チェンソーにかける愛   作:皮入れ大根

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シックス・センス大好き!


[第32話] ハイヲレンコス

(何か知らねーけど、すげ~な…アイツ)

 

俺がジロウの奴に対して思った、正直な感想だ。

男の顔だとか名前だとかなんて、覚えていても得にならないとは思っているのだが

ホテルでの出会いから始まって、(その内の1回は記憶にもないとはいえ)3回も危ないところを助けてもらったのだ。

俺だって、恩知らずな男ではない。

それどころかアイツが居なければ姫野やレゼとは良い関係にすらなれなかったというのだから、ジロウ様々である。

 

TVからは毎日のように、ライダー教会を褒めちぎるニュースが流れてくる。

もちろんジロウとシーちゃんの話題がメインだが、5人のコウコクトー?も大人気となっている。

レゼ、クァンシ、アサ&ヨル、アキ&天使、俺――そう、俺。

信じられるかよ、ポチタ?

1年くらい前までは1日過ごすにも命懸けの激ヤバ人生だった俺たちが、今じゃスーパースターみたいな扱いされてるんだぜ?

 

「デンジく~ん!こないだ、助けてくれてありがと~!大好き~~~~~っ!!!!!」

 

「チェンソーマン様!!チェンソーマン様!!今度は私の血も飲んでくださいっ!!」

 

何より、俺もチェンソーマンも引くほどモテてる。

手を出そうと思えばむしろ向こうから進んで食われに来るだろうし、10人くらい彼女を作ってヤリまくりたいという夢はある。

けれどマキマさんが言ったみたいな、互いに分かり合った上でするエッチなことの気持ちよさを2人分も知ってしまった。

あの子たちは"俺"を上っ面でしか知らないから、何というか関係も気持ちいいのも大したことはなくて、長続きしないように思う。

…な?信じられねぇだろ、こんな贅沢な悩みが出てくるなんてよ。

 

だから、俺はジロウの奴を心からすげ~と思っている。

飛び交う声援の数と来たら、俺なんかとは比べ物にもならないくらいだというのに。

シーちゃん以外に浮ついた話は聞かないし、女の影すらもないのだから。

ここまでのレベルになると、アキすらも困った顔をしながら満更でもない様子なのだが

あそこまでブレない人間も居るんだなと、ある意味で感動するばかりだ。

 

「――デンジ、悪魔だ!都心に富の悪魔が現れたらしい!ジロウから私とお前で制圧しろとの命令だ、腕が鳴るな!!」

 

突然、勢いよくドアを開けて部屋の中にズカズカ入り込んできたのはヨルだった。

コイツはコイツで、おいの悪魔?とかいう奴が片付いた後からず~っと上機嫌である。

独りでジメジメと、この世の終わりかというぐらいに落ち込んでいたところへ

"俺んせいでガキを1万人も死なせるとこだった、助けてくれてあんがとよ"と、声をかけた瞬間

私はお前より上か?とか食い気味に言うもんだから、"…ま~ぁ、そうなんじゃね?俺をいいように使おうとした、こんげん何ちゃらをぶっ殺したんだろ?"と。

 

そう答えてやったら、もう空でも飛んでいきそうなV字復活っぷりだ。

お前は私の強さと美しさと恐ろしさの生きる証明だ、だから武器にはしないでおいてやる!…みたいなことも言ってたな。

意味はよく分からないが、立ち直ったのならばそれでいいのだろう。

美人が悲しんでる顔は見ていてあんまり気分のいいモノじゃない、ノドに魚の骨が突っかかる。

ちょうどこんな具合に、チンチンが気持ちよくなって…チンチン?

 

「どうした、ボサッとして?お前たち、昨日は3人でずっとヤッてたろう。絞られ過ぎて心ここに在らずか?それとも欲求不満か??」

 

「!!?(こん悪魔っ!!チンチン触ってきてる~!?)」

 

「ふむ、顔が紅いな…やはり欲求不満か。デンジが相手なら、今すぐサッと1発抜くのも吝かではないぞ?」

 

「はいぃ~~~~~っ!!?」

 

「ヨシ!喜べ、手か口か選ばせてやる…返事はッ!?」

 

「はァい!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コイツは一体、何が目的なのだろうか…との疑問は、転生してから今に至るまで解消される兆しすら見えてこなかった。

