無職転生--色欲の神子--TS転生しても本気出す。   作:あきnobu

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1話 TSとは如何なるものか 

俺ルーデウスがこの世界に転生して2年が経った。

この間に今回の転生に関し、分かった事がいくつかある。

まず俺は異世界に転生したようだ。

転生した当初は父パウロや母ゼニスの容姿からヨーロッパの何処かだって思っていたが、どうやらここは元いた世界とはちがうらしい。

その証拠に、父は剣で岩を切り、母は魔法で俺の怪我を治してみせた。

あえて前世風にこの世界を言い表すのなら剣と魔法のファンタジーの世界と言ったところだろう。

 

さて重要なのはここからだ。

俺はこの2年間、言いようのない喪失感を抱えて生きてきた。

しかしその正体に俺は全く心当たりがなかった。

確かに前世では不遇の死を遂げた。

高校でいじめられてそれからは20年近くずっと実家に引きこもり。

当然彼女だってできたこともなければ、そういう経験だってない。家族からは疎まれ、兄弟とは絶縁。

挙句の、金属バッドを持った親戚、兄弟にボコられ、実家から追い出され、その足でトラックに轢かれ死亡。

こんな人生に未練などなければ、喪失感など覚えるはずがない。

だからこそ俺は自分が抱える喪失感の得体が知らず、とても不安だった。

しかし今日、ついに俺は自身が抱えるこの気持ちに決着をつける事ができた。

きっかけは些細なことだった。

おむつから便器に切り替わったことだ。

俺は前世の要領で便座の前に立ち、パンツを下ろし、ブツを取り出そうとした。

無かったのだ。

ついていなかったのだ。

俺ルーデウスのルーデウスが無かったのだ。

俺は今初めて理解した。

自身の得体の知れない消失感の正体を。

なぜ思い込んでいたのだろう。

前世が男だったから今世もそうとは限らないだろ。

今世の俺は女だった。

 

 

「ルーデウス様?何か不都合がございましたか?」

 

ルーデウス様はトイレが初めてということで一応私リーリャがトイレの扉の前でルーデウスが出てくるのを待っていた。

そのルーデウス様がトイレから出てこない。

 

まさか落ちてしまわれたのでしょうか。

 

ハッとして私は扉を開ける。

しかし私の悪い予想はルーデウス様がズボンを下ろしたまま、ただただ立っていた事で裏切られる。

 

「ルーデウス様?」

 

私がそう言うとルーデウス様はビクッとした体を震わせたあと、私の方に振り返る。

 

思わずルーデウス様の表情に息を呑む。

ルーデウス様は若干2歳にしてとんでもない美貌を持っている。

白いきめ細やかな肌、パウロ譲りの明るい茶髪、顔の輪郭、鼻の高さ、それら全てが神によって緻密な計算の上に創造されたような造形美を持っている。

この世のどんな美女の全盛期の最も美しい場面を切り取った絵画よりも、ルーデウス様の普段の何気ない場面の方がよっぽど美しいだろう。

しかし、今のルーデウス様の表情は今まで私が見てきたルーデウス様とは全く異質な雰囲気を醸し出していた。

普段、髪と同じ茶色をベースとした透き通るような瞳の色はすっかりとくすみ、絶望の淵に立たされた者のようにくすんだ瞳の中に深い闇が広がっているように見えた。

その瞬間、彼女の美貌は単なる麗しさを超え、崩壊と絶望が入り混じる破滅的な美へと変貌していた。

触れれば壊れてしまうガラス細工のような、どこか破滅の予感を持った危うい美だ。

 

「る、ルーデウス様?」

 

私はルーデウス様のあまりの美しさに息を飲まれながらも、なんとか声を振り絞り再びルーデウス様に問いかける。

 

「リー…リャ…?…リーリャ!リーリャ!!」

 

振り返ったルーデウス様は私の元に駆け寄り、スカートの裾を引っ張りながら必死に私の声を連呼する。

 

「リーリャ!リーリャ!」

 

「どうされました!?ルーデウス様!?」

 

私はルーデウス様の尋常ではない焦り方に気圧されながらもルーデウス様にそう問いかける。いや、実際にはルーデウス様に応答は求めていない。彼女はまだ片言しか言葉を話せないから。

 

「無いんだ!!」

 

「はい?」

 

思わず聞き返す。今ルーデウスは何を言った?彼女はまだ2歳だ。言葉など使えるはずがない。

そんな私の混乱をよそにルーデウス様は私のスカートの裾にしがみつくように引っ張りながら、さらに言葉を紡ぐ。

 

「無いんだ!!俺の!20年以上欠かさず扱き続けた俺の!俺のちん○んが!」

 

「‥…はい!?」

 

今ルーデウス様はなんて言った!?ちん○ん!?誰!?そんな言葉を教えたの!?いや、そもそもこの子はこんなに喋れたの!?わからない!わからない!思えばルーデウス様は産まれた当初からおかしかった!時々私の体に変な触り方をするのもおかしいと思ってた!ずっと考えていたことではある!もしかしたらこの方は悪魔つきなんじゃ無いかって!それでも、こんなに美しい方がそんなわけ無いと思っていた!逆だ!ルーデウス様にはきっとサキュバスのような色欲の悪魔が憑いているんだ!

