転生先はゲームの世界(意図せず曇らせフラグをへし折る系男子)   作:アンダギー

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 奇跡と責任

 

 「……う…ん………あれ…ここは…?」

 

 いつもの見慣れた天井が視界に入る

 私は確か…死んだはずでは…

 

 物思いに耽っていると、部屋の入り口付近からガシャんと何かを落とす音が聞こえる

 

 「ん?」

 

 「…ニック…?…」

 

 「…ミーネ…様?」

 

 振り向くとそこには驚愕の表情を浮かべるミーネ様が写る

 なぜ彼女がここに?

 

 「ニック!!」

 

 「グフ!?」

 

 なぜか彼女が凄い勢いで突っ込んできた

 突然のことであったため避けることもできず

 鳩尾にヘディングをくらう

 

 「…ニック…ニック…よかった…」

 

 彼女は嗚咽を漏らしながら私を抱きしめる

 

 その姿を見るにものすごく心配をしてくれていたのだろう

 

 気持ちはすごくありがたい。ものすごくありがたいのだが…

 

 めちゃくちゃ力が強い

 

 周りから見たら微笑ましい光景に見えるかもしれないが

 

 実際はデッドオアライブ状態である

 たまらず声をかける

 

 「ミーネ様!ご心配おかけして申し訳ございませんでした!ですが、このままだとせっかく生き返ったのにまた死にそうです!!」

 

 「えっ!?死なないで!!!」

 

 失敗した…より一層力がこめられる

 あ、綺麗なお花畑が見える

 えっ…こっちは楽しい?そっか…少しいってみようかな…

 

 「ニック!ニック!!」

 

 とびそうになっていた意識を無理やり引き戻される

 どうやら彼女が肩を揺らして覚醒させてくれたらしい

 そのおかげで抱き締めから解除され酸素が肺にいき渡る

 

 「はっ!!危ない…もうすぐ天国に導かれるところでした…」

 

 「よかった…ごめんなさい…急に抱きついちゃって」

 

 「いえいえ!お気になさらないでください。それよりミーネ様」

 

 「なに?」

 

 「私は何故…生きているのですか?それと何故ミーネ様がここに?」

 

 素朴な疑問を投げかける

 

 「それは…私がね…治したんだと思う…」

 

 「へっ?」

 

 つい間抜けな声をあげてしまう

 しかし、確かミーネ様は魔法が使えなかったはず…

 

 「貴方の心臓が止まる前に回復魔法をね…無我夢中で詠唱し続けたの…そしたら突然光に包まれて…」

 

 たどたどしく彼女が答える

 

 「包まれて?」

 

 「ごめんなさい…そこからは私も意識がなくなって」

 

 なるほど…だから治したんだと思うといったのか…

 確証がない以上は判断しかねるな

 

 「でも、本当によかった…奇跡でも貴方が生きてて」

 

 「ミーネ様のお陰です。本当にありがとうございます。それとミーネ様もご無事でなによりです」

 

 「ふふ…貴方のおかげでね」

 

 お互いに感謝の意を表する

 

 「あ!それと、もう一つの質問なのですが」

 

 「ここにいる理由?」

 

 「はい…何故私の家に?」

 

 「命の恩人をそのままにして帰るわけないでしょ?」

 

 さも当然に答える

 

 「しかし、貴方は王女ですよ…このような場所に…」

 

 「あら、私がいるのがそんなに嫌だったの?」

 

 今の発言が気に食わなかったのか

 彼女はかなり不機嫌になる

 まずい…まずは弁明しないと…

 

 「いえ!滅相もございません!ですが私のようなものにここまで手厚くしていただけることに驚きがありまして…」

 

 「それやめて」

 

 「…え?」

 

 「私のようなものにって…貴方、私に言ったこと覚えてる?」

 

 いったこと?はて…何を言った…

 

 「自分を卑下するな!って言ったでしょ。そんなこと言った貴方が、貴方自身を卑下することは許さないわ」

 

 あ…確かに言ったような…言わなかったような…

 あれ…確かそういえば他にも何か…

 

 「だから!これからは禁止ね!私もこれから気をつけるから貴方も気をつけなさい!」

 

 「はい!!以外気をつけます!!」

 

 「よろしい♪」

 

 年端もいかない少女に言われっぱなしで情けない…

 しかし、本当にミーネ様はしっかりされておられるな

 感心するよ本当に

 

 「あ!それより!」

 

 ミーネ様が突然立ち上がる

 

 「貴方のご両親に貴方が目覚めた方伝えてくるわ!!」

 

 その言葉と共に

 足早に部屋を後にする

 

 「そんなにお急ぎにならずに!お足元お気をつけください!!」

 

 そこは年相応なのだなと微笑ましい気持ちになる

 だか、その時私はまだわかっていなかった

 彼女の本当の狙いに

 

ーーーーーーーー

 

 よかった…本当に良かった…

 

 彼が目覚めてくれて、彼が生きていてくれて

 

 もし彼の目が覚めなかったらと思うと

 

 いや、やめよう。想像もしたくない…

 

 それにしても

 

 「温かかったなぁ…」

 

 抱きしめた時の感触と感覚が蘇る

 

 今まで生きてきた中で初めての幸福を覚える

 

 それと同時にこれからもこの幸福が続くことに喜びを感じる

 

 「ふふ…あとは…あの約束を…ふふ…ふふふ」

 

 つい笑みが溢れてしまう

 

 淑女として恥ずかしい限りだ

 

 だが気持ちが抑えられそうにない

 

 これは仕方がないことだ

 

 「絶対に…絶対に離さない…」

 

 

 

 「貴方は私のもの」

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