先生がビルドドライバーとフルボトルを使って仮面ライダービルドになった世界線。先生がアビドスの後のストーリーでハザードトリガー、ラビットラビットフォーム&タンクタンクフォームを作った。
先生があらゆる学園の問題を解消し、学園同士でのいざこざなども減り、キヴォトスが平和になってきた頃。キヴォトスに新たな事件が発生する。
その1 最悪のビルド襲来
先生「、、、なかなかの絶景だなぁ」
青空の下、生徒たちが笑い声、生徒たちの笑顔がたくさん見える。私の故郷の学生はこんなにも責任を負うようなものじゃなかった。だがキヴォトスのみんなは、キヴォトスのなかの学園を運営し、
不手際があったら責任を取り、問題があったらそれに対応する。いろんなものを背負いすぎているようにも思えていた。だから少しでもみんなには平和に清秀を謳歌して欲しいものだ。
先生「最近は私が出張るようなこともなくなってきたし、あとはみんなのことを卒業まで守り通すだけかな、、、」
先生がそういうととある書類を取り出す。それは病院からの診断書だった。そこに書かれていたのはこうだ。
「大人のカード、ライダーシステム、それぞれの乱用により余命あと1ヶ月」
まだ誰にも見せていないその書類には先生に残されたわずかな余命とその原因が書かれていた。
先生「あと1ヶ月ってあるけど、卒業までまだ2ヶ月近くあるんだよなぁ。根性でなんとかするしかないかな。それともネヴュラガスを限界まで体内に注入して体の強度をあげておくべきかな?根本的な問題は解決されないけど…」
元々先生が仮面ライダービルドに変身できるのはネヴュラガスに適応した体だったからだ。いくら体が適応していようが、これ以上ネヴュラガスを注入してハザードレベルを上げるようなことをすれば
いずれ先生はそれに耐えられなくなり消滅する可能性がある。
先生「ま、こんなふうに悩んでたって現実は変わらないな。外に出てリフレッシュしようかな。そういえば今日って誰が当番だったっけ?」
そう言ってシャーレの当番表を見ようとしたその時。
[ドカーーーーーン!!!]
シャーレの近くで爆発音が聞こえた。驚いてその方向に振り向くと同時に警報が鳴る。外からは近隣住民や生徒たちの悲鳴が聞こえる。銃声もあったが、すぐに止んでしまった。
先生が慌ててビルドドライバーと変身アイテム一式、大人のカードをコートの内側にしまい外に出る。そこにはもはや爆弾ごときできるはずのない光景があった。一面が建物の瓦礫、火の海だ。
生徒たちが必死になって救助活動や避難誘導をしている。先生はこちらに逃げてくる一人の生徒に声をかける
先生「何があったの!?」
モブ生徒A「あっちで大爆発があったの!!」
キヴォトスにおいて銃声は日常茶飯事。しかしどうだろう、そんなキヴォトスで生活している生徒たちでさえ逃げ出すほどの爆発?そんなものがあるのだろうか。先生が爆心地へと向かう。
爆発があった中心部分あたりに来た。そこにはよくビルドドライバーに似た何かを装着したライダーがいた。
先生「…なんなんだ、あれは…」
その姿に驚いた。そのライダーはビルドに似ても似つかない姿だった。
ビルドのハザードフォームを赤と黒で統一、片目部分に何かが埋め込まれているような形をしている。そこから悍ましい悪のエネルギーを感じる。
???「シャーレの先生、発見。即刻排除する。」
機械音だ。
先生「(こいつは生命体なんかじゃない。破壊を目的とされたただの破壊兵器か。)」
そう確信した。そいつは、喋り終わると同時に黒いエネルギー玉を飛ばしてきた。
先生「くっ、、、」
間一髪のところでよけた。あれに触れたらやばいと私の直感が全力で警戒している。
先生「兵器如きのお前に殺されねぇよ!!」
そう言ってビルドドライバーを装着する。
『マックスハザードオン!!』
ハザードトリガーをビルドドライバーに装填し、フルフルラビットタンクボトルを取り出して振る。
『ラビット!ラビット アンド ラビット!』
先生「変身!」
ビルドドライバーを回す。
『ガタン!ゴトン!ズタン!ズタン!!Are You Ready?オバーフロー!紅のスピーディジャンパー!ラビット!ラビット!ヤベーイ!ハエーイ!』
ラビットラビットフォームに変身完了。今使える最強のビルドだ。
先生「はぁ!」
足のバネを使って一直線にやつへ向かっていった。
その2 奴の正体
今までたくさんの脅威と闘ってきた。生徒の笑顔を守るために。その度に限界を超えて私は一撃一撃を打ち込む。今日もいつもと同じだ。一撃一撃を全力で叩き込む。ラビットの強さは何よりその足のバネ。
これがあれほど強力なジャンプを可能にしている。それでいて身軽だ。じゃあその身軽さを保ったまま、足にも腕にもその強力なバネをつけた状態だったら?一撃一撃が早く、勢いがある打撃。
それをやつにも叩き込む。
先生「っラァ!!!」
先生は奴を蹴り飛ばした。奴と先生の力はほぼ互角。このまま持久戦になれば体力切れで先生が負ける可能性が高い。
先生「一気に決める!!」
そう言って先生はフルボトルバスターを取り出し、フルフルラビットタンクボトルを装填する。
『フルフルマッチブレイク!!』
大きなキャノン砲をやつに発射した。奴は無言で手をかざし、キャノン砲を受け止めようとする。
[ドカーン!!!]
