人形異世界救出記〜失われしメイデンの救済〜 作:Uさんの部屋
アイアンの復活にディストが妨害しようとするものの、Uが彼女の相手を引き受ける。そして、アイアンは敵国王子を撃破する事で、自らの悪夢を晴らす事に成功したのだった………
敵国王子の戦死によって、近くにいた兵士達は戦意を喪失し逃げ出した。その光景を見たアイアンは………
「漸く退いてくれたか………叶うなら、姫が死ぬ前に退いて欲しかったけどな………」
思わず皮肉混じりに呟く様子を見せた。直後、敵国王子が倒された光景を目にしたディストはUとの戦闘にも関わらず距離を取り始め………
「………あの王子が倒されてしまった以上、この世界は長くは持ちそうにないですね………今回はもう少しの所まで行けたというのに………残念ですわ」
そう言って、世界の崩壊を示唆。そのままその場から撤退してしまった。
「………誰が君の目的を果たさせるかよ」
だがUは撤退するディストへそのような言葉を吐き捨てながら変身を解いた。一方、そのまま国に背を向けて歩き出すアイアン。そんな彼女の背中を見たUは………
「………待て。どこへ行く気だ?」
アイアンに向けてそう問いかけた。
「最早私はこの世界の人間じゃない………この力を取り戻した今、私にはこの世界での居場所を失った………居場所の無い人間は去るだけさ」
アイアンはそう言って、今のこの世界には自分の居場所など無い事を語った。だがUはそんなアイアンの様子を目にし………
「………なら、僕達の元に来いよ。僕達の元なら………メイデンだろうと人間だろうと関係無い………姫の想いを今度こそ果たしたいのなら………今度は殺戮じゃなく、誰かを守る為に戦え」
自分達の元へ来るよう彼女を促した。彼女にとってその言葉は、U達が自分の為の新しい居場所を作ってくれる事を理解させるには充分すぎる言葉であった。アイアンはベルトのゼンマイを外し、変身を解除する。それから間も無くしてUへ視線を向けると、彼の目には涙が浮かんでおり………
「………まだ私の事を気遣ってくれる人間がいたんだな………思わず泣いちまったじゃないかよ………! 私は………もう姫の為以外には泣かないと誓ってたつもりだったのに………泣かせんじゃねぇよ………U………!!」
思わず彼の思いやりに涙を流した事を毒突きながらも、その様子はどこか嬉しそうだった。するとその直後、近くから放たれた強い光が涙を零すアイアンをUの視界から覆い隠す。そしてUは、そのまま白い光へ意識を奪われたのだった………
姫を失った事で自分の世界での居場所を無くしたアイアン。だがUの恩情を受けたアイアンは感極まって涙を流していた。ここに、過去に囚われていた斧使いのメイデンの世界は幕を降ろしたのであった………
To Be Continued………
次回予告
アイアンの世界における役目を終え、元の世界へと戻ってきたU達。直後に復活を遂げたアイアンは、姫の想いを継ぐ為にもう一度やり直す事を決意するのであった………
次回「アイアンの償い」