 

私は思わず私のスカートを掴むルーデウス様の手を振り払う。

 

「っ…リーリャ?…」

 

私を見上げるルーデウス様の目は、私の行動への混乱からか大きく見開かれ、その揺れる瞳からは明らかに動揺の感情が見て取れた。

私は一抹の罪悪感を芽生えさせながらも、確信した。

こんな状況にあって、ルーデウス様の容姿はあまりにも完璧で、あまりにも美しく、そして、だからこそ気味が悪かったから。

 

「ご、ごめんなさいっルーデウス様……、し‥失礼します」

 

私は逃げるようにしてその場を後にした。

 

私に明確に拒否されたルーデウス様がその後、どんな表情をしていたかは分からない。

次に顔を合わせた御飯時にはルーデウス様はケロっとしていたが、いくら彼女が悪魔憑きかもしれないからと言って、2歳の子供にあのような態度をとってしまったと言う事実は、私の胸のうちに罪悪感と共に燻り続けた。

 

 

 

 

リーリャに拒否られたことはめちゃくちゃショックだったが、それ以上に俺が女だったと言う事実の方が俺には重大だった。

なんせここは明らかに文明レベルが中世だ。前世がそうであったように倫理観というのは文明の発達と共に進化する。

この中世レベルの文明の世界では倫理観も中世レベルだと考えるのが適当だろう。

つまり女が生きづらい時代である可能性が高い。

前世では女性嫌悪で通ってた俺は、もちろんジェンダー平等やフェミニズムなんていうものは女さん発狂w、みたいな感じで笑い飛ばしていたが、いざ自分が当事者となってみると、なるほど。現実的な問題として自身の栄達に立ち塞がってくる。

俺は今世こそは本気で生きる。

そう決めた。

この世界でいくら俺が女という理由でみくびられ、差別されようがその決意は変えるつもりはない。

ただ考える必要はある。どうすれば女の俺でもこの中世の世界で上手くやれるかを。

 

ふと母が俺に以前かけてくれた治癒の魔法を思い出す。

 

そうだ!この世界には魔法がある!

 

前世では魔女という言葉はあっても魔男という言葉はないように、魔女の旅々では女の方が遺伝的に魔法の才能に恵まれる設定のように、強い魔法使いといえば簡単に女性を想像することができる。

 

俺は魔法使いになろう。

 

俺の中でまた1つ決心がついた。

 

 

その後、俺は早速母の部屋の本棚から魔術教本を見つけ出し、初めての魔術--ウォーターボール--に成功する。

初めは5つしか出せなかったウォーターボールも次の日には10個。もう次の日には15個。日に日に魔力が増えているのを実感する。

魔力の限界は産まれた時に決まってるんじゃなかったけ?ガセか?

 

そんなこんなで1年ほど経ち、俺の魔力量は最初とは桁違いに増えた。

そんなある日のこと、ウォーターボールでは効率悪いな、と思い始め、母の部屋にあるもう一つの魔術教本--中級魔術--に手を出した。

 

その結果、母の部屋は吹き飛び、家の2階部分は半壊した。

俺は駆けつけた両親に怒られるかと思ったが、ところがどっこい、俺の魔術の才能に感動した母と、俺を剣士にするつもりだったらしい父とで喧嘩を始めた。

 

「あなた!家庭教師よ!ロアの街ならきっといい先生が見つかるわ!」

 

「おい待て!剣士にするという約束だったろう!」

 

「それは男の子だった時の話でしょ!ルディはこんなに可愛い女の子なのよ!剣なんて振るえるわけがないでしょ!」

 

「いや、だからこそ父としてはだな!身を守れるだけの剣術を身につけて欲しいんだ!魔法だと組み伏せられた時に対応できないだろ!」

 

「魔法でだって身は守れるわ!冒険者時代に夜這いに来たあなたをどれだけ魔法で撃退したか!」

 

「おおい!俺のことは今は関係ないだろ!」

 

「だったら……」

 

激しい喧嘩の中で、両親に続き後から駆けつけてきたリーリャが口を開く。

 

「午前は魔術、午後から剣を学べばいいのでは」

 

「あなた、子供の前でみっともないわ」

 

「そうだな、ゼニス」

 

さっきまで口論をしていた両親は、今は抱き合って二人の仲直りを祝福していた。

あまりの変わり身の速さとバッカプルさに引きながらも、助けてくれたリーリャに心の中で感謝した。

リーリャはあの日以来、あまり俺と目を合わせてくれない。俺が話しかければ対応してくれるが、どこかよそよそしさを感じる。

原因はやっぱり……俺がリーリャの体を触っていたことだろうか。

赤ちゃん特権で大丈夫かと思っていたが、やはり気持ち悪かったのだろうか。

まぁ34歳のおっさんが若い女にそういうことをしていると考えれば拒絶されるようになるのも分からなくはない。

でもあれ以来リーリャとの付き合い方を気をつけてるんだけどな。いまだにリーリャから嫌われている気がしてならない。

 

それはそうと今の一瞬の出来事で俺に魔術の家庭教師が来ることが決まったんだが。

家庭教師…どんな人だろうか。

やはり老年のジジ、ババが来るのだろうか。

この世界の魔術は会得するのにそれなりに時間がかかるらしいので若い女にはあまり期待できないだろう。

そんなことより、ただ今日を、明日を本気で生きる、それしか今の俺の頭の中にはなかった。

それなのに……

 

「ロキシーです。よろしくお願いします。」

 

予想に反してやってきたのは、青髪を三つ編みにした年若い少女だった。身長は中学生ほどしかない。

というか………可愛いいいいいいい!!(天国)

でも俺今世は女だったあああああ!!(地獄)

 

次回 「ロキシー先生?子供はどうやったらできるんですか?」 「なななんですか!?急に!」

実技重視の貧乳家庭教師ロキシー!その謙虚な胸に興奮してしまった俺はイキイキ天国!あそこの偏差値爆上がり!!お楽しみに!

 

 

 




ちなみに今世のルーデウスちゃんの特性は両親にはききません。近親ものになっちゃうしね。
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