転生先はゲームの世界(意図せず曇らせフラグをへし折る系男子)   作:アンダギー

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 混濁と困惑

 

 時間にして数秒のうちに

 

 両親が慌てて自室に入ってきた

 

 「「ニック!!」」

 

 「グッ…!!」

 

 2人に抱きしめられる

 

 「心配かけやがって…バカ息子が…」

 

 乱暴だがどこか言葉に優しさを感じる父と

 

 「本当に…もぅ…でもよかったわ…」

 

 心から安堵をする母

 

 本当に心配をかけてしまったんだと反省する

 

 反省の意を込めて2人とも落ち着くまで抱きしめられた状態を続けた

 

ーーーーーーーー

 

 「それにしても身体は問題ないのか?どこか痛めたりとかで」

 

 2人ともある程度落ち着いてきたところで父が質問を投げかける

 

 起きてから身体を動かしていないことに気づき

 

 ベットから降り身体を動かしてみせる

 

 その度に慌てる両親とミーネ様をみて過保護だなぁと少し笑ってしまう

 

 「うん…問題ないみたい!」

 

 「3日も寝てたのに?不思議なもんだな…」

 

 「えっ?」

 

 衝撃的なことを言われる3日?3日も寝ていたのか?

 

 「父さん…私は3日も寝ていたの?」

 

 「あぁ…本当に問題ないんだな?嘘はつくなよ」

 

 「ううん、全く問題なし!今すぐ稽古ができるくらいだよ!」

 

 「そっか!!なら今から…」

 

 「このおバカ!!」

 

 母から2人とも頭を叩かれる

 

 「本当にこのおバカたちは…当分はまだ休養よ」

 

 「「え〜」」

 

 「そう、なら2人とも動けない状態にするわね」

 

 「「すみませんでした!!」」

 

 やはり母は強しだな…

 

 「ぷっ…ふふ…あはは!!」

 

 「ミーネ様?」

 

 私たちのやりとりを見てツボに入ったのか彼女は口元を押さえて笑っていた

 

 「ごめんなさい…ふふ…でもあまりにもお父様とニックがお揃いすぎて…ぷっ…あははは!」

 

 それを見て私達も面白くなりみんなで笑い合う

 

 生きていて良かった…助けられて良かったとその時に実感するのであった

 

ーーーーーーーーーー

 

 「あ、そういえば!ニック!ミーネ様からはある程度は説明を受けたがお前からも聞いておきたくてな、あの場所であったことを教えてくれないか?」

 

 雑談の流れで父から質問を受ける

 

 ミーネ様がある程度説明をしている以上隠す必要はないのでありのままを伝えた。依頼主や目的も不透明であることも含めて

 

 「そうか…そうなるとやっぱり」

 

 「王室のものが怪しいと思われます」

 

 父が話す終わるよりも早くミーネ様が話し始める

 

 「お父様、お母様、改めて大切なご子息様を危険な目に遭わせてしまい誠に申し訳ございませんでした。今回の件は私の不足の致す限りでございます」

 

 「ミーネ様!頭をお上げください!今回の件は私が勝手に手を貸し出しただけでございます。王女がそのようなことで頭を下げてはなりません!」

 

 「ニック…これは王女としてではなく私個人としてしている行動よ。王女ではなくただのミーネとして貴方のご両親に謝罪をすることは当然のことよ」

 

 彼女は深々と頭を下げたまま私に告げる

 

 なんと立派なお方なのだろうか…

 

 「ミーネ様…頭をおあげください。確かに巻き込まれる形にはなりましたが、先程息子が言った通りこの子も自分意思で貴方を助けた。私たちはその行動を尊重はしても非難はしません。もちろんミーネ様に対してもです。貴方も怖かったでしょう?今はただのミーネとして甘えていいんですよ」

 

 そういうと母はミーネ様を優しく包み込んだ

 

 「しかし…私のせいでニックは…」

 

 「いいえ、貴方もまた、巻き込まれただけです。この場所には誰も悪い人はいないわ。そうよね?ザック?」

 

 「あぁ!その通りだ!!ミーネちゃん、今は甘えな!うちの女房の包容力はピカイチだぜ!なんせ…」

 

 「ザック?」

 

 「ふっ…まぁとくと味わいな…」

 

 所々しまらないなぁ…

 まぁそこも私の父のいいところなんだけど

 

 「ミーネ様、今は私と両親以外誰もいません。だから心置きなく泣いてください。いっぱい私達に甘えてください」

 

 「…ニック…ニック…う…」

 

 今は王女ではなくただのミーネとして…

 

 「ガァ!?」

 

 「ニック!ニック!!うわぁぁぁぁん!!!」

 

 なぜ私の方に!??

 

 「ミーネ様!?ミーネ様!?間違えております!!目標はあっちです!今、呆然としている私の母に向かって行って…」

 

 「うわぁぁぁぁぁん!!!!!!」

 

 「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 苦しい!ほら父も母も呆然とせず早く引き離してくれ!!

 

 君たちの可愛い息子はまだ病み上がりなんだよ!!

 

 微笑ましいものを見る目はやめてくれ!

 

 誰でもいいからこの状況から助けてくれーー!!!