まともに必殺の一撃を喰らった。もう大丈夫だろうと油断したその時、爆発の煙の中から何かが光った。
先生「え!?」
そこにはほぼ無傷の奴がいた。かなりダメージの高い一撃のはずだ。少し壊れていてもおかしくないはずなのに無傷。
???「戦闘データ、分析、完了。反撃開始。」
そういうと、奴はこっちに人差し指を指してきた。それだけなら何かのジェスチャーかと思うだろう。しかし想像と違った。その指に悍ましいエネルギーが集まっているのが感じる。
指の先にさっき打ってきたエネルギー弾を連射してきた。
先生「っぶね!!」
ギリギリ避けれた。どんどん奴の攻撃が危険になっていく。殺意が高まった。先生がフルボトルバスターを発射する。奴はまともに喰らった。
先生「はぁ、はぁ、」
煙の中からさっきのエネルギー弾が飛んでくる。反応できない。
先生「があぁ!?」
かなり威力が高い。強力なライフルを打たれたような感覚だ。その当たった場所が赤黒くなっている。血ではない。あの悪意のエネルギー弾の影響だろうか。
???「……」
奴が手のひらをこちらに向けてくる。その手を握った。
先生「!?」
急に動きが制限された。さっきのエネルギー弾は先生の動きを止めるための印をつけるためだった。
先生「シクった!!」
奴はビルドドライバーを回す。
『Ready GO!!』
奴は私を中心に悪意のエネルギーが漂うフィールドを作った。
『ブラッドサクリファイス!!』
先生の周りにあった悪意のエネルギーたちが一気に先生に集結し、
[ドゴーン]
集結した悪意のエネルギーが全て大爆発を起こした。
先生「がああああぁぁぁぁ!!!」
先生からは煙が立ち、閃光が走る。まともに喰らった先生は、その場に変身解除して倒れ込んだ。先生の額や口元、身体中から血が流れる。奴が近づいてくる。
???「・・・・・」
先生「なん…なんだ、お…前、は…!」
奴がビルドドライバーに装填されていた赤と黒と白の悍ましい雰囲気を漂わせるボトルを抜き取り、変身解除する。そこに立っていたのは一人の人間だった。顔はフードが深く被っていて見えない。
それも頭にヘイローがない。キヴォトス外の人間だ。
先生「(こいつ人間かよ!?)」
???「貴様のライダーシステムをもとに開発された…」
先生「(私のライダーシステムだと!?どうやって手に入れた!?厳重に保管してあったはずだ!!)」
???「ブラッドビルド、ブラットとでも呼ぶといい」
その3 救援
ブラット「俺は貴様のような奴が気に食わん。キヴォトスの人間でもない奴が、キヴォトスの生徒を助ける?そいつらの笑顔を守るため?」
ブラッドは屈んで倒れている先生の髪を掴んで視線を合わせる。
ブラット「甘い…破壊を日常としたキヴォトスこそが理想だ。上下関係など力のみで十分。力を使い破壊のみで全てが決まるキヴォトスをお前が変えてしまった・・・。即刻破壊する。」
そう言ったブラッドは赤黒いボトルを振り、拳に悍ましいエネルギーを貯める。
ブラッド「◯ね」
ブラッドの拳が先生を貫こうとした瞬間。ブラッドの手に弾丸が飛んできた。その弾丸は奴の持っていたボトルを弾き飛ばした。
ヒナ&ホシノ「「先生!!!」」
先生「ヒナ…ホシノ…?」
奴は後ずさった。二人は先生のもとへ駆け寄る
ホシノ「先生!大丈…じゃなさそうだね。」
ヒナ「小鳥遊ホシノ、気を抜かないで」
ブラッド「邪魔が入ったか。」
ブラッドは先生の後ろから迫る大勢の軍団の方を一瞥した。
ブラッド「まだ増えるか。まぁいい。今日のはほんの挨拶だ。」
そういうとブラッドは赤黒い悪意のエネルギーを使い兵隊を生み出した。まさに悪意の権化である。
ブラッド「シャーレの先生…」
ブラッドは後ろを向いて去ろうとしている。
ブラッド「俺はキヴォトスに宣戦布告する。一週間後、キヴォトスに総力戦を申し込む。」
その場にいた先生とホシノ、そしてヒナは固唾を飲んであいつのいう事を聞く。
ブラッド「どちらの悪意が上になるか、存分に試してみると仕様じゃないか。」
先生「・・・!待て!」
体を動かそうとしても動かない。全身の痛みに耐え、意識を保つのに必死だ。
ブラッド「空崎ヒナ、小鳥遊ホシノ、俺は君たちを見てきた。」
二人は構える。
ブラッド「だが、君たちとやり合うことはないだろう。」
そういうと悪意の兵士たちが道を塞ぐ。ヒナとホシノが悪意の兵士たち相手に戦闘を開始する。
ブラッド「また一週間後に・・・」
そう言ったあいつは悪意のエネルギーに溶け込むように姿を消した。
先生「(あぁ、くそ!逃しちゃだめだ!ま、て・・・・)」
意識が遠のきやがて意識を失った。そんな先生のもとにやってきたのは救護騎士団のミネだった。
ミネ「救護!先生が重症のようです!救急搬送お願いします!」
先生は緊急手術のため病院まで救急搬送された。
その4 会議
先生は久しぶりにその天井の下で目を覚ました。以前も同じようなことがあった。サオリに腹を打たれて、搬送されたときだ。
ナギサ「気が付きましたか?」
先生「ナギサ?」
そこには先生の顔を覗き込むナギサがいた。先生は痛々しい体を起こす。
ナギサ「まだ横になさった方がよろしいのでは…」
先生「いや大丈夫。それより、あの襲撃にあった日からどれくらい経った?」
ヒナ「まだほんの数時間よ。焦る必要はないわ。」
声のした方に顔を向ける。そこには壁に寄っかかりながら腕組みをしたヒナがいた。
ヒナ「あいつは一週間後にキヴォトスをまた襲撃に来るみたい。それも総力戦と言っていたわ。」
ナギサ「私も一部始終を映像で拝見しましたが、おそらくあちらはほぼ無限に兵を養えるみたいですね。」
なかなかに厄介な相手だった。あの姿から発せられる悪意のオーラ、そしてあの赤黒いエネルギーの塊、思い出しただけで鳥肌が立ちそうだ。
先生「あいつはキヴォトス外の人間だった。キヴォトスの外で何かが起きているのか?それとも元からキヴォトスにいたのか?」
謎が尽きない。その時だった。病室の扉が開いて誰かが入ってきた。
ホシノ「あ!先生!大丈夫なの!?おじさん心配しちゃったよ・・・」
シロコ「ん、一時期先生の容態が危なかったって聞いた。体はもう平気なの?」
ホシノとシロコだった。
