転生先はゲームの世界(意図せず曇らせフラグをへし折る系男子) 作:アンダギー
馬車でゆられること1時間ほど、遠目であるが街の入り口が見えてくきた。遠目からだが私住んでいた田舎町より都会の街といった感じだ。さすが王家の娘の統治する土地と言ったところである。しかし、なぜわざわざ少し離れた領地にミーネ様は住んでいるのか…まぁおおよそ予想はつくがミーネ様から言われない限り詮索することはよしておこう
そこから数十分程して街の入り口まで辿り着き門番と挨拶を交わしたの新天地への到着となる。街の風景は本当にファンタジーの世界観が溢れていた。ミーネ様の帰りを嬉しそうに歓迎している人達をみるとこの街はしっかり統治されていることがわかった。領主はミーネ様だが、腕の良い参謀がついているのだろう…早く会って話がしたいものだ。昨日の首都での街並みより落ち着いた街並みに眺めながら目的地であるミーネ様のお屋敷に到着する
お屋敷の外観は白がベースとなっており、あ!金持ちの家だ!とつい声が出てしまうほどの佇まいであった。そんなことを考えていると屋敷の前に数人の女性がいることに気づく、しかし、その女性たちの格好に驚愕する。いや、驚愕というより感動に近いかもしれない
「おかえりなさいませミーネ様」
「ただいまスターニャ」
主人と女性が帰宅の挨拶済ませている。それより、やっぱり気になる
なぜ、なぜこの屋敷の女性たちは皆、メイド服なのか…やはり身体は子どもでも精神面はもう立派な大人。このような美しい日本の文化が取り合えられているとは…感動…イタタタタタタ!!!!!
すごい力だ!!腕が雑巾のように絞り上げられている!!このお嬢様、肉体強化魔法まで体得してるのか!?
隣を見るとまるで私の心を見通すかのような瞳でこちらをみながら淡々と腕を絞り上げているミーネ様がいた
「…痛いのです…やめてほしいのです…」
あまりの痛さに語彙力が半減するが、威力がとどまることを知らない。もしかしたらちゃんと伝わってないのかもしれない
「ミーネ様?腕、もげそう、大変、激痛、オーケー?」
単語を繋ぎ合わせて意思疎通を図る
「オーケー」
変わらず腕を絞り上げる。全然伝わってなくて悲しい
「お戯はよしてください!!このままだと私の腕から真っ赤なトマトジュースがでることになりますよ!せっかくの高級な馬車を汚すのはよしましょう!ね!ミーネ様?ミーネ様!?聞いてます?」
「オーケー」
聞いてない、このお嬢様私の腕を再起不能にするつもりだ…良いじゃないかメイドさんみてときめいたって…許してほしいよそれくらい…というか、だいたい付き合っている男女じゃあるまいし、ましてや恋愛のれの字もまだ知らない子ども同士なのに…いや、私は子どもじゃないけどね!正確には!それなのにこんなに束縛されてたらたまったもんじゃないよ!全く…本当にミーネ様は今日という今日はちゃんと文句言わないと
「ミーネ様!さすがに「眼って2つあるわよね」へ?」
何を言い出すんだ今度は?スピリチュアルなの?そういうお年頃なのか?ていうかまだ腕痛いんだけど
「ニックの眼って綺麗よね。綺麗な黒。この国じゃ珍しいのよ。黒目って」
「はぁ…ありがとうございます。ミーネ様はお父様に似て綺麗な青色の眼をされており、私よりミーネ様の方が幾分も綺麗だと思いますが…」
確かに自分以外で黒目の人とかこの世界にきてみたことないな…あまり気にしたことなかったから…というか、いじめとかされなくてよかったよ
「うん。とっても綺麗、だけどね…その眼があるから余計なものが見えちゃうのよね…本当に可哀想だわ…」
「余計なものとは?」
「うちのメイド達のこと。その眼の美しさとは程遠い眼差しでみてたわよね?」
だからどうしたっていうのだろう?仕方ないだろ…珍しかったんだからあと、みんな可愛いんだから此方もしっかりみなければ無作法というのもだろう
「えぇ、とても珍しかったので…あと、やはり皆さん可愛ら…「ボン」あっぶな!?」
あっぶねぇ!このお嬢様、眼球目掛けて爆発起こそうとしやがった!!まぁ実際は魔法使ってないからモーションだけだったんだけど寿命が縮むわ!!もう王女というよりお嬢だよ…やり方が…
「ミーネ様…さすがにこれはあまりにも悪質では?」
「あら、今回は冗談で済ませてあげてるのよ」
「え?」
「初めてだからお情けをかけてあげたの。感謝なさい。本来ならあなたの両目を吹き飛ばしたいくらいなんだもん」
いやいや、さすがにちょっと女の子みただけですやん〜ほんとミーネ様は冗談がうまいな〜
いや、この目はガチだ
「は…はい。今後は気をつけます」
「いえ、別に気をつけなくてもいいわよ。ただ眼が見えなくなるだけし、ずっと私がそばにいてあげるから」
「いえ、2度と屋敷内の方をそのような目でみないことを誓います」
