第一基地には、20機のジムと30台の61式戦車が配備された。
「うーわ、すっげぇ大戦力だな」
カイル軍曹は、それらを見ながら自販機で買ったジュースを飲んでいた。
「さすがに過剰戦力じゃないのか?」
バトルドック隊の隊員もそう言うと。
「それが意外とそうでもないみたいだ」
ハンドラーとシープドック隊が入ってきた。全員がすぐに敬礼をして姿勢を正すとすぐさまレベッカが作戦資料を回してきた。
「今回の作戦は同時攻撃作戦だ」
「同時攻撃作戦?」
ドーベルは、首を傾げながら資料をめくった。
「今回は、シープドック隊の作戦案を取り入れそれらを改良した作戦だ。まず、我がドッグズと司令官が率いる主力部隊二手に分かれる。主力部隊は、12機のモビルスーツ隊と20台の戦車部隊を使い一気に南下、マドラス本拠地に強襲をかける。その間、我がドッグズは第二基地の攻略に入る」
「質問いいですかハンドラー?」
「なんだハウンド1?」
「なぜ、二手に分かれたのですか?正直、第二基地のことを考えたら主力部隊の力も借りたいのですが」
ドーベルがそう質問すると。
「確かに、そもそも第二基地って山一つを丸ごと基地に作り変えた古い基地だったよな?それなら、俺達が地上でドンパチやるより爆撃機で爆撃した方が早いんじゃないのか?」
クロウ少尉が言った。それに同調するようにバトルドック隊とハウンドドック隊が話し始めると。
「それができないから困ってるんですよ」
シープドック隊の隊長、アシュレイ少尉がメガネをくいっと掛け直しながら答えた。
「第二基地は、小基地として登録されておきながら実際は、難攻不落の要塞。その理由は、用意された対空兵器にあります」
アシュレイ少尉がそう言って映像を出すとそれはマゼラン級戦艦に使われていた連装砲が映し出された。
「マゼラン級戦艦の連装メガ粒子砲をそのまま第二基地に置きトーチカ兼対空防衛の兵器として採用されています。数は全部で5個。あたるかどうかはともかくとして遠距離からビームを撃たれるだけでも相当の抑止力となります」
そう言われると全員がゴクリと唾を呑んだ。戦艦級のビームが長距離からいきなり飛んでくることを想像すると確かに恐怖だった。
「おまけにこのインド地方での制空権は、ジオンのもの。はっきり言ってこの戦いで制空権を奪還するのは不可能でしょう」
「だが、攻略方法がないわけではない」
ハンドラーがそう言うとハウンドドック隊の方を向いた。
「その為にもハウンドドック隊。お前達が先行し威力偵察をしてきてほしい。いいか、今回の作戦はあくまで偵察だ。無理をするな」
「「「了解」」」
そして、ブリーフィングは続くのだった。
翌日、ハウンドドック隊は、偵察の為に先に出撃した。
「しかし、ハンドラーも太っ腹だな。俺達のモビルスーツを改修してなんて」
ハウンド2は上機嫌にそう言った。
「兵装もだよ。まさか、こんなものまで用意してくれるなんて」
ハウンド3がそう言って右手に持っているビームライフルに目を輝かせた。
「ハンドラーの口利きのおかげでやっと陸戦型ジム(こいつ)もハウンドドック隊の専用機になったんだな」
ハウンド1もそう言いながらもビームライフルを見て少しだけ目が曇っていた。
「・・・・・やっぱり怖いですか?」
「ん?」
ハウンド3がそう言ってきた。
「無理もないですよ隊長。アンタは言っちゃえば同胞を殺しまくってるんですから」
「・・・・・そうだな。だからこそ、俺はできるだけジオンの軍人を殺したくない。そりゃぁ、戦争中だから割り切ってはいるつもりだけど可能な限り、無力化して捕虜として捕まえたいんだ。そして、可能な限り俺は彼らを宇宙に帰したいんだ。故郷のサイド3に」
「・・・・酒場でアンタが連邦軍に入隊した理由は聞いたけど」
「甘ちゃんは、やっぱり嫌だよなハウンド2」
「別にいいんじゃねーの。俺達は少なくともジオンに怨みを持ってるわけでも連邦に忠誠を誓ってるわけでもない。俺達は単純に金の為に戦ってるだけだからな。ハンドラーだって、連邦軍での出世の為に俺達を利用してるんだ。それで考えたら隊長の考えは立派だと思うよ」
「ありがとうなハウンド2」
そう言って進軍を続けていると。
ドガァァァン!!
ハウンド2の陸戦型ジムが攻撃された。
「どわぁぁっ!!」
ハウンド2は、バックパックのブースターを吹かしてなんとか体勢を立て直すと。
「狙撃!?どこからだ!?」
ハウンド3は、慌てて索敵を開始すると。
「!隊長、いました!ザクが3機とマゼラアタックが1台です!」
「方向は!?」
「10時方向!」
ハウンド1は、ビームライフルを構えた。だが、ビームを撃つよりも先に120ミリ弾が飛んできた。
「全機散会しろ!集中砲火を受けるぞ!」
ハウンドドック隊は、散会してザクの攻撃を躱した。ハウンド1を狙ったザクはそのままザクマシンガンで攻撃をしてくるがショートシールドでガードしショートシールドの後ろからビームライフルを構えた。
「さてと、連邦軍が開発したモビルスーツ用ビーム砲。どれだけのものか試してやるよ!」
そう言って引き金を引いた。ビームライフルからビームが発射されザクの右腕に命中するとザクの右腕はビームで破壊されてザクマシンガンが地面に落ちた。
「!?」
ハウンド1は驚きながらももう1発ビームを発射した。今度はザクの左腕に命中し左腕を破壊した。そして残りはザクの頭。そこに3発目のビームを命中させるとザクの頭は破壊されてそのまま倒れた。
「よし!」
ハウンド1は、レーダーを確認して残り2機のザクとマゼラアタックを確認するとマゼラアタックは、背後にいた。
「バックパックを狙うつもりか!?」
マゼラアタックが砲撃すると同時にハウンド1は、ブースターを吹かして前転をするように緊急回避するとそのままビームライフルをマゼラアタックに向けてビームを発射した。ビームは、マゼラアタックのマゼラベースに命中し爆発した。しかし、マゼラトップは、マゼラベースの爆発する前に空を飛んで脱出していた。
ハウンド1は、ビームライフルをマゼラトップに向けるとマゼラトップも主砲をハウンド1に向けたままだった。
「クソ、頼むからとっとと逃げてくれよ」
ハウンド1がそう言うと二箇所で爆発が起きた。
「こちらハウンド2、ザクを撃破した」
「こちらハウンド3、こちらもザクの撃破に成功しました」
ビームサーベルを抜いているハウンド2とビームライフルを持ったハウンド3から通信が入った、そしてそれを傍受していたのかマゼラトップは、そのまま撤退した。
「ったく、遭遇戦とは運が無かった」
ハウンド1は、大きく息を吐いた。
「でも、ビームライフルの性能を確かめられたのは大きいですよ隊長!」
「それで、どうしますか?隊長が無力化したザク、パイロットはまだ生きてるんじゃないんですか?」
ハウンド2にどうするか訊かれると。
「ハウンド3、ハンドラーに連絡。捕虜を1人捕まえたって」
ハウンド1がそう言ってビームライフルをザクに向けるとザクのコックピットからジオン兵が出て来て両手を上げて降伏したのだった。