時系列的にはChapter1なので一話より過去のティータ救済のお話。
この時期の見た目は汎用キャラ、中身は大英雄なメンバーはシルフィとラプラスのみです。
ティータ嬢。
ディリータの妹にして本来はジークデン砦で死ぬ筈だった悲劇のヒロインである。
「家畜は所詮家畜だってことを教えてやる!」
「アルガスゥゥゥ」
人質になっていたティータを撃ち抜いたアルガスはディリータを挑発し、妹を撃たれたディリータは激昂してアルガスへ襲いかかった。
そうしてラムザ一行とアルガス含めた北天騎士団の軍勢と戦闘が始まる中でラプラスは正面にいた敵兵をブリザガによる凍結で早々に始末した後にティータの元へ向かっていた。
「死体を野晒しにするのはよろしくないな」
ラプラスはそう言ってティータの亡骸の元にテレポでシルフィと共に転移する。
「シルフィ、ティータ嬢にリレイズをかけれるか?」
「リレイズ?レイズじゃなくて良いの?」
リレイズとは遅効性の蘇生魔法を指す。
この世界では頻繁に戦闘不能になるからか、蘇生魔法まで存在しているのである。
一定時間経過するとクリスタルか、宝箱に変化して二度と蘇生出来ない時間制限はあるが逆に言えば時間制限内ならゾンビよろしく何度でも生き返らず事が出来るのは余談である。
「ああ……ラムザ以外のベオルブ家にティータ嬢が生きてるのをバレたくない」
「口封じだね。分かったよ。リレイズ!」
シルフィはベオルブ家が口封じで殺す可能性を理解し、ティータにリレイズをかける。
その後ラプラスはティータが蘇生する瞬間を隠す為に亡骸を別の場所に転移させる。
「目的は達した。早々に敵を始末するとしよう」
ラプラスは魔法陣を作り出す。
「算術展開開始・CTを標的に」
それはイヴァリースにおける無法の力。
「5の倍数で発動」
標的と数値を指定する事で距離や範囲を無視して対象者全員に当てれるという反則レベルの力。
「味方を対象外に」
更にラプラスは算術に付け加える事で本来ならば敵味方問わず巻き込む算術による詠唱で味方への被弾だけは弾いて演算する。
「ファイガ!」
その瞬間、アルガスの周囲にいた敵兵全員にファイガによる巨大な火球が発生し、対象を焼き尽くす。
「んなっ!?」
ディリータを戦闘不能にし、ラムザと剣を交えていたアルガスは一瞬で近くにいた北天騎士団を全滅させられた惨状に驚愕する。
「隙だらけだねぇ」
「グギャァァ!?」
背後に光の速度で迫ったシルフィが、アルガスの右肩に杖を振り下ろし、速度の重さを纏った一撃はアルガスの右肩を粉砕骨折させられ激痛で剣を落としてしまう。
この世界ではケアルという回復魔法があるので、すぐ治療すれば粉砕骨折すらも治せるのだが、生憎彼の近くに味方の白魔道士はいない。
右肩の後遺症が残れば騎士生命は絶たれる事になるだろう。
「逃げられると面倒だから手足も奪うよぉ」
「ギャァァァ!」
杖の下部にあたる鋭利な尖端でアルガスの両足と左腕を突き技で刺すことで手足の自由を奪う。
ぽわぽわした言動とは裏腹に相手に反撃する機会を与えないように徹底して処理を行う冷徹さも兼ね備えていた。
「殺す……殺してやる……」
「復讐だねぇ。お好きにどうぞぉ」
満身創痍だが、何とか立ち上がったディリータが血走った眼でアルガスの元へやって来たのでシルフィはアルガスから離れて好きにさせる。
そもそもアルガスが死ぬなら自分の手で殺したいとかシルフィは思ってないので妹の敵討ちをしたいディリータに任せる事にしたのである。
それにディリータはアルガスの次はラムザを殺し、ベオルブ家やこの国を滅ぼしてやると宣言していた。
場合によっては貴族家出身の自分達にも復讐の矛先を向ける可能性があるので、アルガスを殺した後に矛先を向けるならば手を降す必要もあった。
「くそッ、何故だ。何故俺がこんなところで……貴様らのような軟弱な者共にやられる……」
「お前が言っていただろう。家畜に神はいないって」
呻くアルガスにラプラスは現れる。
「貴族ではないお前は平民を家畜呼ばわりして、敵を作りベオルブ家の家畜になっていた。だから自分より強いラムザを見誤り敵に回した時点で詰んでいた。それだけの話だ」
