魔法少女?ノ魔女?裁判   作:まのさば脳焼き人間

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第13話「蓮見レイアという少女」

「...ルナくん...君は...どこまで知っているというんだい?」

 

レイアが恐れを含んだ瞳でこちらを見てくる。

俺は...残り時間5分となった状況で説明を終えられたことにほっと一息ついていた。

 

「じゃあ...本当にレイアちゃんが...」

「そう...そうさ...私が、やった。ノアくんを...この手で。」

「......レイ......ア......。」

 

そこからはレイアの自供が始まった。動機以外が明かされる、殺人の経緯を。

 

 

魔女を選出する投票は、レイアを除いた全員一致でレイアとなった。

レイアは...俺に投票していたけれど。

 

エマがレイアにノアを殺した動機を聞くものの...レイアは適当にはぐらかすばかりだった。

原作では、同室のアンアンが倒れていたから、彼女を守らないとという正義感だと嘯いていたはずだ。

 

そして、恨めがましくこちらに視線を投げるレイア。そして、意を決したのか、レイアは俺に対して質問してくる。

 

「もしかして...もしかしてキミは......魔女の処刑で、誰が犯人か分かっていたんじゃないか?」

「え?」

 

エマが驚きの声を上げる。

 

「ルナくん。キミの魔法は【未来予知】だ。私たちが牢屋敷のシステムで殺される直前になると、魔法が発動してその未来が分かると...その魔法でキミは私たちを助けていたとも...でも、それは裏を返せば、この処刑も【牢屋敷のシステム】ってことになるんじゃないかな?」

「え?...そ、それって。」

「キミは未来予知によって誰が処刑台に送り込まれるかを先んじて情報を入手し、その通りになるように議論を進めた...確かに、これなら自分が処刑されるリスクをベットしても痛くもかゆくもない...だって自分は処刑されないんだから。」

「蓮見レイア...彼に全て明らかにされたからといって、言いがかりをつけるのは見苦しいわ。」

 

俺はナノカの擁護する声も耳に入らないくらい、笑いが込み上げてきた。

 

「くっくっく...はっはっはっは...あーっはっははははは!!!」

「な...なにがおかしい!!事実を述べたまでだ!!」

 

レイアがなおも気丈に反論する。俺はその反論に対して笑いながらレイアに酷な現実を突きつけた。

 

「言っただろう?俺の未来予知は牢屋敷に囚われた少女たちが牢屋敷のシステムで死ぬときに発動すると...レイア...お前が魔女にならずに人間として死ぬことができれば俺の魔法は発動しただろうな?」

 

「......!?...それって...」

 

エマが蒼白な顔で質問してくる。他の面々もその可能性に思い至ったのか青ざめた表情でレイアを見る。

 

「魔女になったものはやすやすと死なない...そしてレイア...俺はお前が処刑されると確定した今この瞬間でさえ未来予知が発動していない...レイア、お前は処刑では死なない...魔女だったというわけさ。」

 

「そん...な...」

「あの推理はエマたちがゆっくり...ゆーっくり推理を進めているのを尻目に俺がコツコツ頭の中で積み上げた論理を披露しただけにすぎない。ただお前に否定するだけの証拠が揃えられなかった...それだけさ。」

 

「ばかな馬鹿なバカな...」

 

レイアはうわごとのように繰り返しながら膝から崩れ落ちる。

 

ゴクチョーから声がかけられた。

 

「あっ、お話終わりました?時間も押してますし、そろそろ進行したいんですが......。」

 

そうして手元のスマホには処刑の文字が出てくる。

俺は無心で処刑の文字を長押しした。

 

そこからは原作通り、アイアンメイデンもどきの処刑台が現れ、レイアが中に入りたくないと駄々をこね、注目されたいからこれまで行動を起こして、自分よりも注目されていたノアに対して嫉妬を燻ぶらせ、犯行を行ったと動機を丸裸にされた。

 

「もっと私を見てくれよ!私だけを見てよ!やだぁぁぁ!!あぁぁぁぁぁ!!」

 

俺はレイアがなれはてになるその瞬間まで、ずっと彼女のことを見続けた。俺の片目からは、無意識のうちに涙が流れた。

(俺が原作介入すれば救えたかもしれない命。でも、牢屋敷のシステムそのものが魔女化を進行させるための家畜小屋。今救えても彼女たちのわだかまりを解かない限り、どう足掻いても救えない。)

 

「......やっぱり、いくつか嘘が混じっているのは確かね......黒幕、にしては行動が甘いと言わざるを得ないけど......もう少し様子を見るべきかしら。」

「マーゴちゃん。どうしたの?」

「なんでもないわよミリアちゃん。」

 

 

そうして処刑台が降下した後、ゴクチョーが飛び立とうとしたとき、1発の銃声が鳴り響いた。

 

ナノカ離反の合図だった。

 

予定通り、ミリアに銃口を向けるナノカ。ナノカが黒幕はミリアだと断言し、ミリアが弁明しようとしても聞く耳を一切持たない。そうこうしているうちにメルルが正面に立ってミリアをかばう様子を見せる。

それにならうように、俺も一緒になってミリアの前に...そしてメルル(黒幕)の前に立つ。

原作介入にもならないけれど、ここでメルルが撃たれて魔女特有の不死性が暴かれてしまったら俺たちもみんなバッドエンドだからだ。最悪の事態を想定して動いたほうがいい。

 

「......ナノカ......もうその辺でやめないか?」

「ルナくん...」

「ルナ...さん...」

「天音...ルナ!!......どうして!!」

 

なおもナノカは銃口を下ろそうとしない。

 

にらみ合いが続く中、地震のような揺れが唐突に発生し、全員床に立っていられず、体勢を崩してしまう。

その後、ゴクチョーが現れ、裁判の後には揺れが発生するものだと説明する。

外出禁止時間にはなっている為、看守によって裁判所から立ち退きを余儀なくされ、各々自分の監房に戻る。

 

...一人以外は。

 

ナノカはその日、自分の房に戻らなかったようだ。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

房に戻った後、メルルに強く抱きつかれた。

...おいおいおい、俺は基本原作キャラにおさわりNGを掲げているんだが?

 

「お願いです...あの場面...ナノカさんは本当にミリアさんを撃つつもりでした。ミリアさんをかばった私が言えたことではありませんが...誰かを助ける為に自分を犠牲にしないでください......。」

「あ...あぁ...すまん。」

 

俺はその言葉に上の空になっていた。

 

(あぶねー。ナノカのトラウマって庇われることだったわ。てことはこいつナノカのトラウマを刺激する目的でミリアの前に立ったってことか?俺も一緒になってトラウマつつくことになるところだった。)

 

 




今回短いので1時間後にもう1話投稿します。
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