「それでどうなんだ?」
「答えてやるよ。ふざけるな。こっちは、大規模反抗作戦の準備を極秘で始めてるんだ。その為に用意したモビルスーツをそっちに回せだ?しかも、【ガンダムタイプ】を?この場にいたら俺は間違いなくお前を殺しているぞ?」
「全て回せとは言ってないし【ガンダムタイプ】も量産型の方でいい。ドーベル曹長のデータがあればジャブローの補給科も黙らせることができるはずだ」
「すでに話はつけている。1機だけだ。とりあえず、量産型ガンダムとお前が注文していた兵装は、用意できたしミデアに搭載してそっちに送る予定だ」
「そうか。ありがとう感謝する」
「お前の指揮下に入っている哀れな駄犬共の幸運を祈ってるよ」
第二基地にミデアがやって来るとミデアの中からモビルスーツと兵装が下ろされていた。
「おいおい嘘だろ!?」
下ろされた機体を見たクロウ少尉は、目を疑った。
「なんでこんな機体がこんなところにあるんだよ?」
カイル軍曹も目を丸くしたその機体を見上げていた。すると。
「みんな、こんなところで何してるんだ?」
ドーベルが来た。
その場にいた三人がドーベル方に振り返ると。
「た、隊長!み、みみ、見てくださいよ!!」
ジャック軍曹がドーベルの両肩を強く掴むと前後に振り始めた。
「ちょ、いきなり何すんだよ痛いって!」
ドーベルは、なんとかジャック軍曹を引き離し落ち着かせようとすると。
「お前、これ見てなんとも思わねーのかよ!?」
クロウ少尉まで興奮していた。ドーベルは、首を傾げて機体を見るとその機体は、ジムとは違うタイプの機体だった。
「何この機体?ジムのようには見えないけど」
そう言うと。
「お前、知らねーのか隊長!?こいつは【ガンダム】だよ!!噂で聞いてるだろ!?あの、赤い彗星を迎撃して地上ではガルマ・ザビを倒したって噂の!」
ジャック軍曹が興奮して更に詰め寄った。
「【ガンダム】?ってことは、これが連邦軍が一番最初に開発したモビルスーツなのか?」
「その量産型だ」
ドーベルの質問に返答したのは、ハンドラーだった。ドーベル達は、敬礼をしハンドラーとレベッカは、ドーベル達に近づくと。
「とりあえず間に合ってよかった。補給科には、大きな借りができた」
そう言って、ハンドラーはドーベル達を見ると。
「ドッグズを全員集合させろ」
と、言った。
言われた通り、ドッグズが全員、集合すると知らないメンバーがいた。
「ハンドラー、こいつらは一体?」
クロウ少尉が訊ねた。
「私はこの、マドラス攻略作戦で司令官からモビルスーツの全指揮権を託された。よって、我がドッグズに新しいモビルスーツ隊を編成した」
ハンドラーがそう言うと、新メンバー3人がドーベル達の前に整列した。
「新部隊の名前は【ガードドック】だ」
「本日付けで新設部隊【ガードドック】に配属されました!」
ガードドック隊は、そう言って敬礼をした。
(こいつらってもしかして・・・・)
「ガードドックの役割は、基地の番犬と指揮官である私の護衛だ。よって、ハウンドドック、シープドック、バトルドックは、これからは後方を気にせず任務を遂行せよ」
ハンドラーがそう言って、ドーベルに近づくと。
「ドーベル曹長、受け取れ」
そう言ってキーを投げ渡された。
「これは?」
「【陸戦型ガンダム】は、今日からお前のものだ。ハウンド1」
それを聞いてその場にいた全員が驚愕した。
「俺が!?本気で言ってるんですかハンドラー!?」
突然の事にドーベルは、一瞬、丁寧語を忘れかけた。
「私なんかよりもバトルドックの方がこの機体は向いてるはずですよ!?なんで私を!?」
「お前がドッグズで一番モビルスーツの扱いが上手いからだ」
ハンドラーは、そう言ってドーベルの戦闘記録が入ったUSBを出した。
「確かにバトルドックとハウンドドック。どちらに渡すか、悩みはしたがこの中でジオンのエースを討伐しているのはお前だけだ。ジャブローもハウンド1の戦闘記録に興味を持っている。お前にこのガンダムを渡してもいい理由になっているはずだ」
ハンドラーにそう言われてドーベルは、ガンダムを見上げると。
「・・・・ひとつ、訊いてもいいですか?」
「なんだ?」
「この機体なら・・・・・・黒騎士のエンブレムをつけたモビルスーツと出会っても問題ないのですか?」
と、訊いた。
「シープドックとマドラス攻略司令官から話は聞いている。量産型とはいえ、このガンダムなら黒騎士隊にも【黒騎士】にも勝てるはずだ」
この時、ハンドラーはドーベルが黒騎士隊との戦闘になったらドーベルが勝てるかどうかを訊いてると思っていた。
だけど、ドーベルの考えは違った。
(ガンダムなら・・・・・リーファを・・・・リーファ。何があったんだ?なんで、お前が地球に)
ドーベルは、ガンダムに近づきガンダムの装甲に触れた。
「(どちらにしても捕虜・・・・いや、保護をすれば分かることか)力を貸してもらうぞ。ガンダム」
マドラス本拠地、黒騎士隊専用MS格納庫。そこにリーファ専用ドムが格納された。
「黒騎士隊専用モビルスーツ、全機格納しました!」
「よし、すぐに整備にかかれ!少しでも遅れたら黒騎士様に殺されるぞ!」
整備兵達は、急いで黒騎士隊のモビルスーツ整備に入った。そしてリーファ専用ドムからリーファが出てくるとヘルメットを脱いだ。
「リーファ」
彼女を呼んだのは黒騎士隊の隊長でありリーファの幼馴染兼婚約者のレックス大尉だった。
「防衛作戦は、成功だ。調子に乗って油断したバカどももいたが連邦軍の本隊は、壊滅状態。これでいつでも奪われた基地を奪還することができるぞ」
レックス大尉は、そう言って彼女を抱きしめようとした。しかし、リーファは、レックスの両手を躱しそのまま通り過ぎた。
「まだ、あの裏切り者が好きなのかよ!」
レックス大尉がそう言うがリーファは、無視して部屋に戻った。
「チッ」
レックス大尉は、舌打ちをすると部下のエースパイロット4人の方を向き。
「俺は明確に指示したはずだ。敵モビルスーツを確実に潰せって。だからこそ、追撃を許した。なのになぜ、援軍を呼ばれるような事態になってるんだ?」
と、冷たい目で言った。
「も、申し訳ありません」
1人の部下が震えながら謝った。
「134基地は攻略させる手筈だっただろ。基地をわざと攻略させて俺達が追撃戦で135基地を奪還その後は、包囲殲滅の予定が狂った。お前らのせいでな」
レックス大尉は、そう言って部下達を殴った。
リーファは、首にかけているペンダントを開けると中には幼い頃のベルの写真とリーファの写真が入っていた。
「フフッ。逃さないよ。絶対に捕まえて一緒にサイド3(本国)に帰るんだから。フフッ、結婚式はどこがいいかな。新婚旅行はどこがいいかな。あなたが望むことはたくさんしてあげるよ。ベル」
リーファは、そう言うとペンダントを閉じた。