ポケットモンスター フロンティアブレーンサトシの新たな冒険   作:有頂天皇帝

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まえがき
今回はポカブゲットとプラズマ団との初対面でカラクサタウンの話を終わります。


第3話 捨てられポカブとプラズマ団

ロケット団の襲撃を終え、新たな仲間、オノノクス、マメパト、ミジュマルをゲットしたサトシはトウコと共に再びサンヨウシティを目指し、その道中にカラクサタウンに到着する。道中トウコのバトルの特訓としてサトシがトレーニングの相手を務めていたことでトウコはヒトカゲ、ヨーテリー、マメパト、ヒンバスはサトシのポケモンたちに鍛えられたことで成長していたのだった。その特訓の時にサトシのミジュマルが水に潜れないことが判明した。

 

「ミジュ~~~」

 

「気にするなよ。頑張って特訓していけばいつか潜れるようになるさ!だから一緒に頑張ろうぜ!!」

 

「ミジュマ~!!」

 

サトシに水に潜れないことがバレてしまい落ち込みさらに捨てられてしまうのでないかと脅えていたが、これまで多くのクセの強いポケモンたちを育ててきたサトシにとって水に潜れない程度で諦めるようなことは無い。なので道中もミジュマルが水に潜れるようにサトシとゼニガメやシャワーズなどサトシの水ポケモンたちが訓練に付き合ってくれていたが今のところその成果は見られないでいた。

 

「サトシ!せっかくだからバトルクラブで特訓しようよ!!」

 

「バトルクラブ?」

 

カラクサタウンに到着した際にトウコがサトシにミジュマルのことも合わせてバトルクラブでの特訓を提案するが、バトルクラブという初めて耳にする施設を聞いて首を傾げる。

 

「バトルクラブっていうのはトレーナーと戦うための施設。施設内には各トレーナーの自分のプロフィール、所持するポケモン、対戦したいポケモンの要望が記されてる掲示板があるの。で、お互いの要望が合えば呼び出して、バトルしてポケモンやトレーナーの経験を鍛えられるの。他にもポケモンたちの特訓用の設備も揃ってるの」

 

「へぇ~」

 

トウコからバトルクラブについての説明を聞いたサトシはそのままトウコに案内されるままバトルクラブに入ると早速プールを借りてミジュマルの特訓をするのだが・・・

 

「う〜ん・・・中々上手くいかないな・・・」

 

「ミジュ・・・」

 

何度も試してみたものの、水に潜った瞬間目を閉じる癖は直らなかった。サトシがミジュマルと特訓をしている間に別の場所で特訓をしているサトシとトウコのマメパトはサトシのピジョットの指導によって飛行技術の向上とツバメ返しと鋼の翼を習得、ヨーテリーはケンタロスやグラエナたちの指導の元体力とパワーの向上を図りながら空元気や突進を習得、ヒンバスはサトシのミロカロスに出会い進化後の姿を知るだけでなく冷凍ビームや水の波動を習得、ヒトカゲは父親であるリザードンと出会い弾ける炎やメタルクローなどの技を習得するなど着実に力をつけていた。ミジュマル以外のポケモンたちの訓練が順調に進んでいたその時、

 

ジリリリリリリリリ!

 

「何だ!」

 

「何!」

 

「ミジュ!」

 

突然施設内のアラームが鳴ったのである。

バトルクラブの管理人であるドン・ジョージ曰く、つい最近、ポカブが捨てられたという。しかも、草タイプであるフシギダネに負け、弱いというレッテルを貼られて、杭に繋いで去って行ったのだ。バトルクラブ総出で救出しようとしたが、自力で縄を噛みきって何処かへ行き、口に絡まってまともな食事が摂れていないだろうとの事。このままでは、本当に餓死する。その事を聞いたサトシとトウコは怒りのあまり握り拳を作っていた。

 

「なんて酷いことを・・・」

 

「ポケモンを捨てるトレーナーが本当にいただなんて・・・」

 

サトシからポケモンを捨てる最低なトレーナーが存在することは知っていたが、実際に目にすると怒りしかわかず、サトシは旅をしていた頃やフロンティアブレーンとして活動している時にであった体や心に傷を負ったポケモンたちを沢山見ているがやはりなれる訳もなく怒りを隠しきれていなかった。

