魔法少女?ノ魔女?裁判   作:まのさば脳焼き人間

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お気に入り、評価、感想いつもありがとうございます。

質問に回答している身の上で話すのも恐縮ではありますが、感想欄についてです。
作品に対する感想を述べる場ではあるので、作者への質問のみの投稿は今後控えて下さりますと助かります。
これは誰か一人に対して向けたメッセージではなく、今後そういった感想を投稿する人が現れないようにするための啓発になります。

長くなりましたが以上で注意喚起を終了とさせていただきます。この注意喚起についての感想も、お控え下さりますと私としても大変助かります。


それでは本編どうぞ。


第6話「多少の誤差では揺るがない」

その後、午後は本編では描写がなかったのか、みんなそれぞれ好き勝手に行動していた。

 

「というわけで、手伝いに来ちゃいました!」

「なーにが、手伝いに来ちゃいました...ですの。あなたが戦力になるとは全く思ってもいないですわ。」

「あはは...特にすることもないからやってきたよ。」

「あ、あの...あの...わ、私も...手伝えることがありましたら...」

「...はぁ~...」

 

そこにはシェリー、ハンナ、エマ、メルルの4人がいた。

俺は盛大にため息をついてしまった。

 

(まぁ、屋敷の探索だけで1日が過ぎる描写はなかったし、別に原作に影響は...ないか。)

 

「...断っても無理やり手伝いそうな勢いだな。」

「えっへん!」

「褒められてねーですわよ...」

 

少し考える素振りを見せる。

それぞれのキャラにあった役割をその場にあてていく。

 

「シェリー。お前はサンルーム周りの草むしりだ。お前が見晴らしのいいと思ったところまででいい。」

「なんか雑じゃありません?」

 

「ハンナ。サンルーム全体を覆える薄いカーテンがあるか探してきてくれ。ないならここの天井の一部を覆えるくらいでいい。」

「いくつか破られたままのカーテンがありましたわ。そちらを持ってきますわね。」

 

「メルル。お前はここにある植木鉢に合いそうな花とハーブを植えてきてくれ。エマ、お前はその手伝いだ。」

「そ、それくらいでしたら...中庭でいくつか見繕ってきますね。エマさん...行きましょう。」

「うん、頑張るね。メルルちゃん、行こう!」

 

「俺は屋敷内にある使っていない机とかイスをここに持ってくる。」

「力仕事ならこの名探偵シェリーちゃんの出番なのでは?」

「お前は使っている机やイスだろうと問答無用で持ってこようとするだろ。いいから草むしってろ」

「やっぱり扱いが雑です~。待遇の改善を要求します~!」

 

そうして各々作業を進めていた。自由時間の終わりになると、それなりに過ごしやすい部屋が出来上がっていた。

 

「ふ~。こんなところじゃないでしょうか!」

「そうだね。ここなら心穏やかに休めることが出来そう!」

「途中でシェリーさんが中庭のベンチを担いできたときはルナさんもキレかけてましたけど、置いてみると中々悪くないですわね。」

「わ...わたしが選んだお花やハーブも、綺麗に机の上に並べられてます...ここで読書をしても気持ちよさそうですね。」

 

各々が新しくなったサンルームに感想を言っている。手伝ってくれたお礼を言わないのは失礼と思い、俺も感謝の言葉を口にする。

 

「...手伝ってくれてありがとう。元は俺一人で過ごす為とはいえ、みんなを巻き込んでしまったのは悪いと思っている。別に......俺がいない時くらいは、お前らもここを自由に使っていいからな。」

「言われなくてもそうするつもりですわ。こんなに気持ちのいい場所を独り占めなんて許しませんわよ。」

「そうですよ!なんだったらもっと派手に飾り付けましょう!!」

「え...えと。わ、私は...今のままの方が、落ち着いて...好きです。」

「そうだね。少し気分を落ち着けたい時にここを利用させてもらってもいいかな。」

 

そうしてそこから軽い雑談を話したところで、自由時間の終了を知らせる通知がなり、みんな急いで監房へと戻っていった。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

次の日は、さっそく新しくなったサンルームに来ていた。朝早くに来たから先客は誰もいないようだった。

他の面々はやりたいことでもあるのかその日はほとんど誰も来なかった。

俺はベンチに座りながら図書館から持ってきていた本を広げる。サバトの儀式について書かれた本ではないものの、ラテン語で書かれているのか内容は全く読めずにいた。

そのまま読めない文字に四苦八苦していると、食後に加えて暖かい陽気に包まれていたためか眠気に襲われた。

 

 

【黒部ナノカ視点】

その日、そこに訪れたのは偶然だったのか、必然だったのか。

私は姉の手がかりを探るべく、屋敷を限られた時間で散策していた。その中で、以前みたサンルームがかなり様相が異なっていることに気づいて、興味本位で近づいた。

 

「...Zzz...Zzz...」

 

そこには、ベンチに腰かけたまま舟をこぐ天音ルナがいた。

 

私は明確に彼に避けられている。その理由は...きっと私の持つ【幻視】の魔法を恐れているから。でも、最初から彼は私のことを避けていた。いくら彼の言う未来視が本当でも、私の魔法の【幻視】に最初からたどり着くことなど不可能だと私は思っている。

彼には何か私たちに見えていないものが見えているような気がしてならない。

 

だから私は、彼がこの屋敷の黒幕であり、前回参加した【黒部ナノカ】がもう一度ここにやってきていることに警戒していると思っていた。

 

...彼に触れるなら今しかないだろうか...

