サイバーパンク2077〜変なのを添えて〜   作:ロックオン

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またまた評価、感想を頂いたので急いで書き上げました


バカな奴と頭良い奴の考えはわからないって点じゃ一緒だな

 

 

アフターライフ前。駐車場なんだか空き地なんだかよく分からねぇ所にメインは居た。

 

「おぉ、ちゃんと待ってるな。…ジョン、妙な真似してきたら直ぐにソイツ連れて逃げろよ?全員始末したら連絡入れるからそれまで隠れてろ」

 

アルデカルドス(ノーマッド)の連中を頼りゃ少しは時間稼げんだろ。と伝えて車を降りる。

 

「旦那!お気をつけて!」

 

その言葉を背に受けて苦笑する。

 

「当然。お前、今度は簡単に捕まんじゃねぇぞ?」

 

笑いながらドアを閉めて前に向き直ると、メイン以外にも数人の人影が見えた。

 

「…3人?舐められたもんだ…」

 

メイン並みにデカい女とテッキー用のアームつけたヒョロ長い男か…

若干の呆れを隠さずに歩く。

ようやく此方の姿に気付いたのか話していたメイン達が俺を睨みつけていた。

 

「よぉメイン!お前意外と友達少ねぇのか?」

 

「今のお前の前に立つとなると、な。ブートヒル…」

 

緊張した面持ちだが普段通りを装って会話を続けるメイン。

 

「…デイビットは何処だ?」

 

「ジョンと一緒に居るぜ?軽く寝かしつけたから暫くは起きねぇだろうが」

 

軽く安堵のため息をつくメイン。

…殺したと思われてたのか?心外な…

 

「次はこっちの番だ。…人数集めた(一人じゃない)って事は()()()()()()()()()()()()?」

 

少しは期待したんだが。

これじゃ不完全燃焼も良いところだな。

 

「違う!私達は…」

 

「黙ってろドリオ。…すまなかった」

 

突然頭を下げるメイン。…殺してくれって意味か?

 

「おいおい…勘弁しろよ。何のつもりだそりゃ」

 

頭痛を堪える様に額を抑える。

 

「何か気の利いた言い訳でも聞けるかと思えば…つまらねぇ野郎だ」

 

リボルバーに手を掛ける。

 

「そんなのに舐められたままじゃあよ。この稼業(信用商売)は立ち行かないだろうが」

 

もう撃ってもいいか?

いや、まだ俺たちをつけてた理由が不明か。

 

「せめて理由を教えろ。お前の意思か?それとも誰かの差金か?」

 

答え次第じゃ全員ここで死んでもらう。

暗にそう告げて待つ。

 

数秒…十数秒は待っただろうか。もう面倒だから全員やっちまうかと考え始めた時、突然横から割り込んできた声に耳を傾ける。

 

「ちょっと待った。店の前で何騒いでんだい?」

 

面倒くせぇ…聞き覚えのある声に目線を向けるとアフターライフの女王、ローグが階段から姿を表した。

 

「ブートヒル。アンタにゃ既に言ったはずだけどね?」

 

店の中では発砲禁止。殺しは無し。

まぁ確かにファラデーの件でそう聞いたが…

 

「ここは外だぜローグ。気にすんな死体はちゃんと片付けておくさ」

 

頭を下げ続けているメインを見つめながらそう答えると。

 

「バカ言ってんじゃないよ。私の目の届く範囲は店内(アフターライフ)さね…で、これは一体何の騒ぎだい?」

 

今度はメイン達の方へと問いかけるローグ。

お前の目の届く範囲っつったらワトソン中がアフターライフ店内になるだろうがこのババア…

 

「だんまりかい…良く躾けられた犬だね。どんなエサ貰ったらそんな風になるんだか」

 

呆れた様に呟くローグ。

 

「ブートヒル。この一件は私に預けろ…とはもう言わないよ。好きにすると良いさ」

 

でもコイツらを弾いた所でトカゲの尻尾切りになるだけさね。とタバコに火を付けながら話し続ける。

へぇ…アンタは今回の絵を描いた奴を知ってんのか。

 

「…ふぅ。あの小僧はそこまで賭けても良い程の男じゃないだろうに」

 

