人形異世界救出記〜失われしメイデンの救済〜 作:Uさんの部屋
怒りに燃えるUは、ディストの呪縛を自らの力で無理矢理脱する事に成功する。その後、Uはメルヘンソードマンへ変身。他責思考で現実から目を背けようとする敵国王子へ怒りの一撃を叩き込むのだった………
Uが敵国王子を一方的に攻撃し続ける中、アイアンは致命傷を負った姫へ駆け寄っていた。姫の傷は深く最早助からない状況であり、アイアンの目からは涙が止まらなかった。
「………泣かないでください、隊長さん………貴女なら………私なんかの死を乗り越えてくれます………から………」
姫はアイアンに対し、慰めの言葉を語る。
「………無理だ………私には………私には何も乗り越えられないんだよ!! 私は………Uみたいに強くなんかねぇんだよ!!」
しかしアイアンはそう言って、自身の弱さを嘆く様子を見せる。だが姫はアイアンの頬を優しく撫でると………
「大丈夫です………だって………私が死ぬのは今が初めてじゃ無いのですから………」
アイアンを励ますようにそう言い放つ。だがその言葉はアイアンにとって衝撃的なものであり………
「………は?」
思わず困惑の声を漏らしていた。そしてそれは近くで戦闘を行っていたUも同じであり………
「初めてじゃない………!? どういう事だ………!?」
Uは動揺の声を漏らす。
「余所見するなあぁぁ!!」
そこへ敵国王子が襲いかかってくるが、Uはノールックで敵国王子の顔面を殴り、そのまま吹き飛ばした。
「うるせぇんだよ、話を聞かせろクズ野郎」
Uは敵国王子に向けて容赦の無い毒舌を吐いた。そして、アイアンが姫の言葉にフリーズしている中、姫の身体は光となって霧散を初め………
「………貴女は弱い人なんかじゃない………それに………私のような過去に囚われ続けてはいけません………強く生きてください………けれど今度は自分の願いの為に他の人を殺すのでは無く………誰かを守る為に………」
姫はかつてメイデンとして生きていたアイアンの事を知っているかのような最期の言葉を零すと、そのまま光となって消えた。そしてその直後、姫の身体は姿を変え、かつてアイアンがメイデン時代に使っていたメルヘンドライバーへと変化した。これにより、アイアンは蓋がされていたかつての記憶を閲覧する事となり、自分が忘れていた過去を全て思い出した。
「ううっ………ぐすっ………馬鹿野郎………私にこんな事を思い出させる為に………もう1回死ぬ光景を見せられるなんて………意地悪過ぎるだろ、姫様………!!」
そしてアイアンは再び目から涙を零し、自分を思い出させてくれるきっかけが、皮肉にも姫の再度の死であった事に、感謝と憎しみの混じった感情を見せたのだった………
姫の死はアイアンがかつて経験したものであり、目の前の姫の死は皮肉にもアイアンがメイデンとして再覚醒する為のトリガーとなった。果たして、メイデンとして復活したアイアンのやるべき道はどこへ向かうのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
記憶が復活したアイアンは、目の前の悪夢を払い除ける事を誓い、メルヘンの力を取り戻す。敵国王子と再び対面した彼女は、かつての負の悪夢を終わらせる事を宣言するのだった………
次回「悪夢を終わらせる時」