魔法少女?ノ魔女?裁判   作:まのさば脳焼き人間

22 / 40
お気に入り、評価、感想いつもありがとうございます。

最近は私の他にも男オリ主モノが増えてきて大変嬉しゅうございます。

20話以上更新して未だ主人公の魔法が明かされておりませんが、私はいつ主人公の魔法を開示すればいいんですかね?(すっとぼけ)
まぁ開示しなくても物語は進められるので現状そのままでいいかなぁ〜とか思ってます。
そのうち他の作品と魔法被りが発生しそうで怖いですね。

いずれしっかり「主人公の魔法は◯◯◯だった!」と開示するのでその時まで気長に待っていただければなと思います。


それでは本編どうぞ。


第22話「思い出は暖かいとは限らない」

夢を見ていた。

 

それは幼いころの夢だった。

 

 

姉は魔法が暴走すると、決まっていつもボロボロに泣いていた。

 

「うええええぇぇぇぇぇぇん!!!!メーちゃん......ユーちゃん......どうしてぇぇぇぇぇぇぇ!!!ぢんじゃやだああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

いつも唐突に泣きだし、それでいて何を言っているのか訳が分からないくらいに叫ぶものだから俺も両親も苦労していた。

そして、泣き止んだ後は決まってこう言うのだ。

 

「ごめんね?何も覚えてないや。」

 

だから対策も何もできずに両親と一緒に悩んだりした。

 

 

 

またある時は両親からのお使いを姉と一緒に行くよう頼まれた時だ。

 

唐突に虚空を見たのちに「ちょっと行ってくる!!」といってどこかへと行くことがたまにあった。

 

そして帰ってくることにはこんなことを言ったりするのだ。

 

「ユーちゃんに会ってきた!!すっごく可愛くていい子だった!!」

 

そこからは何度も家を抜け出しては

「ユーちゃんに会えた!!すっごい嫌そうな顔してどこかにいっちゃった!!」

「またユーちゃんに会えた!!今度は一言喋ってもらった!!」

「またまたユーちゃんに会えた!!今度遊ぶ約束した!!いつになるか分からないけど!!」

 

 

そこから姉が一日二日いなくなることがあった。両親は「ちゃんと連絡は貰ってるからルナは心配しなくていいよ」と言っていたけれど、いつも一緒にいた存在がいない感覚というのはとてつもなく寂しいとその時初めて知った。

 

ただ、中学に上がると姉の失踪も一切なくなり、そこから3年間は失踪した分を取り返すかのように姉はいつも俺にべったりだった。

 

そして、中学3年の終わり、春になれば高校というときに......姉は。

 

姉は......。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「......夢だったか。」

「......ふふっ。おはようございます、ルナさん。」

「......なんで???」

 

 

何故かメルルと一緒のベッドに入っていた。周りを見渡すと、医務室のようで、昨日泣いたまま力尽きたようで外はまだ暗さが目立っていた。

俺はメルルから離れるようにしてベッドを出ると、メルルも同様にベッドから出た。

 

俺はメルルに向き直る。

 

「ごほん......改めて、メルルに協力してもらいたい。もし、信じる道が続いているのであれば、必ず大魔女と会える。」

「はい!!喜んで!!」

 

そうしてメルルにこれからの流れを大まかに説明した。

 

ただ、最後だけ......エマの魔法が覚醒すると大魔女が現れると嘘をついた。

メルルはやっと大魔女様に会えると喜び、俺が辿る原作ルートに協力すると約束してくれた。

 

 

(最後は、エマの魔法が覚醒するとメルルともども全人類エマの魔女殺しによって死に絶える。会える可能性なんて全くないのに......。俺はとんでもないペテン師だ。)

 

罪悪感でその日は何も口に出来なかった。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

【氷上メルル視点】

 

私はルナさんから大魔女様に会うための方法を聞いた後、スマホの通知を確認します。エマさんからメッセージが届いていました。

 