もう言うことは無い、と言った風なローグ。()()()()、ねぇ…

瞬時にリボルバーを抜いてメインに突きつけながら問いかける。

 

「一つだけ質問に答えろ。さもなきゃ俺の弾丸とキスするはめになるぜ」

 

此処がアフターライフだろうが関係なく、邪魔するやつは皆殺しだ。

 

()()()()()()?」

 

聞きたい事は一つだけ。答えははいかいいえで答えられる簡単(シンプル)なもの。

それでも沈黙を守るメイン(律儀な野郎)に呆れながら。

 

「そうかい」

 

リボルバーの激鉄を起こす。

それがお前の選択なら尊重してやろうじゃねぇか。

 

「お前は良い奴だったんだがな」

 

狙いを定める。

お前を殺った後はファラデーのカス野郎を地獄に落として終いにしてやるよ!

 

「あばよ…ッ!?」

 

背後から迫る高速の物体から咄嗟に身を躱して距離を取る。

横を通り過ぎる見覚えのあるオーバーサイズの黄色いジャケット、刈り上げた側頭部。

 

「デイビット!?…ジョン!」

 

即座にホロコールで問いかけると

 

『何です!?何か問題でもありましたか旦那!?』

 

無事な声にホッとすると同時に疑問が浮かぶ。

 

「ジョン、お前デイビットはどうした!?」

 

まさか拘束解いたのかこのホーリーベイビーが!と怒鳴りつけようとした時

 

「自分で解いて逃げて来たんだよ。…何時迄も舐められっぱなしは性に合わないんでね」

 

メインを庇う様な立ち位置でそう告げるデイビットと同時にジョンから悲鳴が上がる。

 

『え!?は!?い、いません!!あのガキいつの間に…!?」

 

「……もう良い。確認した」

 

本日何度目か分からないため息が出る。

もっとちゃんとした拘束具を用意しておくべきだなこれは。

…今まで捕虜とか人質とか捕らないからいらねぇと判断してた過去の俺を恨む。

 

「全く…俺の負担がデカすぎんだろうが」

 

まぁそれでも信用の一点であいつに勝るやつはいないからな、と一人ごちる。

 

「仕切り直しだな。その加速(サンデヴィスタン)で俺を抜けるか試してみるか?」

 

左腕の調子を確かめる様に軽く振る。

注目と恐怖の目線が集まった。まぁコイツをぶっ放す時は確実に誰かが死んでるからな。

 

「タンマ!タイム!!一旦落ち着いて話を聞いてくれよ!」

 

両手を体の前で振るデイビット。

 

「悪いが話はもう終わった。…そこの野郎(メイン)は何も話すことはねぇとよ」

 

くだらねぇ、と言った表情を隠さずに伝えると

 

「…じゃ、じゃあ俺と話さないか…話しませんか?」

 

ほら、あの一応俺も傭兵だし、と言うデイビットに少し毒気を抜かれる。

 

「……お前と話して何か意味があんのか?」

 

下っ端戦闘員Aのお前が知ってる事なら俺でも知ってるぜ、と暗に伝えると。

 

「今回の依頼主の名前を言ってもいい。…だから俺たちを見逃してくれないか?」

 

「デイビット!テメェ余計な真似を…」

 

その言葉を聞いてようやく反応したメインをドリオとやらとテッキーの男が羽交締めにして抑え込む。

 

「落ち着きなメイン!もうこうなったら全部ゲロっちまった方が良い!」

 

「そうだぜ!?何とかなりそうな雰囲気だろうが!?」

 

あっちはあっちで大騒動だが。

そんなやり取りを無視してデイビットの方へと歩く。

 

「そ、そこで止まってくれ。アンタがそれ以上近づくなら俺も覚悟を決めるぞ!」

 

少し震えながら要求してくるデイビット。

流石に3回目は無理か。クソッ、取り逃したのは痛かったな…

 

「良いぜ?此処で聞いてやろうじゃねぇか」

 

そんな考えは表情に一切出さずにその場で止まる。

…初動さえ見誤らなければ後ろの連中を巻き込んで一発で済むな。

冷静に殺す算段を立てながら話を聞くと伝えると

 

