完璧すぎて疲れる執事は勇者の末裔   作:gp真白

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王都の復興と、グリムの使命

帰還、緑の理の新たな使命

王都での激闘の後、七天ホムンクルスは一時撤退したものの、強欲のベリアルに秘宝を奪われるという最悪の結果に終わった。マスターとシエルは残された問題の処理と、崩壊の危機に瀕した王都の復興に全精力を傾けていた。

 

シエルは王都塔の制御室に籠もり、ホールディング・アルゴリズムでかろうじて保っている王都の魔力システムを懸命に修復していた。マスターは左腕を骨折し、魔力を大きく消耗しながらも、住民の心のケアと治安の維持に奔走していた。

 

「グリム。貴方の左肩の傷は深すぎる。治癒に専念すべきです」シエルは演算の合間にグリムを見つめた。

 

グリムは、唐紅の弓懸を失い、痛々しい包帯が巻かれた左腕を見下ろした。

 

「いや、無理だ。シエル、アンタもマスターも、王都に縛られてる。でも、俺にはやらなきゃならねぇことがある」

 

グリムの脳裏には、火の国でアザゼルを食い止めている、二人の師の姿があった。

 

「クレナイ師匠と、緑の錬金術師。俺が王都に帰ってから、どれだけ時間が経った?ベリアルに秘宝を奪われたことで、アザゼルの力が増幅してる可能性がある。二人の安否を確認しなきゃ、俺は先に進めねぇ**」

 

マスターはその言葉を聞き、無言で頷いた。「わかっている。王都の状況が落ち着いたら、俺も必ず向かう**。だが、グリム、お前は今、唐紅の理の源を失っている。無理はするな」

 

火の国へ、そして燃え尽きぬ理

グリムは王都を後にし、再び火の国へと急いだ。左腕は満足に動かないが、身体に残った****唐紅の情熱が彼を突き動かした。

 

火の国の国境を超えると、空気は依然として重いが、以前のような絶望的な静寂はなかった。

 

グリムがクレナイと緑の錬金術師がアザゼルを食い止めていた****荒野に到達すると、目の前の光景に息を飲んだ。

 

大地は灰色に凍りつき、錬金術の結界の残骸が無残に散乱していたが、その****中心には巨大な緑色の結界が光を放っていた。

「あれは……!」

 

結界の中には、緑の錬金術師が優雅に立っており、その隣でクレナイ師匠が紅い弓を構えていた。二人の全身から大量の魔力が放出されており、結界の外には、粘り気のある****「怠惰」の魔力が広がるのを防いで**いた。

 

「グリム!?バカ!なんで戻ってきた**!王都はどうした!」クレナイが怒鳴りながら、魔力の放出を止めない。

 

グリムは安堵と驚きで言葉が出なかった。

 

「ふむ。君の帰還は予想していた論理の範疇だ。効率の悪い****心配だが、君らしいね」緑の錬金術師は涼しい顔で言った**。

 

緑の理、新たな復興の論理

グリムが王都で起こった****全て—シルファの撃退とベリアルによる秘宝の強奪—を報告すると、クレナイと緑の錬金術師は顔色を変えた。

 

「なな……!強欲が秘宝を奪っただと!?クソッタレが……!」クレナイは紅い弓を地面に突き立てた。

 

緑の錬金術師は思考を巡らせ、一つの****論理を導き出した。

 

「僕の予測を大きく超える非効率な事態だ。アザゼルは今、ベリアルからの魔力供給が途絶え、極限まで魔力を消耗した状態でこの結界の外に潜伏している。すぐには活動できない」

 

クレナイはグリムの左肩の包帯と、唐紅の弓懸を失った****左腕を見て言った。

 

「グリム、お前は頑張った。だが、今のお前じゃ、火の国の復興は無理だ。アザゼルの魔力で大地の生命が全て****吸い尽くされた。私たちだけじゃ、手が回らない」

 

そして、クレナイは緑の錬金術師を見て、決断を下した。

 

「緑。お前は王都へ行け。王都はシステムの崩壊と魔力核の損傷という生命の危機にある。シエルの負担は限界だろう。お前の**『生命の理』こそが、王都の復興に最も効率的で必要な力**だ」

 

緑の錬金術師は一瞬、優雅に目を細めた。

「なるほど。最も****効率的で生存確率が高い****選択。僕の論理と一致する。では、行ってくるよ、クレナイさん」

 

グリムは驚愕した。「緑の錬金術師が王都に!?じゃあ師匠は……!」

 

クレナイは崩壊した荒野を見つめ、力強く言った。「私は火の国に残る。この燃え尽きた大地にもう一度、情熱を燃やさせるのが私の理だ。グリム、お前は緑を王都まで護衛しろ。そして、シエルと協力して、ビアスを倒すための新しい『理』を見つけろ!」

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