 

「探しに行こう!」

 

サトシはポカブのことが心配になりトウコやドン・ジョージ職員の人達と手分けしてポカブの捜索にあたった。マメパトやピジョット、リザードンたちに空から探してもらい他にもバトルアイランドから転送してきたゲンガーやヨノワール、フーディンたちの力も借りてサトシたちはカラクサタウン内を探し回っていた

そしてついに、サトシは路地裏で痩せ細っているポケモンを見つけた。それは間違いなくポカブだった。

サトシはポカブを保護しに近づいた

 

「ポカブ!大丈夫か、今縄をほどいてやるからな!」

 

「ポ・・・カ・・・」

 

サトシが見つけたときには、ポカブはもう餓死寸前であり、急いで口元を塞いでいる縄を解くと自分のバッグの中からポケモンフーズを取り出し、それをポカブにあげた。久しぶりの食事だからかポカブはサトシに渡されたポケモンフーズをもの凄い勢いで食べ進めていった。

 

「ゆっくり食べるんだぞ」

 

サトシは慌てて食べるポカブを落ち着かせるように時折水も上げながらポカブが満足するまでポケモンフーズを食べさせてあげた。そしてポケモンフーズを食べ終えた頃には、ポカブは眠ってしまった

 

「ポカ・・・・・・」

 

「よし、今からポケモンセンターに連れて行こう」

 

「ピカ」

 

サトシはポカブを急いでポケモンセンターへと連れて行き、ジョーイさんへと渡した。幸い命に別状はなく、ポカブの命をなんとか救うことに成功した。トウコやドン・ジョージたちとも合流し、ポカブを無事に保護した事を伝えると、トウコたちはホッとしていた。

 

「サトシくん、ポカブを助けてくれてありがとう!!」

 

「いえ、俺は当たり前のことをしただけですし・・・」

 

「それでもサトシのおかげでポカブは助かったんだからそのことは胸を張るべきよ!」

 

ドン・ジョージとトウコにポカブを助けてくれたことを感謝され照れるサトシだが、ポカブは今後どうすべきかドン・ジョージに相談する。トレーナーに捨てられたことで今のポカブは野生に戻っているが、この辺りにポカブの生息地などなく行く当てがあるわけがないためどうすればいいのかサトシは悩んでいた。

 

「サトシくん。私としては君にそのポカブをゲットして欲しい」

 

「俺に、ですか?」

 

「うむ。トレーナーに捨てられたことで心に深い傷を負ったポカブのことをここまで深く思ってくれる君だからこそポカブの新しいトレーナーに相応しいと私は考えている」

 

「それにポカブの方もサトシのことを気に入ってくれてるみたいだしね」

 

トウコがそう言うようにいつの間にかサトシの足元に近づいていたポカブはサトシの腰にあるモンスターボールに向かって鳴き声をあげる。それに気づいたサトシはポカブの前にしゃがみこむとからのモンスターボールを取り出し、ポカブの前に突きだす。

 

「俺の仲間になってくれるのか?」

 

「カブ!」

 

「分かった。強くなって、お前を捨てた奴を見返してやろうぜ!」

 

ポカブは自分からボールに触れるとそのままあっさりとゲット出来た。

 

「ポカブ、ゲットだぜ!」

 

「ピッピッカチュウ!」

 

 

 

 

新しい仲間であるポカブを加えた翌朝、サンヨウシティに向かって出発しようとするサトシ一行。すると、広場に人だかりが出来ていたことに気づいた。

 

「何だろ?あれ。」

 

「聞いてみるか!」

 

サトシはなんの集まりなのか近くの男性に話し掛ける。

 

「すみません。何の人だかりですか?」

 

「あぁ。いや、なんだか分からないが何かが始まるみたいなんだ。お!話をしていたら」

 

サトシと男性が話をしていると、近くにいた灰色のフードの謎の集団が見事な連携で動き、その奥からそのリーダーの様なオカルト教団の教祖の様な感じの男が現れ、話し出した。

 

「ワタクシの名はゲーチス。プラズマ団のゲーチスです。」

 

軽くお辞儀をする男ゲーチスはそのまま淡々と語り始める。

 