「元気になったよ!」

「今日こそピクニックに行こう!」

 

私はすぐにOKの返事をして、ピクニックの準備に取り掛かります。

ルナさんからは気を付けなければならないことは聞いています。

 

「いいか。ピクニックでは、シェリーがハンナに、ほうきで空を飛んでそれに乗せてほしいとせがむと思う。その後にほうきで飛んだハンナに力強くシェリーが抱きつくのをみかけたら全力で追いかけるんだ。」

「え?どうしてですか?」

「俺にも詳しいことは分からないんだが、追いかけないとシェリーとハンナが脱獄に成功して二度と牢屋敷に戻ってこなくなるんだ。」

「え!?脱獄に成功ですか!?あまり信じられませんけど......。」

「うん。そうだよね。俺もそう思う......。と、とにかく......エマのストレスにはハンナの殺人事件が必要だから、その脱獄はなんとしても阻止しなければならないんだ。」

「わ......わかりました。そういうことでしたら。」

「俺はその物語の中でピクニックにいなかったからな。もしもがあると大魔女に会えないかもしれない。メルル......よろしく頼むぞ。」

「は、はい。......が、頑張ります。」

 

会話を思い出しながらエマさんの監房へ向かいます。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

【氷上メルル視点】

 

「あ、エマさん。おはようございます。元気になって良かったです......。」

「メルルちゃんおはよう!たくさん心配かけちゃってごめんね。これから朝食に行くの?」

「あ、いえ。ピクニックを決行するとのことなので、お弁当を作りに医務室へ......。」

 

そこからはエマさんと他愛無い会話をしながら、医務室へ向かいました。

医務室にはルナさんがいたと思いますが、昨日あれだけのことがありましたし......今日は安静にしてもらいましょうか。

 

 

医務室に入ると、そこにはルナさんの他に......アリサさんがいました。

 

「どうしちまったんだよ天音。お前が体調崩すなんて......。」

「心配かけさせてすまないなアリサ。ちょっと根を詰めすぎてしまったらしい。安静にしてればすぐに良くなるよ。」

 

「えっと......アリサちゃんと、ルナちゃん?」

「一体どうされたのでしょうか?」

 

エマさんと一緒にアリサさんの様子を伺います。ルナさんからアリサさんに連絡した様子はなかったので、アリサさんがルナさんを探し回っていたのでしょうか?

 

「ああ、桜羽と氷上か。朝から天音が見えなくて探してたらここに辿り着いてな。」

「俺は何ともないって何度も言ってるんだけどな。多分休めばなんとかなるし、今日は一日医務室で休むよ。」

「ふざけんなよ。ここはただでさえ空気が悪いってのに、最近まで桜羽も体調崩してたじゃねえか。」

「ご...ごめんルナちゃん。もしかして、ボクの風邪を移しちゃったかも......。」

「そんなことで移るかよ。ただ単に俺の体調管理不足だ。風の噂で聞いたが、お前たちで何やら楽しいことをするんだろ?俺は気にせず行ってこい。」

「えっ...でも......。」

「俺は今調子悪いけど、エマは調子治ったんだろ?快気祝いでみんなでパーッと遊んで来いよ。」

「う......うん。なんだか悪いね。アリサちゃんは......。」

「ウチは天音の看病してる。氷上、薬の場所を教えてくれ。」

「はい、分かりました。解熱剤の場所からお教えしますね。」

 

そして、私はアリサさんに薬の位置をいくつか教えたのでした。

 

彼の話では、アリサさんの魔女化が進んで暴力的になっているとのことでしたが......その様子はあまり見られませんね。

彼と関わる機会が最も多かったからでしょうか?なんだか魔女化するような気配を感じませんね。後でルナさんに共有しましょうか。

 

 

【氷上メルル視点】

 