「くそったれ……」
その言葉を最後にアルガスはディリータによってとどめを刺された。
その後、ティータの遺体が無くなってた事にディリータが気付き騒ぐもジークデン砦が爆発に巻き込まれてディリータは行方不明になり、呆然自失となっていたラムザを連れてラプラスとシルフィはティータを転移させていた避難所まで向かったのであった。
「ということで無事に蘇生させたティータ嬢だ」
「ティータ!?本当に生きてるのかい!?良かった……本当に良かった……」
「く、苦しいです。ラムザさん……」
ティータ嬢の無事な姿を見せた事で抱き着くラムザと肩をタップして答えるティータ。
「治療はばっちりだよ。苦しそうだから離してあげてねラムザ君」
「あっ、すまないティータ」
「いいえ……大丈夫です」
シルフィの言葉にハッと冷静になりラムザは抱擁を辞める。
「今後の話をしていいかラムザ」
「あ、ああ…大丈夫だよラプラス」
避難所には現在ラムザ、ラプラス、シルフィ、ティータの四人がいた。
他にもラムザ達以外にも骸旅団討伐の為に集まった士官学校メンバー達もいたのだが、ジークデン砦の爆発でバラバラに離れたということと、ラプラス自身がティータの存命を知らせても問題ないと判断したのはラムザと親友のシルフィ位な為、他のメンバーにはこの場所は伝えてなかったのである。
「大前提だが、ティータ嬢が生きてるのはベオルブ家に伝えてはならない」
「っ…どうしてだい?」
「口封じにティータ嬢がベオルブ家に殺される危険があるからだ」
「そんな……そんな、筈は……」
否定の言葉を出そうとしたのだが、目の前でアルガスに射殺許可を出したザルバックの姿を見ているだけに否定出来なかった。
「俺かシルフィの家で使用人という名目で匿うが妥当か」
「う〜ん。でも私達って士官学校に通わせる位に継承権高くないから許可出るか分からないよ」
「そうだな……」
シルフィが言う通り、士官学校に通うメンバーは一族の当主継承権が高くない者が多い。
何せ本格的に継がせたいならば名門になると自家で専属講師を読んで学ばせるなど学校に通わせずに領地運営に関わらせる事も選択肢にあるからだ。
つまり今この場にいるラムザ、ラプラス、シルフィは継承権などほぼ無いが故に匿うというのは許可がおりない可能性が高い。
「最悪放逐も考えたが、骸旅団が生まれる位に貧困がある街に身分証明無しで放つのは助けた手前避けたいが……」
「僕が傭兵として働き稼ぐよ」
ラムザは悩んでたラプラスに宣言する。
「僕はあの時、知らなかったとはいえティータを救えず見殺しにしてしまった……もう二度とそんな真似はしたくない」
「それは行方不明になった兄さんの代わりですか……?」
「その気持ちがあるのは嘘じゃない。けど僕がティータを家族だと思ってるから今度こそ守りたいんだ」
ティータの言葉にラムザは自身の本音を語る。
ティータはもし兄の代わりに守るつもりならば、心優しい彼女は身を引くつもりではいた。
しかしラムザは本気でティータを家族と思って大事にしているからこそ守りたいのだと手を握って口にする。
「私、本当は……苦しかったんです。人質に取られた時にザルバック義兄さんに切り捨てられたのも……学校で虐められてたのもディリータ兄さんに伝えられず苦しかった」
「ああ、アルマから聞いている。今まで気付かなくて、ごめん」
「うぅ……うわぁぁぁぁん」
ティータはラムザの胸元で涙を流して泣くのであった。
その後ラムザはベオルブ家に不審感を抱くが故に出奔を決意し、傭兵業でティータ嬢を養う事に決める。
ラプラスやシルフィは元々ラムザに仕えると決めてた事もあり、ラムザ旅団を結成するのであった。
そうして一年後に時は戻り、ラムザ旅団はラプラスがヘラクレスを始めとする有能な者達を集めて組織を拡大する中でメンバーは25名近くまでに膨れ上がった。
ラムザ旅団一行で借りてる宿舎に依頼を達成して戻って来た彼等を迎え入れる。
「おかえりなさい。ラムザさん」
「ただいまティータ」
