人形異世界救出記〜失われしメイデンの救済〜 作:Uさんの部屋
警察官として彼女を保護したUはポイズの事を観察し、探っていた。だがUはポイズの様子からかつてとは異なる性格である事を察知するが、今度は何があって性格が変化したのかを読めず、頭を悩ませるのだった………
それから少し経ち、ポイズとの対話はそれ以上の進展が無く、Uは一度話し合いを止めた。一応ポイズの事はメイデン達が見張っているものの、彼女の事をまるで信用出来ていないメイデンが大多数の為、Uは正直期待が出来ない様子を見せていた。
「(………分からなくなってきたな。僕はあの子の事を見張るべきだと思ってはいるが、結果として何が彼女を変えてしまったのかを知らない限りは事が進まない………)」
Uは不安な様子でそう考えながら、デスクの上で頭を悩ませていた。そんな中、この世界におけるUの同僚と思わしき警察官2人が近くで会話をしていた。
「………なあ、聞いたか? 最近上層部が怪物退治において対抗策を作らないばかりか………自分達だけ逃げようと動いているみたいだぜ?」
そしてその内容は、上層部がこの世界で起きている怪物騒動に関与しないばかりか、自分達だけ逃げようとするものであった。それを聞いたUはその言葉に内心驚く様子を見せ………
「………その話、本当か?」
気が付いた時には2人の傍に近づいていた。
「なっ!? い、いつの間に聞いてたのか!?」
その警察官達はUへ会話を聞かれていた事に驚く様子を見せていたが………
「いいから答えろ。それは本当なのかって」
Uは厳しい表情と共に言葉の真意を問いかける。
「………本当さ。怪人は何故かこの町にしか現れない。ならその法則性を利用して、自分達は関与しない姿勢を作っている。尤も、俺達はどうなるか分からねぇよ。他の部署に異動させてくれるのか………はたまた見殺しにされるのか………」
警察官の1人はUの問いに肯定する。それを聞いたUは舌を鳴らすと………
「クソったれた真似だ」
呆れた様子を見せながら近くに置いてあった資料へ目を通す。そこには怪物の犠牲者がリストとして残されており、Uは思わず憤慨しかける様子を見せた。
「………まあでも、俺達にはまだ選択肢がある。このまま警察官の職を捨てて逃げるって回答がな」
警察官の1人は、自身の職さえ捨ててしまえば生きる事は出来ると返した。だがこれまで数多の戦いに身を投じてきたUにとってそんな選択肢は無く………
「なら勝手に逃げろ。この状況を足掻く気も無いならな」
ドスの効いた声でそう吐き捨てる様子を見せた。しかし、警察官達にはUの考えを理解する事など出来る訳がなく、困惑の声を漏らす事しか出来なかったのだった………
ポイズの事で悩み続ける中、ポイズの世界の人間達が怪物への対処を諦めようとしている事を知り、思わず憤慨するU。だがこの事態がポイズの件と密かに関係していた事を、この時のUはまだ知る由もなかった………
To Be Continued………
次回予告
警察が逃げの姿勢に動いている事態を呆れる様子で見ていたU。だがそんな中、突如としてU達のいる交番を怪物が襲撃する。警察官は応援を呼びかけるが、上層部はそれを切り捨てる冷酷な判断を下すのだった………
次回「責任逃れの足切り」