地獄のヒーローになった男、青春に憧れる。   作:ナマエナガ

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FGOのキャスター冠位戴冠戦の周回をしていて小説投稿を忘れていたバカは俺ですか?俺ですね。

つーかアビドス初日終えるまでにどんだけかけてんだ俺…

1週間ぶりの投稿に冷や汗ダラダラ、当然難産でございました…!


アビドスの初日

 

◎ ヘルメット団・前哨基地

 

バンバン!ドガガガッ!ヴヴン!!

 

「いやー、すごいなーあの二人」

 

ヘルメット団・前哨基地の壊滅作戦を開始してから既に十分ほどが経った頃、私は呟いた。

 

視線の先にいるのはもちろん、デンジとホシノだ。更にその先には二人によって次々に破壊されていく基地とヘルメット団員の姿があった。

 

「ん、初対面とは思えない連携」

 

隣にいたシロコが呟いた。

 

先ほどまでシロコやセリカ、ノノミたちも戦ってくれていたが、二人の戦闘の邪魔になってしまうので今はこうやって私と共に後方で待機している。

 

「"怪人"と呼ばれるのも納得の強さですね」

 

「ホシノ先輩と張り合えるなんて凄いですね☆」

 

ノノミとアヤネの言葉にその通りだと私も内心で頷く。二人の戦闘は、激しさを増しつつもとても精密に進んでいた。

 

デンジは一見、がむしゃらに突き進んでいるだけのように見えるが、常にホシノとの距離を意識し、どんな時もホシノのフォローに回れるようにしている。

 

ホシノもデンジの背中を守りつつ、目前の敵を確実に潰していく。交代交代に位置を変え、変則的な攻撃にヘルメット団も為す術がなかった。

 

数十名もいるはずのヘルメット団は、たった二人の生徒によってもはや半壊していたのだ。

 

にしても強いなー、あの二人。デンジが強い事は知ってたけど、ホシノもデンジと並ぶほどに…いや、もしかしたらデンジ以上のポテンシャルを秘めているかもしれない。

 

そんなことを考えていると、セリカが仕方なさそうに息を吐いて言った。

 

「私たちがやることなんて逃げ出した奴らを捕まえることだけだもんね。無駄に込めてたやる気がなくなっちゃったじゃない」

 

それはそう…私も先生として活躍してやろう!と意気込んでいたところだったのだ。まぁ生徒に危険が及ばずに済むのならそれで構わないんだけどね。

 

「どうやら終わったみたいだね」

 

と、どうやら戦いも終わったらしい。デンジが元気に手を振り、ホシノがふにゃ~っとした顔で腰をトントン叩きながらやってきた。

 

こんな感じで、案外アッサリとヘルメット団・前哨基地は壊滅を迎えた。

 

◎ アビドス高校・対策委員会

 

「おかえりなさい。皆さん、お疲れ様でした」

 

「アヤネちゃん、ただいま〜」

 

「ん、アヤネも支援お疲れ様」

 

ヘルメット団の前哨基地を壊滅させた俺たちは、無事にアビドス高校に戻ってきていた。それぞれ疲れを取るようにお茶を飲んだり声をかけあったり…和やかな空気が漂っていた。

 

「ふぅ…流石に俺も疲れたぜ。一日に二回も変身したのは久しぶりだな」

 

ドカッと椅子に座る。鍛えたとは言え変身すりゃ血がなくなるのは変わんねぇしなぁ…今回輸血パックあんま持ってきてねぇし、そう頻繁に使いたくはねぇ。

 

「いやー、意外だったよ。チェンソーマンの中身は普通の人間だったなんてね」

 

俺の呟きにホシノが反応した。

 

まぁ、そりゃそうか。ホシノたちはチェンソーマンに変身した状態しか見てこなかったからな。中身がただの人間と知りゃ驚くだろう。

 

ホシノに正体がバレたときが怖ぇなぁ…

 

「やっぱり私はまだ信用しきれないけど…でも、今回はありがとう。助かったわ」

 

「別にいいって。俺は先生を手伝いをしに来ただけだからな。」

 

セリカのお礼の言葉に謙遜しながら返す。やっぱりこうやって好感度稼がねぇとツンデレキャラはデレてくれねぇからな…セリカがデレたときの破壊力は中々にエグそうだぜ。

 

「取り敢えず、これで私たちの出番はおしまいかな?ヘルメット団の退治もできたし」

 

「あ?いや、先生、まだアビドスにゃ…」

 

