ポケットモンスター フロンティアブレーンサトシの新たな冒険 作:有頂天皇帝
前回ハーメルンの活動報告で特殊なポケモン募集したところ2人も送って貰えました。今後も思いついたら送ってもらえると作者は嬉しいです。
ちなみに作者は今Switch版リーフグリーンでヒトカゲの色違い粘ってオーキド研究所でヒトカゲを貰ってはリセットを繰り返してます。確率低いのはわかっているけど早く出てくれないかな・・・正直指が疲れる・・・。
サファリゾーンを楽しんだ翌日、ジム戦に挑戦するためヒウンジムへとやってきたサトシ。同行者はメイ、キョウヘイ、トウヤ、ヒュウの4人でトウコはジム戦に備えて昨日ゲットしたサファリゾーンのポケモンも含めて特訓に行っているため不在である。
「いよいよですねサトシさん」
「あぁ。いつも通りみんなと一緒に頑張るさ」
先に挑戦してジムバッジをゲットしたトウヤとヒュウからここのジムが虫タイプのジムで4対4のバトルであることを教えてもらった。
また、昨夜アーティ側からリクエストとしてメガシンカできるポケモンを一体パーティに入れて欲しいというリクエストもあり、今回ジム戦に挑戦するメンバーはペンドラー、デンチュラ、クルマユ、ヘラクロスの4体となった。
残りの手持ちはピカチュウとズルッグでイッシュで捕まえたほかのポケモンたちは全員バトルアイランドにてサトシの歴代ポケモンたちと特訓している。そのお陰でミジュマルたちイッシュのポケモンたちの実力は格段に成長していった。
「よし!行こうぜ!」
そして準備を終えたサトシたちはジムへと入って行くのだった。
ジム戦に向けてポケモンセンター付近にある海岸線でポケモンたちと特訓をしているトウコ。昨日ゲットしたタツベイとアブソルの技を確認するためにリザードとハーデリアとバトルしてもらってた。
「うん。2匹とも中々強いね」
タツベイはドラゴンクローにアイアンヘッドなどアブソルもまたサイコカッターや辻斬りなどどちらも多彩な技を豊富に覚えていた。
実力も申し分なくこれならば今後のジム戦でも活躍してくれるだろうとトウコは嬉しそうに笑う。
「・・・それで?さっきからこっちを睨んでるけど何か用でもあるの、シューティー」
トウコは物陰からこちらを殺気のこもった目で睨んでくる人物に声をかけた。その人物──シューティーは憎しみで濁りきっている目でトウコを睨む。
「この間のリベンジでもしにきたの?懲りないやつね・・・」
「田舎者の穢れた血と、その血を引く不純物を潰す。まずはお前から血祭りにしてやる!」
シューティーはドテッコツを繰り出した。完全にトウヤを殺すという目をしている。
トウコはそんなシューティーを可哀想なものを見るような目で見てからリザードを出そうとしたところでアブソルが自分から前に出た。
「バトルしたいの?」
「ソル・・・!!」
「いいわ!ならいくわよアブソル!!」
アブソルのやる気を買ったトウコはリザードを出さずアブソルでバトルすることにした。
アブソルということで先日Nのアブソル一体に為す術なく手持ちを全滅させられたことを思い出し歯ぎしりする。
「忌々しい田舎のポケモンが・・・!!ドッコラー!爆裂パンチ!!」
「アブソル、サイコカッター!!」
Nにやられた怨みを晴らすかのようにドッコラーに爆裂パンチを指示するが、ドッコラーの拳が当たるよりも先にアブソルのサイコカッターがドッコラーを弾き飛ばす。
「ちぃっ!岩砕き!!」
「不意打ち!!」
相変わらずのゴリ押し戦法をするシューティー。だが、サトシから機転を学び取ったトウコからしてみれば、目が曇っているも同然だ。
アブソルはドッコラーが攻撃を繰り出すよりも先に背中に周り強烈な一撃をくらわせる。
「連続で爆裂パンチ!!」
「力押しね。相変わらず学習能力低いわね。アブソル、悪の波動で牽制」
「黙れ!」
シューティーは呆れたトウコの言葉を遮るが、その間にも連続で繰り出される爆裂パンチを余裕で回避しながら放ったアブソルの攻撃で怯んだドテッコツ。トウコはそれを見逃さなかった。
「燕返し!!」
