魔法少女?ノ魔女?裁判   作:まのさば脳焼き人間

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お気に入り、評価、感想いつもありがとうございます。

昨日の朝見たら日間ランキング10位にいるのが確認できました。
何があったんですかね?
ともかくこんな妄想まみれの駄文が皆様の目につくことに感謝と申し訳なさの板挟みでなれはてと化しました。


それでは本編どうぞ


第12話「原作で気にならなかった部分が敵になる」

「ああそうそう、思い出したよ。『小腹が空いて』『食堂』にでも行った気がするな。いや、どうだったかな『勘違い』かも。」

「ふふ、お腹が空いたならしょうがないわよねぇ。」

「そんな適当な話を信じろってのか?」

「悪い悪い。バカにする気はないよ。......けど、こんなことを話して本当に意味があるのかな?たしかに私にはアリバイがないのかもしれないね。けれどそれはとても些末なことだと思わないかい?......なぜなら私は『空を飛べない』んだ。私には『塗料を越え』、入り口から3mほどは離れた『ノアくんに近づく方法がない』。」

 

確か......ここは、【塗料を超える】必要性についての議論に展開だったかな。

レイアはもう俺にロックオンしてるし、俺が反論するしか......。

 

パリーンッ!

 

「......ねぇ、レイアちゃん。塗料を越える必要ってあるのかな?」

 

桜羽...エマッ!!

失礼...内なる二階堂ヒロが出てしまいました。

 

「......それはどういうことだい?」

「たしかに外からこの部屋の中に足を踏み入れたら足跡が残ってしまう......だから犯人は床を踏んでいないはず......。......なら、部屋に入らずに外から殺した可能性はあるんじゃないかな?それなら宙に浮かなくったって犯行は可能だよ。」

「...なるほど、道具を使ってリーチを伸ばしたってことか。」

「...!!そう!きっとそうだよ!犯人は、手の届く範囲を伸ばしたんだ!!」

「重要なのは武器の射程ということだったのね。」

「...えっと?つまりどういうことですの?」

「......武器を行使できる範囲が広がれば、今回の殺人は誰にでも容易になるということよ。」

「...ごめん、おじさんにはまだなんのことかわかってないんだけど......どういうことなの?」

「そこまで言うなら、キミの根拠を聞かせてもらおうじゃないか、エマくん?」

「えっと...えっと...」

 

エマがスマホで撮影したいくつかの画像をスライドして今回の説を裏付ける証拠を探す。

 

分かる...俺もプレイしていた時はそんな気分になった。見つけられそうな様子も無かったので、横から助け舟を出す。

 

「ホウキの柄の写真は撮っているか?」

「あ...うん。あっ!そっか!!」

 

そしてみんなにホウキが柄だけになっている写真を見せる。

 

 

議論はしばらくエマだけでも大丈夫そうだな...。

「作った【長槍】を持って、身を乗り出せば、部屋の中に足を踏み入れなくても、ノアちゃんを刺すことができたんだ。」

「じゃあホウキじゃない長い物っていうのは......?」

「犯人がホウキと組み合わせた物、それは......。きっと犯人はノアちゃんの部屋に」

「レイア...お前だったらできるよな?」

 

あぶねー。油断しているとすぐにこれだ...。今のは犯人が事前にノアの部屋に準備していたとエマが発言しようとしていたところだ。

犯人は部屋に入っていないといいながらノアの部屋に準備をするというのもおかしな話ではあるから犯人自身が持っていた長い物が対象になってくる。

 

 

「......何がだい?」

「お前の腰に差してある剣と鞘。リーチを伸ばすのにちょうどいいな。」

「......!」

「たしかに......!わたしたちの中で長い物を持っているのはレイアさんかナノカさんぐらいですわね......!」

 

ハンナって驚いたり余裕がなかったりするとワタクシの言葉が崩れてワタシになるんだよね。

 

