機動戦士ガンダム-ハウンドドック-   作:ナイトメア・ゼロ

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18話 黒騎士隊

 マドラス攻略軍本隊は、危機的状況に陥っていた。

 

「う、うわぁぁぁぁぁっ!!」

 

 本隊所属のジムは悲鳴を上げながら向かってくるヒートサーベルを持った黒いイフリートにビームを撃ちまくっていた。しかし、ビームは、すべて躱され懐に入るのを許してしまうとジムは、頭部バルカンで迎撃しようとしたがそれよりも先にヒートサーベルでコックピットを貫かれてしまった。

 

「連邦のモビルスーツも噂ほどじゃないな」

 

 そう言ってヒートサーベルを引き抜くとジムは爆発した。

 

「ここら辺の防衛陣も掃討完了か?」

 

 すると。

 

「た、隊長!」

 

 2機の陸戦高機動型ザクが黒いイフリートのところに来た。

 

「どうした?」

 

「も、申し訳ありません。追撃に失敗しました。リーファ副隊長の予想通り第134基地が奪われていました」

 

「ほぉ」

 

 陸戦高機動型ザクは、声を震わせながら報告を続けようとすると。

 

「!?た、隊長!?」

 

 黒いイフリートは、ヒートサーベルを陸戦高機動型ザクの首にあてた。

 

「どうせ、なぶり殺しをしていて追撃が甘かったんだろ?」

 

「そ、そんなことは」

 

 2機の陸戦高機動型ザクは、図星だった。たった1機のジムになぜあそこまで追撃していたのか。それは本当になぶり殺しをしていたからだ。ジムの武装を破壊してザクマシンガンをわざとはずして恐怖を煽っていた。だからこそ、第134基地が奪われていたのも予想外だったのだ。

 

「いいか。俺は任務を失敗してキレてるんじゃない。お前らがつまらないふざけで任務が失敗に終わったことでキレてるんだ。次、失敗したら殺すぞ?」

 

「も、申し訳ありません」

 

 震えながら謝罪をすると黒いイフリートは、ヒートサーベルを下ろしドムの方を見ると。

 

「お前の勘があたったなリーファ」

 

 さっきの冷酷な声と違い少し優しさが混じった声でドムのパイロット【リーファ・メイル】中尉に話しかけるがリーファ中尉は、無反応だった。

 

「・・・・・チッ」

 

 リーファ中尉の反応がないことにイラつき軽く舌打ちをすると。リーファ中尉は、突然、高速移動で動き出した。

 

「えっ?ちょ、副隊長!?どこ行くんですか!?」

 

「ほっとけ。俺達は後からリーファを追いかければいい。それよりも次はここの防衛陣だ。さっさと敵軍を殲滅するぞ」

 

 そう言って黒いイフリートに乗ってるエースパイロット【レックス・フォーラー】大尉は、ブースターを吹かして次の防衛陣に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「司令官!お早く!」

 

 マドラス攻略軍司令官は、泥臭く敗走を続けていた。大戦力を投入してマドラス本拠地への攻略は見事に失敗し運良く生き残った兵士や戦車、モビルスーツは、いくつかの小部隊に分け数個の防衛陣を展開、その間に司令官と戦闘不能になった兵士達は、第一基地への撤退を続けていた。

 

「兵士達はどうなっている?」

 

「はい、今度は5人力尽きました」

 

「そうか。ホバートラックがあれば少し楽だったんだがな」

 

「無いものをねだってもしかたないですよ」

 

「そうだな。後もう少し進んだら一度休憩を挟もう。休憩中も息を潜めるよう言っておけ」

 

 そう言って司令官は、進もうとすると。

 

「!!」

 

 大きな爆発音が聞こえた。

 

「もう、第二分隊がやれたのか」

 

「司令官もう、これ以上は」

 

 司令官はギリッと歯軋りをした。

 

(大尉の言うことは本当だった。まさか、エース部隊の黒騎士隊がここまで強いとは思わなかった。モビルスーツもあり数で勝っている我々がまるで家畜のように蹂躙されるとは)

 

 司令官は、まだモビルスーツの事を理解できていなかったと痛感させられたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黒騎士隊ですか?」

 

「そうだ。ジオンの第一次地球降下作戦の降下エリアとなったオデッサ及びヨーロッパ方面で暴れていたエース部隊。【黒騎士隊】」

 

「そいつらが本隊を壊滅に追い込んだというのですか?ハンドラー」

 

「少なくとも私はそう考えている。賞金首リストでも隊長である【黒騎士】は、Aランクのエースパイロットだ。その仲間もBランクにランク付けされてはいるが実力は、Aランクと考えた方がいいだろう」

 

 そう言ってハンドラーは、シープドック隊にその情報資料を手渡した。

 

「シープドック。肩に黒い騎士の兜のエンブレムが描かれた機体を見つけたら最大の覚悟と警戒を持って挑むか逃げろ。そのエンブレムが黒騎士隊の部隊証だからな」

 

「なんて、ハンドラーは言っていましたがまさか、本当に見つかるとは思いませんでしたよ」

 

 そう言ったのはシープ1だった。

 双眼鏡を覗き偵察をしていたシープ1は、左肩に黒い騎士の兜のエンブレムが描かれたドムを発見したのだ。

 

「見るからに新型機のようですね。なにか情報がありますか?」

 

 そう言ってシープ2に訊ねると。

 

「1機だけヒットしました。色が少し異なっていますがおそらくあれは、【ドム】と呼ばれる機体だと思われます」

 

と、答えた。

 

「ドムか。兵装は、見た感じだとバズーカとサーベル1本のみ」

 

「ですが、あの大きさ的に装甲も高いと思われますしホバー走行ですから機動力も現段階でのモビルスーツでは、1番速いかと」

 

「そうですね。しかし、モビルスーツにホバーですか。ジオンもなかなかセンスがいいようだ」

 

 シープ1は、クックックッと、笑っていると。

 

「隊長、砲撃ポイントに相応しい場所を発見しました」

 

 シープ3からの報告が来た。

 

「了解しました。シープ2、シープ3、配置につきなさい。あのドムのスピードなら配置について30秒後に砲撃を開始します」

 

「「了解」」

 

 そう言ってシープ2とシープ3も配置についた。

 

(これが戦争ですよ。所詮、戦争は盤上のゲーム。最適な装備に最適な配置。そうするだけでこちらは安全に敵を一掃できる。さてと、単機で動いている名も無きエースパイロットさんには、この世からご退場願いましょうか)

 

 そして30秒後。

 

「撃て!!」

 

 シープドック隊の砲撃がリーファが乗っているドムに襲いかかった。

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