無職転生--色欲の神子--TS転生しても本気出す。 作:あきnobu
「ロキシーです。よろしくお願いします。」
俺の予想に反してやってきたのは若い青髪の美少女だった。
ローブに杖、いかにもな格好をしているが、その容姿は中学生そのものだ。
ロリッ娘魔法使い!めぐみんかな?
そんな彼女を家族三人でお出迎え。
両親も俺と同じ感想らしい。まさかこんな子供が来るとは思ってなかったという顔だ。
「あ、あ、君がその?」
「随分とこう……」
「小さいって言いたいんですか?」
ロキシーが両親の反応に不満そうに言う。
小さいこと、コンプレックスなのだろうか?
いいねぇ。ロリ、無愛想、ジト目。教師なんて言わずぜひ俺の嫁に欲しい。
「はぁ…それで?私が教える子供はどちらに?」
ロキシーが辺りを見渡す。
はーい、俺です。俺。
「あ、それはこの子です」
母が抱えていた俺をロキシーに紹介した。
来た!いいか?前世で恋愛シュミレーションゲームで培った恋愛ノウハウを思い出せ。
恋愛、いや全ての対人関係において第一印象は肝心。
まずはここで子供の人懐こっさをアピールして、ロキシーの教師心をガシッと掴む!
俺はキュピっとロキシーにウインクした。
「うっ!?」
俺がウインクするとロキシーが急に地面に膝をついた。
「ちょっとどうしたの!?」
「だ、大丈夫か」
両親もロキシーの奇行に戸惑いながらもロキシーを心配する。
「だ、大丈夫です」
ロキシーは杖を地面に突き立てて起き上がる。
「そ、それより、その子供が私が教える生徒ですか?」
ロキシーは少し息を荒くして言った。顔も少し赤い。
どうしたのだろうか?何か持病でもあるのだろうか。
「ええ、そうです。私たちの子ルーデウスがあなたが教える生徒です」
ロキシーは一瞬俺を見て少し考えた後、ため息をついた。
「はぁ……たまにいるんですよね。自分の子供可愛さに自分の子供を天才だと思い込むバカ親…。まぁこの子は私から見ても大分可愛いのは認めますが…」
おーい。聞こえてますよ!ロキシーさん!それにしても可愛いだなんて。さっきの一瞬で俺はロキシーの心を掴んでしまったようだ。やったね。
「何か?」
「い、いえ、しかしその子に魔術の理論を理解できるとは思えませんが?」
「大丈夫ですよ!だってうちの子はこんなに可愛いんですから」
またしてもゼニスの親バカ発言。聞いてるこっちまで恥ずかしくなっちゃうね。ほら、ロキシーだって呆れ顔だ。あのジト目はいつか俺にも向けて欲しいが。
「はぁ。わかりました。やるだけのことはやってみましょう」
そんなこんなでロキシーは結局両親の親バカに根負け。俺の家庭教師になる事が決まった。
ロリ娘家庭教師ゲットだぜ!
「これからよろしくお願いしますね。ロキシー先生!」
「うっ!せ、先生……先生というのはこんなにも良い響きだったんですねっ」
ロアの街のギルドでグララットの家庭教師の募集を見つけた時、すぐにギルドで募集を引き受けるための手続きを行った。
やはり私の気をひいたのは、その報酬の高額さと種族の要件が問われてなかったことだろう。
水聖級魔術師の私はその辺の宮廷魔術師よりもよっぽど魔術師として優秀であると自負している。
ただ魔族の私を雇ってくれる所は少ない。
種族の要件無しでこれだけ高額な報酬を貰えるような募集は特に魔大陸から遠く離れたここ中央大陸ではとても珍しい。
逃す手は無かった。
そんな感じで勢いで受けた家庭教師の募集だが、冷静に考えてみると少し不安になってきた。
私は魔術師としての実力には自信がある。
だが人に魔術を教えた経験はない。
相手はきちんと自分が言ったことを理解してくれるだろうか、自分は適当に教えられるだろうか、そんな不安が胸の奥からじわじわと湧き上がる。
それと同時に、少し高揚する。
私はもうすぐ教師になるのだ。
そんな少し複雑な胸の内を抱えながら、私は依頼主、グレイラット家のあるブエナ村に足を進めた。
グレイラット家の家の前に着いた。
お昼時なのだろうか。外には誰もいない。
「こほん……ごめんくださーい!」
私はグレイラット家の扉をノックする。
「はーい」
「お、来たか」
扉を開けて出てきたのは二人の若い男女だった。
この2人がグレラット家の夫妻だろうか。
「ロキシーです。よろしくお願いします。」
私が出てきた2人に挨拶すると、2人は少し怪訝な顔をする。
少しドキッとする。魔族でも良かったはずだが。
「あ、あ、君がその?」
「随分とこう……」
ああ、そっちか。種族のことじゃなくて私の幼い容姿の方か。
いや、それはそれでイラっとするが。
「小さいって言いたいんですか?」
私が少し不満を表に出して夫妻に言うと、夫妻は気まずそうに目を見合わせた。どうやら悪い人ではなさそうだ。
「はぁ……、それで?私が教える子供はどちらに?」
「あ、それはこの子です。」
この子?さっきから妻の方が抱えてる幼児のことだろうか。
まだかなり小さそうだが。女の子?
私が女の子の顔をまじまじと見ると、唐突に女の子が私にウインクをしてきた。
瞬間的に胸が高鳴り、体が激しく震える。
あまりに激しい動悸に立っていられなくなり、ふらふらと他に膝をついてしまう。
女の子のウインクは私にとって破壊的すぎた。
透き通った茶色の瞳を綺麗に片方だけ瞼で隠して見せたそのウインクは、彼女の壮絶な美貌と相まって凶器のような鋭さを持って私の胸を貫いた。
ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ
ダメだ、動悸が治らない。
せめてあまり不振がられないようにしなければ。
「そ、それより、その子供が私の教える---------------------
彼女との初対面は、私の心に強烈な印象を刻みこんだ。
彼女の名前はルーデウス。
彼女との出会いは色々な意味で、私の人生の転換点となった。