ティータには傭兵としての戦闘スキルがない故に非戦闘員として家事を始めとする手伝いを行ってもらっていた。
最初は使用人紛いの事をさせるわけにはとラムザが反対したのだが、戦闘に参加出来ない以上は出来ることは手伝ってもらうと現実的に言うラプラスとティータも養われるからには手伝える事をしたいと意欲的だったので、ラムザ一行が借りてる宿舎の掃除や料理の手伝いを行なっていた。
「今日は照り焼きチキンを作るぞ」
「はい!ラプラスさん」
キッチンでエプロンとバンダナを付けたティータはラプラスの言葉に返事をする。
「まずは下ごしらえをする。鶏肉を食べやすいようにそぎ切りで切る」
包丁で鶏肉を細長いブロック状に切りながら実演し、ティータも同様に行う。
「次にタレを染み込ませやすいようにフォークで肉を刺して穴を開け、その後ジップロックにタレと一緒に肉を入れて冷蔵庫に寝かせる」
カットした鶏もも肉にフォークで穴を開け始め、ラプラスはイヴァリースには存在しない筈のジッパーの付いたプラスチック製の袋を取り出して照り焼きのタレと一緒に鶏もも肉と一緒に入れて冷蔵庫に入れる。
ジップロックといういい、冷蔵庫といい明らかに現代文明の科学製品を扱ってるのだが、ラプラスは師匠から譲り受けてる文明機器だと言い張り使ってるので、ラムザ一行は見慣れてるのは余談である。
「寝かせるのはどれくらいですか?」
「一晩寝かせると味がしっかり染み込むから下ごしらえしたものは今日は使わないぞ」
「むうぅ…せっかく作ったのに残念です」
「そう言うと思って昨晩別の分で寝かせてたのを用意している」
そう言ってジップロックに日付が昨日にマーカーで書かれてタレを染み込ませてた鶏もも肉を取り出す。
「後はフライパンに油を軽く流して、タレを絡ませた鶏もも肉を焼く。中に残ってるタレは肉がある程度焼けてからかける。一緒に焼くと肉より先にタレが焦げ付き始めるからな」
「分かりました」
ラプラスの指示を聞いてティータはフライパンで鶏もも肉を焼き始める。
イヴァリースの食文化に現代料理に舌が慣れてるラプラスは、自炊を行うようになり、ティータはラプラスが料理を作る際に複数人作る際の手伝いを一通り行えるように訓練されていた。
出来上がった照り焼きチキンとキャベツの千切りを一緒に皿に乗せて食べるラムザ達。
「美味しいよティータ」
「ありがとうございますラムザさん!」
ラムザの感想に笑顔で答えるティータ。
「ティータちゃんも料理上手になったねぇ」
「風邪とかの体調不良で作れない事を想定して全員作れるように調理工程は経験させてるが、作る頻度は俺とティータが多くなるだろうよ」
「ラプラス君、本当に料理への拘り強いよねぇ。まあ私としては美味しい料理食べれるから嬉しいけどね」
「そう言ってくれると助かるよシルフィ。実家でも料理作ると難癖付けられるのに食べる時は虎視眈々と狙って来る事が多かったからな」
実家で貴族が料理を作るなど…と両親や兄妹から言われたのだが、その割にはラプラスが作った料理に一口もう一口とおねだりされる事が多かった苦言を口にする。
「アルマにも食べさせてあげたいんだけど……」
「里帰りするか、アルマ嬢を呼ぶかすれば良い」
「本当かい!?」
「ふふっ、アルマも食べたら美味しいって喜んでくれますよ」
ラムザの嬉しそうな表情にティータも笑顔で答える。
本当に家族想いなお兄ちゃんだなと思うラプラス。
だがラプラスは知らない。
ラムザの妹であるアルマはガチで兄の愛人を名乗る位に愛の深い存在な事を……
ティータ・ハイラル ♀
見た目:固有ユニット
…本編ではチート性能なシルフィによるリレイズによる蘇生とラプラスがいた事で蘇生した上でベオルブ家にバレないようにラムザ旅団で匿っている。
因みに本編では書いてなかったが、殺されかけたトラウマから見知らぬ成人男性への人見知りが出てしまっている。
非戦闘員なので主に宿舎での炊事や家事担当になる事が多い。
彼女はまだ知らない。
兄の愛人をガチで狙ってるアルマがその事実を知り、出奔覚悟でラムザ旅団に居座ろうとするのを……