人形異世界救出記〜失われしメイデンの救済〜 作:Uさんの部屋
2人のメイデンに逃げられた事で完全に気が狂ったメルヘン総帥は機械の生命が入ったモニターを粉砕する。Uはそれに戦慄する事しか出来なかったのだった………
Uが視界を取り戻したのは少し経った後だった。Uが目の前へ視線を向けると、大きな爆発音を立てて崩れ落ち始めるメルヘン総帥の城の光景が映った。
「これは………」
Uは目の前に崩れ落ちた光景に驚いていた。そして目の前のモニターは既に液晶が割れ果てていたが………その直後、モニターから砂嵐が起きると、その中から1人の少女の顔が現れた。
「………お父様………お父様………お父様はもう………私を必要としていない………いや、最初から道具だったのですね………」
その少女は恨み言のようにそう呟く。そしてUはその少女の顔に覚えがあった。
「っ………! (この子………まさか………ディスト!?)」
彼は目の前の少女が、これまで散々対峙してきたディスト=メイデンである事を突き付けられる。
「誰も私を必要としないなら………私の事を必要とする世界を作ればいいのですわ………そう、そうですわ………お父様は私のせいだと仰っていましたが………ならば証明して差し上げましょう………他のお姉様を使って………!!」
ディストがそういうと共にモニターは再び壊れディストの姿は消えた。そして上から降ってきた瓦礫によってモニターは木っ端微塵に粉砕。その直後に照明も破壊された事で周囲は黒く染まった………
そして、Uが次に視界の景色を認識し始めた時、そこは真っ暗闇な空間が広がっていた。
「ここは………どこだ………?」
Uは周囲に目を向ける。するととある方角にはドス黒い闇のエネルギーが見られ………
「なんだこれは………いや、それは違うな」
Uはそれが何か一瞬困惑したが、答えにすぐ気付いた。何故なら………
「………だって、それが君の本質なんだろ………ディスト」
それこそがディストの本質である。Uがその結論に辿り着いた為であった。
「………私は………私は………!!」
少ししてそのエネルギーはディストの身体を構築してみせた。
「………悲しかったんだな、何者にも認められない自分が………生み出した張本人に否定された事が………」
Uはこれまでの光景を前に、全てを察していた。彼がこれまで見ていた光景は、ある種ディストが見ていた光景だった。だからこそ、あの機械の生命こそ、ただ純粋にメルヘン総帥の為にいようとしたディストそのものである………Uはその結論を理解していた。
「私を………私を分かった気にならないで………!!」
だが今のディストには何も届きはしないのだった………
これまでの光景はディストの歩んで来たものであり、悲しいものであった。そして、それを目の当たりにしたUは、ディストのそんな弱さを理解する様子を見せたのだった………
To Be Continued………
次回予告
ディストは恨むようにUを攻撃し始める。メイデン達がいない事でメルヘンソードマンになれないUであったが、彼はそんなディストと戦う意思をまるで見せないのだった………
次回「恨みに寄り添う心」