魔法少女?ノ魔女?裁判   作:まのさば脳焼き人間

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第10話「捜査パートにバッドエンドは毛色が違う」

その後俺は、すぐにシャワールームに来ていた。エマが最初にシャワールームに訪れてバッドエンドに引き込まれる可能性を潰すためだ。

 

そして、件の鏡の前に来ると、声が聞こえてきた。

 

「あなた...もしかして私の声が聞こえているの?」

 

うーん。あの謎バッドエンドの鏡の君かぁ~。

まぁ、処分したほうが早いよな。でも捜査中に処分すると怪しまれるし...予め捨てとけばよかったなぁ。

 

「もちろん。聞こえてるし、俺の方からも干渉できるだろうな。」

「なら話は早いわよね...その綺麗で可愛い体、私に頂戴?」

「お前に渡す体なんてこの世に一つもないし第一俺は男だ。」

「......?」

 

おお。めっちゃ困惑してる。

 

「......嘘よね?その容姿で?男なんて...あり得ないわ。」

「お前はそんなことを気にするよりも、自身の延命を優先した方がいいんじゃないか?」

「......何を言っているの?」

「今は魔女裁判の捜査中だから下手に動かせないが、裁判が終わったらいの一番に焼却炉にお前を捨てるからな?」

「......は?」

「嫌なら命乞いでもなんでもしてみろ。したところで焼却炉行きは確定だけどな。」

「そんな!?い、いやよ!!やっと桜色の髪の毛が似合う子が......私と波長が合いそうな子が牢屋敷に来てくれたんだもの!!あなたの肉体がダメならあの子と考えてたのに!!!」

「反省の余地なし...と。捜査中俺はここにいるし、エマがここの近くに来ても追い返すから無駄だけどな」

「嫌あああああああああぁぁぁぁぁ!!!」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

しばらく鏡の横で壁を背もたれにして考え込んでいるふりをしていると、レイア、マーゴ、ミリアがやってきた。

 

「ふむ...ルナくんもシャワールームに新たな手掛かりがないか探しに来たのかな?」

「おじさんたちはあらかた回った後だから、何かあるならここしかないだろうと思ってやってきたんだ。」

「それにしては...何か探してるようなそぶりじゃないわね...まるで誰かを待っているかのよう...♡」

 

俺はその三人を一度見る。かなり時間は経っているはずだからエマたちももうすぐ来るはずだ。

「いや、ここで少し休んでたのさ。犯人を見つける手がかりを探すにしても、いろいろ歩き回ると疲れるからな。」

「それならいつもいるサンルームがいいんじゃないかしら?...何か、ここじゃなきゃいけない理由でもあるのかしら?」

「あそこには最初に行った。行っても収穫がゼロだったからここで休んでる。」

「そうか...ノアくんは君に懐いていたから、心中お察しするよ。辛いだろうね。でも安心したまえ!真犯人はこの私がみつけようじゃないか!!」

「......白々しい。」

「何か言ったかい?」

「いやなにも。」

 

そうして話が途切れる。その空気に耐えかねたのか、ミリアはこちらに視線を向けて聞いてくる。

 

「そ、そういえば、ルナくんは誰が犯人とかもう検討ついてるの?」

「まぁ...大体は。でもそういうことは裁判になってからでいいんじゃないか?どうせ全部そこで議論するんだし。先出しでお前たちに教えてやる義理も理由もない」

「あっはは~。そっか~。そうだよね~......。」

「お前たちは...聞くまでもないか。」

「そうだね!私たちの間ではやはりハンナくんしか犯人はありえないと結論がでているよ。」

「やっぱりか...」

 

ガチャ...

 

そして、エマたち一行がシャワールームへとやってきた。

「うっ...」

ハンナは早々にシャワールームから出て行った。

 

「あら、あなたたちも探偵ごっこ?」

「ごっこなんかじゃ......!」

「まあまあ、喧嘩してる場合じゃありませんから。そっちは何か手がかり、得られました?」

「いや、有力な手掛かりは何も。」

「私たちの見解では、怪しいのはやっぱりハンナちゃんじゃないかって、まとまりつつあるわね。」

「ハンナちゃんは絶対そんなことしない!」

「はぁ......。エマくん、キミはハンナくんのことをどれだけ知っているんだい?私は彼女のことをほとんど知らない。人を殺すような少女かもしれないし、そうではないかもしれない。真っすぐに信じられるキミが、少し羨ましくもあるよ。」