先生「私はもう大丈夫…ではないけど。でももう総力戦が一週間後に迫っているから、こうしていられない。」
先生は立ち上がったが、やはり傷は痛み、よろめく。
ホシノ「だめ、無理をしないで。1日でもいいから休んで。」
ヒナ「そうよ。仮にも先生は傷だらけなんだから、無理をしたら悪化する。」
ホシノとヒナに圧をかけられてしまった。この二人に圧をかけられて耐えられるものはいないだろう。二人の顔がすごく怖い。だけどいつも通り可愛い。
先生「う、うんわかったよ。今日だけだからね?」
ホシノ「うへ〜本当は1日と言わず完治するまでっていいたいけど、そうも言ってられないからねぇ」
ナギサ「そうです。今の私たちには先生が必要。」
そう言ってナギサはティーカップを置く。
ナギサ「明日総力戦のためのキヴォトス中の代表者を数名ずつ集めて会議を開きます。この総力戦はおそらくとても大きなものになるはずですから。」
シロコ「連邦生徒会からもキヴォトス中に緊急避難警報を出してる。一般人は避難所に避難してしばらくはそこで生活」
ナギサたちの話によると明日の会議で作戦や対策を話すとのことだった。その日に連邦生徒会に行くことになり、みんなはそこで解散した。
その後もたくさんの生徒たちがお見舞いに来てくれ、その日はもう動くことができなかった。
〜翌日:連邦生徒会会議室にて〜
リン「ということで各学園、団体の代表である皆様にお越しいただきました。」
マコト「キキキッこのマコト様にかかりゃそんな奴らその辺のやつと同じだ!」
イロハ「はぁ・・・」
ミカ「先生をこんな風にするなんて…へし折るじゃんね⭐︎」
セイア「ミカ落ち着け。あの先生がこんな怪我をしたんだ。我々がやっても一筋縄にはいかないだろう。」
シロコ「ん、先生は限界。休ませるべき」
ホシノ「うへーこの空間におじさんは場違いじゃないかなぁ?アヤネちゃん」
アヤネ「各学園の主導者のみなさんが集まっているんです。ホシノ先輩もしっかりしてください!」
みんな口々に色々喋ってる。これは本当に会議なのだろうか。
リン「みなさん一度静かに。会議を進めます。まず先生を襲撃した”ブラッド”という男、いえ本名ではなさそうですのでコードネームでしょうか、、、」
先生「正式名称ブラッドビルド。私が使っているライダーシステムの構造をもとに作られた。新たなビルドらしい。」
先生がそう言った瞬間全員が先生の方を向いた。
先生「ライダーシステムの構造などのデータが何者かによって盗まれた可能性がある。だけど、ライダーシステムのデータだけであの凄まじく悍ましい姿にはならなかったはずだ。
あいつはライダーシステムの他に何かを隠してる。そう考えるのが妥当かもしれない・・・。正直、怖い…」
先生の手がかすかに震えている。あの先生がこれほどまで恐れてしまうことに驚き、全員黙り込んでしまう。
その後の会議では、キヴォトスのどこに奴が現れるかわからない以上。無闇に1箇所に集結させるのは危険すぎる。そのためそれぞれの各学園は自分の自治区を守ることに集中、アビドスには戦力補給のため
Rabbit小隊&アリウススクワッドを配置することとなった。
その5 新アイテム
翌日から先生はシャーレに復帰した。とは言ってもシャーレは臨時休業、先生は新アイテムの開発に勤しんでいる。先生一人じゃ色々と足りないためウタハに手伝ってもらっていた。
その間は生徒たちはシャーレに仕事を送ることはできないが、先生に相談したいときはプライベートで相談することとなった。
〜シャーレの一室〜
カタカタと鳴り響くパソコンからコードに繋がれた開発途中の新アイテムが隣に置いてあった。
ウタハ「…先生。本当に大丈夫なの?」
先生「え?何が?」
ウタハが心配している様子で先生を見ている。
ウタハ「怪我をしているんでしょ?あまり無理はしない方がいいと思うけど…」
先生「そうも言ってられないよ。あいつが来るまで時間がないんだ。それまでにどれだけ予想外を作れるか、それにかかってるんだ。」
先生は、ウタハの方を見ずにそのままパソコンに向かっている。今までの先生だったらどんなに忙しい時でも生徒のために時間を作ってくれた。
そんな先生がこんなにも追い詰められている姿を見るのは正直言って始めだった。そんな先生が少し怖い。
先生「あ、もうこんな時間か。ありがとうウタハあとは自分だけでやるから、お疲れ様。」
時計を見るともういつも帰っている時間だ。
ウタハ「(でもなんだろう。今離れたら…なんかダメな気がする)先生、その…無理をしてない?」
先生「ウタハ」
先生がこちらを振り向く。
先生「大丈夫だから。心配しないで。」
そういう先生は笑顔を向けてきた。でもその先生の目の奥には何かが揺れ動いているように見える。それでも、帰るしかなかった。
ウタハ「わかった。じゃあ”またね”先生。」
先生「うんさようなら。ウタハ」
ウタハが帰って、一人で作業を再開する。
〜翌日〜
作業部屋には先生が一人で新アイテムの制作を知っていた。
先生「完成した。」
そこには青色のナックルと青く透明なボトル、銀のボトルが一本あった。
先生「ブリザードナックル…ハザードレベルを限界まで上げることができる強力なアイテム。」
先生は気づいていた。そのブリザードナックルが危険であるということに…。
ブリザードナックルはハザードレベルを急上昇させることができる武器だ。変身もできないことはない。だが変身したそのさきに待っている未来はなかった。
ブリザードナックルを使って変身すればほぼ無限にハザードレベルを上げることができる。しかし人間の体では限界がある。このブリザードナックルには上限がない。
つまり無限にハザードレベルが上昇する、強制的に限界をこえることになる。
そうすれば先生の体はどうなるか、ネヴュラガスを投与した先生の体はハザードレベル上限突破によって完全に消滅することだろう。
先生「変身=死か。かなりやばいな。まぁどうせあと1ヶ月とかそこらで◯ぬ運命だ。ここで◯のうが対して変わりはしない…。」
しかしそんな先生の目には確かに恐怖があった。先生は自分の両手で自分の両頬を思いっきり叩いた。
先生「うだうだ考えるな。覚悟を決めろ。俺は先生だろ。」
先生はそう自分に言い聞かせるようにそう言った。そしたらモモトークに一通のメールが来た。