 

ーーーーーーーーーー

 

 「グェェェ〜…」

 

 あれからかれこれ数十分抱きつかれっぱなしだった

 

 胃の中が空っぽだったことだけは感謝だな

 

 もし何か入ってたら確実にリバースしてたよ

 

 もしミーネ様に吐瀉物でもかけたら不敬罪で打首だろうし

 

 「グス…グス…ズズ…」

 

 あ、今私の服で鼻かんだな…

 

 本当に所々豪胆なんだよな…ミーネ様

 

 「落ち着きましたか?」

 

 「うん…度々ごめんなさい。ニック」

 

 「いえいえ。ミーネ様のお役に立てるなら光栄の至りです」

 

 「あら…本当に?」

 

 「ええ。紛うことなき本心です」

 

 「ふふ…本当に優しいわねニックは」

 

 「…ゴホン!まぁ、お二人さんが仲良くされてるところ悪いが…そろそろいいか?」

 

 「「あっ!?」」

 

 しまった…両親がいたの忘れてた…

 

 「とりあえず2人とも元気でよかったよかった!それによニック」

 

 「ん?どうしたの父さん?」

 

 「ミーネちゃんは、この3日間お前の看病してくれてたんだぜ。ちゃんと感謝しとけよ。とりあえず俺からは以上!」

 

 「あ、私からも!ニック、何はともあれよくやったわね。本当に誇らしいわ。あとミーネちゃんも息子の看病ありがとね♪ある程度落ち着いたら一緒にご飯にしましょう」

 

 「はい!今日もお世話になります」

 

 ん?まさかミーネ様…

 

 「つかぬことお伺いしますが…まさかなんですがミーネ様…寝食をうちで済ませていたのですか?」

 

 「えぇ。ん?何かおかしなことでも?」

 

 想像以上にうちに馴染みすぎてるだろ…

 

 まぁいいか…どうせもう会うこともないし

 

 「いいえ…不躾な質問でした」

 

 「えぇ、そうね」

 

 あ、そこはストレートに返してくるのか

 

 「あと、お父様、お母様。お食事の前に一つお話ししたいことがあるのですが…宜しいでしょうか?」

 

 「ん?なにかしら?」

 

 ミーネ様の神妙な顔持ちを考えるに

 

 かなり深刻な話になりそうだ

 

 「突然で大変申し訳ございません。私、ミーネ・ベルリッティは、ニックをこれから執事とし、迎え入れたく存じます」

 

 ピシッと空気が凍る

 

 ん?何をおっしゃった?この少女は?

 

 「何卒、ご理解の程よろしくお願いします」

 

 「「えーーーーーーーーー!!!!」」

 

 両親が驚愕する声がこだまする

 

 「え〜、ミーネ様?聞き間違いでしょうか?先程執事と…」

 

 「えぇ、約束だったから」

 

 約束?はて…

 

 「確か貴方は了承したわよね?私のお願い」

 

 …………あっ!?……あーーー!

 

 した!確かに…いや〜でもあれは

 

 「あら、思い出してくれたのね!嬉しい♪」

 

 「ニック?どういうこと(だ)?」

 

 まずい…まずいまずいまずい!!

 

 確かに死ぬ間際に一緒にいるって約束はした

 

 それは事実だ…しかしあれは生きて帰れる可能性がなかったからであって…

 

 「あ…あれはですね…なんというか…言葉のあやとというか…その時の勢いといいますか…」

 

 「ひどい…そんな…私を騙したの…」

 

 あわ…あわわ…あわわわわ

 

 頭がこんがらがるどうしたらこの場を切り掛けられるのか

 

 「ニックよ。どういうことか説明してくれるか?」

 

 父…あ、多分ダメだ。正直に話したらきっと送り出させる。残念ながらこの人は義理人情に重きを置く人だ

 

 口約束だろうがなんだろうが約束を破ることは絶対に許さない性格だ

 

 なら、母は…

 

 「ミーネちゃん。それはいきなりすぎるわ。どんな理由があれど、さすがにおいそれとニックを渡すことはできません」

 

 おーー!!さすが母!!いけいけ!

 

 王女様の執事なんて真っ平御免だ!

 

 「あ、お母様。お渡し忘れたものがございまして。どうかこちらをお受け取りください」

 

 そういうと、彼女は母に透明なボトルのようなものを渡した

 

 「何かしらこれ?」

 

 「王室で今流行っている美容液なるものです。アンチエイジング?という効果があり、適度に処方することによりマイナス5歳いえ、最大10歳まで若返るとか…これまでの非礼のお詫びとして何卒お受け取りください」

 

 「…ザック。話だけでも聞いてあげましょう」

 

 うわぁ…買収だよ

 

 汚い…さすが王族…汚い

 

 「では、ことの顛末をお話しさせていただきますね」

 

 

ーーーーーーーー

 

 「ニックよ。こればかりは仕方ない。ちゃんと責を果たさないとな。男として」

 

 やっぱり父はこうなるわな

 

 対する母もそれなら仕方ないか…と頭を抱えていた

 

 それほど王族との約束とは重いものなんだろう

 

 あ〜どこで間違えたのかな

 

 

 「あ、もちろんお二人にも感謝の意を表し、定期的にお気持ちを送らせていただきます。お父様は、確かワインを嗜まれてるとお聞きしておりますので…どうぞこちらを。お母様には先程の美容液を今後も送らせていただく次第です」

 

 「「どうぞ。今後とも息子ともどもよろしくお願いします」」

 

 うわぁ最悪

 

 初めて親を軽蔑したよマジで

 

 「ふふ。お二人にご理解いただけてよかったわ…これからはずっと一緒よニック♪」

 

 「………はい………」

 

 「あら?嬉しくなさそうね…お父様お母様!!ニックが」

 

 「ミーネ様とずっと一緒にいれて嬉しゅう思います!!!」

 

 「あらあら…私もよニック」

 

 もういいや。なるようになれ!

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