 

「ファラデーから直接(依頼)を受けたんだ。アンタ達の事を調べろって内容で、期限は今月いっぱい。その後の事は良く知らないけど…」

 

 

ファラデー。ファラデーさんよぉ…折角見逃してやったってのに。手打ちにしてやったってのに。それをこう言った形で返してくれるとはな。

 

「ファラデー。確かにそう言ったな?そいつはキロシを3つぶち込んだコーポもどき(変態)で間違いねぇな?」

 

念の為確認を取ると何度も頷くデイビット。

メインの方も落ち着いたのか静かになってんな。

 

「そうか。あのキロシ野郎の手引きか…」

 

ローグの方をジロリと見ると肩を竦めて話しだす。

 

「あの後の話は知らないよ…まぁ、気に食わないのは同じだがね」

 

どうせそんな事だろうと思ってた、と言わんばかりの態度だな?

 

「ファラデーは今店内(アフターライフ)に居る。VIPルームで陣取ってるから中で聞けばすぐに分かるさね」

 

そう言うとその場を後にするローグ。

 

「あぁ?店内で殺しは御法度なんだろ?」

 

そう聞くと

 

「私の目が届く範囲で、とも言ったはずだよ。今から私は久しぶりにディナーを取りに行くんだから邪魔すんじゃないよ」

 

そう告げるとさっさと車に乗り込んでどっかに行っちまった。

前回の始末を任せた分返してくれるって事かね?まぁ有り難く貰っとくが。

 

「知ってることは全部話した…俺たちはもう行っても良い、よな?」

 

恐る恐るそう聞いてくるデイビットに

 

「構わねぇよ?…あぁ!次にやったらどんな理由であれラブリーな目に合わせるからな?それだけは覚えておけ」

 

そう言うとアフターライフ店内へと足を進める。

その後俺に話しかける奴はいなかった。

 

 

「ジョン、聞こえてるか?」

 

『聞こえてますよ旦那…本当にすみませんでした…』

 

スゲェ落ち込んでんな?まぁ無理もねぇが…

 

「デイビットを逃しちまったのはデカい失点だが、怪我の功名だな。そのお陰でラブリーな死体が一つで済むぜ」

 

皆殺しにするのって意外と疲れるしな。と伝えると

 

『カス野郎が絡んでるんですか?』

 

驚きの感情が溢れ出てるぜジョン。

 

「だな。やっぱりバカの考えることは意味わかんねぇだろ?」

 

そう言いながらいつもの様にアフターライフへと入店する。

 

『まさかとは思いましたが…相当な間抜けなんですかね?』

 

バーテンにVIPルームの場所を聞くとカードキーと一緒に場所を教えてくれた。

どうやらローグの差金らしい。あのババアちゃんと手引きしてんじゃねぇか…何が「何の騒ぎだい?」だ狐婆が。

 

内心で感謝と罵倒をしながらもVIPルームへと進む。

 

「その間抜けを今からキュートにしてやる訳だが。お前はどうする?来るなら待ってるぜ?」

 

ジョンにもカス野郎に鉛玉を叩き込むだけの理由はあるしな。

 

『…今からだとちょいと時間かかりそうなんで旦那に任せます』

 

「そうか。じゃあまぁ音だけで楽しめよ…グッモーニンナイトシティ!今夜のヘッドニュースはこちら…ババン!キロシ三兄弟の作り方講座ー」

 

即興でラジオパーソナリティの真似をする。

 

「新鮮なキロシがこの奥の部屋に用意してあるそうなんで、早速行ってみましょう!」

 

『…旦那、キツイっす。普段通りでお願いします」

 

失礼な野郎だ。折角盛り上げてやろうと思ったのに。

 

「しょうがねぇ。普段通りに行くか」

 

扉の前に立つ。中の音は一切聞こえてこない…流石はVIPルームだな。

カードキーをかざすと音も無く扉が開いた。中には人影が一つ。

 

「待っていたぞ、ローグ…!?」

 