思わず先生の言葉に反応した。

 

先生はアビドスの危機を救うために来たはずだ。だからてっきり借金についても首を突っ込むと思ってたんだが…

 

「火急の事案だったヘルメット団が片付きましたからね。これで一息つけそうです☆!」

 

「ん、これでやっと重要な問題に集中できる」

 

「うん!これも二人のお陰ね!これで心置きなく借金返済に取り掛かれるわ!」

 

……そして、固まる空気。

 

「しゃ、借金返済…?」

 

先生の声が部屋に響く。動揺が含まれた声は微かな震えが混じっていた。

 

「…ま〜じか〜…」

 

そうだったわ…先生アビドスの借金知らなかったわ。

 

「あ、あわわっ!」

 

自らの失言に気づき、慌てるセリカ。誰もが黙り込んでしまう重い空気の中、アヤネが説明しようと口を開く。

 

「先生、実は…」

 

「ま、待って!アヤネちゃん、それ以上は!」

 

アヤネを止めるセリカ。どうして先生に借金のことがバレたくないらしい。…いや、と言うよりも出会って間もない他人に関わられるのが嫌なんだろう。

 

「セリカちゃん、いいんじゃない?隠すようなことじゃあるまいし」

 

「で、でも!話すようなことでもないでしょ!?」

 

「別に罪を犯した訳じゃないでしょ?それに先生とチェンソーマン君は私たちを助けてくれたし」

 

「ん、ホシノ先輩の言う通りだよ。セリカ、先生は信用していいと思う」

 

「オイオイ、なんでそこに俺入ってねぇの?俺だって戦ったぜ?」

 

やっぱり俺ってまだ信用されてねぇな?まぁ一度も素顔見せねぇやつ信用しろって言う方が難しいだろうけどよ…

 

一連の会話をもってしてもセリカの考えは変わらなかった。セリカは不機嫌そうに眉を歪めて拳を握りしめて叫ぶ。

 

「今までこの学校の問題は私たちだけで解決してきたじゃん!なのに今更大人が首を突っ込んでくるなんて…私は認めない!」

 

そう言って駆け出すセリカ。遠ざかっていく足音はやがて小さくなり聞こえなくなってしまう。

 

「私、様子を見てきます」

 

ノノミがセリカの後を追うように教室を出ていく。その際に覗けた表情には心配ばかりが浮かんでいた。

 

「あ〜…えっと、ごめんね。余計なことを言っちゃったかな…」

 

「ううん。先生は悪くないよ。誰も悪くないし、しょうがないことだよ」

 

ホシノが苦笑いを浮かべながらもそう言った。先生はセリカを傷つけてしまったことを悔やみつつもアヤネに視線を向けた。

 

「借金って、どれくらいあるの?」

 

「それが…今だと4億7905万円ほど…」

 

ほえ〜、思ったより減ってんじゃん。俺が黒服のとこ行った分借金が減ってたのは知ってるけど、二年前と比べたら比べもんにならねぇ額だな。

 

「マ、マジか〜…」

 

先生がドン引いた顔で呆れ笑いを浮かべていた。俺からすれば結構少なめに見えるが、常識的に考えればバカみたいな桁だ。十億が五億になったんだからまだマシだと思えるが…

 

「昔はもっと多かったんだけどねぇ…先代の先輩たちの努力のお陰で、ここまで減らせたんだ〜」

 

そう語るホシノの顔はいつも通りふにゃんとした柔らかい表情だったが…どこか悲しげにも見えた。

 

「はぁ…」

 

思わず溜息が出る。

 

俺は、黒服んとこにいればアビドスは助かると思ってたぜ。借金は減ってユメ先輩も生き返って…そんで、ホシノたちは楽しく学校生活を過ごすんだ。

 

でも、問題の借金は減っただけでなくなってはいない。元の桁がデカいせいで減っても苦しいことには変わりねぇ。

 

わかっていたことではあったが…なんかなぁ、現実を叩きつけられた気分だぜ。

 

「そっか…うん。なら、私も協力するよ。ね、チェンソーマン?」

 

「おう、構わねぇぜ。…俺も、無関係ってわけじゃねぇしな」

 

その言葉に、ホシノの表情が一瞬だけ揺れた気がした。だが、すぐにいつもの柔らかい笑顔に戻った。

 

◎ アビドス高校・対策委員会前

 

「そんじゃ、俺らもそろそろ帰るか」

 

「そうだね。少し遠いけど、ホテルでも取ろうか」

 