セイア「大丈夫かい?勘で先生が危ないような気がしたのだが…」
さすがはセイア、鋭い。ここは平静を保って
先生「うん、大丈夫だよ。そっちは?」
さらっと話題を変えようとする。自然すぎて不思議ではないだろう。
セイア「こっちは大丈夫だよ。なんせ、あの怪力のミカがいるからね。」
さらっとミカをディスっているが大丈夫だろうか。これをミカが見たら壁に握力でヒビを入れるんじゃないだろうかとヒヤヒヤする。
先生「あまりそういうこと言わないの。そっちは大丈夫そうでよかった。こっちも問題ないから心配しないで。」
セイア「嘘はついていないかい?」
すごく心苦しい。本当のことを打ち明けたら色々と崩れてしまうだろう。だからなんとしても貫き通さないといけない。
先生「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。だけど、そっちも油断しないでね。」
セイア「それならよかったが、もしも何かあったら我々を頼ってほしい。」
先生「ありがとう。じゃ、またね」
危なかった。悟られるところだった。モモトーク上だったから平静を装うことができたが、会っていたらアウトだったかもしれない。
あとは当日までで怪我をした体を休めるとしよう。そうだ、あと”あれ”の準備もしておこう…。
その6 キヴォトス総力戦開戦
決戦の日になった。各学園は配置につき、いつ奴がどこに現れても対処できるようになっている。
そして連邦生徒会本部の大会議室では各学園との連絡などに応答するためのオペレーションセンターができていた。先生もそこで待機をしていた。
リン「全学園警戒体制に移行しました。先生、あなたも少々休まれてはいかがですか?昨晩シャーレで作業をしていたのですよね?一睡もしていないのですか?」
バレてる。先生は”あれ”のために徹夜で準備をしていたのだ。
先生「あぁ、大丈夫だよリンちゃん。決戦が始まるんだ、油断してられないよ。」
リン「誰がリンちゃんですか…。まぁいいです。それが言えるほど元気ではあるみたいですね。」
リンが少しため息をつきながら少し安堵した顔をした。
オペレーターモブA「こちらミレニアムに軍勢が現れました!数が多いです!ミレニアムから応援要請が来ています!」
オペレーターモブB「こちらゲヘナも同じです!」
オペレーターモブC「トリニティからもです!」
同時に三大学園から応援要請が出た。それが引き金になったかのように、他の学園からも次々に応援要請が来た。
先生「おいおいこれって…」
先生が絶望したかのような顔でオペレーションモニターを見る。そこには、全学園のマップと生徒たちの配置、敵の位置などが表示されていた。
先生「全学園同時襲撃かよ!?」
全学園に敵のマークが近づいていってる。
アオイ「すぐに対応を!」
いや無理だ。全学園自分の自治区のことで手一杯なんだ。応援に向かわせられる人がいない。
先生「想定外だね…」
リン「ですね。それにしても軍勢は見当たるのですが、先生が戦ったあの男は見当たりませんね。」
マップにはブラッドビルドの姿がない。
先生「…」
オペレーターモブD「全学園戦闘開始しました!!」
先生は拳を握る。先生は生徒を信じる。みんな無事でまたあの楽しく笑い合える日々を送れるようにと願うしかない。だがしかし、その未来に先生の姿はないだろう。
オペレーターモブA「ミレニアム、あの軍勢を相手に押し返してます!かなり余裕がありそうです!」
オペレーターモブB「ゲヘナもあともうちょっとでなんとかできそうです!」
オペレーターモブC「トリニティも敵兵力が減っています!」
そう、私が見てきた生徒たちはそんな簡単にやられるような子達じゃない。みんな強いんだ。私が信じた生徒たちは絶対に負けない。そう信じている。
オペレーターモブE「アビドス敵兵力相手に劣勢です!」
アオイ「余裕がありそうな学園から数人ずつ援軍を送りなさい!」
先生が携帯を見て、顔を顰める
リン「どうかしたのですか?」
先生「あっ、いやなんでもないんだ。」
そういうとオペレーションマップを見る。何かを隠しているような仕草だった。
リン「(先生は何を・・・)」
その瞬間だった。
オペレーターモブB「ゲヘナ学園周辺にいる敵兵力全て制圧に成功!!」
先生は無意識でガッツポーズを取る。やはり最強のヒナが率いるゲヘナは強い。先生はコートを着て外出の用意をする。
リン「先生、どちらまで?」
先生「頑張った子達にはご褒美をあげないとね?あっもちろん後でリンちゃん達にもあげるから!」
先生はそそくさと行ってしまった。
リン「全く先生は…」
リンは少しため息をつく。このまま何事もなく終わるといいのだけれど…
その7 シャーレに一人
先生はリンに頑張って終わらせたゲヘナのみんなにご褒美をあげに行くと言った。しかし先生はゲヘナには行かずに別方向へと向かう。その方向はシャーレがあるDU地区だ。
〜ゲヘナ学園〜
ヒナ「こっちは終わったわ。」
アコ「数だけでしたね。」
イオリ「アコちゃんこっちも終わったよー。」
〜ミレニアム〜
ネル「はっ!こんなもんかよ!思ったより弱ぇじゃねぇか」
アスナ「リーダー!みんな終わったって〜!!」
ユウカ「案外簡単だったわね」
アリス「アリス、クエストを終了しました!後で先生に頭撫でてもらいます!」
〜トリニティ〜
ミカ「あはっ⭐︎意外と脆いじゃんね⭐︎」
ナギサ「ミカさん、油断しないでくださいね。」
ツルギ「キヒャヒャヒャヒャ!!」
ミネ「救護!」
〜連邦生徒会オペレーション室〜
リン「意外とあっさりと終わりましたね。それにあのブラッドとかいう男も出てきませんでしたし。」
アオイ「何かがおかしい気がするのだけれど、気のせいかしら?」
学園を襲撃してきた軍隊はほとんどが壊滅されていた。しかしあのブラッドが現れなかったのにはリンもアオイも不審感を抱いていた。
〜DU地区〜
ビルの残骸でとてもじゃないが目をつけられない状態の道路を一人、バイクで走る。その道中には残骸以外に何もなかった。誰一人としてその場所にはなかった。
民間人は避難し、生徒達は自分の学園を守るために戦っている。本来DU地区には誰も来ないはずだ。だがそこには二人の男がいた。先生とブラッドだ。先生はバイクから降り、ビルドドライバーを装着する。