弱点である飛行タイプの技をもろにくらったドッコラーは倒れる。またアブソルにやられた悔しさと怒りで顔を歪ませるシューティーは次のポケモンを出す。
「戻れ!いけ、ハトーボー!!」
「ならこっちも!いって、ハトーボー!!」
シューティーが次に出したのはハトーボーで、それに合わせてトウコもハトーボーを出す。同種のポケモンのバトルということもあり、純粋にトレーナーの実力がわかるというものだ。
「ハトーボー!ゴッドバード!!」
「ハトーボー!睨みつけながらフェザーダンス!!」
シューティーが強力な攻撃を指示するのに対してトウコはシューティーのハトーボーのステータスを下げにいく。
【睨みつける】と【フェザーダンス】の効果によってシューティーのハトーボーの防御が一段階、攻撃が二段階下がった。
それによりシューティーのハトーボーのゴッドバードをくらってもトウコのハトーボーはダメージを最小限に抑えた。
「電光石火で加速しながら燕返し!!」
トウコのハトーボーは電光石火による急加速の勢いを乗せた上に運良く急所に攻撃を当て、シューティーのハトーボーは一撃で戦闘不能になってしまった。
「運の良い奴め・・・!!」
「それだけで済ませてるから私に勝てないのよ」
ハトーボーの特性【強運】によって急所に当てやすくしたのと睨みつけるで防御を下げたことも理解せず運だけで片付けているシューティーに呆れながらトウコは次のポケモンとしてタツベイを出すとシューティーは今度こそ完封してやるとドラゴンタイプの弱点の氷タイプのバニプッチを繰り出す。
「今度こそ捻り潰してやる・・・!!」
「来なさいよ。サトシとの旅を経験して成長した今の私たちの実力見せつけてあげるわ!!」
「宜しくお願いします。アーティさん」
「こちらこそ。このジムのルールは4対4でチャレンジャーのみ交代が認められるよ」
「分かりました」
トウコがシューティーとバトルしているのと同じ頃、サトシもまたアーティとジム戦をするためにバトルフィールドに立っていた。
「これが僕の1体目!いっておいでイワパレス!!」
「ペンドラー、キミに決めた!!」
アーティはイワパレス、サトシはペンドラーを最初のポケモンとして繰り出した。
「岩雪崩!!」
「ミサイル針で破壊しろ!!」
迫るイワパレスの岩雪崩をペンドラーのミサイル針が全て砕く。
ヤグルマの森で主の一体として君臨していたオヤブン個体であったことからペンドラーの元々のレベルは高く、さらにスピアーやドラピオンを始めとしたサトシのポケモンたちと短い時間ではあるが特訓したことによって成長したペンドラーの実力は高い。
それを即座に読んだアーティはより果敢に攻めるべくイワパレスに次の指示を出す。
「イワパレス!ステルスロック!!」
攻撃準備とこれからサトシがポケモンを交換する度にダメージを与えるという圧をかけるためにステルスロックが周囲に放たれた。
今回のサトシの手持ちは全員虫タイプであるため厄介な技だった。
「シザークロス!!」
「メガホーンで受け止めろ!!」
イワパレスのシザークロスとペンドラーのメガホーンが衝突。互いに押し切ろうと力を込めるが押し切れず2匹は弾き飛ばされる。その後も何度もシザークロスとメガホーンがぶつかり合いイワパレスとペンドラーは互いに少なくないダメージを蓄積させていく。
「このままだと埒が明かないね!ならここは一気に攻めるとしよう!イワパレス、殻を破る!!そしてシザークロス!!」
攻撃をこのまま繰り返しても共倒れする可能性を考えたアーティは攻撃の姿勢をより強め防御・特防が下がるものの攻撃・特攻・素早さを二段階上げる【殻を破る】を使う。
それによって素早くなったイワパレスはペンドラーのメガホーンをかわし、そのままペンドラーの胴体にシザークロスを当てて勢いよく吹き飛ばす。
「負けるなペンドラー!ヘドロ爆弾!!」
だが威力が上がっているとはいえ同タイプの虫タイプの技であるシザークロスに負ける訳もなくペンドラーはすぐに体勢を立て直し攻撃を繰り出す。
