人形異世界救出記〜失われしメイデンの救済〜 作:Uさんの部屋
ロンドはUに対して保険と称して自身のゼンマイを渡してきた。Uはこれを受け取りつつも、ロンドの深い闇に対して嫌な予感を感じていたのであった………
ロンドの様子が所々でおかしい事を予感したUは、腹を括ってロンドの元へ1人で近付いた。
「………どうしたんだい、他のメイデンが近くに見当たらない所で僕に近づいてきたのは初めてじゃないか?」
ロンドは呑気な様子でそう問いかける。
「………君は何に怯えている? 僕へ途端にゼンマイを渡してくるにはまだ信用を得た気はしてないんだが?」
Uは首を傾げながらゼンマイを渡してきた動機を問いかける。
「別に誰に渡したって僕の勝手だろうに」
ロンドはしらばっくれるようにそう呟いた。だがUは少し間を置いてロンドから視線を外すと………
「それはそうかもしれないな。けれど僕は1度君と殺し合った仲だ。そして結果として殺したのはあのNo.9メイデンだったが………あと一歩の所まで追い詰める結果を作った。普通生命を奪われかけた相手にここまでの真似をするか? その辺どうなんだ、ハッキリ答えろ」
Uは、ロンドが一度殺されるきっかけの一端をになった相手にこんな真似をする理由が理解出来なかった。それを聞いたロンドは少しの間を置いて溜息を漏らすと………
「………君を相手に誤魔化すのは無理か………分かったよ、正直に話す」
そう言って観念するようにUの視線の前へと動くと………
「君も気付いているかもしれないが………僕の闇はそろそろ抑えきれなくなってきている………このままだと僕は僕でない何かになってしまう………生前僕が怯え、結果としてそうなってしまった自分ではない暴走状態………今の僕の中には異形の自分が隠れていて………僕はそんな自分に怯え続けている」
自身の現状をUへ語った。それを聞いたUは少し考える様子を見せた後………
「そうか………やっぱり放っておくには心配な状態だった訳だ………」
Uはそう言うと共に、今のロンドがかなり不安定な状況にある事を改めて理解する。そしてロンドは一度ため息を漏らした後、Uの顔を覗き込むように視線を近づかせると………
「………君に頼みがある。もし僕が万が一僕でなくなってしまったら………迷わず殺して欲しい。恐らく今の君なら倒せるはずさ」
万が一の事態において自身の撃破をUへ託す様子を見せた。それを聞いたUは驚く様子を見せていたが………
「………分かった。最善を尽くすよ」
Uはロンドの意を理解するようにそう呟くのだった………
ロンドは自身の状態をUへ語り、万が一の際は自身を殺すよう依頼する。それと同時にゼンマイを渡してきた真意も、自身の身に事が起きた際の保険であった事を遠回しにUは悟るのであった………
To Be Continued………
次回予告
ロンドの身に起きている事態を知り、内心では動揺を隠せないU。しかし、ロンドの闇は最早抑えきれず、ロンドはディストの予言通り、不安の事態が起きてしまうのだった………
次回「不安の実現」