魔法少女?ノ魔女?裁判 作:まのさば脳焼き人間
お気に入り、評価、感想いつもありがとうございます。
作者への質問等は今後この前書きにて一部回答いたします。
Q.作者さんは誰推しです?
A.全員推しです。強いていうならナノカちゃんですかね?妹ポンコツムーブの二次創作を無限に見てます。
エマがバッドエンド直行の選択肢を取った為、俺は全力でエマの元に走り出した。
(またかよ!!)
懲罰房に入る前にエマの首根っこを掴む。
「ぐぇっ!!」
エマから変な声が出る。
「どうしてお前はいつも不用心なんだ!エマ!!」
俺は思わず声を荒げていた。
「えっ!?えと...ルナちゃん?......ルナくん?」
「呼びやすい方で構わない。全く、どうしてお前は最悪な選択しかとれないんだ。」
呆れ半分で答えた。エマは何のことか分からないといった表情をしている。
「えと、ボク何か間違えちゃった?」
「ラウンジにいたときに言っただろう。俺の未来予知は他者以外の要因で死者が出たときに発動する。お前が懲罰房に行けば、そこにに残った魔女の残留思念によって閉じ込められて、存在を消されてしまうんだ。そうしてしばらく経っても助けが来ないお前は自殺してしまう。俺が見えた未来はここまでだ。」
そうまくし立てるように喋ると、エマは顔を青ざめながら驚いた表情で俺を見た。
「ボクが、自殺?」
「あぁ。ったく。アリサは懲罰房に入れられただけだ。魔女図鑑に書いてあっただろう。自由時間外の監房不在は2日間の懲罰房行きだって。それに2日間飲まず食わずな訳がないから、看守が水と食料を運んでくれるはずだ。命まで取られるわけじゃない。」
その言葉に、エマはほっとしたのか表情が幾分緩やかになった。
「食堂に行くんだろう。お前は先に行ってろ。俺は後で行く。」
「え?せっかくだから一緒に行こうよ。ボク、君とお話したいな。」
そう柔らかい表情を見せられて決意が揺らぐ。
(ぐっ...原作には出来るだけ関わらない。キャラの好感度は出来るだけ稼がない......それに)
エマが誘った瞬間、エマのポケットから禍々しいオーラのようなものが見えたのでそこで少し冷静になれた。
ユキからしてみても、得体のしれない俺という男とエマが関わるのはいい気分ではないらしい。
「俺はお前たちと関わらないといった。いいから先に行ってろ。」
そう言ってエマを先に行かせるよう促す。エマは渋々といった様子で食堂へ向かっていった。
(やれやれ。このまま関わり続けることになれば原作崩壊まったなしだ。序盤から崩れてしまえば今後はともかく3週目はどうなるのか皆目見当もつかない)
「...ん?あ、ルナちゃんだ。どこに行くの?」
そう言って監房から顔を覗かせる人物がいた。ノアだ。
(確かこの周では、ノアは飯を食いに行かず、絵を描くことに集中していた。それもあって、バルーンの正体がノアだと早々にバレてレイアの殺人が起きた。この原作の流れは変えられない部分だから出来るだけ同じ流れで進めたい)
「飯を食いにいく。」
「じゃ、のあも行く。」
「...え?」
ノアにそう答えるとスプレー缶を床に置いて監房の外に出てくる。そして、俺の服のすそを掴んで一緒に行こうと促してくる。
俺は慌ててノアに先ほどのエマとのやりとりについて聞いた。
「待て待て。お前は今日絵を描くんだろ?まだ途中だから飯は食べないってさっき言ってただろ?」
「んー。なんか今日はルナちゃんと一緒に行動したほうがインスピレーションが浮かんでくると思ったんだ。だから今日は絵はおしまい。のあは描きたいときに絵を描くんだ。」
「んぎぎぎ...」
俺は反論の言葉が思いつかなかった。
少なくとも、原作では監房内で絵を描いていたから、それを見てみんなノアがバルーンだと気付いて、それに嫉妬したレイアがノアを殺害するのだ。
ノアの絵を描く時間を減らすと、その殺害が発生しない可能性が生まれてしまう。今後の立ち回りも考えて俺は頭をかかえたままノアに引きずられるようにして食堂へと向かった。
☆☆☆☆☆☆☆☆
「...はぁ...」
「......」
「ふんふんふーん」
「あらぁ...うふふふふ。」
「...誰かなんか喋れし...」
何故か俺の周りにはノア、ココ、マーゴ、ナノカが集まっていた。
ノアは俺のすぐ右隣で盛りつけられた料理で遊んでいる。
マーゴは左隣で表面上はニコニコとした顔でこちらを見ている。
ナノカは真正面に座ってじっとこちらを見ている。
ココは左前に座って周りに喋るよう促している。
どうして、どうして俺の周りに集まってくるんだ......
向こうの席を見ると、シェリーがリンゴを握りつぶしていた。
別の席では、レイアとミリアとアンアンが仲良く談笑していた。一人筆談ではあったものの。
「で?...俺はお前らに極力関わらないと言ったはずだ。ラウンジで話す事以上のことなんて何にもないぞ。」
そう言って突っぱねるようにして言葉を返すものの、周りのみんなの反応は、なんというか、暖かいものだった。
「ルナちゃんはね、素直じゃないんだよ?」
「そうねぇ。...さっきあんなに必死になってノアちゃんやアンアンちゃんに......ヒロちゃんの状態を見せないように目を塞いでいたもの。とっても苦しそうな表情をしていたにも関わらず...ね?」
「そうね。宝生マーゴの意見に賛成するわ。あなたはきっとお人よしな人間だと思う。それに、桜羽エマが蓮見レイアと看守の間に入ろうとしていたのを阻止しようとしていたわね。」
「だよねだよね。あてぃしだったら魔法でそんなもの見せられても自分の命と推しが優先だし、何にも行動できんもん。...あてぃしも一応尊厳助けられたわけだし。」
「それに、さっきエマちゃんびっくりしていたわよ?...なんでも、「ボクが食事に誘っても動かなかったノアちゃんが率先して食堂に来ていた」って言っていたくらいだし。あなたも振りほどけるくらいに力はあるはずなのに、振りほどかないで連れてこられてたし。」
三者三様で俺のことをそう評価してくる。
「...別に、そんなんじゃねぇよ。いくら同年代だからって、俺は男でお前らは女。ましてやノアは身長も低い女の子だ。俺が何かしたら怪我させちまうだろ......。」
そっぽを向きながら答えると、周りの反応が一層生暖かくなる。俺は頬が熱くなるのを感じて、急いで食事を済ませる。
「...しっかし、ここのご飯はなんでこうもまずいん?これじゃ食欲なんてなくなっちゃうって~。」
「きっと、あの看守が用意してくれてるのよ。あの緩慢な動作といい、適当に作ってるに違いないわ...」
「...それでも、食べなきゃ飢え死にするだけだから食べるしかないわ。」
「...これおいしくない。ルナちゃんあげるね。」
そういって思い思いにみんな食事を再開する。
俺もここの食事に対して不満しかないが、まのさばキャラクターが食べていたものと同じものを食べているって感覚が出てくると、なんだか無下にもできなくなってくる。
おい、ノア。それ食いかけじゃねえか。まぁいいけど。
そして食事も終え、まったりしている空気を尻目に、食器を片付けた。誰も着いてこないのを確認して、いそいそとその場を後にした。
「...」
ナノカだけはじっとこちらを見つめていた。
次回は23日の投稿になります。