攻撃直後だったためにモロに食らってしまったイワパレスは特防が下がっていることもありかなりのダメージを受けてしまった上に毒状態になった。
「よしいいぞペンドラー!続いてベノムショック!!」
「守る!!」
毒状態になったことで与えるダメージの量が上がったベノムショックを放つペンドラーだが、攻撃が当たる直前にイワパレスが守るを発動させたことにより防がれた。
そして爆発の衝撃を利用して距離をとったイワパレス。
「やるねサトシくん!!だけどまだまだ行くよ!イワパレス、岩石砲!!」
「かわせ!!」
毒状態になってもまだ体力は残っているイワパレスは岩タイプの中でも強力な技である岩石砲を指示する。
巨大な岩がペンドラー目掛けて高速で放たれるが、特性【加速】によって素早さを上がっていたペンドラーのその巨体からは想像できないスピードで難なく岩石砲をかわしそのままイワパレスの背後に回る。
「トドメのアイアンテール!!」
ペンドラーのアイアンテールが当たり、防御が下がり毒状態になっているイワパレスが弱点の鋼タイプの技に耐えられるわけもなく、イワパレスは戦闘不能になった。
「イワパレス戦闘不能!ペンドラーの勝ち!」
「バニプッチ、冷凍ビーム!!」
「タツベイ、火炎放射!!」
バニプッチの冷凍ビームとタツベイの火炎放射がぶつかり合い、爆発が起こり周囲が煙に包まれる。
それを利用してトウコはタツベイに煙の中に突っ込ませてバニプッチに接近させる。
視界が悪い事でタツベイの姿が見えないバニプッチは周囲をウロウロ見渡してしまう。
「今よ!タツベイ、アイアンヘッド!!」
そして煙の中に紛れながらバニプッチの真下まで移動したタツベイは勢いよくジャンプしてそのまま勢いよくアイアンヘッドをバニプッチに叩き込み、バニプッチを地面に叩き落としながらその衝撃で地面を砕く。
バニプッチは耐えきれずタツベイの一撃で戦闘不能になってしまった。
これで3匹戦闘不能になったシューティーに対して大したダメージを受けていない3匹含めて6匹の手持ちを残しているトウコ。戦況は圧倒的にトウコが有利だが、そんなもの認めないと言わんばかりにシューティーは次のポケモンを繰り出す。
「いけ、プルリル!!水の波動!!」
「ハーデリア!かわして電光石火!!」
迫るプルリルの水の波動を回避してハーデリアはプルリルに電光石火を決める。だが、ゴーストタイプを持つプルリルにノーマルタイプの技である電光石火が当たる訳もなくハーデリアの攻撃はすり抜けた。
「バカが!!ゴーストタイプにノーマルタイプの技を出すなんて基本がなっていないな!!プルリル、鬼火!!」
「ハーデリア、かわしながら電光石火を繰り返して!!」
トウコが間抜けをやらかしたと思ったのか心底バカにしたような笑いをしながらプルリルに攻撃の指示をするシューティーに対してトウコはシューティーの言葉を無視してまた電光石火を指示する。
そして何度かハーデリアが電光石火を繰り返しているとプルリルの特性【呪われボディ】が発動してハーデリアの電光石火を封じる。
「よし!これで呪われボディを気にせずバトルができる!!」
「!?まさかさっきから電光石火を繰り返していたのは・・・!!」
「そうよ!プルリルに効果が無い技を繰り出すことで呪われボディによる被害を最小限に抑えたのよ!!ハーデリア、噛み砕くからの雷の牙!!」
トウコの言葉でさっきまでの無駄だと思っていた電光石火の繰り返しの理由を理解したシューティーは顔を顰めるが、その間にトウコはハーデリアに指示を出して水・ゴーストタイプのプルリルの弱点タイプの技を連続で繰り出してプルリルを戦闘不能にする。
「~~~っ!!ヒトモシ、いけ!!火炎放射!!」
「戻ってハーデリア!!ミロカロス、アクアテール!!」
自分がトウコの掌の上で踊らされていたことに気がついたシューティーは怒りで顔を真っ赤にしながらヒトモシを出し火炎放射を繰り出す。
それに対してトウコは即座にハーデリアをボールに戻してミロカロスを出しアクアテールで迫る火炎放射を切り裂く。
「ハイドロポンプ!!」