先生「これで終わりだ」
ブラッド「その通り。このキヴォトスは私が貴様を殺すことで統治が揺らぎ、また戦争を引き起こすトリガーとなる。兵器と兵器がぶつかり合い互いの性能を競い合う。それがこの世界のあるべき形だ。」
先生はポケットの中にあるスイッチを押す。そしたら、全学園の上空にスクリーンが映し出される。そこからはとある映像が流れた。
〜映像〜
先生「みなさんこんにちは。連邦生徒会シャーレ所属の先生です。」
そこには先生が映し出されていた。背景の風景からおそらく前日に撮られていたものだろう。
先生「この映像は決戦の前日に撮影したものです。なので当日になって少し状況が違うことがあるかもしれませんが、生徒の皆さんにお話ししましょう。」
先生は淡々と話し始める。それを各学園の生徒達はじっと見つめていた。
先生「決戦の日、ブラッドは各学園のどこにも現れなかったのではないでしょうか?もしそうなら奴がいるのは私がいるDU地区でしょう。でもこちらには来ないでほしい。
あいつが生まれたのは私の責任だからです。私が使うライダーシステムの情報を奪われ、他の人に悪用され、結果みんなに迷惑をかけてしまった。だからこの戦いは私が終わらせなければならない」
先生の顔が徐々に曇る。
先生「私にはもう余命がない。大人のカード、ライダーシステム、それぞれを使い続けた結果、私の体が反動に耐えられなくなり、余命がわずか1ヶ月とされていました」
その瞬間生徒達に強い衝撃が走る。先生がもう長くない?そんなの嘘だ、ありえない。信じたくない。みんなそう思っている。
先生「私はできればみんなを卒業まで見届けたかった。だけどそれも難しそう。だから、私のことは忘れて幸せになってください。」
そう言った先生の目は少し涙が溜まっていた。
先生「みんな、、、あとは頼んだよ」
そう言って映像が終わり、中継に切り替えられた。そこに映し出されたのはDU地区先生とブラッドが向かい合っている様子があった。
ヒナ「そんな…っ!」
ミカ「先生!!」
ホシノ「待ってて先生!」
生徒達みんなが示し合わせたかのようにDU地区へと走り出す。
その8 最終決戦
〜DU地区〜
先生「じゃ、始めようか」
先生はポケットの中にあるスイッチを押す。その瞬間先生とブラッドを囲むように結界が現れた。
ブラッド「これは…」
先生「俺とお前を閉じ込める結界だよ。この結界はお前が◯ぬまで解除されない。俺がお前を倒せば解除される。もし私が負けてもお前が生き残っている限りこの結界は絶対に解除されない。絶対の道連れだよ。」
先生はそのスイッチをしまう。
『マックスハザードオン!!』
ハザードトリガーを装填し、フルフルを使う。
『ラビット!ラビット!アンド、ラビット!Are You Ready?』
先生「変身」
『ラビット!ラビット!ヤベーイ!ハエーイ!」
ラビットラビットフォームに変身完了。ブラッドもビルドドライバーを装着し、あの赤黒く悪意の塊のようなボトルを取り出し、ビルドドライバーに装填する。
『ブラッドビルド!』
ビルドドライバーの取っ手を回す。
『Are You Ready?』
ブラッド「変身…」
『鮮血悪意の悪魔!ブラッドビルド!!ハーハッハハハハハ!!』
ビルドドライバーからは鳴らないのような悪意に満ちた音声が終わると共に、ブラッドビルドに変身完了していた。両者共に見つめ合う。先に仕掛けたのは奴だった。ネヴュラスチームガンを乱射してきた。
先生「はっ、ふ、っらぁ!」
うまくかわして接近し飛び蹴りを繰り出すが、それを難なく受け流される。スピードもパワーもテクニックも足りない。そのためにこのナックルを作った。先生がナックルを左手に持つ。
一度距離を取り、ナックルで地面を殴る。その場から氷結が奴の足元まで届き、動きを止める。
先生「うぉっらぁぁ!!」
接近してナックルで思いっきり殴る。今までの打撃とは比にならないほど強力な一撃だった。手応えあり。
ブラッド「うっ!」
動きを止められまともに食らったブラッドは呻き声を出す。先生はナックルの表面を長押しする。
先生「俺たちの怒りを食いやがれぇ!」
『グレイシャルナックル!!』
より一層パワーが上がった一撃を叩き込む。ブラッドは耐えきれず吹っ飛ばされた。
先生「はぁ、はぁ…」
流石に激しい動きをし続けると疲れる。
「「「「「先生!!!」」」」」
結界の外から声が聞こえる。振り向くとそこにはたくさんの生徒達がいた。ヒナにホシノ、ミカやナギサ、ネルやユウカ。来るはずのないみんなが来てしまった。
先生「…何で…」
ホシノ「先生!一人で抱え込まないでって私たちに教えてくれたじゃん!なんで先生が一人で抱え込んでるのさ!」
ミカ「早く戻ってきてよ先生!」
ヒナ「先生、お願い」
みんな口々に私に戻ってきて欲しいと言う。無理だ、私は責任を持ってこいつを連れていかないといけない。それに結界は奴が倒れない限り解除されることはない。
先生「ごめんみんな。それでも私は、私の戦いをしないといけないから…」
そういうとやつに向き直った。
ブラッド「気に食わん。力こそが絶対だったキヴォトスが、お前のせいで変わってしまった。お前を◯して、このキヴォトスをもとに戻す」
そう言うと奴は擬態を出した。悪意のエネルギーが形を成したそれらは、ヒナとホシノの姿へと化けた。
先生「は!?」
完全にヒナとホシノと言うわけではない。形がそうなっているんであってそこからは、ヒナとホシノの優しさや楽しそうな笑顔が一切なかった。
先生「おまえ・・・あの子達を侮辱したな。」
先生が静かに怒る。先生が一気に詰めてブラッド本体を殴ろうとする。しかしそれは二人によって阻まれてしまった。本物は結界の外にいる。こいつらは偽物だ。
先生「邪魔だぁ!!」
先生は思いっきりそれらの擬態を殴った。ヒナの擬態はデストロイヤーのようなもので受け止め、ホシノは盾で防いだ。
そこから二人の攻撃を受けてしまうが、それら全てにあの悪意のエネルギーが溜め込まれておりかなり痛い。
先生「かなり厄介な擬態だな、なら!」
ナックルを長押しして、地面に当てる。
『グレイシャルナックル!!』