こうして未だに俺の目が黒いことから、少なくとも契約条項に抵触するような真似はしてないハズなのだが。

夢の中ですらもコミュニケーションが取れないために、地雷を踏み抜いてしまわないかヒヤヒヤしてもいない、と言ってしまうとそれは嘘になるのだけれども。

恐らくは考えても仕方がないことにカテゴライズされるので、俺はずっとガンスルーを決め込んできたのだ。

心臓と一体化したまま沈黙を続ける、ドローンの悪魔とは何ぞやという話である。

 

それにつけても、"宇枝くん"の頭に残っていた記憶を手繰り寄せた時点でおかしいとは思っていた。

ドローンの悪魔の姿が、90年代の恐怖の象徴としては余りにも令和的なソレであったから。

平成初期のドローンと言えば、最先端テクノロジーを現場で自ら創造し続ける研究者でもない限り、普通は飛行機のような形を想像することだろう。

ドローンの悪魔は原作に登場しないこと、何故か近未来的なフォルムだったこと、ここは転生が成立し得る平行世界であること。

最初から散らばっていたパズルのピースが指し示す先に、その全てを過不足なく満たす真実が横たわっていた。

 

うわあ!やっば、意識飛んでた!ボクどうなったの!?し、死の悪魔は…!!?ボク、食べても美味しくないよ!!ぜ、ぜぜぜ全身金属ぅー…!!

 

俺の脳みその中から、やめてよ馬鹿馬鹿馬鹿と喚く女性の声が突如として響き渡った。

 

「…あー、もしかしてだけど。アンタ、ドローンちゃん?」

 

「あ゛っ!(汚い高音)う、宇枝クン!!?ヒュッ…ぁ、あの!あのあの、キミを食べちゃって申し訳ございませんでした!!死゛にたくなかったんです許してください!!許されませんよねそりゃそうだ!!!あ、あぁー…」

 

パワーちゃんとコベニちゃんを足してマイルドにしたら、こんな感じになるのであろうか。

果てしなくやかましくてとめどなく小物臭い、ドローンちゃんとのファーストコンタクト(?)は果たして

 

「で、でも!死の悪魔はやり過ごしたんだ!?かっ…契約したもんね、ね?あの娘を何とかしてくれたら、不死身の身体を上げるって。そしたら宇枝クン、むしろ最推しとお近づきになるチャンスだ任せて――とか頭おかしいこと…違う!頼もしいこと言ってくれたし!!ボクと同じ、原作既読で前世の記憶持ちは話が早くてたすかったよ!!!」

 

俺に、全てを思い出させていた。

 

「俺は、アンタに食われたショックで前世を思い出して。それが功を奏して、ウキウキで契約を交わして。だけど、その生きたがりも災いして。シーちゃんのオーラを受けて、今の今まで意識を失ってた…ドローンちゃんも、転生者だったんだね?」

 

「…はい」

 

「俺に契約した時の記憶がないのは」

 

「はい…た、多分…契約中にボクが気絶したから、脳のマージがバグって…とか?あ、あれあれ?下手すると宇枝クン…記憶が全部きえてた、かも。あっ、は、わわわ…!!?」

 

「…」

 

「ピッ…」

 

「…まあ、終わったことだしいいよ。それよか、何で今になってドローンちゃんは目を覚ましたか?の方が気になるかな。ただの偶然?」

 

「あ、えっと。ぶ…部分的にはい?何か、何かね!?空から急にすごいエネルギーが飛んできて、それで無理やり頭を殴られて…叩き起こされた、みたいな??」

 

「――…!!?」

 

刹那、おぞましい予感と推論が俺の頭にも飛来した。

まさか…いや、そんなことが都合よく?数千年に1度の現象だぞ??

だけど、それなら確かに真っ当な手段へ拘泥していては対処のしようがない上、"人類"が一斉に慄く理由にも説明がつく。

 

「あのっ、宇枝クン!宇枝クーン?おーい、もしもーし?急に固まってどうしたのカナー??」

 

「…分かったかもしれない。いわゆるアンゴルモアの正体、人類の死に対する恐怖を頂点に導くものが」

 

「あぁ、はいはい。ノストラダムスの大予言のアレね、はい…は、い…はいぃぃぃぃぃっ!!?」

 




宇枝 ジロウ:オリ主。真に世界の住人となる。これは死と寄り添う者と忌避する者のお話。

ドローンの悪魔:オリ主。長靴をはいた猫が嫌い。二部パートは女主人公を出さないとね。

デンジ:原作主人公。16歳の爛れ方じゃない…。NKODICEで456サイを一心に振り続ける男。

ヨル:戦争の悪魔。誉は墓から蘇りました。脳を共有しているアサ"が"振り回されている。

R-18に興味ある?

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