追撃と言わんばかりにハイドロポンプを指示しヒトモシを吹き飛ばす。弱点の高威力技をまともにくらったヒトモシが耐えられる訳もなく一撃で戦闘不能になった。
ここまでのバトルでトウコのポケモンたちは大したダメージを受けずにシューティーのポケモン5体を戦闘不能にしてきた。それはトウコのポケモンたちの方がレベルが高いという訳ではなく寧ろレベルだけを見ればそこまで互いに差はない。寧ろ差があるのはトレーナーとしての力量だろう。
トウコはサトシというポケモンとトレーナーとして最高峰の存在のバトルとトレーナーとしての理想のあり方を間近で見ているため旅を初めてまだ短いが普通の初心者トレーナーとは比べ物にならない経験を詰んだことで少しづつであるが自分のバトルスタイルを模索し始めており、そのためにサトシだけでなく道中出会うトレーナーや野生のポケモンなどとも積極的にバトルを行い経験を積んでいる。
それに対してシューティーはスクールで教わったことこそが正しいと信じきっており、基本ばかり重視して基本を元にした応用など全く考えないどころかくだらないと切り捨てている。そして自分の考えが正しいと思い切っているからこそ他人のバトルを見もしなければ相手とのバトルでも自分のポケモンたちの調整程度としか考えない失礼な態度を普通にとる。故にシューティーのバトルは読みやすく実力のあるトレーナーなら簡単に倒しやすい相手でしか無かった。
そのことに2人とも気づいていないが、シューティーは自分が田舎者の血を持つトウコなんかに劣るわけがないと現実を見ようともせずやや乱暴に最後のポケモンであるジャノビーを繰り出す。
「認めない・・・っ!!認めてなるものかっ!!お前なんかが僕よりも優れているわけがないっ!!」
「くだらない・・・。他人の否定しかできない基本厨が随分偉そうに言ってくれるわね。そういうセリフは一体でも倒してから言いなさいよ。いって、リザード!!」
最初のパートナーポケモンであるジャノビーとリザードの対決となった。相性でもトレーナーの精神面でもトウコの方が圧倒的に有利であるが、それでもトウコは油断せずシューティーとジャノビーを睨む。
バトルの決着はもう間もなく着こうとしていた。その結果がジャノビーとシューティーの運命を決定づけるものになることをこの時は誰も知るよしがなかった・・・。
「お疲れ様イワパレス(流石は世界チャンピオン。今までバトルしてきたどの相手と比べても強い)」
アーティはイワパレスを労いながらもその視線はバトルに勝ったペンドラーを労うサトシを鋭く睨む。
まだ勝負は始まったばかりだと言うのに心臓が激しく高鳴り手に汗握るほど久しぶりにバトルに燃えている自分に驚きながらこの後も続くバトルに興奮を隠せず2体目のポケモンが入っているボールを取り出す。
「僕の2体目はこの子だよ!シュバルゴ!!」
アーティが2体目に繰り出したのは虫・鋼タイプのポケモンであるシュバルゴ。鋼タイプということで自慢の毒技が効かない相手ということもありサトシはペンドラーを戻し2体目のポケモンを出す。
「お疲れ様ペンドラー、戻ってくれ。デンチュラ、キミに決めた!!」
サトシが二体目に出したのはデンチュラ。相性だけを見れば互いに有利不利がないように見えるがその分どのようなバトルになるか分からないため楽しみである。
「シュバルゴ、メガホーン!!」
「デンチュラ、エレキネット!!」
シュバルゴが両手の槍を構えながら突進してくるのをデンチュラはエレキネットをぶつけて止めようとするが、シュバルゴのメガホーンはエレキネットを容易く突き破りデンチュラにメガホーンを当てる。
エレキネットのおかげで多少勢いは削げたが虫タイプの中で高威力のメガホーンの直撃をくらったデンチュラは痛みで顔を顰める。
「負けるな!そのままシュバルゴにくっつきながら放電!!」
「振りほどくんだ!!」
しかしサトシの指示を聞くなりデンチュラはシュバルゴの体に脚を絡ませ密着しながらゼロ距離放電を行う。等倍ではあるものの流石にゼロ距離での攻撃は溜まったものではなくシュバルゴはデンチュラを振りほどこうと暴れる。
