当初は見た目は汎用キャラだけど中身は一騎当千の英傑達の日常話だったんだけど、FFTのヒロイン達が個性豊かになり過ぎたので混ぜた結果、原作改変ものになりました。
FFTの並行世界的な感じで読んで頂けると幸いです。
ライオネル城、ドラクロワ枢機卿の治める領地に存在する建造物。
そちらで戦闘が行われていた。
「この、化け物共めぇぇぇ!」
僅か数分による戦闘で廃墟と化した場所で異形の姿を暴かれ、化け物に変貌したドラクロワ枢機卿こと不浄王キュクレインは目の前の一行に憎悪を向ける。
「ふむ。人に擬態するだけではなく王女殿下を欺くとは討伐もやむ無し」
「グハァァァ!?」
弓から矢を放つとレーザービームの如く、キュクレインの右腕を抉り取ったのは見た目は女弓使いでありながら、数多の魔獣を弓と拳で討ち取った何処かの大英雄と同じ名を持つヘラクレス。
「ふぇぇ。これ進化というより劣化だよねぇ」
「ゴフゥゥゥ!?」
キュクレインへ光の速度で接近し、杖を横薙ぎに振るうと轟音と共に吹き飛ばしたのは、ホーリーを極め過ぎて纏う事で光の速度で杖による殴打で対象を撲殺するという見た目は白魔道士ことシルフィ。
「ルカヴィの力を得てもこの程度……もう踊れそうにないか」
ライオネル城での謁見で、「こいつ、人間じゃないな」と鏡を向けた途端に奇声と共にルカヴィに変貌したドラクロワ枢機卿へメテオを放ち、ライオネル城ごと押し潰す事をやらかした見た目は黒魔道士ことラプラス。
「ハァァァァ!」
そんな彼等を率いるのは、雄叫びを上げると速度や膂力がパワーアップする心優しきスーパーベオルブ人ことラムザ・ベオルブ(原作準拠)
彼の剣による一閃によりキュクレインの頸を刎ね飛ばしたのであった。
「あれはルカヴィ。師匠の話だと神に匹敵する存在に反旗を翻して聖石に封印された異業者。つまり先の時代の敗北者だな」
キュクレイン討伐後、廃墟になったライオネル城跡地でラムザ一行やアグリアス、オヴェリア嬢に状況説明をし始めたのは黒魔道士ことラプラスであった。
「ドラクロワ枢機卿がルカヴィという悪魔だったということは今のクレバドス教会の上層部達もルカヴィの可能性があるということなのかい?」
「人に擬態出来る以上、傍目からは判別出来ないけどその可能性が高いな。王女を庇護下に預けるという話だったが、きな臭い話になってきた」
「もしラプラスが気付かなければ、オヴェリア殿下をあの化け物に預けてしまってたということか……考えるだけでもゾッとする」
ラムザやラプラスの言葉に顔を青くしながら口にするのはオヴェリア王女の近衛騎士であるアグリアス・オークス。
元々彼女の発案でドラクロワ枢機卿を頼ろうという話になってたのだが下手すればラムザ達がいなくなったタイミングでオヴェリア王女に危害が加えられてたかもしれないからだ。
「ラーグ公に預けられたら暗殺され、ゴルターナ公に預けたら戦争の神輿にされる。おまけに中立派と思われるグレバドス教会はルカヴィに成り果てた上層部が混じってるから、安易に預けられないな」
「下手すれば次会う時にルカヴィにされてるやもしれん」
「恐ろしい事を言うなヘラクレス!」
「落ち着いてアグリアスさん。ヘラ姐は最悪を想定して言ってるだけだから」
ラプラスは状況を整理する中で、ヘラクレスの言葉に憤慨するアグリアスを宥めるシルフィ。
「君の意見が聞きたいラプラス」
「オヴェリア王女の意思確認も必要だが選択肢は二つ」
ラムザの言葉にラプラスは案を提示する。
ラプラスは元々、ラムザがベオルブ家を出奔する前の士官学校時代から行動を共にする古参メンバーである。
ラムザと違い、自身は貴族家を出奔したわけではないのだが、ある程度の自由行動を許されており軍師的な立場で支えてきたのだ。
「一つはゴルターナ公に預ける。戦争の神輿にされる事にはなるだろうが、オヴェリア王女の安全は大義名分維持の為にゴルターナ公の南天騎士団達を含めて最優先で守られるだろう」
「その場合、戦争によって民が苦しむ形になるんじゃないかな?」
「そうなるが、早いか遅いかの違いでしかないだろう。ラーグ公もゴルターナ公も利権争いで戦争を起こしたいわけだから遠からず戦争は起きるし、俺達では倒す事は出来ても止められやしない」
「その方がシンプルにぶっ殺せば解決するのではないか?」
「ヘラ姐……ややこしくなるから辞めとこうねぇ」
戦争になれば両軍ぶっ殺して解決すれば良いと言うヘラクレスにシルフィが宥めてくれた。
因みに今のラムザ一行にはヘラクレスに匹敵する英雄豪傑も存在するので現実的に可能かで言えば実現可能だというのは置いておく。