彼に触れて【幻視】の魔法を発動させたら...そのことが彼にバレてしまったら......彼はどういった反応をするのかが想像がつかない。

迷ってしまう。だって彼が周りに対して冷たくあしらいながらも、その実隠せていない優しさを披露しているのだから。

彼は一人でいると言いながらも、誰かを助けずにはいられないお人よしの二面性を持っていることも...。

 

「...Zzz...Zzz...う...うーん...」

 

迷っている間に、彼の体がゆらりと揺れる。そのまま体勢を崩してベンチに強かに頭を打ち付けそうになる。

 

「...危ない!」

 

私はとっさに彼の体を支えた。

そして、視てしまった。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「もしかして...ここは...まのさばの世界?」

「俺の能力は【???】。なるほど。俺らしい...でも、俺は原作には関わらないから関係ないな。」

「おねえちゃんの【未来視】に!...まっかせ~なさ~い!!」

「でもそれ俺見えてないじゃん。」

「おねえちゃんにかかれば、一瞬であんたなんか見つけてやれるわ!!」

「いつも俺を一番に見つけるよな...姉ちゃんは。」

「姉ちゃん...姉ちゃんは未来が見えるんだよね。どうしていつも使わないの?」

「そんなの、【つまらない】からに決まってるじゃない。未来は分からないからこそ楽しいものなんだから。」

「だからね~。いつか私も牢屋敷に...って!あぶない!!」

「んぇ?...なにが...っ!!!...おい!!......姉ちゃん!!姉ちゃん!!」

「...えっへへ...私...もうダメみたい。私が見た未来のハッピーエンドは...ルナに任せるね。...大丈夫...ルナなら...上手くできるよ...」

「なんで!!どうして!!...う...ああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「俺の魔法が1段階強くなった気がする。なるほど...これがストレスによる魔法の強化か......牢屋敷送りになるか、処分されちまうのかな...」

「ここは...そう...牢屋敷か...いよいよ始まってしまったか...」

「素人が!死体を更に増やす気か!?」

「ルナちゃんはともかく、他のみんなは節度ある行動が出来ると信じているわ。こんな閉鎖されたところで男女間で拗れるなんてゴメンだもの」

「俺もそれは同意見だ。俺はお前らに極力関わるつもりはない。俺は一人で生きていく。」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

ビジョンとして見えた...見えすぎた。

頭の中に叩きつけられた彼のこれまでの人生の軌跡。情報が多すぎて吐きそうになってしまう。

 

通常、私の魔法...【幻視】は、相手に長時間触れ合った中でないと断片的な情報しか得られない。

それは物理的なふれあいだと私は分析していたけれど、精神的なふれあい...相手を信用し、信頼する間柄にならないと完全な情報は得られないのではと考えていた。

 

そして、彼...天音ルナは、私に対して全幅の信頼を寄せている。...今日昨日あったばかりの相手であるにも関わらず...だ。......だから私の【幻視】で大量の情報を見ることが出来た。そうとしか言いようがない。

そして、今見たビジョンの内容で、彼についてかなり多くの情報が得ることが出来た。

 

・彼は何らかの方法で私たちの未来を物語として知っていた。

・彼の魔法は【???】。未来予知は彼の知ってる物語の断片から読み取った私たちの行動から予測したもの。

・彼には姉がいた。その姉の魔法こそが【未来予知】...いや、【未来視】。

・彼はきっと、その物語には自分が本来いないことも知っていた。だからみんなから距離を取って物語通りに世界を進ませようとした。

・でも、彼の知る物語は、いくつものデストラップがちりばめられていて、いくつか私たちもそのトラップに引っ掛かりそうになっていた。彼はそれを回避するために【未来予知】の魔法と偽って私たちに忠告を聞かせようとした。

 

後はいくつか気になる部分はあるものの、大まかな内容はこんなところだろうと一息つく。

私にとっては残念で、彼にとっては安心な部分...彼の知っている物語の詳しい内容までは遡ることは出来なかった。まるで魔法では到達できない次元にその情報があるような...手の届かない高い空にある虹に手を伸ばしたかのような...そんな手ごたえを感じた。

 

 

 

私は彼をベンチに横たえさせ、急いでその場を後にした。

「...お姉ちゃん...」

私は、彼が私と同じようなトラウマを持っていることに対して、少しだけほっとしたような気分になった。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「ん?...寝てしまってたか...。」

 

そう言いながらベンチから体を起こし、ぐっと伸びをする。

本の解読作業については、手元にメモ帳を持ってきてはいたものの、その専門知識はない為、かなりかかるだろうと感じた。

そして、途中で寝落ちしてしまっていては、解読作業も捗らない。

 

「コーヒーとか、エナドリとか...カフェインをとれるものが欲しいな」

 

俺はそう独り言ち、席を立ちあがる。

そろそろ自由時間の終了になる。記憶の限りでは、今日はアリサが懲罰房から戻ってくる日だ。

今の時点で上昇気味にあると判断した周りからの好感度を下げるのにあのイベントはうってつけだと感じ、計画を練りながら自分の房へと戻っていった。




次回投稿は27日になります。

この時点でナノカは主人公の持つ魔法を知る事になりますが、本編で明かされるのはもう少し先になります。

予想出来た方のなかには、感想欄にその魔法を考察する内容を書きたい方もいるかと思いますが、作品の展開予想に直結する内容ですのでお控え下さりますようよろしくお願いいたします。
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