しばらくの間放電をくらい続けていたシュバルゴだが、メガホーンのダメージが残っていることでデンチュラの脚の力が少し緩んだ隙を見逃さずシュバルゴはデンチュラを振りほどき距離をとる。その際デンチュラは再びエレキネットをシュバルゴに当てさらに素早さを下げる。
「シュバルゴ!ここは果敢に攻めよう!!アイアンヘッドと乱れ突き!!」
「デンチュラ!高速移動しながらかわせ!!」
運良く麻痺にはならなかったがデンチュラに好き勝手させないよう距離を詰めながら攻撃するためにアイアンヘッドと乱れ突きを同時に行うようシュバルゴに指示をするアーティ。
それに対してサトシは高速移動でデンチュラの素早さを上げながら迫るシュバルゴの猛攻を回避させる。
そしてそれを繰り返しているうちにシュバルゴに疲れが見え始めデンチュラの素早さも最大限にまで上がったところでサトシはトドメの技を指示する。
「デンチュラ!トドメのエレキボール!!」
「チューラッ!!」
素早さが最大限に上がっているデンチュラに対して技の連続使用で披露した上に2回のエレキネットで素早さを2段階下げられているシュバルゴはエレキボールを回避することもできずまともにくらい、そのまま戦闘不能になった。
「シュバルゴ戦闘不能!デンチュラの勝ち!!」
「すまないシュバルゴ、ゆっくり休んでくれ。さて、そろそろ勝ち星をもらおうかな?いってくれ、ハハコモリ!!」
「まだまだ負けませんよ!!このまま全勝させてもらいます!!クルマユ、キミに決めた!!」
サトシたちの策にハマってしまったアーティはシュバルゴに謝罪しながら自身のパートナーポケモンであるハハコモリを出す。それに対してサトシはハハコモリの進化前であるクルマユを繰り出した。
単純に見れば進化前であるクルマユが不利に見えるが、そう簡単に倒せるほどサトシは甘くないとアーティはこれまでのバトルで理解しているため油断せずバトルをする。
「ハハコモリ、リーフブレード!!」
「クルマユ、エナジーボール!!」
まずは小手調べとばかりにハハコモリの得意技であるリーフブレードを指示するアーティに対してサトシはエナジーボールで反撃を指示する。
しかし、エナジーボールはハハコモリに当たる前にリーフブレードによって真っ二つに切り裂かれ、そのままの勢いでクルマユを攻撃し吹き飛ばす。
「負けるなクルマユ!はっぱカッター!!」
吹き飛ばされたことで距離が取れたことを利用して上からはっぱカッターを放ち、ハハコモリにダメージを与える。同じ草タイプの技であるために大したダメージにはならないが確実にダメージは与えている。
「すぐに反撃してくるとはやるね!だけど空中じゃ逃げ場はないよ!!ハハコモリ、シザークロス!!」
「木に向かって糸を吐いてかわせ!!」
迫るハハコモリのシザークロスをかわすためにクルマユはバトルフィールドの至る所に生えている木に糸を吐きそのまま糸を引いて身体を引き寄せる。これにより素早さの低いクルマユでも三次元的な移動が可能となる。しかし、それを黙って見過ごすほどジムリーダーは甘くない。
「なるほど虫ポケモンの特徴を活かしたいい手段だね。だけどその手は僕たちも使えるよ!!ハハコモリ、クルマユの糸に向かって糸を吐く!!」
「なっ!?」
木に向かって糸を吐きながら移動しているクルマユの糸が次の木に向かって放たれ木に糸が付くよりも先にハハコモリの放った糸がクルマユの糸に当たりくっついた。
「そのままこちらに引き寄せながらシザークロス!!」
空中で踏ん張りの効かないクルマユは為す術なくハハコモリによって糸ごと引っ張られ、そのままシザークロスの一撃をまともに食らってしまった。
弱点のタイプの技であったためにかなりのダメージを負ったクルマユはボロボロになっているが、それでも勝ちを譲る気はないと言いたげにハハコモリを強く睨む。
「中々ガッツのある子だね。最近の挑戦者では見かけないいい子だよ」
「ありがとうございます。でも、バトルの勝ちは譲りませんよ!!」
「当然!ハハコモリ、連続切り!!」
