転生先はゲームの世界(意図せず曇らせフラグをへし折る系男子)   作:アンダギー

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 乖離生活

 

 ミーネがとんでもない試験結果を出したことにより、周りは騒然とする中、次の試験対象者であり、ミーネの執事であるニックにも視線が注がれる

 (うわぁ…そりゃそうなるわな…でも残念、私はミーネ様のような芸当はできません!期待して見ている人たちごめんなさい…あ、なんか、申し訳なくなってきて気分悪くなってきた!吐きそう!てか、吐く!!)

 

 ニックは周りへの期待の眼差しによるプレッシャーで顔面蒼白となっていた

 

 「ニック、私のパートナーとして、その勇姿を見せてちょうだい。期待しているわ」

 

 元凶であるミーネは、そんなニックに激励の言葉を送る。やけにパートナーというところが強調されていたがニックはツッコむ余裕がなかった

 

 どうしてこうなったのか、少し自暴自棄になりかけるが無情にも開始の合図が響くのであった

 

ーーーーーーーー

 

 「結果…なんと、35秒!素晴らしいタイムです!」

 

 試験官が明るい声色で結果を告げる。頑張ったが結果は35秒。いや、普通に考えたらとんでもなくいい結果なのだが、いかんせんNo. 1が圧倒的すぎた。5秒はないわ、5秒はと、ニックは心の中で悪態をつく。

 

 周りの空気もなにかギクシャクしている。それは、一概にニックの成績が思っていた以上ではなかったから、というわけではなく。優秀な成績であったがため、前任者が化け物すぎるだろうという、ミーネに対してどう扱えばいいのかわからないといった空気である。ニックは考え込む。どうすればこの空気を変えれるか…と

 

 「お疲れ様♪私のニック♪」

 

 ミーネ(化け物)が肩に触れる。やけに上機嫌でありニックは少し身構えてしまう

 

 「ミーネ様…不甲斐ない結果を届けてしまい、申し訳ありません」

 

 ニックは、一応謝罪をすることにした。上機嫌ではあるが、もしかしたら怒りすぎて逆に愛想良くしていることも考慮しての結果である

 

 「もぅ…ニックったら〜」

 

 そういうとミーネは、ほっぺをツンツンとつつく。数分前の凛々しい主人とは比べ物にならないくらい甘々な姿にニックは恐怖を覚える

 

 「ミーネ様…お戯はほどほどに…して、此度の結果、もしやミーネ様は…」

 

 「えぇ!充分に見せてもらったわ!主人である私を立てた上でかつ、私の隣は譲りたくないから2番の成績を選ぶなんて…本当に私のことが大好きで仕方ないのね…それと、隣は絶対譲らないって周りに見せつけるなんて、なんて独占欲の強い執事なのかしら…本当に困っちゃうわ♪でもねニック、私は別にあなたになら抜かれてもいいのよ、というか、あなたは私で抜いていいの。いえ、私で抜きなさい」

 

 みなまで言うなとニックの言葉を遮りミーネは告げた。言葉の節々に気になる点はあったが、結論として、ミーネはニックの結果に大満足ということであった。しかし、その発言のせいで周りからは、「実力を隠してたんだ…」、「やっぱりあの人も化け物なのかな…」だの、「執事のおかずは主人なのか…」などと風評被害を被ることとなるのであった

 

ーーーーーーーー

 

 「それでは、これにて魔法の試験は終了となります。昼休憩の後、剣術の試験を希望される方は13時に第二ホールに集合してください。なお、剣術の試験を希望されない方はこれにて試験は終了となりますので、お気をつけてお帰りください。なお、結果は後日郵送でお送りします。それでは、お疲れ様でした」

 

 無事、筆記と魔法の試験は終了となった。この時点でミーネは試験が終了となり、通常であれば屋敷に戻るはずであるが

 

 「さて、昼食はどこで取ろうかしら…あ、あの広場とかどうかしら!」

 

 まぁ、帰らない。しかも、どこで昼食を取るか考えている。ミーネが提案した広場を見てみると、たくさんの学生が、というか、学生のカップルが仲睦まじく食事をとっていた。その光景に学園の風紀はどうなっているんだとニックは頭を悩ませた

 

 「ミーネ様、私は少し落ち着いた場所で食事をとりたく思います。そうですね…ほら、あの噴水の前のベンチなど如何ですか?」

 

 食事が取れるならどこでもいいが、あの広場だけはなんとしても避けたいため無難なところを提案する

 

 「あ、みてニック…あの2人付き合ったばっかりなのかしら。ふふ…なんか、愛らしいわね♪私達とは大違い♪でも、私たちもあんな時期があったんだなあ〜って思い出すと、なんか嬉しさと少し寂しさを感じるわね…」

 

 執事の話はどこ吹く風か、ミーネは、ニックの手を取りグイグイと広場に向かって歩を進めていく。しかも存在しない記憶を語りながら。とんでもない化け物である

 

 「ミーネ様!それより、あの噴水のベンチに!いや!いっそのこと第二ホールに付近に食事ができそうな場所を探してみませんか?あ、だめだ!聞いてない!!うわぁ!力強い!!全くびくともしない!!まるでブルドーザーだ!!」

 

 「ふふ…今日は記念すべき学園での、初お食事会♪ニックと2人で♪誰にも邪魔はされずに♪2人きりで♪メイドもいない♪使用人もいない♪私とニックの2人きり♪デザートはニック♪私もデザート?なんてね♪あ、なんか想像したら…やばい産まれそう…あ、まだ妊娠してなかった…危ないわ…もう結婚して出産までしてるかと思っちゃった、あ、そういえば結婚式の、ドレスって赤だったかしら…あ、まだ結婚式してなかったわ…あれ、籍ってまだいれてなかったかしら?ニック・ベルリッティ。あ、まだだった」

 

 「ひっ!?なんか、勝手に未来予想図が作られてってる!?怖いよ!誰でもいいから止めてください!お願い!あ、あなた!今、目があいましたよね!おい!逸らすな!おまえ!覚えたからな!この人でなし!!同じ学年になるかもしれないクラスメイトを見捨てたんだ!絶対ゆるさ「うるさい!いいから、あなたも子どもの名前考えなさい!!」申し訳ございません…」

 

 抗うこともできず、広場にて2人で昼食をとる。その間にも妄想と現実とが乖離したとんでもなく恐ろしい会話を話し続ける化け物(主人と)それをただ聞くしかない愚か者(執事)の奇妙な食事会は続くのであった

 

 

 

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