氷結が地面を伝い、擬態の二人の足を拘束する。先生は一気に畳み掛けようと拳を振り上げる。その時だった。
擬態ホシノ「せ、先生!やめてよ!おじさんだよ!わからないの!?」
ホシノの声がした。途端に殴ろうとした拳が止まる。私はホシノを殴れない。
擬態ヒナ「先生、お願い、正気に戻って!」
ヒナの声、いつも聞くヒナの声だ。振り上げた拳を下ろした次の瞬間、先生に大きな悪意のエネルギー玉が襲った。
先生「ぐあぁぁぁ!!」
悪意のエネルギーが凝縮された、負の爆弾。威力はとてつもなかった。食らった先生は吹っ飛ばされ地面に伏してしまった。
その9 心火
生徒達が固唾を飲んで見守る中先生は大きな一撃を喰らって倒れてしまった。
イオリ「卑怯だ!!ヒナ委員長の声に似せて先生を騙すなんて!!」
セリカ「なんなのよあいつ!ホシノ先輩の声に似せて先生を騙すとかありえないでしょ!!」
生徒達が口々にそう言う。しかしみんなは何もできない。結界が邪魔して先生を助けにいけない。
マリー「神よ、お願いです。先生をお助けください!」
マリーは神に祈り、ホシノは拳を握り締める。今はこうやって見ることしかできない。
先生「っ!・・・はぁ、はぁ」
先生が起き上がった。よろよろと擬態の方へと歩き出した。だがその様子に戦う意思が感じられない。先生はフルフルを抜き取り、変身を解除する。
ネル「は!?おい何やってんだよ先生!このままだと本当に◯されるぞ!」
それでも先生は歩みを止めずに擬態の目の前まできた。先生は重そうな口を開く。
先生「ヒナ…君はいつも風紀委員長の肩書きを背負い、みんなのために頑張ってくれていたね。それでも大変だった時は私に甘えにきてくれた…頭を撫でてあげた時の温もりは、
絶対に忘れることはないだろう」
小さくて掠れるような、それでいて強い意志を感じられる口調だ。
先生「ホシノ…君が大きなものを背負って、戦った時、私は君の隣にいてやれなかったよね。頼れる大人にはまだなれてなかったよね。でもそんなホシノに頼られるようになってすごく嬉しかったよ。」
先生は目を閉じて、思い出す。みんなの顔と姿、そしてみんなとの思い出、その全てを。
先生「アビドスのみんな、ゲヘナのみんな、ミレニアムのみんな、トリニティのみんな、それ以外にもたくさんの学園のみんなと会ってきた…」
擬態のホシノとヒナが先生を殴り飛ばす。先生は地面を転がり、倒れ伏した。だがすぐに手をついて起きあがろうとする。
先生「みんなのおかげでだいぶ未練が残っちゃったよ…。ありがとうね、私に幸せをくれて。」
そう言って先生は立ち上がり二人の擬態とブラッドに向き直る。
先生「ごめんねみんな。約束を破っちゃって…」
先生の手にはブリザードナックルとボトルが握られていた。ボトルをナックルにさす。
『ボトル、キーン!!』
そしてそのブリザードナックルをドライバーに装填する。
『グリスブリザード!!』
たちまち先生の周辺に冷気が出てきた。いつもとは違う綺麗な待機音と同時に。先生はビルドドライバーを回し、その手から人差し指を伸ばし、おでこにつけてからその指をブラッドに向ける。
『Are You Ready?』
先生は手を返して言う。
先生「”できてるよ”」
『激凍心火!グリスブリザード!ガキガキガキガキガッキーン!!』
グリスブリザードに変身完了。先生の周りを冷気と氷の結晶が舞う。
先生「心火を燃やして、ぶっ潰す…」
静かにしかし力強くそう言った。
その10 氷の中の炎
グリスブリザード、今までに見たことのない形態だった。生徒達は固唾を飲んんで見守る。
先生「っらあぁぁ!」
一気に詰めてひなの擬態を思いっきりブラッドの方へ殴り飛ばした。さっきとは非にならないほどの速度とパワーだ。ホシノの擬態が構えるが、その隙を見逃さず背後に回り込む。
擬態の襟を掴み、ブラッドの方まで投げ飛ばす。二人の擬態は体制を立て直し、構える。しかしその構える動作すら遅い。今の先生のハザードレベルは6.0。一般人やキヴォトス人とは並外れた力だ。
先生は二人が構えると言う動作をしている間に懐までつめる。
先生「足りねぇなぁ!ぜんっぜん足りねぇなぁ!!」
二人を難なく殴り、ヒナの擬態は後ろによろけ、ホシノの擬態は先生の目の前で倒れた。先生はホシノの擬態の胸ぐらを掴み持ち上げる
先生「誰が俺を満たしてくれるんだよぉ!!!!」
そう言ってホシノの擬態を殴り飛ばす。姿が似てても関係ない。今の先生を抑えられるものは誰一人としていないだろう。殴り飛ばした二人の擬態が溶け、後ろで待っていたブラッドに旧守される。
先生「ようやくおまえが相手か…」
先生はブラッド相手に殴りかかる。ブラッドは大きな悪意のエネルギー玉を先生に向かって放つ。先生は咄嗟に受け止めようとそのエネルギー玉を殴る。だが、流石に無理があったようだ。
先生「があぁぁ!」
思いっきり喰らってしまった。だが先生は折れない。その一撃を受けてなお、立ったままでいる。
先生「やるじゃねぇか…あ?」
先生は強がっているのか、上から目線の言葉を投げる。しかしその時、
先生「・・・!」
先生の体から金色の粒子が溢れ出す。そして先生の体が少し透け始めたように見える。
シロコ「先生!これ以上戦ったら本当に戻れなくなる!」
シロコにしては大きな声だった。そう、先生の体はもう限界なのだ。ハザードレベル7.1。体が耐えられない数値だ。
ホシノ「先生、お願い。戻ってきて!!死んじゃうよ…」
先生「ホシノ・・・」
ホシノの目からは涙が溢れた。他の生徒達も祈る者、泣いている者、叫んでいる者、どうにか結界の中に入れないかと試している者、たくさんいる。でも、もう下がることはできない。
先生「みんな、心配してくれるなんて嬉しいよ。でもなぁ、元から助かりそうもないんだ。」
そう言って先生は、銀色のボトルを一本取り出す。このボトルにはただのネヴュラガスが入っている。元々私は、ライダーシステムを扱えるほどのハザードレベルを持ち合わせていなかった。
ネヴュラガスを投与し、ハザードレベルを強制的に上げて、仮面ライダービルドに変身することができた。つまりネヴュラガスの役割は、ハザードレベルを上げると言うもの。
そんなネヴュラガスを直接体内に投与したら?