「そしてその剣を使えば、鞘とつなぎ合わせて距離は足りてしまいそうね。」

「......。」

「......レイ、ア......?」

 

黙ってしまったレイアに対して疑いながらもアンアンはやってないと信じたいのかとぎれとぎれに言葉をかける。

感情が抜け落ちたような表情をレイアがしたのち、取り繕ったかのような笑顔で反論する。

「......やれやれ、何を言い出すかと思えば。全てただの憶測だね。失望したよ。ルナくん。」

「......。」

 

俺は天を仰ぎ見る。

 

このくらいで原作の展開は変わらないだろうけど、それでも俺が原作を変えてしまったことを自覚してしまう。そんな俺を察してか知らずか、議論は流れるように進んでいく。

 

「......あなたが犯人じゃないなら、弁明してみたらどうかしら。それとも......自らが怪しいのを認めるというの?」

「......もちろん弁明させてもらうとも。キミたちの見当違いの推理、一から反論させてもらうよ。」

 

そして、レイアは俺に対して発言を続けている。俺はそれを、どこか空虚な気分で聞いていた。

(きっと、全て憶測で語ったところで、白い塗料がついたリンゴを証拠としてミリアが持っていれば、この議論も簡単に終わるだろうな...。)

 

「...私が『ありあわせの物』で槍を作ったと?『私が作った証拠』もなければ、そもそも『そんな物が存在した証拠』すらない......」

 

パリーンッ

 

まぁ、エマしか証拠を持っていないから、エマが反論することはなんとなくわかってはいたかな。

 

「......レイアちゃん。長い槍が実際に作られたっていう証拠があるよ。」

「......へえ?【長槍とやらが作成された】証拠だって?そんな物があるというなら見せてくれたまえ。」

「【長い槍が作られた】ことが事実だったと示す証拠......!それは......これだよ!」

 

そうして、白い塗料と血に塗れたリボンを取り出すエマ。

 

「......それって。」

「うん......ナノカちゃんのリボンだよ。アリサちゃんが湖で拾ったんだ。」

「たまたま...偶然だっただけだ。クソッ...もう少し早く見つけていれば...。」

「......いいのよ。そう。見つかってよかったわ...」

「これには血と白い塗料がついていた......。血はともかく、この塗料がついていたってことはこのリボンは殺人現場にあったはずだよ!」

「そのリボンをなくしたのは昨日のこと。血液と塗料が同時に付着するタイミングは殺害のときにしかありえないわ。」

「たしかに......偶然とは思えませんわ~!」

「......へぇ。」

「...じゃあよ。そのリボンが現場で使われたって事はわかったが、実際にどうやって使われたんだ?」

「矢にくくりつけたのが妥当だろうな...」

 

エマの返答前に応える。時間を見ると、もう30分切っていた。議論の時間は1時間とゴクチョーが言っていたから、悠長にエマ劇場を見ている余裕はもうなくなっている。

 

その後は、即席の槍を作って殺人を行った後、リボンがほどけて槍が崩れた。犯人はリボンを回収するときに、床に傷をつけてしまった。犯人が空を飛べるなら、痕跡を残さずに矢もリボンも回収出来ていて、逆説的に証拠が残ってしまっているためハンナは犯人の線が薄く、リボンを回収した後に犯人はその場を去っていった。

 

「......いい加減にして欲しいね、まったく。仮にそれらが正しかったとしても、私がやったという証拠にはならない。キミが証明した事は何の意味もないことだ。」

「で、でもアリバイから考えるとレイアっち以外できる人は......。」

「本当にそうかな?そもそもこの事件にはいくつもの不自然な要素があるじゃないか。」

 

「もうこれ以上の自己弁護はやめてもらおうか。レイア。」

 

俺は反射的にそう言ってしまった。時間は残り10分。もう遊んでいる時間はなくなってしまった。

ったく。原作だったら時間制限はあれど...かなり余裕を持って見ることができたってのに。

 

