転生先はゲームの世界(意図せず曇らせフラグをへし折る系男子)   作:アンダギー

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 女神の世界と知らない話

 

 「これはまた…面白いことになったわね」

 

 面白おかしく女神が笑う

 

 女神ウェンビィは、異次元の空間から7年ほど前に送り出した青年の様子を覗き見る

 

 なぜ、女神ともあろうものが1人の人間に興味を持ったのか

 

 それは、いたってシンプルであった

 

 初めはただの暇つぶしに過ぎなかったのだが

 

 青年が転生を希望したゲームの世界を興味本位に調べてしまったのが原因である

 

 「ミーネは本来このルートでは暗殺者たちを覚醒した力によって皆殺しにする予定だったのにね…ふふ…これはこれで面白いわね」

 

 正史であればミーネは命の危機に瀕した際に覚醒し暗殺者を殺害。しかしその強大な力を恐れた王家のものより長いこと幽閉されることになる。しかし、ミーネは徐々に自分の力が抑えられなくなり領土を全て焼け野原にし、1人孤独に自殺するルートだったのだが…

 

 「これも一概に愛の力なのかしらね…まぁ、あの子の愛はかなり重いけど…ふふ…この先どうなるか、みものだわ」

 

 ウェンビィはどの世界線でもミーネは基本的に好きな人を病的に愛することを知っている。しかし、そのルートに入る際には、ミーネは覚醒しておらず魔法も何も使えない、王家で迫害されている可哀想な女の子の設定なのだが、しかし今回は違う。イレギュラーのお陰で力を持ったまま1人の人間を愛することとなる。これがどんなに残酷なことか…

 

 「ふふふふふ…私にとってはとっても面白いけど、彼にとってはとっても面黒い話ね。せっかく希望した世界に行ったのに地雷原をタップダンスするようなことになるなんて。しかもミーネの力は誰よりも強力だから絶対逃げられないし」

 

 しかし、予想できない展開だからこそ面白い

 

 彼と彼女を結ぶこの世界がどのようになっていくのか

 

 幸せか不幸かそれともそのどちらでもないのか

 

 女神はただ楽しむ、ただの娯楽として

 

ーーーーーーーー

 

 「お母様の料理はどれも美味しいですね、できれば時間があるときに作り方を教えてもらいたいです」

 

 「あら、いつも褒めてくれてありがとね♪必要ならレシピでも書いて渡しましょうか?」

 

 「いえ、お母様とも今後とも親睦を深めていきたいのでご迷惑でなければまたお邪魔させてもらってもいいでしょうか?」

 

 「あらあら♪嬉しいわね〜時間ができたらいつでもいらっしゃい!ふふいっそのことうちの子になっちゃう?」

 

 「あ、それはご遠慮します」

 

 「振られちゃったわ…お母さん悲しい…」

 

 「お母様やお父様には王家に入ってもらう予定なので」

 

 「またまた冗談がすぎるわね〜」

 

 「いえいえ…そんな冗談だなんて」

 

 側から見たら仲睦まじい光景に映るかもしれないが

 

 実際は微妙に噛み合ってないアンバランスな空間が広がっている

 

 「ねぇ、父さん」

 

 「なんだ息子よ」

 

 「もしかして私はもう一生ミーネ様に縛られていきていくのかな?」

 

 さっきの会話とミーネ様の一生一緒宣言

 

 彼女の発言が冗談ではないことを察知し人生の先輩である父に尋ねる

 

 「あー…まぁ、まだミーネ様も幼いし、もしかしたら気持ちが変わるかもしれないぞ。可能性はゼロではないからな」

 

 父は遠い目をして私に伝える。

 

 「ありがとう父さん。でもさ、なんで私の目を見て言ってくれないの?」

 

 父が珍しく言葉に詰まっている

 

 多分限りなくゼロに近いってことなんだろう

 

 「ははは…やはり嘘はダメだなニックよ。すまん。正直に言うと多分いや、確実にお前はもう縛られ続けることになる」

 

 なんて乾いた笑いだ

 

 父のこんな姿は初めて見たかもしれない

 

 「やはり血は争えないのかもな…まぁなんだミーネちゃんは母さんに似てるんだ」

 

 「え?」

 

 母さんに似てる?どこが?

 

 「あー…俺と母さんの出会いも同じ感じだったんだよ。それと、母さんはお前が産まれてから落ち着いたから多分そのパターンだなミーネちゃんもきっと。うーん懐かしいような…うん。まるで昔の母さんを見ているようだよ本当に」

 

 「いやいや、1人で勝手に解決しないでよ!説明を求める!切実に!」

 

 「まぁ端的に言うと、母さん生まれは貴族様。幼少期に俺が助ける、そのまま惚れられてずっとついてこられる根負けして結婚するそんな感じだ」

 

 えっ…初耳なんだけど…母さん貴族だったの?

 

 「まぁ、あの時は凄かったよ…ある突然うちに乗り込んできて「家も権力も全て捨てて貴方の元に来たの!あの時の責任とって!」って詰め寄られたもんだ。はっはっは!」

 

 「あの時の責任って…まさか!?」

 

 「このおませさんが!どこでそんなこと覚えたんだ?まあいいが、お前が考えてることとはかけ離れてることだけは確かだ」

 

 「じゃあ何したの?」

 

 「母さんもその時誘拐されててな。もしかしたら殺されるかも…家族ももう殺させてるかもってずっと震えてたからよ、少しは慰めになるかと思って「死ぬ時は俺も一緒に死んでやる。もし生きて帰れたらずっとそばにいてやんよ」って言っちゃった♪」

 

 「うわぁ!!!ほぼ一緒だ!!!ひぃーーーー!!!!」

 

 恐怖で鳥肌が立つ

 

 「だろだろ!!いやーまさかそれがこんなことになるなんてな〜まあ俺の場合は母さんがこっちに来てくれたからまだよかったがよ、お前の場合は相手が王族ときたもんだ!!はは!マジでどうすんだこれから?」

 

 「急に冷静にならないでよ!本当にどうしたらいいんだろう…」

 

 「これから考えていくか…まあ、何かあったら相談には乗れると思うからいつでも帰ってこいよバカ息子」

 

 「その時は頼らせてもらうよ。バカ親父」

 

 「なに!?親に向かってバカとは何事か!!」

 

 「うるさい!あんたの血のせいでこんな事態になったんだぞ!責任とってよ!責任!」

 

 「ガァーーーー!!責任って言葉はあまり使うな!トラウマなんだよ!」

 

 「父さんもよく私に言ってたじゃん!」

 

 「自分が言う分にはいいんだよ!!」

 

 「なんじゃそれ!?」

 

 ワイのワイのと男2人で盛り上がっている光景を

 

 食事を準備をしている女性2人が微笑ましく見守っていたのだった

 

 

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