魔法少女?ノ魔女?裁判 作:まのさば脳焼き人間
相も変わらず執筆速度は遅々として進みません。
最近はリアルが忙しく創作活動に回すだけのエネルギーが確保できない状態にあります。
ペースは戻したいところですが、最悪このペースで進むかもしれません。
まぁ、主人公の能力開示も済ませましたし、設定被りの報告も特に来てないので急いで書く必要がなくなったと言えばそれはそう(言い訳)
それでは本編どうぞ
「......ん.......んぐ......こ、ここは?」
目を覚ますと、見知らぬ天井だった。
「ルナちゃん!!起きたのね!!......ま、待ってて!今みんなに知らせるから!」
すわ俺はまた新たな生を受けたのかと思ったけど、どうやらそうじゃなかったらしい。
マーゴが慌てた様子で俺の顔を覗き込んだ後、忙しなくスマホを叩いている。するとすぐさまドタドタと複数の足音が迫ってきた。
「マーゴちゃん!ルナちゃんが起きたって本当!?」
「マーゴさん!ルナさんの様子はどうですか!」
「ルナ君!血は足りているのかい!?意識はしっかりしてるかい!?運んだ時はあまりの軽さにびっくりしてしまったけれど。」
「ルナ!」
「ルナっち!」
そうして続々とやってきたものの、医務室にいる俺を配慮してかその後は持ち回りで様子を見に来るようになった。
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「ルナさん。右手の調子はどうですか?上手く動きますか?」
「うーん......ゴメン。開閉くらいは出来るんだけど、全く力が出てる気がしないかな。......どうかな?」
「え......えっと。左手と比べて......あ、明らかに弱いですね。」
メルルが向かい合わせで恋人つなぎのように両手をにぎにぎしてくれる。俺は全く同じ力を使ってる感覚でにぎにぎするものの、右手はいつも通りに使うには厳しいように感じた。
「う......うぅ......わ、私の治癒が、も......もっと強ければ......ルナさんの右手も......もとに戻すことが出来たのに......。」
そう言ってさめざめと泣きだすメルル。
「そんなこと言わないでくれ。」
「ふ......ふぇ!?」
俺はそんな様子のメルルを放っておけず、抱きしめて感謝を示す。
「俺は......メルルが俺を生かしてくれたことに感謝しているんだ。あの傷だと俺はあのまま死んでしまったと思うから。メルル......本当にありがとう。」
「う......うぅ......ルナさん。」
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「ルナちゃん。体の調子はどうかしら?熱とか出てないかしら?」
「心配してくれてありがとう、マーゴ。俺の体調は大丈夫だから......俺に構うことなく好きなことしていてくれていいぞ。」
「ふふっ......私はルナちゃんの看病がやりたいことなの。今は私にお世話されて......ね?」
「お......お世話って......そんな。」
「お手洗いも私がお世話してあげるわ♡」
「それは自分で行けるからいいよ。」
「ウフフ♡......お世話が必要になったら言ってね?ルナちゃんなら私......構わないわ♡」
「俺が構うんだけど!?」
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「マーゴさん。私は治癒の魔法が使えます。ル......ルナさんの体を拭くついでに......き、傷の様子を見ることがで、出来ます!」
「あらぁ?そんなに狼狽えてたら、見れるものも見れないわ。ルナちゃん?......私に任せてもらえれば、汗ばんだ全身をしっかり拭いてあげられるわ。もちろん。大事なところも♡」
「いやまあ......この怪我だしシャワーは浴びれないのは分かるけど......別に一日くらい入らなくても。」
「ダメです!」
「ダメよ!」
俺がそういうと二人とも血相を変えて詰め寄ってきた。
「いいですかルナさん。一日でも汚れを放置すると傷にばい菌が入ってしまうかもしれないんです。シャワーは浴びれないかもしれませんが、ちゃんと体は拭いておかないといけないんです!」
「それにね、ルナちゃん。この牢屋敷には私たちの他に11人も女の子がいるのよ?ルナちゃんの様子が気になってやってくる女の子の前で一日汚れたままの姿を晒してもいいのかしら?」
「そ......それは嫌だけど......俺が自分でやるのは。」