お弁当の準備を終わらせて花畑に向かいます。彼の言う物語では、エマさんは他の人を勧誘しますが......あまりうまくいかずッシェリーさんとハンナさんを加えた合計4名でピクニックを行うとのことでした。

 

お花畑に向かうと、そこには......シェリーさんとハンナさん。

 

 

「......え?」

 

 

ココさんとマーゴさんがいました。

 

 

「......うふふ♡」

「......マーゴに言われて来てみたけどさぁ......なんかあんの?」

「おおお!!エマさんやりましたね!!」

「賑やかになりましたわね。」

「えっへへ......嬉しいな。」

「......そうですね。作ってきたお弁当で足りるでしょうか?」

 

 

私は、いつも通りの表情を浮かべながら、そう疑問を口にします。

 

 

 

「あら。心配しないで?お話したらすぐ帰るつもりだから。もしかしたら、空気を悪くしちゃうかもしれないわ......。」

「あてぃしはマーゴに言われて来ただけだし、マーゴが帰るならあてぃしも帰るから。」

 

そうして手頃な場所に敷布をしき、皆さんで座ります。

私は皆さんにお茶をお出ししていきます。

 

 

「話というのは......彼。ルナちゃんのことよ。せっかく彼がいない上に、私たちが集まれる条件が揃ったんだもの。アリサちゃんには......伝えない方が良いかもしれないわね。」

「えっと......ルナちゃんがどうかしたの?」

「確かに気になりますわね......最近はわたくし達との関わりを避けて、解読作業に没頭していた様子でしたが。」

「脱獄には積極的な様子ではありませんでしたが......それでも私たちから声をかければ協力はしてくれそうですけどね。彼、チョロいですし。」

「ルナっちぃ?まあチョロいのは同意だけど......そういや姿見ることもあんまないね。ご飯の時くらいしか関わりないし。」

 

マーゴさんがルナさんのことについて切り出してから、皆さん思い思いに彼について印象を話していきます。

マーゴさんは......何か彼について気になることでもあるんでしょうか?

 

「もしかしたら彼の語る魔法......嘘、かもしれないわ。」

「「「「......え?」」」」

 

私もそろって声を出します。

 

もしかして、マーゴさんに彼の持つ魔法がバレたのでしょうか?

それにしては確信を持っていない言い方になりそうですが。

 

「いえ......もしかしたら最初の頃は彼も気づいてないのかもしれないわね。」

「......どゆこと?」

「おさらいするわね。

 

彼の言う【未来予知】は、1分から30分のランダムな範囲で、予知内容は、彼がいなかった時に何が起きるのか。予知の発動タイミングは、他者が介在しない殺人事件によって殺人が起きる可能性が出たとき。

 

合っているかしら?」

 

「うん。......ルナちゃんが最初の日に言ってたね。」

「じゃあ、もう一つ。......ミリアちゃんが撃たれそうになった時、代わりか分からないけれどルナちゃんが撃たれていたわね。」

「そういえば、そんなことがありましたね!ミリアさんが私の背中から落ちた時も、滑り込みで抱えてましたね!!あのときはすごーい!!って思ってましたが、その直後に撃たれてましたね。」

 

 

「ええ。その話を聞いて、少し疑問があったのだけれど......【未来予知】は、撃たれたことに対して発動したのかしら?」

 

その話を聞いた皆さんの反応は、あまりピンと来てないような表情でした。

私は......彼が持つ魔法を知っていますし、彼が前世で記憶していた物語からそれらの行動を起こしていたと知っているので、マーゴさんが語る【彼の魔法が嘘】ということに対して答えを持っています。

 

マーゴさんは......まるでそうであっては欲しくないかのように言葉を発します。

 

「言葉を変えるわね。彼の魔法は【ナノカちゃんの銃弾】がミリアちゃんを殺すことを【予知】したのかしら。」

「......あ!」

「......マジぃ?」

 