平然と人の目を失明させることをただ呼ばわりするあたりガチでやりかねん。少しちびりそうだった。というか、少しでた
また約束事が一つ増え、尊厳が一つ減った。その上先程のやりとりをメイドさん達にみられたことによりメイドさん達からの視線が痛い。もうやだ帰りたいよ…
冷ややかな視線を耐えながら、屋敷に入りメイド長であるスターニャさんと何故かついてくるミーネ様に部屋を案内され荷物を整理し一息つく、荷物も少ないことにより予想より早く整理がつき手持ち無沙汰になってしまったため、屋敷の中を知ることも大事だと思い散策に移ることとした。
建物の作りは3階建てであり、一階は来客用の部屋が完備されており会議室のような場所も設けられていた。2階にはキッチンや食事場、さらにお風呂が備え付けられている。3階は使用人の寝室と少し離れたところにミーネ様の部屋があるようなつくりであった
部屋の中の散策も終わり、次は外の散策に移ると絵に描いたような美しい花達に囲まれた庭園が広がっており、来客者とのお茶会のためのテーブルなども置かれていた。紅茶の淹れ方など習わないとなと考えていると、庭園の中でお花にお水をあげている男性が目についた。年齢はうちの父と同じくらいの30後半くらいであり、身体つきは意外としっかりしている。使用人の方なのかなと思い声をかけることとした
「あの…すみません」
「はい…どうかされ……すみません失礼ですがあなたは?」
「あ、名も名乗らず申し訳ございません!本日よりミーネ様の執事として働かせていただくこととなりました。ニックと申します!以後、お見知りおきください」
私が挨拶をすると、少し驚いたのちボソッと何かを呟いた。うまくは聞こえなかったが聞き返すのも悪いので相手の返事を待つ
「ご丁寧にどうも。私の名はギルバートと申します。お嬢様に雇われている使用人です。主に屋敷の警護や領土の統治のサポートなどしております。ニック殿のことについてはお嬢様から常々聞いておりますゆえ。これからよろしくお願いします」
「ご丁寧にどうもありがとうございます!誠心誠意尽くしていきますのでご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします」
「なるほど…この歳にして随分としっかりなされている、それに何処となく…いや…」
ギルバートさんは何か思い詰めたような表情をしている
「なにか?」
その顔がつい気になってしまい尋ねてしまう
「いえ、すごくしっかりされていると思いましてな、気を悪くされたのなら申し訳ない」
「そんなことありませんよ!」
私のような子どもにも丁寧に対応してくれる親切な人であることはわかった。それと、一つ気になったことがあったのでついでに尋ねてみることとする
「つかなことをお伺いしますが…ギルバートさんもしや剣術を嗜まれておりませんか?」
体格に所作などを鑑みるに相当のやり手と感じた。父よりもしかしたら強いかもしれない
「ほう…気づきましたか。ニック殿もその歳にして相当の手練れとお見受けするが、やはりお嬢様がおっしゃっていたことは真実なのですな」
「あの事件のことですか?」
「えぇ、お嬢様から直接聞きました。私がいない時に守ってくださり本当に感謝申し上げます」
そういうと、ギルバートさんは頭を下げた
「頭をおあげください!たまたま居合わせて運良く助けられただけで…あ!それなら一つお願いがあるのですが…」
「ん?お願いとは?」
「私と今度手合わせしてくれませんか?」
「その程度のお願いであればいくらでもお受けしましょう」
よし。あとは、なんやかんやこぎつけて稽古みてもらおう!師範代ゲットだぜ!ギルバートさんから指南を受けたらミーネ様の護衛もしっかり出来そうだ
「ありがとうございます!それではすぐになるのですが明日少しお願いできますか?」
「大丈夫ですよ。楽しみにしております」
「いえ!こちらこそ、胸を借りると思いますがよろしくお願いします!」
「それはそれとして、ニック殿は今、なにをされているのです?」
そっか、目的もなくフラフラしてたからギルバートさん気になったんだ
「お恥ずかしながら屋敷の散策をちょっと…初めての場所なので極力早く覚えたくてですね…へへ…なんか恥ずかしいです」
「…そうでしたか…よければ私が案内を務めましょうか?」
おーー!それはありがたい申し出だ!ギルバートさん良い人だな
「ぜひ!お願いします!」
「ふふ…承りました。では、いきましょうか」
そこから男2人楽しく会話をしながら散策を行った。
しかし、ギルバートさんはとても嬉しそうに案内をしてくれたのだが所々悲しそうな表情をしていたことが気になった…何か理由があるのかも知れない…もっと仲良くなったら教えてくれるのだろうか…