四葉の碧き猛獣   作:ビー玉

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第10話

 

 

「はあ、はあ、はあ。くっそ、早く隠れるところを見つけないと」

そう俺は呟き、近くの草むらの中に隠れる。

その直後、大きな爆音が轟き、土が舞い上がる。

恐らく新入生が突撃してやられたのだろう。

「絶対に負けてたまるか・・・・・・!!」

そう、俺は絶対に負けられないのだ。何があっても負けるわけにはいけない。負けるくらいなら、俺は死を間違いなく選ぶ。

どうして、こんなことになったのだろうか。

事の発端は間違いなく部活動2日目の今日だろう。

あの時、新入生の1人があんなことを言わなければ、こんなことにはならなかったのに。

自分の心からの言葉を声にだし、決意する。

「絶対にムキムキになんてなってたまるか・・・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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時は遡り、部活動2日目、放課後が始まり20分が過ぎた頃、俺達サバゲー部は十文字先輩の呼び出しのため、モノリス・コード用の第一演習場に来ていた。

この部活は一昨年までは、モノリス部だったらしいのだが、十文字先輩が2年生になり、部長となった事によって戦闘の応用性を持たせるために、と言い、部の名前を変更、ペイント弾による銃撃戦など、本物の軍人の訓練に比べればお遊び程度だが、明らかに高校生の部活レベルではない。

そして、モノリス・コードはかなりの場所を使う。

九校戦の富士山近くの演習場程ではないが、モノリス・コードの練習場所はこの馬鹿みたいに広い第一高校の校舎が、すっぽりと入る程には広い。

更には、他の九校戦用の施設もあるのだ。

つまりは何が言いたいかと言うと、ここは遠いのだ、それもとてつもなく。

先輩達がやけに焦っていたので、走って行ったのだが、それでも10分程、時間がかかった。生徒玄関の真逆の方向にあるとか、この学校を作った人間は頭おかしいと思う。

そうしていると十文字先輩が来る。

「さて、諸君。今日は、自己紹介も終わったので、模擬戦をしたいと思う。何か意見の有るものはいるか?」

「チーム別けはどうやってするのですか?」

新入生が質問する。

「今回は歓迎会だ。俺対部員全員だ。1年には特にペナルティない」

十文字先輩がそう言った瞬間、1年の間でざわめきが起きる。

大抵は『無理だ』とか、『いくら十師族でも流石に・・・』といった否定的な言葉が多い。

その中で、1人が言った。

「いくら部活連の会頭でも、出来ることと、出来ないこともあるんじゃないですか」

と、若干ふざけながら言った。

言った1年も悪気は無かったのだろうが、それに冗談の通じない十文字先輩が返す。

「ふむ、ならばこの模擬戦で証明しよう。それと、1年のペナルティなしは取り消そう。負けたら、2、3年と同じ、あのメニューをやって貰う」

そう言って取り出したのが1枚の紙、そこにはこう書いてあった。

『モノリス部伝統。

これで君もムキムキに!初代校長、十文字堅砕直伝の筋トレ方法。

1、校内を逆立ちで1周。

2、腹筋、背筋、腕立て伏せ、体幹、スクワットのメニュー100セット。

3、懸垂50回連続。

その他、

これで君も立派な兵士を目指そう!』

や ば い!!

サバゲー部員30人全員の心の声がひとつになる。

このままだと俺達は死ぬと。

「30分後に始める。それまでに散らばれ。模擬戦の時間は2時間だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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そんな出来事があり、今、こうして第一演習場で模擬戦をしている。

残っているのは、あと半分以下のはず。

さっき草かげで見ていたら十文字先輩は、自分の移動速度の低さを移動減速単体魔法『ムーブポイント』で、補う。和名は物質移動。

この魔法は、自分の位置を設定し、移動したい場所に動かす魔法だ。この魔法は体を動かさずに、立っているだけで動いてくれる魔法なのでスタミナの消費も他の移動系魔法に比べれば少ない、優秀な魔法だ。サイオンの消費が少し多い事が欠点だが、基本的にサイオン保有量の多い十師族では、余り気にならない。

あとは、無系統の情報強化を使い、相手の攻撃を無傷で受け続ける。

敵を見付けたらそのまま、物質移動で突進する。

さっきからうるさい音は、十文字先輩に魔法を撃っているのだろう。

あと、残り30分を切っているので、このまま隠れ続ければ俺は筋トレをしなくてすむ。

あのメニューをするのは絶対に嫌だ。ムキムキになんてなってみろ、雪姉が倒れるぞ。

このまま隠れ続けよう。

 

 

 

残り10分を切った。残っているのは10人いないだろう。

それに、さっきから音がしない。

誰も、十文字先輩を見つけていない部員などいないだろう。

あの巨体だ。進んでいる時には必ず音がするはず、それがしないってことは・・・・・ちっ!

上に跳び、木の枝の上に着地する。

今、俺がいたところを、十文字先輩が通り過ぎていった。

近くに来るまで、全く音がしなかった恐らく振動魔法でも使って、音を消していたのだろう。

通りぎて行ったのは、他の部員を襲うためなのか、それとも俺を仕留めに来ているのか。俺は達兄みたいに、魔法を簡単に知覚出来ないから、魔法に頼るしかない。

「・・・・・口寄せの術」

予め、採取しておいた血を、親指につけ、地面に押し付け発動する。

口寄せは、化成体魔法の一種の筈なのに、呼び出せる数も多く、現実にあるものでも印さえつけていれば呼び出せる便利な魔法だ。

だが、古式魔法なので発動スピードが遅く、現代魔法に比べれば隙も多い。

今回のような余裕のある場面ではなかなか重宝する。

今回呼び出したのは、忍犬で、九重八雲のお下がりだ。

古式魔法の大家である九重八雲の化成体は質が良く、この犬のような量産型でもそこら辺のテロリストより断然強い。

忍犬に周囲の臭いを嗅がせ、警戒する。

そのまま、模擬戦は終了した。




今回、やっと書きたい話が書けました。
テロリストより部活の方が書きたいです。

筋トレの人物は、十文字 堅砕 じゅうもんじ けんさい、です。
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