「今日皆さんにお話しするのは、ポケモン解放についてです」

 

すると周りはざわつき始める。

 

「え?!何?」

 

「ポケモン解放?」

 

「皆さん、我々人間はポケモンと共に暮らしてきました。お互いに求め合い、必要としあうパートナー。そう、思っておられる方が多いでしょう。ですが、本当にそうなのでしょうか?」

 

ゲーチスは周りの人々が困惑しているのも無視して話を続ける。

 

「我々人間がそう思い込んでいるだけ…・・・そんな風に考えたことはありませんか?トレーナーはポケモンに好き勝手命令している・・・仕事のパートナーとしても、こき使っている・・・そんなことはない、と誰がはっきりと言い切れるのでしょうか?」

 

ゲーチスはそう言う。周りの大人はみんな動揺している。もしかしたら自分等は本当はそう使っていると思ってしまっているから。

 

「いいですかみなさん!ポケモンは人間とは異なり未知の可能性を秘めた『生き物』なのです!我々が学ぶべき所を数多く持つ存在なのです!そんなポケモン達に対してワタクシ達人間がするべき事はなんでしょうか?」

 

「それは1つ!!ポケモンを解放する事なのです!そうして人間とポケモンは初めてお互いに手を握り合える、対等の存在になれるのです!皆さん!ポケモンと正しく付き合うためにどうするべきかよく考えてください!」

 

そう力説するゲーチス。

 

「という所でワタクシ、ゲーチスの話を終わらせていただきます。ご清聴感謝致します。それでは。」

 

そう言うとゲーチスとプラズマ団は去っていった。それから、町はざわついていた。しかし、各々の考えを決めてその場を去っていった。

 

「・・・・なんか考えられるよね〜、ポカブの件もあったし」

 

「でも、オレは気にしない。あれがあの人達の考え、理想なんだ。どうこう言えるもんじゃないよ」

 

サトシがそう言うと、ピカチュウも頷いた。これまで多くの地方を旅してきて様々な考えを持つトレーナーたちと出会ってきたサトシは自分の考えをしっかりと持ちつつ他者の在り方もただ否定するのではなくそういう在り方もあるのだと理解できるようになっていた。サトシとトウコは旅を続けようと歩き始めようとしたその時、

 

「――やぁ。君達」

 

そんなサトシとトウコの前に、1人の青年がフランクに話しかけて来た。青年は高身長だ。髪は長く、薄い緑色をしている。ハイライトの無い瞳で、頭には白黒の帽子を被っており、特徴的なアクセサリーを身に付けている。

 

「話があるんだけど、良いかな?」

 

別に急いでいるわけではないので、2人は了承した。

 

「あなたは?」

 

「ボクの名はN。通りすがりのポケモントレーナーさ」

 

「オレはサトシです。カントーのマサラタウンから来ました」

 

「私はカノコタウンのトウコです」

 

互いに自己紹介をし終えるとNは2人に話し始める。

 

「君達に1つ聞いておきたい事があるんだ」

 

「何ですか?」

 

「モンスターボールについて」

 

「?」

 

Nの質問に対してサトシとトウコは少し首を傾げながらも黙ってNの話を聞く。

 

「ボクはね、正直トモダチ。ああ、ポケモンには親しみを込めてトモダチって呼んでいるんだ。そのトモダチを無理矢理捕らえて、閉じ込め、自由を奪う。モンスターボールは、僕からすれば人間に都合の良い道具にしか見えなかったんだ」

 

「今は違うんですか?」

 

「そうだね。少し昔だけどボクはモンスターボールのおかげで助かったポケモンたちと出会い、モンスターボールはポケモンを支配するだけの道具じゃないんだと思うようになった。だけどやっぱり昔からの固定概念というものは中々消えなくてこうして色んな人の意見を聞いているのさ」

 

トウコの質問に答えながらNは自分の腰につけている件のモンスターボールのおかげで助けられたポケモンたちをボール越しに優しく撫でる。それだけでNがポケモンたちのことを思っていることがわかったサトシとトウコ。

 

「そうですね。俺も旅をしている中でモンスターボールのおかげで助かったポケモンたちを何度も見たことがあります。それと同じように身勝手なトレーナーよって好き勝手されるポケモンたちも・・・」