「それもよくありません!ルナさん、右手の握力が戻ってないんです。左手一本では体は満足に拭けるわけがないんです。」
「だから誰かにやってもらわなくちゃいけないわ。」
二人からの圧が強い。
メルルは男の裸を見慣れてないからかちゃんと拭いてくれるか分からない。
マーゴは慣れてるだろうけど何されるか分からない。
俺は少し悩んだのち、解決策を提示した。
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「それで私を呼び出したわけか。」
「悪いな。任せてしまって。」
ヒロをチャットで呼び出して二人には出て行ってもらった。
手慣れた様子で俺が右手でじゃ拭けないところを拭いてくれている。
「それと......俺が怪我をしたときに色々手を回してくれてありがとう。聞いたよ、看守の恐ろしさをみんなに周知させてくれて。」
「私はただ当然のことをしたまでだ。それより、もう少し私が早く看守のことを伝えていれば、キミが怪我をすることもなかったはずなのに。」
そう言ってヒロは目を伏せる。きっと、自分の死に戻りによる看守の恐ろしさをみんなに伝えられなかったことを後悔しているのだろう。
俺は努めて明るく振舞う。
「いいよ。死なないだけ儲けもんだよ、看守相手に命はあるし右手もメルルに治してもらったし。」
「でも握力は戻ってないんだろう?右手が利き手のようだし......キミの右手の代わりを務めさせてくれないか?」
「本当に気にしないで。全く使えないわけじゃないし、これからリハビリしていけばいいよ。」
「でも、そんな生活のままでは......キミはストレスで魔女化が早まるのでは......。」
「その時は......自分で死ぬさ。みんなに迷惑をかけずに一人で死ぬ。」
「そんな......それじゃあ君は......。」
「俺は......誰かを恨むことはしたくないんだ。誰かを殺してしまうなら、俺自身を終わらせたい。」
それっきり、ヒロはまた黙ってしまった。
俺は話題を変える為、ヒロに聞きたい事を聞いてみた。
「なぁ......ヒロ。もし、もしさ。何も行動しなければ多少の犠牲はあっても一番いい未来に辿り着くのを知っていて、その多少の犠牲を無くすためには自分が動かないといけなくて......でも動いたら最善の未来を変えてしまうかもしれない時......ヒロは自分から未来を変える為に行動するか?」
ヒロは......難しい顔をしたまま、質問に答えてくれた。
「一番いい未来の定義は分からないが......それでも、行動しない理由にはならないな。」
「それで誰かを救えないかもしれなくても?」
「知ってる未来だけをなぞって救おうとしても......それは表面上救った気でいるだけの自己満足に他ならない。それに、救えるか救えないかを第三者が決めるのは傲慢ではないか?未来を知ってようが、知っていまいが......自分を救えるのは自分自身だけだと......私は思ってる。」
「自分を救えるのは......自分自身。」
「それに、一番いい未来と考えているものは......案外一番ではないかもしれないぞ?」
「え?」
「もっとよりよい未来を目指していけば、もっといい未来になるかもしれない。」
「......そっか。」
【自由に生き、自由に逝きなさい】
(なんとなく......肩の荷が下りた気がした。よし。そうと決まれば行動するだけか。)
「怪我が治ったら、少しリハビリに付き合ってくれないか?右手じゃなく左手で......文字を書けるようになりたいんだ。」
「私で良ければいつでも構わない。でも......なんで文字を?」
「その時になったら教えるよ。まだこれは想いだけだから。」
決意を決めると、気持ち的にもすっきりできたのか......その日はぐっすりと眠ることが出来た。
夢は見なかった。
☆☆☆☆☆☆☆☆
次の日、メルルは薬草の補充に外へ。マーゴは出禁。ヒロは風紀委員活動へ出向いていた。代わりに一日看病係としてレイアが医務室へやってきていた。
「レイア。ある程度治ってるし、別にもう付きっ切りで看病しなくてもいいぞ?」
「何を言ってるんだルナくん。いくらメルル君の治癒魔法で表面的には治ったとはいえ、失った血は元には戻らないんだ。熱だって出てるじゃないか。」
「い、いや......微熱だって。大丈夫だよ。」
「今は微熱かもしれないけれど、時間が経てば悪化するかもしれない。ほら、大人しくベッドで横になってるんだ。」
「大丈夫なのに。」