先生「覚悟は…とっくに決めたろ!!」
そう言って先生はネヴュラガスを全て投与する。
先生「ぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」
ハザードレベルが一気に上昇した。ハザードレベル8.0。もう死は確定した。先生の体から出る金色の粒子の量が多くなる。
先生「みんなが見てるんだ、全力でカッコつけねぇとなぁ!!!!」
ブラッドに向き直る。足に力を込めて、動き出す。
先生「うおラァ!!」
拳と拳がぶつかり合う。その反動で両者とも後ろに吹っ飛ばされる。受け身をとってすぐに立ち上がる。
ワカモ「あなた様…」
目にも見えない速さで何度もぶつかり合う。結界の中で死闘が繰り広げられている。
ホシノ「ヒナちゃん…」
ヒナ「ホシノ?」
ホシノ「先生は戻ってくるよね?きっと戻ってくるよね?」
ヒナ「・・・わからない。」
ホシノの拳から血が垂れる。
ヒナ「だけど、私は信じてる。先生は戻ってくるって」
そんなヒナの目からは大粒の涙が溢れた。みんな思ってることは同じだった。帰ってきて欲しい、それだけだった。
先生「はぁ、はぁ」
ブラッド「ふー、ふー、なぜそこまでしてキヴォトスに固執する?あの生徒達は貴様の理想である”愛と平和を胸に生きていける世界”とやらを本当に実現してほしいと思っているのか?」
先生「なんだと?」
ブラッド「貴様はキヴォトスの外から来た。だからキヴォトスの外の常識の方が強い。貴様のやっていることは、その自分の常識や理想を生徒達に押し付けているだけではないか?」
先生「!?」
思い返してみれば確かにそうだ。私は、生身じゃみんなのようには戦えない。キヴォトス外では銃の所持を禁止されているため、ここよりもっと平和だった。
キヴォトスも同じように平和になるべきだと、勝手に思っていた。
ブラッド「貴様がキヴォトスにきてからキヴォトスではさまざまな変化があった。まるでキヴォトスがキヴォトスじゃなくなるかのように」
先生「・・・」
ブラッド「貴様はそうやって自分を押し付け続けるつもりか?」
そう言ってブラッドはネヴュラスチームガンをライフルモードにし、ボトルを装填する。
『ファンキーショット!!』
先生「がああぁぁ!」
先生はまともに喰らって倒れた。見守っていたみんなが反応する。
ブラッド「その理想は破綻している。誰もが幸せになってほしいなど、空想の中の話だ。貴様も叶わないと知っているんじゃないか?」
先生が起き上がる。
先生「うるせぇんだよ。みんな、私を頼ってくれたんだ。私が望んだように、みんなも幸せを望んでるんだ。」
先生が振り返り生徒達の顔を結界越しに見る。
先生「私が背負っているのは、みんなの未来とみんなの笑顔、そしてこのキヴォトスそのものだ!」
ブラッドへと向き直る。
先生「生徒のために命を賭して戦う。それが”仮面ライダービルド”として…”先生”として生きる、私の…俺の生き様なんだよおおぉぉ!!!」
そう言ってビルドドライバーをひと回しする。
先生「心火を燃やしてぇ!!」
『シングルアイス!Ready GO!』
一直線にブラッドへと距離を詰める。そして、氷結で作った大きな手でブラッドを鷲掴みにする。
ブラッド「なん、だと!?」
『グレイシャルアタック!!』
そのまま空中へと投げ飛ばし、氷結で柱を作り、ブラッドを上空で凍らせ固める。先生はビルドドライバーを思いっきり回す。
先生「俺の前に…平伏せぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
『シングルアイス!ツインアイス!Ready GO!!」
先生から金色の粒子が激しく吹き出る。先生は跳んでブラッドの上まで来た。
先生「ぅおりゃぁあああああああああ!!!!!!!!」
ブラッドに氷を纏ったキックを与える。
『グレイシャルフィニッシュ!!バキバキバキバキバッキーン!!」
体が崩壊しかけている、それでも最後まで青く光り続ける先生。
先生「どっけぇぇぇぇぇ!!!!!!」
[ドカーン!!!]