「もう一つは我々と行動を共にする。現状ゴルターナ公以外でオヴェリア王女を明確に守ってくれる勢力が存在しない。仮にいたとしてもグレバドス教会から横槍が入った際に異端者認定されるリスクを抱えてまで守ろうとする貴族もほぼいないだろう」
「僕達でオヴェリア王女を守るということだね」
「けどその場合、オヴェリア王女の危険度は最初の案と比べて高い。何せラーグ公側は刺客を暗殺目的で此方に向けられるし、ゴルターナ公側や教会は誘拐目的で狙われるだろう。後は行軍しながらだと質素な食事や野宿の頻度が増えるからそれに耐えられるかという問題はある」
ラプラスとしては乗り気ではないが、引き続きオヴェリア王女をラムザ一行で守る案を出す。
しかしこの場合、王女を守りながら殆どの勢力を敵に回す事になるのでラプラスとしてはリスクが大きいと考える。
ラムザが善人寄りの気質でなければどっかの街で放逐してサヨナラバイバイするという案も出してただろうが、ラムザが認めないだろうから選択肢から外した。
「食事は質素かなぁ……ラプラスの作る料理、ベオルブ家にいた頃より美味しいんだけど……」
「普通だ普通。調味料や調理器具が優れてるから美味しく感じるのであって本職には勝てないから質素な食事なんだよ」
ラムザの言葉にお世辞は結構と手を振って流すラプラス。
ラプラスの師匠がこの時代よりも優れた食文化から取り寄せた文明機器を譲り受けてラプラスも野営で料理を作るようになっただけである。
所詮は簡単な炒め物など凝ったものは作らない程度なので、本職には及ばないと思ってるラプラスだが、現代文明レベルの料理はイヴァリースで作られる料理の文明水準を大きく超えてるのでラムザを始めとした一行に外食よりも人気なのは余談である。
「因みに王女様が俺達の庇護下に入りたくないというなら二つ目の案は無しだ。王女様が非協力的な場合、アグリアスには悪いけど争いや揉め事起こしてまで王女を留めるのは割に合わない」
「それは致し方ないだろう。状況的には貴方達以外に頼れる存在はいないが殿下の意思も尊重しなければならない」
「最終決定権はリーダーであるラムザが決めるとして王女の意思は聞くべきだと提案……」
「残ります」
ラプラスの言葉にオヴェリア王女は明確な意思と共に口にする。
「私の安全だけならゴルターナ公の元が一番安全ですが、それでは戦争で民が苦しむ事になります。私のせいで血が流れるならばそれは見過ごせません」
「殿下……」
オヴェリア王女の民を思う覚悟にアグリアスは感動していた。
だがラプラスはジト目でオヴェリア王女に質問をする。
「因みに道中で一番美味しかった料理は?」
「牛丼ですね!甘辛いタレとご飯を一緒に食べるのが本当に美味しい……ッハ!?」
「餌付けかよ!?」
ラプラスがオヴェリアの本音に突っ込んだ。
「っく……牛丼、ハンバーガー、ラーメン。あんな美味しい食事がこの世界にあるなんて……もう修道院の質素な食事には戻れないの……」
「食欲旺盛な王女様だなオイ!」
「残念ながらラプラスの料理はイヴァリースのお店では食べれないですよ王女殿下」
「そんな……どうして……」
「ラプラス貴様ぁ!やっぱり殿下がド嵌りしてるではないか!?」
ラムザの言葉にショックを受けるオヴェリア。
イヴァリースにはナイフやフォークを使った料理はあるのだが、手掴みで食べるハンバーガーや東国の箸と呼ばれる食事器具で食べる事の多い牛丼やラーメンはイヴァリースの料理店には存在しなかった。
そして餌付けされきった惨状にアグリアスがラプラスに詰め寄る。
「アグリアスだって美味いって食べてただろう」
「うぐっ…それは、そうだが……」
「舌に合わないなら、仕方ないな。アグリアスの次の食事は干し肉と硬いパンで我慢してもらうしか……」
「っく……私にも作ってくれ」
何処ぞのくっ殺のように屈したアグリアス。
幾ら殿下の為に苦難を乗り越える覚悟のアグリアスも皆が美味しい料理食べてる中でわざわざ不味い食事にするのは勘弁だった。
「因みに今日はバーベキューの予定だ」
「バーベキュー……ですか?」
「ええ王女様。肉や野菜を串で刺したものを網で焼く料理です」
「ゴクリっ…」
その言葉に今まで道中で食べた料理の美味しさからバーベキューも美味しいのだろうと期待から喉が鳴るオヴェリア王女。
「まずはライオネル城から避難しましょうか。グレバドス教会の神殿騎士団とかやって来るだろうし」
「敵対が決まってるなら殺してはいかんのか?」
「恐らく敵対するだろうけど、今は避難優先で」
ヘラクレスの言葉にラプラスは同意しつつも答えるとヘラクレスは頷き弓矢を片付ける。
