人形異世界救出記〜失われしメイデンの救済〜 作:Uさんの部屋
敵国王子は、彼に力を与えた張本人ディストに対し、話が違う事を憤慨する。ディストはUの異次元な強さに言及しつつも、既に手は打っている事を語るのだった………
敵国との戦争から数日。Uは兵士の訓練に混じっており、この時は休憩の時間だったが、Uは1人槍を振り回し続けており、過酷な訓練でヘトヘトな他の兵士達を驚かせていた。
「………新米、張り切りすぎじゃないか? 時には休息も大事だぞ?」
これにはアイアンも思わず苦言を呈した。だがUは手を止めず………
「体力なら腐る程残ってる。それに………今は無性に身体を動かしたいんだ………」
そう言って、休もうとしない理由を語る。それを聞いたアイアンは溜息を漏らすと………
「………この間倒せなかった事を相当悔やんでるんだな?」
そう言って、Uの様子がおかしい理由を見抜くようにそう呟いた。それを聞いたUの手は止まり………
「………そうだよ。悪いか?」
開き直るようにそう呟いた。
「悪いとは言ってないさ。けれど………新米にしてはやけに熱心だなと思ってた。それもうちの誰1人として持っていない覇気………私も見習いたいくらいにそれは熱心だ。けれどさ、たった1人でそれを抱え込む意味はあるのか?」
アイアンはUの考えや志向を認めつつも、それを1人で抱え込もうとする様子に首を傾げながら問いかけた。
「………厳密には1人じゃないさ。君には見えてるんだろ、近くに君と似た背丈の女の子達が………」
Uはアイアンの言葉を訂正せんと言わんばかりに、Uの近くにいるメイデン達の存在を語った。かつてメイデンの名を持っていたアイアンの目にはメイデンの名を持つ4人の少女達が映っており………
「………見えてるよ。成程、仲間はいたのか」
アイアンもこれにはUの言葉に頷きざるを得なかった。
「僕は余計な人間を巻き込む気は無い。邪魔だからとかなんとか色々理由はあるけど………少なくとも君は巻き込みたくない」
Uはアイアンの事を思って巻き込みたくない本音を語った。それを聞いたアイアンは、自身と姫が一緒にいる空間を微笑ましそうに見ていた時のUの顔を思い出すと………
「………私の事を想っての行動か。でも、余計なお世話だな。私は自分の敵は自分で片付ける。それにアンタはあくまで私の部下だ。部下に指図される言われは無いさ………U」
彼の行動原理に感心しつつも、自分の事には自分でケリをつけると言わんばかりの言葉と共に、Uの名を口にするのだった………
Uはアイアンの為に戦っている自覚と共に、彼女を巻き込みたくない本音を語る。そんな彼の優しさが、記憶を失ったアイアンの心へと響き、アイアンはこの時からUへの信頼を強める様子を見せたのであった………
To Be Continued………
次回予告
アイアンに本音を語ったその日から、彼女と行動を共にする場面が増えたU。そんなある日、Uはアイアンと共に姫の元を訪れるが、その際にUは姫と対話する機会を得るのだった………
次回「アイアンの右腕」