゴリと銃口を押し付ける事でこっちの意思が伝わったのか死にそうな顔でアクセルを踏み抜く入れ墨男。

そこからは壁に擦り付けようがアクセルを緩めずあちこち傷だらけにしながらもようやく…

 

『…旦那!』

 

「もう追い付く!」

 

何時ものボロ車が見えて来た。

 

『あのクズ、入口で止められてますよ!』

 

そいつぁ僥倖だ。

 

「俺が先に行く!お前は後から来い!」

 

そう言うと速度を落としたボロ車を追い抜くオープンカー。

 

不安そうに俺を見る入れ墨男に命令する。

 

「このまま全速力であのキューティー…カシミロを轢け」

 

銃口を押し付けると顔を青ざめさせながらチラリと俺を見る入れ墨男。

 

「それとも今死ぬか?あのキューティーを轢いたらお前は見逃してやっても良いぜ?」

 

もう追わねぇと約束してやる。…次見かけたら撃つが。

そう言うと悲壮な顔で車をカシミロへと全速力で走らせた。

よーしいい子だ(グッドボーイ)

門番らしい男と言い争ってるカシミロの姿がぐんぐん迫ってくる。

声が聞こえる距離まで近づいたかと思えば直ぐに衝突した。

 

 

「……だから!俺はヴァレンティーノズの」

 

「危ねぇぞー」

 

 

衝突の刹那に一声掛けたが通じたかどうか。

 

暴走した車が下半身に直撃して縦に半回転するカシミロ。

ソレを空中で捕まえて爆走する車から飛び降りる俺。

轢いたそのままのスピードで逃げ去るオープンカー。

…上手いことカシミロだけ引っ掛けてったし良い腕してるな。ひき逃げの才能があると見たね。

 

くだらない事を考えながら難なく着地すると目の前で起きた惨劇に目を丸くしたヴァレンティーノズの兄ちゃんと目が合った。

 

「悪いが俺の方が先約だ。コレは貰ってくが…」

 

左手でカシミロの後ろ襟を掴んで持ち上げる。

足が変な方に曲がってるがまぁ死んじゃいない。

 

「構わねぇよな?」

 

確認を取ると少し引いた表情で頷く兄ちゃん。話が判る奴は好きだぜ?

 

「旦那!…また派手にやったもんですね」

 

後から追いついて来たジョンが下半身がバキバキになってるカシミロを見てうへぇ、と舌を出す。

 

「さっさと引き上げるぞ」

 

何時ものボロ車のトランクを開けてゴミを投げ込む。

ジョンが少し嫌そうな顔で見てるが諦めろ。

コイツを此処でやっちまうと静観すると言ったヴァレンティーノズも流石に黙ってられないだろうが。

 

「へい…後で消毒しねぇと…」

 

ブツブツと文句を言いながらもしっかり運転する。

さて、後はこの半死体を完全に殺してお終いだな。

 

 

 

 

さっきの廃教会跡地までドライブした後。

トランクを開けるとうめき声をあげるクズ野郎。

 

「なんだ…起きてたのか」

 

感情無く引き摺り出して地面へと投げる。

無様に着地して悲鳴を上げた。

 

「…ッてめぇ!こんな事してただで済むと思ってんのか!?」

 

下半身動かねぇだろうに元気なこった。

 

「思うね。お前ら程度を処分した所で何も変わりゃしねぇ」

 

淡々と事実を述べる。

 

「ホームに入れなかった時点で気づくべきだったな。お前はもうお終いなんだよ」

 

あの時。ヴァレンティーノズがコイツを受け入れてたら俺達は間に合わず、このカス野郎を取り逃していた。

 

ソレを門前払いされてんだ。既に見放されてんだよお前。

 

「そんな、そんなバカなッ…」

 

「ま、そういう訳だ。此処で手下と一緒にくたばれ」

 

 

銃を抜く。

 

「ま、待て!金ならある!望むだけ払う!」

 

「お前から貰うのは命だけだ」

 

銃口を突きつける。

 

「頼む!俺にも家族が居るんだ!」

 

「そうかい。俺には関係ねぇな」

 

撃鉄を起こす。

 

「どうか慈悲を…!」

 

「お前に与える慈悲はねぇよ」

 

引き金を引いた。

 

 

 

 

 

「…スッキリしましたか?」

 

「あん?別にスッキリするとか言う話じゃねぇだろ」

 

ブッ殺して満足とかサイコ野郎じゃあるまいし。

 

「だがまぁコレで枕を高くして眠れるな!」

 

そういう意味でなら大満足だが。

 

「最後の言葉、アイツ家族が居るって…」

 

言いにくそうに言うジョン。

 

「そんなん誰だってそうだろうが。俺だって覚えてねぇだけで両親は居たはずだぜ」

 

お前もそうだろうが?と続ける。

 

「それが仮に妻子だろうと変わらねぇ。そう言うモノを大事にしてンならこんな商売(無法者)してんじゃねぇよ」

 

ギャングやってる時点で報復は付き物だろうに。

 

「ましてや今回はホーリーベイビーから仕掛けやがったんだぜ?」

 

喧嘩売って、いざ買われたら勝てなさそうだから相手の慈悲に縋る?

ふざけてんのかって話だ。

 

「そうですね…うん、そうでした」

 

危うく少し同情するところでしたわ!と明るく答えるジョン。

ちょっと前から思ってたんだが…

 

「お前、絆されやすいのか?」

 

思い返してみりゃデイビットのサンデヴィスタン装着の件でも心配から入ってたくらいだし。

 

「まさか!そりゃ旦那の方でしょう?今回だって皆殺しの予定だったのに1人見逃したじゃないですか?」

 

ソレを言われると痛い…

 

「ま、取り敢えずこの件は終了だな。早速飲みに行くぞ!」

 

ほら車出せ、とせっつくと。

 

「はいはい…何時もの店で良いんですよね?」

 

ジョンは呆れた様な、最早聞き慣れた声色で答えるとようやく何時もの調子に戻った様だった。

何時もの様にボロ車へ乗り込んで、もうすっかり馴染んだシートに腰を降ろすと何も言わずに車を走らせる。

 

 

 

 

車の窓から流れる景色を眺めつつふと脳裏に過ぎる。

あの野郎、最後の瞬間(撃たれる時)手を組んで祈ってやがったな。

俺への慈悲を乞うためか、或いは最期に神に祈るためか…どちらにしても馬鹿な野郎だ。

 

 

俺達(悪党)祈れる(縋れる)神なんざいるわけねぇだろうが。

 





後でちょっと修正するかもです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。