ドーベルは、驚愕し動けなかった。【ベル】。少なくともこのあだ名で自分を呼ぶ人間は両親を除いて1人しかいないはずだ。
「・・・・・お前、ま、まさか」
ドーベルは、オープンチャンネルにして彼女に呼びかけた。
「そこの新型機!お前、お前もしかしてリーファなのか!?リーファ・メイルなのか!?」
ドーベルは、彼女の名前を呼んだ。
「やっと、やっと会えた!!もう、逃さない!!逃さない!!」
リーファは、そう言ってジャイアントバズーカを捨てるとヒートサーベルを両手持ちにして襲いかかった。ドーベルもビームライフルを腰に直しビームサーベルを抜き攻撃をガードした。
「ま、待て!やめろリーファ!!確かに今は敵同士だけど俺達は幼馴染じゃないか!」
ドーベルは、リーファのヒートサーベルをなんとか受け流し攻撃を止めるよう声を上げるが。
「アハっ!アハハハッ!逃さないよベル!」
リーファは、止まらなかった。リーファは、ドムのフラッシュビームをドーベルに目掛けて発射した。
「しまった!」
目潰しをくらってしまいドーベルは、一時的に見えなくなった。まずいと思いドーベルは、ショートシールドで身を守ろうとすると。
ズドォン!
砲撃音が聞こえた。
「まったく、何をしてるんですかハウンド1」
通信機から聞こえたのはシープ1の声だった。
「シープ1か!?なんで戻って来てるんだよ!?」
「この任務は元々我々シープドックに任されていたんだ!窮地に立ったら他の奴らに任せて逃げるなど筋が通らんだろ!」
ドーベルは、少しだけ視力が回復しそしてリーファの方を見た。すると。
「!?」
ジオン側の撤退信号が打ち上げられた。
それを確認したリーファは、ヒートサーベルを直しジャイアントバズーカも回収すると。
「次は見逃さないよ。あなたの両手両足を斬り落としてずっとずっとずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっと私の側に置いておくから」
そう言ってリーファは、笑いながら撤退をした。
「・・・・・リーファ」
ドーベルは、リーファの撤退をただ黙って見届けることしかできなかった。
「ご無事で何よりです。司令官」
司令官は、無事、第一基地への撤退に成功するとハンドラーは、司令官に回線を繋げた。
「世辞はいらん。・・・・・・お前の言う通りだったな大尉」
司令官は、部下に入れてもらったコーヒーをゆっくりと飲み心を落ち着かせていた。
「まさか、ジオンのエース部隊がこれほど強いとは思わなかった。数で勝っている我々がたかだか数機のモビルスーツに惨敗するとはな」
司令官室は重苦しい空気に包まれた。
「大尉の犬達に助けてもらわなかったならマドラス攻略軍も物理的な意味で全滅していたかもしれんな」
「それでも、軍事的全滅で済んでいるのが幸いでした。さすがです司令官」
「第一基地に残っているのは戦車が20台、モビルスーツが9機。内1機は、中破。これでは第一基地からの進軍は不可能だな」
司令官がそう言うと。
「大尉、私からの頼みを聞いてくれないか?」
第二基地の入り口には、ドーベルが壁にもたれオレンジジュースを飲みながらマドラス本拠地がある方向を見ていた。
(・・・・リーファ。なんでお前が軍なんかに入ってるんだ?バイオリンが好きであんなに優しかったお前がなんで戦争してるんだよ)
そう思いながらドーベルは、無意識にオレンジジュースの缶を握りへこませた。
「こんなところで何をやってるのですか?」
後ろからドーベルに声をかけたのはアシュレイ少尉だった。
「アシュレイ少尉」
アシュレイ少尉は、ドーベルの隣に来ると腕を組んで仁王立ちをしながら。
「まったく、今日は厄日でした。黒騎士隊の話は聞いていたがまさかあれほどの実力だったとは」
と、言った。
「お前が私の方に来たせいでハンドラーは、ハウンドドックの方を高く評価し始めている。本当に余計なことをしてくれましたね」
「素直に礼とか言えないんですか?」
ドーベルは、呆れたようにそう言うと。
「・・・・今回の一件、ハンドラーに報告したがお前が黒騎士隊の隊員と何か会話をしていたことに関しては報告していません」
その事を聞いてドーベルは、意外そうな顔でアシュレイ少尉の方を向いた。
「救援に来てくれた礼だ。だが、これだけは言っておく。例え、お前の昔の友人だったとしても今は戦時で敵対関係だ。死にたくなければ殺される前に殺せ。それが昔の友人であったとしてもだ。そうしなければ隊の命も危険に晒す事を覚えておけ」
アシュレイ少尉は、ドーベルの胸ぐらを掴みそう言うと離して基地内に戻った。
「言われなくても分かってますよ」
そう言ってドーベルは、缶ジュースを飲みほした。
ハンドラーは、指揮官室で席に座り手を組んで口元を隠していた。
(遂に・・・・・遂に、モビルスーツのこの部隊内でのモビルスーツの全指揮権が手に入った)
「モビルスーツの全指揮権を大尉、お前に委ねる。モビルスーツの補充や新兵装の要請は全て大尉に一任する」
「出世の道が開けた」
ハンドラーは、クックックッと声を殺して笑っていた。そして、ハンドラーは、電話を手にしジャブローに電話をした。