夕日が差し込む教室で私とデンジは立ち上がった。アビドスの借金について協力を誓ってから数分ほど話し、ついに会話も途切れてしまったのでそろそろ御暇しようと思ったわけだ。

 

「それじゃあ、皆、また明日」

 

「また明日な〜」

 

二人で教室に残っている三人に挨拶をする。本当はセリカとノノミにも一言言ってから帰りたいけど、今の状況じゃ仕方ない。

 

「二人ともお疲れ様〜。また明日ね〜」

 

「ん、また明日」

 

「しっかりと休んでくださいね」

 

ホシノたちからそれぞれ言葉を受け取り、教室を出ようと歩を進める。扉を開けて廊下に出るとき…そっと、デンジの足が止まった。

 

「チェンソーマン、どうかしたの?」

 

「…ん、あぁ、いや…あの写真がよ」

 

デンジの視線を追ってみると、一つの写真が窓辺に飾られていた。

 

「チェンソーマン君、あの写真が気になるの?」

 

ホシノが声と共に私たちに並び立つ。飾られていた写真をそっと掴むと、私たちに見せてくれた。

 

そこに写っているのは、六人の生徒たちだ。内五人は今いるアビドス対策委員会のメンバーで…あと一人、知らない生徒がいる。

 

「この人はユメ先輩って言ってね…私の先輩なんだ。今は卒業しちゃって連邦生徒会の方で働いてるんだよ」

 

ホシノは優しい瞳で写真の中のユメを撫でた。夕日に照らされたその横顔は儚くも美しく…私は一瞬見惚れてしまいそうになった。

 

けれど、その表情にはどこか…言葉にできない影のようなものが滲んでいる気がした。

 

「それで、チェンソーマン君はこの写真がどうかしたの?」

 

「あぁ、いや…この人だけいなかったから、ちょっとだけ気になってよ」

 

ホシノの問いにデンジはそう答えた。まるで何かを隠すように、何かを誤魔化すような言い方に違和感を感じてしまう。

 

「ま、別になんかあるわけじゃねぇよ。またな〜」

 

急ぎ足に去ろうとするデンジの背中を追いかけようと私も駆け出す。

 

「てっ、置いてかないでよー!」

 

◎ アビドス高校・対策委員会

 

教室に残ったのは、私とシロコちゃんとアヤネちゃんの三人だけになった。

 

先生とチェンソーマン君が去った後、私はしばらく窓辺の写真を見つめていた。

 

正直、とても驚いた。

 

彼の動き、彼の武器、彼の力。どれも強いことは知っていたし、事実ヘルメット団の襲撃を受けたときにこの目で見たからそれに疑いはなかった。

 

だけど、あれほど…あれほど、戦いやすいとは思っても見なかった。

 

私が動けば、彼も動く。私に合わせるように。

 

彼が動けば、私も動く。彼はまるで私が動くことが分かっているかのように背中を預けていた。

 

その後も、対策委員会の教室でだらける彼の姿が、私たちと話す彼の姿が、なぜだかデンジと重なって…

 

最後にユメ先輩の映った写真を気にしていたときには、大きな疑いが私の胸の中で暴れていた。

 

「ホシノ先輩、大丈夫?」

 

シロコちゃんの声に我に返る。

 

「大丈夫だよ〜」

 

いつもの調子で返事をする。でも、心の中では激しい感情が渦巻いていた。

 

ずっとずっと、怒りでどうにかなりそうだった。あんなチェンソーの化け物にデンジを重ねた自分に対して…そして、デンジの姿を重ねさせる彼に、大きな苛立ちを覚えた。

 

やめてくれ…見せるな…!デンジのような態度で、デンジのような口調で喋るな…!

 

デンジは死んだ。私が殺したんだ。だからもう、この世にはいないし、いたとしても私はそれをデンジだと認めたくない。

 

だから、早く彼がアビドスから消えてくれることを必死に願う。

 

もう、私は誰にも…期待したくないのだから。

 




1週間空くとダメっすねえ〜。やっぱり毎日少しずつでも書かないとイメージは出来ても文字に出来ないんすわ。

今度は…!次話は4日以内に…出せるように頑張ります…!

それはそれとして皆さん、遂にFGOが熱いですね。2部終章・序が開幕しましたよ。

キャスター冠位戴冠戦ウマウマ過ぎて笑えてきますなぁ…皆さんはどんなパーティーで周回しておられますか?俺はマーリンと孔明とフレの完全体トネリコで周回しております。
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