「敵対する?……どういう事だいラプラス?」
「説明はするけど、避難も進めるとしようか」
ラプラスはラムザの質問に答えると亜空間から絨毯を取り出す。
広げた絨毯は空中に浮遊し、いわゆる空飛ぶ絨毯であった。
「人目が無さそうだからこれで飛んで移動する全員乗ってくれ」
「何でもありだよねラプラスって」
ラムザは慣れた様子で絨毯に乗る。
ラプラスが明らかにイヴァリースの文明水準を超えたアイテムを数多く保有してるのは見慣れていたからである。
そして空飛ぶ絨毯に驚いたのはオヴェリアとアグリアスである。
「これは……本当に大丈夫なのか?」
「速度はそこまで早く無いが、地形無視で進めるから最短距離で移動出来る。勿論追手や待ち伏せが無い時にしか使えないのが難点だがな」
「乗ってみましょう!アグリアス!」
心配するアグリアスとは裏腹に目をキラキラさせながら好奇心を顕にするオヴェリア。
全員が乗ったのを確認し、空飛ぶ絨毯による空中飛行で避難を開始した。
登場人物一部(他にも汎用キャラはいる為)
・ラプラス ♂
見た目:黒魔道士
…悪魔から魔法を教わった悪魔法を扱う黒魔道士。
ラムザとは士官学校時代からの付き合いで、ディリータがラムザと袂を分かつ事になったので軍師的な立ち位置になった。
某ドラゴン対峙に出てくるような鏡でドラクロワ枢機卿の異形の姿を暴いてメテオでライオネル城ごと押し潰す判断を即断即決で実行した英傑(因みに味方全員テレポで避難させた上で行った)
他にも師匠から譲り受けた現代文明の調理器具や調味料でハンバーガー、牛丼、ラーメン、カレーライス、鍋といった料理を道中に作るのでラムザ一行の食事を作ってたりする。
ヘラクレス ♀
見た目:弓使い
アビリティ:弓使い、拳術
…イヴァリースとは異なる大英雄の名を持つ女傑。レーザービームのような弓矢を放ち、白兵戦も拳で魔獣を撲殺出来る位に強い。
後に加入する事になるだろうシドとも渡り合える位に強いのだが、本編には彼女以外にも強いメンバー達はいる。
ラムザ一行からはヘラ姐と呼ばれている。
シルフィ ♀
見た目:白魔道士
…ホーリーを極め過ぎて、纏う事で光の速度で杖を振るって白兵戦まで出来る英傑。
言動はぽわぽわした口調なお人好し。
ラムザ一行ではラプラスと同じく士官学校時代からラムザ一行に加わってる初期メンバーである。
ラムザ ♂
見た目:固有ユニット
…FFTにおける我等が主人公。戦闘開始と共に叫ぶと速度と膂力が上がる心優しきスーパーベオルブ人(原作準拠はガチである)
ゲーム本編で一番便利だと思われる。
オヴェリア ♀
見た目:固有ユニット
…FFTにおける英雄王ディリータと結婚するも非業な結末を迎える悲劇な王女様。
本編ではラプラスの現代文明レベルの料理に餌付けされて、修道院にもゴルターナ公の元にも行くつもりはない。
因みに後に自分が王女の影武者なのだと知るのだが、ラムザ一行では王女の地位とか関係なく野営や炊事準備をメンバー達と共に手伝わされるし、今は美味い食事食えるから良いやとそこまで思い詰めないのは余談である。
アグリアス ♀
見た目:固有ユニット
…オヴェリア王女の近衛騎士。本編だとChapter2以降は王女と離れてラムザ一行に加わる聖剣技を扱える人。
本編だとドラクロワ枢機卿の謁見段階で即ルカヴィと発覚するので、王女の護衛を継続しながらの形でメンバーに加わる事になる。
道中でラプラスの振る舞うファーストフードに味を占めて、干し肉と硬いパンの提案にくっ殺を披露した。
本編に登場しなかった不遇の人達
ガフガリオン
…Chapter2のドラクロワ枢機卿前に戦うラムザの恩人。
本編ではラプラスやシルフィが士官学校時代からの古参メンバーでラムザを支えてきたので、恩人というより仕事仲間的な側面が強かった。
ライオネル城城門前での戦闘では、開幕でヘラクレスの弓矢の一撃で城門の扉を吹き飛ばされ、ラプラスが放ったファイガの連射による絨毯爆撃で伏兵諸共消し飛ばされて死亡。
「さよならガフガリオン」はゲームとかでどうぞ。
ディリータ
…ラムザと袂を分かつ事になった元親友。
オーボンヌ修道院でオヴェリアを拉致しようとしたのだが、護衛に着いてたヘラクレスが、ディリータの視界に入る前の超遠距離から狙撃されてチョコボから撃ち落とされる。
即死はしなかったが、流石に狙われながらオヴェリア王女に近付くのは無謀なので已む無く撤退したのでラムザはディリータが生きてるとは知らない。
というかティータがラプラスに蘇生させられたのも知らないのだが、本編はディリータ救済作品ではないので兄妹の再会とかも特にない。