「......っ、レイアちゃんは、誰も信じてないの......?」

「私はみんなを守りたいと思っている。だから、信じている少女たちを全力で魔女から守るんだよ。」

 

そうしてレイアの言葉にエマは打ちひしがれる。

まぁ、そいつが殺したんですけどね...。

 

「シャワールームは何もなさそうですね。どうします?もう出ますか?」

 

その言葉にエマはうなずきを返した。

どうやら鏡の君はエマが入っても気づかないくらいには絶望しているらしい。まあ、エマが探索を続けてもこっちに来てたら追い返していたけど。

 

そうして、エマがレイアたちに質問したり、ミリアがエマに迫ったりしている場面を見つめていると、エマたちを含めた一行はシャワールームを後にしていった。

 

 

「......いや、最近は男の娘というジャンルが流行ってるってどこかで聞いたことがあるわ。最初聞いた時は正気を疑ったけれど......いざ目の前にしてみると意外とありね。そそるわ。」

「うわきっしょ。」

 

ゴーン...ゴーン

 

その後すぐ、荘厳な鐘の音が鳴り響く。どうやら魔女裁判の時間になったらしい。

俺はシャワールームで鏡を一瞥したのち、裁判所へと向かうのだった。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

どうやら俺が最後だったらしく入った瞬間に看守が扉を閉めた。

俺が原作に入ったことにより、俺の囚人番号は670番。メルルの囚人番号は671番となり、必然的にエマの隣はメルルとなっていた。

俺はココとメルルの間の証言台に立つ。周りの様子としては『来るのが遅い!』といったところか......。こういったところでも好感度は下げれるなら下げておきたい。

 

ゴクチョーが高い手すりから俺たちに向けて魔女裁判の説明を始める。

 

「あのー......まずは魔女裁判のルールについて説明しますね。

1時間の議論の後、犯人と思われる人物に各自の端末で投票してもらいます。

投票で魔女に決められた人物は中央の台座へと連行、処刑執行になる......て感じです。」

 

そのゴクチョーの言葉に対してみんながみんな怪しいのか視線を送り合う。そんな中アリサが啖呵を切る。

 

「1時間もいらねーよ。さっさと投票して終わらせろ!」

「あら、それならあなたが犯人だって名乗り出てくれるかしら?そうしたらお話は簡単に終わるけれど。」

「......ウチは殺ってねえ。疑うのは勝手だけどな。覚えのない殺人犯になるつもりはねえよ!」

「いやぁ、アンタ何人か殺してそうだけどね~?ほんとは殺したんじゃないの~?あてぃし、アリサに投票しちゃおっかな~。」

「てめえ......っ」

 

俺はそこに割って入る。

「おしゃべりはそこまでだ。この場で喧嘩しても誰が魔女なのか分からないだろう。だから、1時間議論をして魔女を確実に見つけるんだ。あてずっぽうで処刑なんてたまったもんじゃないからな」

「......わかったよ。なんでこんなまどろっこしい方法をとらなけりゃならないんだよ。誰が魔女か一発で分かればいいのに。」

「ないから議論するんだよ...」

「チッ...」

 

そう言ってアリサは黙った。

 

「私、こういう時に強く出られる自信がなく、きっとまともに何も言えないと思います......

だから、エマさんのサポートをさせてください......!」

「う...うん。分かった!」

 

そうしてエマが決意を強く持った表情をしてすぐに

 

「それでは、魔女裁判開廷です!」

 

ゴクチョーの声が裁判所内に響き渡った。




次回更新は11月4日になります。



現時点で第2裁判まで執筆が完了しております。

色々感想欄にて面白いお話はありますが、私も皆さんにそれらの疑問を解消できるような内容を本編の中に詰め込んでいきたいですね。

また、どこかで閑話みたいな話を番外編で書いてみたいと考えています。
本編の区切りがついたら書いてみたいですが、まずは本編を優先します。
ただ、閑話のネタ募集をするわけではない為、感想欄に閑話のネタのみを投稿するのはお控えください。まずは本編の感想からよろしくお願いいたします。



俺は早く主人公くんの絶望している顔が見たい。
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