「...なんだいルナくん。もし私がやってなかったら、キミは恐喝で議論を進めたってことになるけれど。そして、そんなもので議論を進めるほど、私も、周りも寛容ではないけれど。」

 

「残り時間を気にする必要なく聞くことができたなら...俺もそうしたさ。ただレイア...お前の反論を聞いている時間はもう残り少ない。悠長に喋らせていたら魔女を決められずに仲良くみんな処刑だ。ただ、この状況で怪しいものに投票しても、票が分割されてしまうだろう。」

 

「えっと、そうならない為に魔女を決める為の裁判を...。」

「もう俺の中で推理は完成した。ちゃんと犯人につながる証拠だってある。」

「...あなた何を言い出すんですの?わたくしまだレイアさんが犯人とは思っておりませんわよ。」

「じゃあ、ここから5分は俺の導き出した推理を聞いてもらう。残り5分で質疑応答して、納得できなければ俺を魔女として選出してくれて構わない。」

「...それなら聞いてあげようじゃないか。ルナくんの語る推理とやらを!!」

 

 

 

 

「まず一つ。こんな長槍を事前に準備すると目立ってしまう為、必然的にノアの監房の前で準備した。ノアが棒立ちで長槍の準備と正面から刺殺される時も無防備だったのは、レイア。お前の持つ魔法...【視線を誘導する】魔法で注意をそらし続けていたからだ。」

 

「......くっ!...どこにそんな証拠が。」

 

 

「そしてノアを殺した後に、リボンがほどけて槍が崩れた。その時、リボンを回収するのにホウキじゃない長い物で床を擦った。あの塗料は木材につくと取ることができないって犯人は分かってたから。」

 

「もしかして、ホウキじゃない長い物って...レイアちゃんの剣?」

「だったら見たまえ!この剣には白い塗料なんてこれっぽっちも付着していないのさ!」

 

 

「木材以外であれば取ることは出来るし、一日経てば証拠隠滅なんて簡単だろう?だが、当日はそうとはいかない。犯人は剣先を床に擦って証拠が剣先についたことに気づかないまま、配信に出る為にその場を去った。その時には剣の先端には白い塗料が付着していた。」

 

「レイアちゃんが出ていた昨日の配信だけど、剣先はカメラでとらえることはできなかったわよ?」

 

 

「配信中、ココから唐突にレイピアで曲芸してくれと頼まれた。レイア自身は剣先に塗料が付着していることに気づかないままな...そして、曲芸を行った時に、白い塗料は曲芸に使ったもの...リンゴに付着したのさ。」

 

そうしてまくし立てた後...みんながしんと静まりかえった。

 

「昨日の曲芸に使ったリンゴに、白い塗料が付いていなかったら...その時は俺を魔女に選べ......議論の残り時間を奪った責任を取る。」

 

そうしてココがおずおずと伺うようにミリアに問いかける。

 

「なぁおっさん。......昨日の配信に使ったリンゴってどこにある?」

「あれはもったいないから後で食べようと思ってずっとポケットの中に...」

 

そうしてミリアのポケットからリンゴが取り出される。全員の視線がリンゴに集まり、ミリアが手元のリンゴに視線を向ける。

驚愕の表情をした後、みんなに見えるようにリンゴを一回転させた。

 

「白い...」

「塗料...」

 

「これが事件の真相だ。事件発生前にお前はその剣を抜いてノアの部屋に訪れる理由はないし、事件の後には塗料は完全に乾いていた。何より、曲芸に使ったリンゴに白い塗料が付着している時点で、その剣が事件で使われたれっきとした証拠だ。」

 

 

(なんで俺がこれを言わなきゃいけないんだよ......なんでこんなにも1時間が短いんだよ......。)

 

原作知識をまるであたかも頭の回転で捻り出したように見せる事に、俺は自己嫌悪で一杯だった。

 

 

 

「......何故だ...」

 

「この事件の犯人はお前だ。蓮見レイア......」




次回更新は11月8日になります。
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