「クルマユ、エナジーボールで弾け!!」
アーティがクルマユのことを褒めてから互いに気を取り直してバトルを再開。ハハコモリが連続切りを仕掛けてくるがハハコモリが距離を詰めるより先にクルマユのエナジーボールが当たり、ハハコモリの連続切りを中断させる。
「そのまま虫食い!!」
「マユッ!!」
怯んだ隙をついてハハコモリの頭に飛びついたクルマユはそのままハハコモリに齧り付く。頭を噛まれているハハコモリはたまったものではなく振りほどこうと暴れ、何とかクルマユを振りほどく。
振りほどかれたクルマユは体勢を整えながらキレイに地面に着地し強い目でハハコモリを睨む。
同じヤグルマの森でゲットされたペンドラーとデンチュラは勝った。ならば自分も負けていられない!とばかりに強い意志を持ってバトルへのやる気を滾らせるクルマユ。その強い意志に応えるかのようにクルマユの体が光り輝き始めた。
「これは・・・!!」
「まさか試合中に進化を・・・!?」
サトシとアーティはクルマユの変化をいち早く見抜き、クルマユの変化を見ているとクルマユ身体を包む光は、徐々に強さを増していく。小さな身体が大きくなり、頭部の葉が形を変え、腕と脚が伸びていった。
やがて光が弾けるように消えた時、そこに立っていたのは、緑色の身体に大きな葉の刃を持つポケモンだった。
「ハハコモリ・・・!」
サトシは驚きながらも、すぐに笑顔を浮かべた。
「やったな、クルマユ! ハハコモリに進化したんだ!!」
「ハハァッ!!」
ハハコモリは新しくなった身体を確かめるように両腕を動かし、サトシへ向けて力強く鳴いた。
「進化したばかりなのに、すごい気迫だね・・・!」
アーティも興奮した様子で笑みを浮かべる。そしてサトシのハハコモリはおもむろに両手を高くあげると両腕に光が集まり初め少しづつ光の刃を形成し始める。それがなんの技なのかすぐに理解したサトシは嬉しそうにサトシのハハコモリに声をかけた。
「ハハコモリ、お前ソーラーブレードを覚えたんだな!!」
「ハハァリッ!!」
天窓から差す太陽の光を浴びながらソーラーブレードのエネルギーを溜めているサトシのハハコモリに対してアーティもまたそれに対抗するためアーティのハハコモリに対して強力な技を放つ準備をさせる。
「ハハコモリ!!こっちも全力でいこう!!破壊光線!!」
「迎え撃てハハコモリ!ソーラーブレード!!」
アーティのハハコモリが破壊光線を放つのに合わせて完成したソーラーブレードをサトシのハハコモリが振り下ろし、ふたつの技がフィールドの中心でぶつかり合い凄まじい衝撃が発生し土煙がフィールドを埋めつくしサトシとアーティの視界が遮られてしまう。
そして土煙が晴れるとフィールドにはボロボロになりながらとなんとか立っているサトシのハハコモリと目を回して倒れているアーティのハハコモリの姿があった。
「ジムリーダーのハハコモリ、戦闘不能!!チャレンジャーのハハコモリの勝ち!!」
「やったぜハハコモリ!!」
「ハハ~リ」
これでサトシの三連勝。本来のジム戦ならばこれでサトシの勝利でジムバッジをゲットできるのだがアーティからの頼みでもう一戦行うこととなっている。
それもただのジム戦ではなくメガシンカを用いた試合である。
「さぁ最後のバトル、盛り上がっていこうか!!頼むよ、カイロス!!」
「ヘラクロス、キミに決めた!!」
互いに繰り出すは虫タイプのメガシンカを持つポケモンのカイロスとヘラクロス。どちらのポケモンにメガストーンが埋め込まれた装飾品を身にまとっている。
「ふふっ、まさか世界チャンピオンとメガシンカを使ったバトルができるなんてね! ジムリーダー冥利に尽きるよ!」
「俺も楽しみですよアーティさん!ヘラクロス、お前の力を思いっきり見せてやろうな!」
「ヘラッ!!」
サトシの言葉に応えるように、ヘラクロスは力強く拳を打ち合わせた。
その姿を見たアーティは、満足げに頷いてから懐に手を入れる。取り出したのは、筆の上部分にキーストーンが装飾されている専用の筆だった。
