人形異世界救出記〜失われしメイデンの救済〜 作:Uさんの部屋
訓練の中で1人躍起になるUは、以前の戦争で敵国を倒せなかった後悔と、アイアンを巻き込みたくない本音を吐露する。だが、アイアンはそれを余計なお世話と断じつつも、Uへ感心を向けていたのだった………
アイアンとの対話を経てから間もなく、アイアンはUを気にかけるようになり、彼と行動を共にする場面が増えた。新米が隊長クラスの傍で行動する光景は他の兵士達から見ても異質であったが、Uが以前の戦いでとてつもない強さを見せていた事から、誰もが少しの期間で納得し、いつしかUは『隊長の右腕』と言う称号を付けられていた程だった。
「………誰だ僕の事を隊長の右腕とか言い出した馬鹿は」
しかし、U本人は納得していないのか不貞腐れるようにそうボヤいた。
「落ち着けよU。これから姫様と謁見なんだ、粗相のないようにな」
アイアンはUを窘めるようにそう呟く。この頃には彼が敬語を使わない事に気づいてはいたものの、最早気にしておらず、いつしか2人の関係は上司と部下というより、気の合う友人のような関係になった。
「分かってるさ、僕は黙ってるよ」
しかし、Uは公の場では口を開かない事も多かった。それはその国の政治に興味が無いと言うより関心が薄く、また敬語で話す事を嫌っている彼だからこその行動である。やがて姫のいる部屋へと到着すると………
「………姫様、私です」
アイアンがノックの後にそう呟いた。すると部屋の扉が開き………
「隊長さん!」
姫はアイアンとの対面を喜ぶ様子を見せた。
「姫様、はしたないですよ………?」
これにはアイアンもタジタジであり、思わずそう言った言葉をかけることしか出来なかった。
「隊長さんの前なら良いじゃない………!」
だが、アイアンの前ならいいと止める気配を見せなかった。
「今はUが近くにいるんですから勘弁してください………」
アイアンはUを理由にあげてかわそうとするが、姫は止めようとしなかった。
「(アイアンに対しては相変わらず押しが強いな………いつも勝気なアイアンがタジタジになる光景が未だに慣れん………)」
Uは姫のグイグイ来る姿勢に驚かされていた。だがその直後、姫はUに視線を向けると………
「そういえば貴方………Uさん。貴方も来てくれたなら丁度いいわね………少し、お話しません?」
なんとUにまで興味を示したのか、彼との対話を希望していた。
「………僕!?」
しかし、Uにとって姫のこの行動は想定外だったのか、驚きの声を漏らしたのだった………
アイアンと行動を共にする場面が増える中、ある日姫の元を訪れた際に姫との対話を行う機会を得たU。何故姫はUに対して興味を抱いたのか? そして、彼と何を話そうとしているのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
姫と2人きりで対話をする事となったUは、アイアンが特定の人を気に入る行動が珍しい事を明かす。だがそれと同時に、アイアンに対する心配もUに向けて語り始めるのであった………
次回「姫の心配」