アイドルマスター 私たちのM@STERPIECE!   作:なめこP

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第3話栄光への博打

戦艦『山東』砲戦艦橋

 

「所属不明機確認!いえ、B2です!」

「普天間の米軍か?」

 の見た先には確かに漆黒のB2爆撃機が翼を翻し飛んでいる姿が確認できた。

(あれももう造れないのか)

 自分が列車で言った言葉がふと脳裏を過る。あの国は数字を増やすことに特化し過ぎた。

「上将閣下!北京より入電です!”ノース・ポールとの戦闘は別命あるまで一時待機!”とのこと!」

「?北京はどういうつもりだ!?理由は?」

「待機命令のみです!」

 舌打ちをしたい衝動に駆られる。この巨大戦艦とて党指揮銃の原則を覆せない。002型戦艦山東が誇る71センチ砲とて北京には逆らえないのだ。

 

ワシントン:ホワイトハウス

 

「リィ主席!私は001型戦艦寮寧だけを出せと言ったはずだ!」

〈アイゼルバード大統領、その判断はこちらの主権の範囲内です。それよりB2の撤退をお願いします。あそこは我が国の海域ですよ。〉

「貴様!」

側近たちは冷汗を垂らしてる。この男は放っておくと何をするか分からない。ただでさえ原爆を「偉大なるアメリカによる民主主義宣教スタイル!」だの「Genoshima(広島)とHatasaki(長崎)は戦争の早期終結を象徴する日米友好のシンボルだ!」だのと宣い曽山政権からも抗議が来ている。

「偉大なる神の遣いであるこの俺様がAtomic Samと言われている事を知らないのか!」

〈じゃぁプレゼント差し上げますね。Weiboを見て下さい〉

「は?」

 その時、国防総省のウィスキンソン長官が顔面を青白くして執務室に飛び込んだ。

「大統領!大変です!北京・天安門広場で戦略ロケット軍が!」

「なに!?」

 

北京 天安門広場

 

「展開急げ!」

「これは主席の直令だ!」

 かつて天安門事件が起きた場所で戦略ロケット軍が広場の一般人を押しのけ轢き殺しながらCSS10型中距離ミサイルを搭載したロケット軍所属の格納運搬車が強行突入する。

タイヤを真っ赤な血肉で染めながら広場の中央に来ると車中の通信部隊が即座に衛星とのリンクを開始する。警備のために降車した人民解放軍の兵士たちは天安門広場と言う場所で一般人に銃口を突き付けながら追い払うとミサイルが次々とその鎌首を上げて行った。

「目標ワシントン!ホワイトハウス直上!」

「ミサイル発射角度調整中!」

「発射準備完了まで残り二分!」

この様子は即座に衛星を経由してホワイトハウスに転送された

 

ワシントン:ホワイトハウス

 

「リィ主席、あなたは正気か?」

〈ご安心ください。今展開しているロケット軍はあなたによって止める事が可能です。B2を撤退させない〉

 その言葉にアイゼルバードは凍り付いた、これは核恫喝だ。であるならばやることは一つだ。

「我が国は脅しには屈しない。例えホワイトハウス以外がダウンしても私は脅しには屈しない。それがアメリカだ!私は全世界に屈しない!」

〈「その時原爆おじさんが現れて悪いインディアンを原爆で処分してくれました。こうして西部開拓は原爆おじさんのお陰で安全に行われました。めでたしめでたし」これ、素敵ですよね~。〉

アイゼルバードは相手の言葉を理解した。『原爆おじさん』シリーズ、かつて自分が描いた絵本を中国はやるつもりなのだ。

「まて、リィ主席。中国は悪い原爆だ。君たちはアメリカの原爆ではない。」

〈ハァ?原爆にアメリカも中国もありませんよ?それに我が国はアメリカ合衆国China州ではありません。貴殿のお願いには従えません〉

 素っ頓狂な声でわざとらしい驚きを発言すると彼女はそのまま言葉を続けた。

〈B2を撤退させなさい。如何なる理由であれ我が国の艦隊を脅かす真似は許されない〉

 そのとき電話越しに声が響いた。ロケット軍の将校の声だ。

〈リィ主席!発射準備完了しました!いつでも攻撃可能です!〉

〈素晴らしい。核を撃てる貴方たちは勇気ある人解放軍軍人よ。聞こえましたかアイゼルバード大統領、B2を撤退させなさい、今すぐ。〉

 彼は震えていた。自分がこんな屈辱的な取引を強要されることはAtomic Samを自負する彼には耐えられない屈辱なのだ。

それでも”悪い原爆”がホワイトハウスに振って来る事態だけは避けねばならなかった。

決断を下さざるを得なかった。

「分かった、君たちの要求を呑む」

 そうしてアイゼルバードは弱弱しく受話器を置くとウィスキンソン長官に小さく命じた。

「B2を撤退させろ、我々の懸念は見透かされていた。」

「しかし」

「撤退されろ!」

「了解です。」

 

戦艦『山東』砲戦艦橋

 

「B2が撤退します!」

「貸せ!」

 双眼鏡を覗くフーの目には信じられない光景が見えた。

あのB2が翼を翻しまるで逃げるように加速しながら艦隊から離脱していく。

(北京め、何か余計な事をしたな)

 フーはリィの不敵な笑みを想像した、あの女は何を考えているか分からないくせにいざ行動に移すと目的が明確に分かる。しかしその時点でこちらはお望みの通りにしか動けない束縛状態にされてるから質が悪い。

B2が認識とレーダーの外側へと消えていくとふと潜水艦特有のある事を思い出した。

「…北京から情報は!?『ノース・ポール』の音紋データは?」

「ありませんでした。どうにも日本の曽山が出し渋りをしているみたいです」

 内心舌打ちをした、相手は核を持ったテロリストだぞ、一国のメンツがどうとか言ってる場合か…しかしここで尖閣諸島における戦艦『寮寧』による究極の愚行『尖閣危機』を思い出し自分の国とその組織を胸中で激しく呪った。

クソッタレの共産党め、目先の利益の為に動けばいざ本当に危うい時、誰も何もしてくれないと言う事を少しは学んだらどうだ!と胸中で憤りつつそれを顔に出さぬようにしながら上層部を呪った。

 彼は眉一つ動かさず冷静さを取り繕いながら命令を下す

「総員戦闘配置。『ノース・ポール』を沈め我が艦隊の栄光を世界に喧伝する!」

 この時フーは知る由も無かった。北京指導部の強欲さと言うものを。

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