 

「・・・・・・」

 

「でもモンスターボールに入れられたからといって自由にならないわけじゃありませんよ。勝手に出ることや、出ないことだって出来ますし、オレのピカチュウみたいに入る事を嫌がるポケモンだっています」

 

「え!?ピカチュウボール嫌いだったの!?」

 

「そうだよ。な、ピカチュウ」

 

「チャア~~」

 

トウコはピカチュウがボール嫌いだったことを初めて知り驚いた表情を浮かべ、Nもまたそういうポケモンもいるのだとまた新しいことを知れて納得していた。

 

「ポケモンと人間、それぞれに付き合い方があるって事だ。成る程」

 

Nは、サトシとの話を通して収穫があった様で満足げな表情を浮かべていた。

 

「サトシ君、トウコちゃん。急いでいるのに申し訳ないね。でも、色々話は聞かせて貰ったよ。ありがとう」

 

「いいえ、オレの方こそ」

 

「また会おう」

 

Nは、サトシとトウコにそう別れの言葉を告げてから町の向こうへと去って行った。

 

「モンスターボールの話か。これは考えた方が良いのかもしれないわね」

 

「それで良いと思うぜ。これからポケモンとどう向き合っていくかが、トウコの課題だからさ」

 

「でもやっぱり、いつまでも一緒にいたいな」

 

トウコはヒトカゲ、ヨーテリー、マメパト、ヒンバスを見てそう言った。

 

「オレもだよ」

 

サトシとトウコはそこで話を終わらせるとポカブとNとの出会いなどがあったカラクサタウンを旅立って行った。

 

(奴はあの時の小僧か・・・)

 

サトシとトウコがサンヨウシティでのジム戦を楽しみにしている中、サトシのボールの中で静かに様子を見守っていたゼクロムはボール越しで見たNが自分をプラズマ団から逃げられるきっかけをくれた人物であることに気づいていたが、下手に刺激するのは双方にとっていいことでは無いために後でサトシに話しておこうとその場では結論づけることにした。

 

 

「────この程度でボクを捕まえられると思っていただなんて随分と思い上がっているね」

 

ゼクロムがNのことをサトシに話すタイミングを考えていた頃、カラクサタウンの町外れにある森の奥でNは自分を襲ってきたプラズマ団の団員たちを一人残らず制圧していた。少し前まではプラズマ団によって支配されていたミルホッグやコロモリ、レパルダスが戦闘不能状態で倒れていたがNがモンスターボールを全て破壊しオボンのみなどの木の実で体力を回復させてあげたら全員野生へと帰っていった。

 

「う、裏切り者が偉そうにっ・・・!!」

 

「先に裏切ったのはゲーチスたちさ。ボクはボクのやり方でポケモンたちとの未来を探すと決めたのさ」

 

気絶寸前のプラズマ団のしたっぱが捨て台詞を吐くが、そんなことを気にするNではなくNは今の新しいトモダチにして現在のNの手持ちポケモンであるフシギソウ、イーブイ、アブソル、ストリンダー(ローな姿)、デンリュウ、ゾロアークたちと共にその場を後にする。

 

「ゼクロムが選んだ英雄・・・サトシくん、キミがこのイッシュでどうするのか楽しみにしているよ」

 

Nはそう呟きながらポケモンたちと共に森の奥へと姿を消すのだった。




あとがき
今作のNさんはプラズマ団の王として活動せずにサトシのライバル枠として登場してもらいます。そのためゲームとは異なる展開でプラズマ団関連のストーリーは進めていく予定です。Nさんの現在の手持ちはファーストパートナーであるゾロアーク以外はオリジナルゲットで一部はメッセージでオススメされたポケモンになります。他にも色々とゲットさせようかなと思ってますがゲットしたポケモンたちをどこに預かってもらうかを現在考え中です。そろそろフルボッコ対象キャラを登場させようかなと思っており、色々と他の方々の意見も含めて考えた結果、フルボッコ対象はアイリス、シューティー、カベルネ、スワマ、プラズマ団にしようと思ってます。コテツもという意見がありましたが、コテツはやるとしても軽めのものにしたいと思います。

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