シェリーさんとココさんが何かに気づいたように言葉をあげます。

 

「銃で撃った弾丸で人が死んだら、それは他者が介在しない殺人なのか。......もっと広義的に言うのであれば、道具で殺した場合、それは本当に他者の介在しない殺人なのか。」

「そんな言い訳。通用しないっしょ?じゃあ何??殺人を犯した時に『この手が悪いんですぅ~』と言えば許されるかっての。」

 

「なら、彼は今までの魔女裁判が開かれるきっかけとなった殺人事件。ノアさんの殺人とミリアさんの殺人は予知できたのか。......どちらも道具を使用した殺人になります。」

 

「ま...まってくださいまし!ミリアさんの銃撃が例外だった可能性はありませんこと?ほ、ほら。予知内容の、【彼がいなかった時に何が起きるのか】。ノアさんとミリアさんには申し訳ないとは思いますけれど、魔女の殺人衝動によって殺人がおきたのであれば、彼がいてもいなくてもレイアさんとアンアンさんの殺意はどうしようもなかった可能性がありませんこと?」

「その可能性はなくもないわね。でも、ノアちゃんが死ぬこと自体は予知できたんじゃないかしら?レイアちゃんはノアちゃんが生きていた時点で殺意をノアちゃんに向けてたから、殺人事件が起きる可能性が出た時という条件はクリアしているわ。」

 

「でもでも、ノアさんが殺された時に『魔法は発動しない』って言ってませんでしたっけ?」

 

「その時嘘をついたのかもしれないわね。ノアちゃんの死に際しか見れなかったとしたら、誰に殺されたかまで特定は出来ない可能性があったわよね。ただ、それでもノアちゃんが殺されること自体は知ってたことになるわよね。」

 

「じゃあ、もしかしてルナっち、ノアっち殺されるの知ってて関わってた上に、魔女裁判の時もあてぃしたちが現場検証の話をしてた時も全部知ってて黙ってたってわけ!?」

「彼の魔法が私たちの推測通りなら、魔女裁判自体......彼にとって茶番でしかないわね。」

「そ、そんな......疑うのは良くないよ......」

 

 

そこからさまざまな議論が展開されましたけれど......結論を出すことは出来ずにマーゴさんとココさんは牢屋敷へと帰っていきました。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

【氷上メルル視点】

 

困りました。彼からは「ズッ友イベントがあるから必ず4人である必要がある」と聞いてましたが、彼自身の怪しさが露見するイベントになってしまいました。どうしましょう。

 

「ど......どうしましょう。もうピクニック......という空気でもなくなりましたね。」

「う......うん。そうだね。どうしようか......。」

 

そんな空気の中、シェリーさんが声をあげます。

 

「はいはーい!!解散する前に、やってみたいことがあるんですよ。......じゃーん!」

 

そう言って、ほうきを取り出しました。

 

「ほうきで何をするつもりですの?」

「ふっふっふー。よくぞ聞いてくれました!これでハンナさんに飛んでもらおうって思って!」

 

あ、そのイベントは健在なんですね。




次回更新は11月26日になります。



改めて、マーゴたちから疑われた主人公の証言した未来予知を以下に整理します。

・1分から30分のランダムな範囲を見る←これが嘘ならあまりに無法だから本当という前提。
・ルナがいなかった時に何が起きるのか←嘘かもしれない
・他者が介在しない殺人事件による殺人の可能性が出た時←嘘の可能性が高い

総評
未来予知自体は嘘じゃないけど欠陥だらけの未来予知ではなく魔女裁判のシステムそのものを遊戯にするレベルの無法な魔法。



次回
第23話「これ俺いる?」

1周目終了後に書く話

  • もう我慢できん!早く2周目に行け!
  • 1周目のIF世界線(ダイジェスト気味)
  • 姉が牢屋敷に行った世界線(1周目準拠)
  • ルナの処刑シーン
  • ルナの中学時代
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。