ブラッドは凍結し、爆発した。その場所から暴風が巻き起こる。
生徒全員「・・・」
全員黙って霧が止むのを待つ。霧が止んだ。そこにブラッドはいなかった。ブラッドは悪意の権化だったからだろうか、その場には赤黒い液体の水たまりがある。その水たまりの近くに先生はいた。
その11 心火を燃やせ
[ブゥン]
結界が消えた。先生に会える。その瞬間生徒達は先生の元へ駆け寄流。先生は、ブリザードナックルを抜き取り、変身解除する。しかし、先生から溢れ出す金色の粒子は止まらなかった。
先生の体が透けていく。
先生「自分を貫くのも…骨が折れるな…」
そう言って、先生は倒れ伏した。最初に駆け寄ったホシノだった。ホシノが先生の頭の後ろに腕をやり、抱き寄せる。
ホシノ「先生!先生!!」
先生が薄く目をひらく。先生の目からは血の涙が出ていた。
先生「その声は、ホシノ?ごめん、あまりよく見えないんだ。」
ホシノ「なんでっ!こんなになるまで背負いこむのさ!!教えてくれたじゃん!誰かに頼ることも大切だって!!なのに先生は…せん、せいは…」
ホシノの目から涙が溢れ落ち、先生の額に落ちる。
ワカモ「先生、だいじょうぶですよね?あなた様は生きて帰れますよね?じゃなきゃ…このワカモは…」
みんな泣いているのか、誰かに泣かれるほど愛されるのは悪い気分じゃない。だけど、このあったかい時間がいつまでも続くはずがなかった。次々に生徒達が話をしようとする。
だが、今の先生には一人一人に応える気力がない。
先生「みんな、どうか…落ち着いて」
ネル「落ち着けるわけねぇだろ!落ち着かせたいなら、その先生から溢れ出してるその何かを体に戻せよ!!」
先生「…できない。私はもうまもなく消滅する」
生徒達が泣きながら先生を見つめている。
先生「あまり時間がないから、みんな…少し話そう。だから一度座って?」
そう言うと、生徒達は先生の周りに座った。先生はポケットにしまっていたスイッチを押し、中継をしていたカメラをこちらにズームし、静かに話し出す。
先生「私の使うライダーシステムの情報は、おそらくネット上でハッキングされて盗まれたものかもしれない。だからシャーレの諸々のセキュリティを強化しておいてほしい。ミレニアムのみんなはそう言うの得意だよね?だからお願いしたいんだ。」
そう言うと、ユウカやノア、ネルたちミレニアムの生徒が頷いた。
先生「それと、私がライダーシステムを開発している部屋に一本の未完成ボトルがある。その中には私の思い出や記憶、それらをデータ化したものが入っている。そのボトルはあるものを作りたくて、設計図も用意してある。内容は設計図に載ってあるから、作るか作らないかはミレニアムのエンジニア部に任せるよ。」
ミレニアムのエンジニア部のメンバーが頷いた。
ホシノ「せ、せんせ…い。しょ、消滅を抑える方法とか、ないの?あるならおじさんなんでもするから…だから!!」
先生「ないよ。どう足掻こうが、これは止められない。」
ホシノが耐えきれなくなり溢れんばかりの涙を流す。
先生「私の両親、そして妹には、体を大切にするようにと言っておいて?」
先生の体の足のほうが透明になりかけている。それでも構わず先生は語る。
先生「それと、キヴォトスのみんな、私はみんなを信じる。」
その言葉には確かに先生の強い意志があった。
先生「私は君たちを一番近くで見てきた。誰かのためになりたくて、誰かを守りたくて戦ってきた姿を、私は誰よりも知っている。だから私はみんなを信じられる。いつかみんなが笑っていられる世界を…愛と平和を胸に生きていける世界を、作れると。だから・・・」
先生は生徒達を信じている。それは偽りのない言葉だった。
先生「”自分を信じろ”自分が過去にどれだけの失敗をしようと…”命を、心火を燃やし尽くせ”。」
先生の言葉には重みがあった。たくさんの生徒達の思いを背負って戦い抜いた先生の言葉は何よりも深く、生徒達の心に刺さった。
先生「どれだけ痛くて、苦しくて、足を止めて泣き喚いても、時間の流れは止まってくれない。」
生徒達は涙を流しながら黙って先生の言葉に耳を傾け続ける。
先生「俺は先生だ。みんなの盾になることなんて、当たり前のことだよ。」
先生「みんな・・・もっともっっっっと成長して。そして今度は、君たちが後輩に未来を示す、先輩や先生となるんだ。俺は信じる。みんなを信じ続ける。」
生徒達は涙が堪えきれずに泣きじゃくる。一部は泣いてる顔を見られまいと、顔を下に向ける子もいる。それでも私は信じなければならない。なぜなら私は先生だから。
先生が瞬きをすると、周りの生徒達の後ろにいる人に気がついた。それは以前、ホシノの部屋で見たことがある人だ。
先生「梔子…ユメ?何で…。」
その梔子ユメも泣いているように見えた。ホシノも先生の見る方向へと顔を向ける
ホシノ「ユメ先輩?」
先生「そうか、見ていてくれたんだね。君も。・・・私は、”先生”を”仮面ライダービルド”を、貫けたかな・・・?」
そう問いかける。
梔子ユメ「立派にできてましたよ。先生…」
確かに聞こえた。その声を。
先生「ははっ、ありがとうね…みんな…」
そう言って先生は、光の粒子となり、空へと消えていった。生徒達はみんな泣いていた。
ホシノ「私は、先生のために何かできたのかなぁ…」
シロコ「ホシノ、先輩?」
ヒナ「私も、何もできず、ただ先生に頼ることしかできなかった。」
ヒナもまた泣いていた。
ホシノ「こんな私には、先生のように、キヴォトスを背負っていけるのがなぁ・・・」
その言葉を聞いた一年のセリカが口を開いた。
セリカ「弱気になっちゃダメでしょ!ホシノ先輩!」
セリカが喝を入れる
セリカ「できるかできないかじゃないでしょ!私たちは今、先生に何を託されたの!!人は死んだらそれまでなの!普通だったら生き返ったりしないわよ!どれだけ先生がいなくなって悲しくても、苦しくても、、、真っ直ぐ前を見るしかしちゃダメじゃない!!」
泣きながらセリカはそうホシノに訴えかけた。シロコも涙を拭いてしゃべる
シロコ「そう、先生は今の私たちに未来を託した。その未来の続きを切り開くことができるのは今を生きる私たちだけ、だから立って!今から私と訓練しよう、そしてもう大切なものを失わないように強くなろうホシノ先輩!」
そうやってその場ではたくさんの生徒が、いっぱい泣いて、いっぱい励まして、いっぱい訓練して、その襲撃は幕を閉じた。
先生は確かに消滅した、だけどまだ紡がれた希望が、心の火”心火”が生徒達の中で燃え盛っている。
〈単語説明〉
ハザードレベル…ネビュラガスへの耐久力を数値で表したもの。
高ければ高いほどその人は強い。※急激な上昇は命取り
ネヴュラガス…仮面ライダーになるために必要なハザードレベルを上昇させる特殊なガス
主です。色々とわかりにくくてすみません。