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全然大丈夫じゃなかった。
最早体から火が出てるんじゃないかというレベルで熱が出ていた。
「あつぅい......れいあぁ......」
「ほら。いわんこっちゃない。待っていてくれたまえ、今冷やしたタオルを用意するから。」
「むりぃ......ぬぐぅ......。」
「待ってくれ待ってくれ待ってくれたまえ!!脱ぐならせめて上だけにしてくれ!!というか今の状態から脱ぐと風邪を引いてしまうだろう!!いいからタオルを待っていてくれ。」
「んむぅ......れいあのいじわるぅ......。」
「ぐっ.....男の子なのに......愛らしく感じてしまう。マーゴくんが出禁になるのも頷ける......ダメだダメだ。私までそういう感情になるのはダメだ。何をしに来てるんだ私は......看病をしにきてるんだろう!」
何か葛藤してる様子を見せるレイアだったが、その後すぐいつも通りの表情に戻り看病を続けてくれた。
夕方にもなれば、熱もある程度下がり体調も安定した。
右手は相変わらず使えないままだった為、レイアに体を拭いてもらったりした。
何故か凄い勢いで顔が真っ赤になっていったものの、慌てた様子はなく真剣なまなざしで邪な思いなど感じさせない手際だった。
「ふ......ふぅん。い、意外と......筋肉あるじゃないか。......だ、だめだ......これは看病......看病なんだ......。」
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次の日、メルルと......。
『何をそんなにじっと見ている。もしやわがはいに惚れたか?』
「いや......まぁ体調不良でここにくるのはしょうがないよな。」
『ああそうだ。貴様が血を噴き出す様を見せられたせいで気分が悪くなった。責任を取って面白いことをしてみせよ。』
「一日経ってるし、それで面白いことって脈絡がないような気もするし......。」
アンアンがやってきていた。顔を青くしながらも俺にスケッチブックを見せてくるあたりまだ余裕はありそうだ。
そこからアンアンとメルルで他愛ない会話を続けていると、新たな来客が来た。
「あっ、あっ......ヒ、ヒロさん......!その節は、大変お世話になりました......。」
「君をお世話した覚えはない。ルナの様子はどうだ?」
ヒロとノアがやってきていた。どうやらノアの絵を描く場所を探してここにやってきていたようだ。
「あ、はい......。ルナさんは傷も塞がって、ずいぶん顔色も良くなってきました。まだ右腕の握力は戻らないままではありますが......。」
「あぁ。もうなんともないよ。右腕はこれからリハビリしていけばいいし。早速体を動かしたいのだけど、まだみんなから安静にしてくれって言われるんだよ。」
「当たり前だ。ともすれば君は死にかけたんだ。しばらく安静にしていてくれ。」
「......ヒロにまで言われるなら本当にそうなんだろうな。」
「はい。ヒロさんのおっしゃる通り、まだ横になっていてください......。傷が開いてしまうかもしれませんし......。」
「......分かった。」
メルルは俺の肩に手を添えて横になるよう促してくる。大人しく再び横になる。
「お薬も飲んでもらいましたし、いちど眠ってください。本当にまだ安静が必要な時期なんです......。」
そういや、痛み止めの薬を飲むときに、青色の水も一緒に飲まされたような記憶がある。新しい痛み止めの薬かとも思ったけど、あれは原作にも出ていた睡眠薬だったか......。
意識が......朦朧として......き......。
「よーしよーし。いーこいーこ。」
メルルの暖かい手が頭を撫でつけているのを少し感じたものの、すぐに眠ってしまった。
”ありゃりゃ。未来から私に向けてマーちゃんが怪我する幻視が入れ替わりの共有で送られてきたから、未来に縛られてるルナにいい機会だったし介入させたらこんなことになっちゃった。うーん。余計なことしちゃったかな?まあでも、ルナが余計な気を回す必要のない行動がとれるし結果は万々歳ね!!しかもルナに気を向けかけている女の子もいっぱいいるし、これはルナの幸せ計画としても上々よ”
”この双子はほんっと......まぁ、しばらく様子見でいいでしょう。姉が介入するというのなら、私は見守るだけね。”
次回も一週間後くらいになります。
次回
第39話「歯車は徐々に狂いだす」