「それじゃあ、始めようか! 僕たちの全力をぶつけ合う、最高のバトルを!」
アーティがアクセサリーに触れると、カイロスもまた自身の額にあるメガストーンを輝かせる。
「カイロス、僕と君との芸術を見せよう!!メガシンカ!!」
アーティの手元のキーストーンが光り輝いた。
それに呼応するようにカイロスのメガストーンから眩い光が溢れ出し、カイロスの身体を包み込んでいく。
「カイロォォォスッ!!」
カイロスが雄叫びを上げると、光の中でその身体が大きく変化していった。
背中からは大きな翅が生え、身体の構造も空中戦に適したものへと変わっていく。そして何より目を引くのは、天を突くように伸びた二本の巨大な角だった。
その角は先端が鋭く尖り、獲物を捕らえたら決して逃がさないと言わんばかりの迫力を放っている。
やがて光が弾けると、そこには通常のカイロスとは比べものにならない威圧感を放つポケモンが立っていた。
「メガカイロス・・・!!」
メイが思わず声を漏らす。
「す、すごい・・・!あんなに大きな翅が生えるんですね!」
「ただ身体が大きくなっただけじゃない。空中での機動力も格段に上がっているはずだ」
ヒュウはメガカイロスの身体を観察しながら、冷静に分析する。
その隣では、キョウヘイが興奮を隠しきれない様子で拳を握りしめていた。
「サトシさん、負けないでくださいよ!」
「ああ! もちろんだ!」
サトシは仲間たちの声援に笑顔で応えながら、ヘラクロスへと視線を戻す。
「さあ、次は俺たちの番だ!ヘラクロス、いくぞ!」
「ヘラクロス!!」
ヘラクロスもまた、サトシの前に立って力強く頷いた。
サトシは左手首に装着されたメガリングへと手を添える。そこにはヘラクロスのメガストーンと共鳴するキーストーンが埋め込まれていた。
「ヘラクロス!俺たちの絆を力に変えるぞ!!ヘラクロス、メガシンカ!!」
サトシがキーストーンに触れた瞬間、メガリングが強い光を放つ。
ヘラクロスの胸元に取り付けられたメガストーンも同時に輝き、両者を結ぶように光の筋が伸びていった。
「ヘラァァァクロスッ!!」
ヘラクロスが天に向かって雄叫びを上げる。
その身体を包み込む光は徐々に強さを増し、ヘラクロスの全身を覆い隠していった。
そして――。
光の中から現れたのは、通常のヘラクロスをさらに上回る筋肉質な身体と、より巨大で力強い角を持ったポケモンだった。
頭部の角は大きく発達し、先端は相手を捕らえるための鋭い形状へと変化している。背中や腕の筋肉も一段と盛り上がり、全身から溢れ出す力が地面を震わせていた。
「ヘラァァッ!!」
メガヘラクロスは両腕を大きく広げ、力強く胸を張った。
その姿は、まさに力自慢の虫ポケモンの頂点に立つ者にふさわしい威容だった。
「へえ・・・!中々迫力のあるメガヘラクロスだね!でも、僕のメガカイロスだって負けてはいないよ!空中戦ならこちらに分があるはずだ!」
「それなら、空だろうと地上だろうと関係ない! ヘラクロスと一緒に乗り越えてみせる!」
サトシとアーティの視線が交錯する。
二匹のメガシンカポケモンもまた、互いを見据えて一歩も譲らぬ構えを取った。
「さあ、いこうか! メガカイロス!!」
「いくぞ、メガヘラクロス!!」
二人のトレーナーが同時に叫ぶ。
サトシのジム戦が終わりを迎えようとしていたのと同じ頃、シューティーに絡まれているトウコのバトルもまもなく決着が着こうとしていた。
あとがき
本当ならこの1話で決着をつけさせようと思ってたんですが、思ったよりも文字数がかかったので2話に分けることにしました。シューティーはもう改心させる気ないので次回は色々と酷い面を見せることになると思います。アーティさんのメガシンカは以前から読者の方からリクエストあったので虫タイプのメガ枠から色々と考えてメガカイロスにしました。メガグソクムシャやメガペンドラーとかも考えてたけどなんか違うかな?と思ってメガカイロスにしましたがどうでしたかね?
今後トウコ達にもキーストーンを入手させるつもりはあるのですがどんなアクセサリーがいいですかね?