目を見開いて俺を見るファラデー。

間抜け野郎が、ハメられた事にも気づいてねぇのか…

何でもない様に部屋に入ると扉が閉まった。

それと同時にホロコールが切れる。この部屋、通信遮断するのかよ…金かかってんなぁ。

まぁそれはさておき。

 

「よぉスウィートハニー!元気そうじゃねぇか!」

 

笑顔で隣まで行って席につく。

 

「何でお前が此処に!?…まさか!?」

 

顔が青ざめる。気づくのが遅ぇよ。

 

「まぁまぁ…落ち着けよ」

 

拳銃を俺に向けようとしてくるがカス野郎が構えるより先に上から銃を握った手ごと握り潰す。

おぉ、指が5本から3本になったな。次からはもっと良いクロームいれろよ?

声にならない悲鳴をあげるファラデーと強引に肩を組む様にして首に手をかける。

 

「随分面白い事してくれたじゃねぇか?うん?」

 

首にかけた指をゆっくりと確実に締めていく。

 

「…がっ…は…や…やめ」

 

俺の手を掴んで何とか引き剥がそうとするが無駄だ。

この街に来てから俺は力負けしたことがねぇ。お前程度のクロームじゃ逆立ちしたって外せねえよ。

 

「あー?聞こえねぇな?」

 

ギチギチと音を立てて締め付ける。

 

「そのままで良いから聞けよ。俺はお前の事が大嫌いだが別に放っといてやっても良かったんだぜ?一応決着はついたし、後に引く気もサラサラ無かったんだ」

 

食いこむ指に脊椎だか装甲だかが悲鳴をあげ始めた。

やっぱバイタルパートになんか仕込んでんなコイツ。

 

「それがこんな真似されちまったら…な?分かるだろう?」

 

金属が悲鳴を挙げて変形する音が響き始める。

まぁ何仕込んでようが関係ねぇが。

 

「落とし前って奴だ。今後は気をつけろよ?…あぁ、次はねぇか」

 

何かを言おうとしていたが聞く価値も義理もねぇな。

 

そのまま完全に握り潰した。…終わったな。

紫色になった形相を確認すると完全に絶命しているのが見て取れる。

完璧に死んだのを確認して懐から煙草を取り出して一服。

…やっぱ不味いなコレ。顔を顰めながら一本吸い切ると部屋を出てジョンに連絡を入れる。

 

「終わったぜ、ジョン」

 

『そうですか…途中から何も聞こえませんでしたけど何したんですか旦那?』

 

「喉ごと脊椎を握り潰した。音も出ねぇし壁に穴も開かねぇ優しいやり方だろ?」

 

店にとってだが。血が飛び散らねぇ分清掃が楽だろうよ。

 

『うわぁ…えげつないですね…』

 

別に一発でブッ殺しても良かったんだけどな?

 

メイン(知り合い)を巻き込んで喧嘩売ってきやがったからな。その分はキチッと取りたてねぇとな」

 

どうせあの生真面目野郎は降りるに降りられなくなったんだろうが。

それにかこつけて良いように使おうなんざ百年早ぇよ。

 

「まぁこれで一件落着ってわけだし、さっさと呑みに行こうぜ」

 

『昼まで呑んでたじゃないですか!?』

 

「馬鹿野郎、お前仕事の後に呑まねぇならいつ呑むんだよ?」

 

その内肝臓壊しますよ?と言われたが。

 

「大丈夫だ…その辺はもう機械化してある」

 

いつの間にか改造されてたモンだからあんま実感はねぇが。

 

平然と返すと呆れたような声でいつもの店でいいですね?と確認するジョン。

話が早いやつは好きだぜ?

 

 

 

まぁこうしてファラデーとの因縁は呆気なく幕を閉じた。

この時の縁でデイビットとは何やかんやで一緒に仕事をする様になったり、メインの奴と酒を飲む頻度が一時的に増えたりしたが…それはまた別の話。

 




今回で一応の区切りが着いた形になりますがこの先はプロットとか余り考えてないので書くとしたらもうライブ感でやっていく形になります…続きはまたモチベーションが高まった時か、どんな形でも構わないと言う方が多ければチマチマ更新しようと思ってます。此処まで読んでくださった方々、評価・感想及びここすきをして下さった皆様、本当にありがとうございます!
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